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[TGS 2018]「キルラキル ザ・ゲーム -異布-」インタビュー。開発状況や新情報の詳細,今後の意気込みを語ってもらった
現在の開発状況や調整部分,今後の展望や意気込みについて聞かせてもらったので,その模様をお届けする。
「キルラキル ザ・ゲーム -異布-」公式サイト
4Gamer:
EVO2018での出展から1か月ほど経過しましたが,現在の開発状況はいかがでしょうか。
山中丈嗣氏(以下,山中氏):
コンテンツは結構揃ってきてはいるのですが,トリガーさんからまだ最終OKが出ていない部分が多い感じです。
溝田英明氏(以下,溝田氏):
今回の試遊で遊んでいるキャラクターモデルについても,完全にOKをもらっているのは鬼龍院皐月しかいなくて,ほかのキャラクターは少しずつ修正を反映している状況になります。
4Gamer:
ステージイベントでは皐月だけで10回以上リテイクを提出していると聞きました。
山中氏:
全体の物量で言うと,6割〜7割は出来てきたかなって状況なんですが,トリガーさんの監修が終わっている部分という話だと3割程度ですかね。そういう意味では開発の進捗は間を取って,45%〜50%くらいになるのかなと思います。
ただ,対戦部分については,今の時点でかなり手ごたえはありまして,演出面の強化やブラッシュアップをしている段階になります。現時点でプレイアブルキャラクターは4人ですが,今後もっとキャラクターは増えていくので楽しみにしていてください。
4Gamer:
開発で苦労しているところはありますか。監修面ではかなり苦労していると思いますが。
溝田氏:
トリガーさんの監修はもちろん苦労しているのですが,アークにも監修を厳しくしてもらっています。デザイン部分はトリガーさんに,ゲームとしての面白さ,対戦部分についてはアークに,といった感じでどちらも監修に妥協がないので大変ですが,厳しい分いいものが出来あがるのではと感じています。
山中氏:
原作ファンのカジュアルなプレイヤーとガチな格闘ゲーマーが織り交ざるゲームになると想定しているので,対戦ゲームとしての落としどころにまだ悩んでいます。今回いただいたアンケートを見ると「少し底が浅く見える」といった意見もあって,どこに着地点を見出すかは今後の課題かなと思っています。
溝田氏:
対戦ゲームとして面白く作ることも大切ですが,それ以上にふだん対戦をしないプレイヤーにも楽しんでもらえるものを作らないといけないですよね。1人でも気持ちよく遊べて,さらに奥深い対戦も楽しめるゲームを目指しています。
4Gamer:
ちょうど1人用の話が出ましたが,今回1人用のストーリーモードが実装されるとのことですが。
「鬼龍院 皐月」が主人公のオリジナルシナリオが展開。「キルラキル ザ・ゲーム -異布-」のストーリーモードは中島かずき氏が担当
アークシステムワークスは本日,2019年に発売を予定している「キルラキル ザ・ゲーム -異布-」の最新情報を公開した。今回は,中島かずき氏が書き下ろしたストーリーモードの情報をお届けする。ストーリーモードは,原作の途中から分岐したIFの物語になり,「鬼龍院 皐月」が主人公となるという。
山中氏:
今回,中島かずきさん完全書き下ろしの脚本のストーリーモードを用意しました。主人公は鬼龍院皐月で,原作では描かれなかった神衣純潔の最終形態「純潔神髄」が登場します。トリガーさんが非常に協力的でして,間違いなくいいものが出来上がると思います。
4Gamer:
ストーリーモードは以前のインタビューでは,チュートリアルのようなものを兼ねると聞きました。そのコンセプトは変更されていないでしょうか。
山中氏:
チュートリアルについては前半に盛り込んでいます。ストーリーモードには対戦だけじゃない違ったアクションも楽しめるコンテンツを盛り込もうと思っています。情報については今後の続報を楽しみにしていてください。
4Gamer:
皐月の「純潔神髄」が登場するということですが,キャラクターのバリエーションも気になります。
山中氏:
これは楽しみにしていてくださいとだけ(笑)。
溝田氏:
本作はキャラクターが一番のコンテンツなので,その部分は慎重に進めています。
4Gamer:
ステージイベントでも語られていましたが,あらためて今回追加された2人を含めた,4キャラクターの特徴などを聞かせてください。
山中氏:
纏 流子と鬼龍院皐月がスタンダードな性能になっていまして,流子がすばやい動きを生かした手数で勝負するキャラクターですね。皐月は遠距離の飛び道具が強いので,遠くからけん制しつつ,近づいてきた相手を迎撃するキャラクターになります。どちらも使いやすいキャラですが,皐月のほうが動きは分かりやすいかなと思います。
一方,今回追加された2人は少し癖があるキャラクターになっています。蟇郡 苛は独自ゲージの「ダメージチャージ」が備わっていて,特殊アクションの「縛の装」でゲージを溜めることで攻撃が強化されます。「GUILTY GEAR Xrd」でいうところのレイヴンに近いのかなと。ゲージが溜まれば一気にダメージを与えることも可能なので,爆発力のあるキャラクターになっていると思います。
猿投山 渦は飛び道具が溜め△しかないので,どちらかと言えば接近戦を得意とするキャラクターとなります。大きいところの特徴を紹介すると,血威レベルが1になるとガードキャンセルステップが追加されるなど,血威レベルが上がることで性能が顕著に向上するようになっています。
4Gamer:
EVO2018試遊バージョンから今回で変更された部分についてはいかがでしょうか。
山中氏:
