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MODやツールに対する見解も。「FFXIV 第57回プロデューサーレターLIVE」の内容をお届け
PLL冒頭で,トレイラームービーが公開。直後にパッチ実装日が2020年2月18日であることが発表となった。また,同日の15:00(日本時間)からは恒例の「パッチノート朗読会」が配信されるとのことだ。
MODやツールはなぜ禁止なのか? 「FFXIV」運営側のスタンスを改めて説明
パッチ5.2のコンテンツ紹介本編に入る前に,吉田氏から,ふだんはなかなか触れにくい話題である「MOD」と「ツール」に関する運営側のスタンスが改めて表明された。
実にこの話題だけで冒頭40分を費やしており,運営側の慎重かつ丁寧な説明もあって,ひとりでも多くのプレイヤーに理解してほしいという意気込みが伝わってきた。こういった話題は言葉尻を捉えて拡散されてしまうことも多いと懸念もされていることもあって,本稿でもやや厚めに取り上げていく。
少し前からネット上でMODを使った「FFXIV」キャラの(主に卑猥な)スクリーンショットが話題となっている。「吉田氏はMOD文化に寛容だから大丈夫」という噂が飛び交ったりもしているが,吉田氏は「MODがどうのという前に公序良俗に反するのでやめてください。ダメです」と明言。もちろん当該者のアカウントに対するペナルティ措置もありえるとした。
吉田氏個人としては,MODによりゲームコミュニティが活性化していく,いわば“MOD文化”というものに一定の理解があるものの,そもそもMOD文化は良いものでも悪いものでもなく,大元は規約違反,および著作権の侵害行為であることには違いはないと説明。「開発者にダメと言われてアカウントを取り上げられても一切文句は言えない」とも付け加えた。とはいえ,今回のことはそういった話題とは関係はないと,事態の切り分けを行った。
そして,それより以前からずっと議論も行われている「ツール」に関する話題に関しても「運営としては外部ツールは禁止していますので,“これはOKですか?”と聞かれてもすべてダメですと答えるしかありません」と吉田氏。昨今,広義な意味と狭義な意味での「ツール」という言葉に幅があるということも説明したのち,「開発側としては,ユーザーのPCにどんなアプリケーションプログラムがインストールされているか調べる権利もなければそれを規制する権利もない」としたうえで,「我々運営が,外部ツールを使っている方のアカウントを,あるとき一斉にサスペンドしたとしても文句は言えないということをご理解ください。それがリスクです。だから外部ツールを使わないでください」と述べた。
吉田氏としては「通報合戦になるのがイヤなんですよ。ゲームってそういうものじゃないでしょう」と本音らしき気持ちを吐露しつつ「吉田がダメって言ってるんだから使わないほうがいいんじゃない?」という空気になることを願っているとのこと。
「FFXIV」では「ACT」と呼ばれる外部ツールが有名で,これを使うことで戦闘時の攻撃の与ダメージ値を計算するプレイヤーもいるという。この機能はキャラクター性能やプレイヤーの腕前の目安になると考える人もおり,公式に実装してほしいという要望もあるとのこと。
ただし,運営側としては一貫して「実装しない」と公言している。仮に実装してしまうと,一定の数値以下のプレイヤーはお断りというパーティ募集が増えると予測されるからだ。「そんなゲームを僕は楽しいとは思えない。“この人の火力が低くて苦労したよ”なんて発言するのは一種のハラスメントですよ」と吉田氏。
室内氏も「MODの議論と似ていて,ある数値を使って他人を攻撃したり貶めたりするのはハラスメントに当たります。そういった理由からアカウントにペナルティを課されます。問題はそういうところにもあるんです」と付け加えた。
