プレイレポート
アニメ化で話題の「恋とプロデューサー 〜EVOL×LOVE〜」の魅力とは? プレイして見えた4人の“カレ”と生きる街
2019年7月3日にリリースされたスマホ向け恋愛ゲーム「恋とプロデューサー 〜EVOL×LOVE〜」(iOS / Android)は,お着替えコーデRPG「ミラクルニキ」(iOS / Android)を制作したPapergames(ニキ)の最新作。テレビ番組の制作プロデューサーであるヒロインと,彼女が出会う4人の男性との恋が綴られていきます。本作は,先駆けて配信されている中国ですでに大ヒットを飛ばし,日本でのサービス開始から間もないタイミングで,アニメ「ユーリ!!! on ICE」などを手掛けたMAPPAによるアニメ化が決定しています。そんな本作の人気の秘密をプレイレポート形式で解き明かしていきましょう。
――Story――
亡き父が遺したテレビ制作会社を継ぎ,社長兼プロデューサーとして奔走するあなた。しかし,番組の視聴率が低迷し,さらに出資者から撤退を言い渡されてしまい会社は倒産寸前に。そんなときに力を貸してくれたのは,4人の“カレ”でした。じつは彼らはEVOLと呼ばれる特殊な力を持つ能力者。彼らを知り,仲を深めていくほどに,EVOLをめぐる陰謀に巻き込まれていくことに……。
――特殊能力を持つ4人のカレ――
シモン(CV:平川大輔) |
ハク(CV:小野友樹) |
ゼン(CV:杉田智和) |
キラ(CV:柿原徹也) |
「恋とプロデューサー 〜EVOL×LOVE〜」公式サイト
「恋とプロデューサー 〜EVOL×LOVE〜」ダウンロードページ
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特殊能力,過去の出来事,そして陰謀!?
先を知りたくなる物語
本作のストーリーは章仕立てになっており,各章は主人公が幼いころの体験を思い出すシーンから始まります。いずれも不思議な現象が起きているようですが,主人公はそのときの記憶が曖昧なようです。
大人になった主人公の日常も,なかなかのピンチ。大企業ファーレイグループのせいで,父から継いだテレビ番組制作会社が倒産まで秒読みの状況に追い込まれています。そのため当面の目標は,資本出資を取りつけて会社を存続させること,そのためによい番組を作ることになります。しかし,まだまだ経験が足りない主人公。ひょんなことから出会った科学者やアイドル,刑事,そして元凶(?)のファーレイCEOから制作のヒントや出演協力を得て,一歩一歩前進していきますが,それと同時に,身の危険を感じる出来事も起こるように……。
4人のカレと心を通わせるエピソードだけでなく,こうした謎をはらんだストーリーが盛り込まれているので,どんどん先のステージに進みたくなります。なお,メインストーリーとはまた別に,デートイベントなどカレとの物語もたっぷりと用意されていますよ。そのほとんどがボイスつきで楽しめるというのもうれしいところ。
カレとの絆が道を拓く! 基本のゲームサイクル
ゲームの大きな柱は,各章のステージで番組制作しながら物語を進めていくことと,カレとの絆,平たく言えばカードを育成することの2つ。番組制作では,撮影の進行度が一定のポイントに達すれば成功となるのですが,このポイントアップに欠かせないのがカレのカードなのです。カレのカードにはレベルがあり,レベルが高いほど番組進行度に加算されるポイントが多くなります。カードは番組制作で使用したり,クリア報酬などでもらえるアイテムを与えたりすることで経験値を獲得し,レベルアップします。このように,番組制作とカード育成をくり返していくことがおもな流れになります。
カレの絆を召喚するという形でカードを使用。すると番組得点のゲージがぐんと上昇しました |
カードのメニューで経験値アイテムを使用すれば,一気にレベルアップが可能。カードの各種ステータスが強化されます |
ステージを進めたり,カードを獲得したりすると,ゲーム内のSNSにカレとのトークやタイムラインが追加されます。トークでは返答を選択肢で選べるので,実際にやり取りしているような感覚になれちゃうんです。タイムラインには,カレの日常が垣間見える投稿がアップされていきますが,自分からネタを選んで投稿することも。それにカレたちが反応してくれるのもうれしいもの。
もう1つ,カレに接近できるのが“撮影記録”というモード。カレ個別の専用ショートチャプターといった趣で,番組制作をクリアしながら進めていくと,カレとのエピソードが見られます。また,ステージクリア報酬としてカードの欠片がもらえます。こちらは一定数集めると,カードが完成するというもの。コツコツプレイして欠片を揃えれば,そのカードを確実にゲットできるわけです。さらに,カードはグレードアップすることで絵柄が変化。専用アイテムが必要になりますが,それに見合った強さと美しいイラストが待っています。
本編や各種コンテンツに限らず,カードを獲得するとその絵柄にまつわるデートエピソードが開放されます。それぞれ4パートに分かれていて,段階を追って読み進めていきますが,デートだけあって糖度は高め。カードイラストの背景をより深く堪能できるので,ますます愛着が湧くこと間違いなしです。
この街の一員として暮らす……
充実のコンテンツに触れよう