一番手を入れたのは血威表明縁絶(血威バースト)になります。テンポを改善したのと,これまでダメージ中に発動しても血威表明縁絶が発動していましたが,これを相手を吹き飛ばすだけに変更しました。
溝田氏:
血威表明縁絶は効果も大幅に向上しまして,読み合い部分がこれで分かりやすくなるかなと思っています。ただ,TGS 2018バージョンはかなり強力にしているので,もう少し抑えめの性能に落ち着くとは思います。
山中氏:
引き続き調整は続けていきます。以前より良くなったとは思いますが,まだ及第点には少し届いていないかなって感じですね。
4Gamer:
戦維喪失奥義が追加されました。あらためてどういうものか聞かせてください。
山中氏:
文字通り一撃必殺技で,当たればラウンドを取得するのではなく,試合自体の勝利となります。強力な分,発動条件は厳しくて,血威レベルを3にして,そこからスキルゲージを100まで溜めることで発動できます。原作にあった相手を全裸にして勝利するという演出がこれまでなかったので,最終奥義という形で盛り込みました。
ただこれを実装するにあたって,原作で全裸に剥かれるキャラクターがそんなにいなかったので,キャラクターの中身についてはトリガーさんと相談して進めさせてもらっています。
4Gamer:
一撃で決着と聞くと強すぎるシステムにも聞こえるのですが。
山中氏:
仕様はこのままでいくと思います。本作は格上の相手と対戦した時に10:0で負けてしまうといったゲームにしたくなくて,1引かせてあげたいと思っているんです。その1引くというのは血威表明縁絶のじゃんけんに勝ち続けて,戦維喪失奥義で勝利したとかでいいと考えていて,技量だけで勝負が決まるのはなくて,技量以外の要素で勝利する部分は用意したいと思っています。
4Gamer:
EVO2018のときの触った人からのアンケートで多かった意見は何がありましたか。
山中氏:
一番多かったのはキャラクター追加の要望です。ゲーム性で多かった指摘は血威表明縁絶の演出の長さでした。
4Gamer:
キャラクター追加要望で一番人気だったのは誰でしょうか。
山中氏:
ぶっちぎりで満艦飾マコでしたね。次が美木杉愛九郎だったかな。
溝田氏:
蛇崩乃音じゃないかな。
山中氏:
乃音だった気もします。やっぱり女の子のキャラクターが人気でしたね。
4Gamer:
そのあたりは追加の予定はいかがでしょうか。
溝田氏:
はっきりとは言えないのですが,ご期待くださいということで。
4Gamer:
今回のアンケートには目を通しましたか。
山中氏:
はい。毎日目を通しています。8割,9割はポジティブな意見でうれしく思っていますが,ネガティブな意見も少なからずあるので,真摯に受け止めて改善していきたいと思います。
溝田氏:
出展バージョンは,あくまでもおおよそのバトルチューニングで遊べるものとなっています。今回はおおよそ3分前後で試合の決着がつくように調整しただけで,今後キャラクターが増えたあとにしっかりとしたバトルチューニングを行う予定となっています。
4Gamer:
今後の露出や開発の展望などを聞かせてください。
山中氏:
キャラクター追加の発表は随時行っていきます。次に国内で試遊台を出すのは11月のARCREVO Japanになるかなと思います。北米についてはそれまでにタイミングがあれば出したいので,北米支社と相談ですね。年内はキャラクター発表を推して,年明けくらいのタイミングからはストーリーといった原作ファンに向けたコンテンツを詳しく紹介していこうかなと思っています。
4Gamer:
コンテンツという言葉が出ましたが,ゲームモードはどういったものが用意されますか。
山中氏:
チュートリアルやトレーニングモードといった格闘ゲームでは当たり前に実装されているものはもちろん盛り込みます。当然ネットワーク対戦モードもありますし,原作ファンが楽しめるストーリーモードも,「GUILTY GEAR Xrd」くらいのクオリティのものを用意……してくれますよね?
溝田氏:
最善を尽くします(笑)。
4Gamer:
GUILTY GEAR Xrdのデジタルフィギュアモードみたいなモードもあったらファンは喜びそうですよね。
山中氏:
喜びそうですよねぇ(笑)。
4Gamer:
体験版配信の予定などはありますか。
山中氏:
要望でもかなりいただいていて,EVOやTGSに来られない人もたくさんいますので,前向きに検討しています。
4Gamer:
最後に原作ファン,アークファンに一言よろしくお願いします。
溝田氏:
今回の案件はエープラスにとって難度の高い仕事となりましたが,全力を尽くして開発していまして,TGS 2018で国内のファンにも遊んでもらえるところまで持ってこれました。残りの開発も全力でまい進していきますので,よろしくお願いします。
山中氏:
原作アニメの放送終了から5年お待たせしましたということで,期待を裏切らない原作再現,原作にない掛け合いを楽しんでもらえるようクオリティアップを今後も図っていきたいと思っています。また,格闘ゲームファンに底の浅いゲームだと思われないよう,しっかりとしたゲームに仕上げていきます。ARCREVO WORLD TOURでも試遊台を出したり,ミニトーナメントなども開催していきたいと思っていますので,2019年の発売をぜひ楽しみにしていてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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(C)ARC SYSTEM WORKS / (C)TRIGGER・中島かずき/キルラキル製作委員会
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