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中国で開催された「厦門国際アニメマンガフェスティバル『創造未来』ゲームコンテスト」で,「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」が最優秀賞に輝く
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印刷2018/11/21 20:32

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中国で開催された「厦門国際アニメマンガフェスティバル『創造未来』ゲームコンテスト」で,「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」が最優秀賞に輝く

 中国・福建省にある厦門(アモイ)市主催のゲームコンテスト「厦門国際アニメマンガフェスティバル『創造未来』ゲームコンテスト」が2018年11月15日に開催された。

 厦門国際アニメマンガフェスティバルは,今年で11回目を迎えるイベント。その名前の通り,アニメーションやマンガを中心にしたコンテンツの展示会や講演,交流会といった内容が中心となっており,日本からも著名な漫画家や映画関係者がゲストとして多く参加している。
 そんな,中国の新しいコンテンツ発掘に大きく貢献している厦門国際アニメマンガフェスティバルに,今年新設されたのが「『創造未来』ゲームコンテスト」だ。

会場となったのはアモイ・リアルム・ホテル
画像集 No.001のサムネイル画像 / 中国で開催された「厦門国際アニメマンガフェスティバル『創造未来』ゲームコンテスト」で,「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」が最優秀賞に輝く

 日本・中国を中心に,世界中からインディーズ開発によるゲーム募集して,優秀作品に賞金を提供するこのコンテストの目的は,知識の共有や,ゲーム開発を通じた国際交流,そして,ゲームの同質化現象が深刻になっている現状を鑑み,斬新なゲームコンテンツを開発できる人材を発掘・育成することだ。

 日本側の審査委員は,トイディア代表取締役の松田崇志氏,ムゲンコンボ代表取締役の手塚 武氏,ゲーム作家のいたのくまんぼう氏,筆者(ジェミニエンタテインメント代表取締役)の4名で,中国側と協力してのコンテスト企画運営,日本側のコンテンツの取りまとめやマーケティング活動などは,厦門を拠点にゲーム開発を行うグラティークの高橋玲央奈氏が担当した。

 中国側の審査委員は,中華人民共和国工業情報化部 情報化ソフトウェアサービス業司 や,建省経済情報化委員などの政府関係者,福建省の娯楽関係者らで構成。コンテストの賞金は厦門市人民政府から拠出され,その総額はゲーム部門,ゲーム企画部門合わせて18の賞で50万元(日本円で約800万円)となっている。受賞作品は,言うなれば中国政府が認めたコンテンツということになるだろう。

 さらにスポンサーのゲームパブリッシャからは,副賞として1000万元(日本円で約1億6000万円)相当のサポート(ローカライズ,パブリッシング,マーケティング,ローンチなど)が約束される。

 応募作品は151本で,日本と中国,香港,台湾からのスマートフォン向けアプリが大半だったが,中には南米からの応募や,VRコンテンツもあった。
 受賞したのは日本と中国からの18作品で,そのほとんどが個人か多くても4〜5人くらいのチームによる開発となっていた。

●最優秀ゲーム金賞
RPGタイム!〜ライトの伝説〜(DESKWORKS)

●最優秀ゲーム銀賞
OLIJA(Skeleton Crew Studio)

●最優秀ゲーム銅賞
文明火种(厦门黑脉游戏)

●最優秀ゲームアプリ賞
躲避狂人(林晓霖)
命运决战(厦门市畅想家网络科技有限公司)
PROJECT BANANA(Orange Cube)
Agartha(神奈川電子技術研究所)
Diorama Knight(澤 達郎,林 幹広)

●最優秀ゲームアート賞
LostSky(YASUDA GAMES)
Monkey Wall(GAME ATTACK)
Peko Peko Sushi(HANAJI GAMES)
琉生传(西安应龙网络科技有限公司)
Rime(Izumi Artisan)

●最優秀ゲームプラン賞
SumoRoll(Studio Kingmo)
青蛙冒险之旅(厦门益点网络科技有限公司)
はむころりん(illuCalab)
废城航线(企画類)(上海普推网络科技有限公司)
Sphere Knight(ムギメシロウ)

 最優秀作品に贈られる金賞に輝いたのは,「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」。東京ゲームショウのメディアアワード4Gamer部門大賞にも選ばれた本作は,学校の友達が作ったノートで展開されるRPGだ。子供の頃,ノートにダンジョンなどを描いて遊んだ経験がある人なら,その記憶が蘇るタイトルである。

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 開発を手がけているDESKWORKSの藤井トム氏よりコメントをいただいたので,以下に掲載しよう。


DESKWORKS 藤井トム氏
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 「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」の開発を始めて6年めになりますが,長い時間をかけて作り込んでよかったと日増しに感じています。スキルが低い少人数のチームでも,根気よく試行錯誤を続けて積み上げていけば,印象に残るゲームを開発できると感じました。

 国内外のゲーム展示会に出展していますが,今回金賞をいただけたことは本当に予想外でした。「ゲームクリエイターになりたい少年が手作りした大作RPG」というコンセプトが受け入れられたことに加えて,中国語(簡体字と繁体字)に細かくローカライズしたことも,受賞に至った大きな要因だと思います。
 
 これからもひとつひとつ丁寧に,どうすればプレイヤーが楽しんでくれるかを考えて,2019年のリリースに向け,最後まで作り込みたいと思います。
 最後になりましたが,厦門国際アニメマンガフェスティバル「創造未来」ゲームコンテストの関係者様と,応援してくださった皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。



審査員によるパネルディスカッションも開催
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グラティーク高橋氏による日本のゲームアプリ市場分析セッション
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 このコンテストを通して,中国が政府主導でゲーム開発への支援を推進していること,そして中国の開発力が日本に劣らないものであるということを強く感じた。中国独特の雰囲気を持ったものに加えて,世界に通用するセンスとゲームコンセプトをもった作品が多く見られたことも印象深い。

 特に政治では両国の溝を埋めることが難しい状況となっている現在の日中関係だが,このような場を通じて技術交流が深まり,共同開発の動きが生まれること,そして来年も世界から優れたコンテンツが集まることに期待したい。

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著者紹介:黒川文雄
 1960年東京都生まれ。音楽や映画・映像ビジネスのほか,セガ,コナミデジタルエンタテインメント,ブシロードといった企業でゲームビジネスに携わる。
 現在はジェミニエンタテインメント代表取締役と黒川メディアコンテンツ研究所・所長を務め,メディアアコンテンツ研究家としても活動し,エンタテインメント系勉強会の黒川塾を主宰。
 プロデュース作品に「ANA747 FOREVER」「ATARI GAME OVER」(映像)「アルテイル」(オンラインゲーム),大手パブリッシャーとの協業コンテンツ等多数。オンラインサロン黒川塾も開設



厦門国際アニメマンガフェスティバル「創造未来」ゲームコンテスト公式サイト

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