物語の舞台は“恋花市”という街ですが,ゲーム内にはこの街の息吹を感じさせるモードや,演出がたくさんあります。その1つ,“シティニュース”というミニゲームでは,調査員として街で起こる事件のスクープを狙います。こちらには本編などの番組制作で使える“エキスパート”をスカウトできたり,主人公の制作会社の各部門のパワーを伸ばすアイテムが獲得できたりするメリットも。
恋花市の雰囲気をもっとも感じられるのが,“街散策”モードです。街を行き来してカレや住民たちのお手伝いをするのですが,リアルに描かれた街並みがとってもステキ。主人公のキャラクターモデルがテクテクと歩き,お店や施設を訪れるというのも新鮮です。
ほかのプレイヤーともフレンドとしてゆるくつながれるのも本作のいいところ。“興行ランキング”モードは,ほかの社長さんたちとカードの強さを競うもので,順位に応じてさまざまな報酬がもらえます。
やればやるほどハマる! カレとこの街の魅力にどっぷり
本作をプレイしてみて一番に感じたのは,「グラフィックスがキレイ!」ということでした。とくにスチルや,レアリティの高いカードは見入ってしまうほど。また,背景にも抜かりがないんですよね。マップ画面も細かく描き込まれていて,しばらく眺めていたくなります。
本作を開発したニキの代表作「ミラクルニキ」も,イラストの綿密さには目を見張るものがありました。ですので,あのニキが作ったのならとうなずくばかり。コンテンツがてんこ盛りなのも,「ミラクルニキ」譲りですね。ゲーム序盤は体力やお金の心配がほぼいらないくらい,初心者へのフォローが厚いのも同様です。
段階を踏んでの丁寧なチュートリアルや,無理なくこなせるデイリーミッションもあるので,これだけやることがいっぱいあってもさほど戸惑いませんでした。慣れてくると,「体力回復中に,会社を強化しつつ,デートして……」とプロデューサー業をうまく回すのが楽しくなっていきました。
本作は同社初の恋愛ゲームとあって,キャラクターにも気合が入っているなとも感じました。4人のカレは,カッコイイのはもちろんなのですが,物語を進めるほどに「え? こんな一面が!?」と驚かされることがしばしば。
例えば,教授でお堅い印象のシモンですが,意外とグイグイとくるタイプで,好意もスマートかつストレートに伝えてくれます。電話で話すシーンなどはとくに艶っぽくて,「白衣を着ながら,落ち着いた口調でそんなこと言っちゃうの……」とドギマギさせられます。またシモンは,主人公自身もよく分かっていない能力について,いろいろと知っているようなそぶり。何だか彼の手の平の上でうまーく転がされているような? シモンは今後の物語のキーを握っていそうな気もします。
高校時代の先輩であるハクは,昔はヤンチャしていたらしいですが,今では頼れる警察官。何やら特殊な任務の一環として,主人公の身辺警護を担ってくれることになります。ハクは普段クールなくせしてちょっと過保護にも思えるところがあったり,ぶっきらぼうな物言いなのに手先は器用だったりするのも,キュンときてしまうポイントでした。また,彼には昔から主人公に思うところがあるような節が見られるのも,気になるところです。
CEOのゼンは,冷徹な実業家で常に上から目線。そんな彼と,ムキーッと食らいつく主人公とのやり取りが,次第に微笑ましくなっていきました。ゼンは仕事が趣味のような人かと思えば,彼の部屋には最新型のキッチンがあり,料理好きらしいことがうかがえます。経営手腕も抜群で,料理の腕前もプロ級なんて,どこまでスーパーダーリンなんでしょう。彼の金と権力にモノを言わせたオレ様なアプローチもドキッとしますが,主人公に心乱された様子がまた何とも言えません。それに加えて,カワイイもの好きであるような気配もしますが……? 彼の思わぬ側面はまだまだ出てきそうです。
人懐っこく,少年らしい茶目っ気に溢れるキラは,今をときめくアイドル。誰にでも思いやりを持って接する人で,その明るさや行動力に主人公も幾度となく助けられます。スリルをともにして,一緒に笑い合ってと,飾らない付き合いができるのもキラならでは。彼は頭の回転も速いようで,相手が気負わないようにさりげなくフォローし,ポテンシャルの高さを端々に滲ませます。しかし,キラが何となしにやってみせる親切にドキッとさせられることも多く,これを無自覚でやっているのだとしたら,天使の顔をした小悪魔と言わざるを得ません。彼の本性は,果たして……?
4人のカレたちの声はイメージどおりというか,声優さんの持ち味ともピッタリと合致するキャスティング。イベントシーンも否応なしに盛り上がります。アニメも同じキャスト陣が担当されるということで,今から楽しみですね。個人的にはエキスパートら個性豊かな面々も好きなので,登場するならどんな声がつくのか気になります。
本作をアニメの予習としてプレイするのはもちろんオススメですが,一旦始めたら,さらりと予備知識を仕入れるだけでは終わらせない吸引力があるように思います。私も初プレイ時には「もうチャプタークリアしちゃったけど,まだ体力たっぷり……」と戸惑い,「ようやく体力が減ってきたな」と思ったころには,すでに何本も番組を作ってきた歴戦のプロデューサーとなり,すっかり恋花市に馴染んでいました! ノンストップでのめり込める本作を,ぜひプレイしてみてください。
「恋とプロデューサー 〜EVOL×LOVE〜」公式サイト
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(C)Papergames