とはいえ,一部のゲームバランスを著しく損なう外部ツール(主にACTのプラグインなど)が公開されていることも理解しており,こういったツールの使用者はペナルティの可能性が非常に高くなると考えてほしいとも語る。とくに悪質なものに関してはゲームクライアントおよびサーバープログラム側で対策も施しており,パッチ4前後あたりから順次実装されているとのこと。また,パッチ5.2でも一部のツールへの対策が実施されており,そのひとつがフィールドマーカー機能の改良という形で公開された。
パッチ5.2から,戦闘中にはフィールドマーカーを配置できなくなる。その代わり,フィールドマーカーの総数が2つ増えて8個になり,マーカー配置を保存しておける機能が追加される。パーティ内の他プレイヤーによって並べられたフィールドマーカーを保存できるなど,フィールドマーカーに対する利便性自体は大幅に向上するだろう。
フィールドマーカーの配置はコンテンツごとに保存され,全部で5種類を使い分けられる。現在のマーカーの状態を即座に上書きセーブすることも可能だ。参考になるフィールドマーカーの配置を保存しておき,次は自分で使用することもできる
なお,PvPに関しては対象外で,これまでどおり,戦闘中にフィールドマーカーを配置したり消去したりが自由に行えるとのこと。
吉田氏は「個別のツールに対するイタチごっこというよりは,根本の対策を行っていく。そのさい,利便性を損なうようなことはせず,逆に利便性を向上できるアイディアを出しながら,ツールなどを使わなくても楽しく遊べるようなゲームを目指していく」と締めくくった。
パッチ5.2実装項目のおさらい
ここからは,パッチ5.2コンテンツについて紹介する。PLLではまず,発表済みの各項目がおさらいされた。
新たなメインクエストでは衝撃の事実が次々に明らかになるため,メインクエストを楽しみにしている人は,パッチ実装当日はほかのコンテンツの予定を入れず,シナリオを楽しんだほうがいいかもしれない,と吉田氏。また,新インスタンスダンジョン「黒風海底 アニドラス・アナムネーシス」はシナリオの都合上,メインクエスト後半に位置付けられているとのことだ。
これまでタイトルが公開されていなかった装備強化コンテンツは「セイブ・ザ・クイーン」という名称に決定。これはシリーズ展開となっており,今後もパッチで継続的にアップデートされていく予定だ。また,「セイブ・ザ・クイーン」の開始はパッチ5.25のタイミングになる。この「セイブ・ザ・クイーン」に関しては,PLLの後半でも紹介された。
Secretとなっている討伐・討滅戦に関しては「セイブ・ザ・クイーン」の中に含まれるとのこと(よって公開もパッチ5.25となる)。ストーリー上,ソロで戦う敵のフルパーティ(8人)版という位置付けだそうで,難度としては極相当とのこと。実質的にパッチ5.2シリーズには極のコンテンツがふたつ実装されることになる。
イシュガルド復興アップデートは,パッチ5.2実装から約3週間後に予定されているパッチ5.21での実装となる。パッチ5.2での実装項目が多いこともあるが,今回からランキング要素が加わるため,プレイヤーへの配慮もあるようだ。イシュガルド復興についても後半で詳しく紹介される。
ここで高難度レシピについて口頭で補足が行われた。高難度レシピはそもそも「エキスパートレシピ」という名称になっており,これまでのレシピとは一線を画している。このエキスパートレシピでは制作過程で,1手ごとに素材の状態がさまざまに変化する。プレイヤーは,次にどんな行程を行うとどれだけ製作が進むのかが分かるシミュレータの予測をもとに,それぞれが次の1手をどうするか考えていくという,一種の詰め将棋的な内容とのこと。
しかし,内容が難しいぶん,失敗によって素材を失うだけだったということのないように,フォローも用意されるという。クラフター全体の練習用コンテンツとして,パッチ5.3で模擬製作システムの導入も予定されているのだが,今回はそれが間に合わないため,高難度レシピに関しては,300ギル程度で練習用セット(素材を必要とせず,完成してもアイテムは得られない)が売り出されるそうだ。
この高難度レシピは「イシュガルド復興」における復興ポイントが高めに設定されていて,ランキング上位を目指すならば完成させて納品を行いたいアイテムとなっている。
「つよくてニューゲーム」では,アライアンス系のレイドやクロニクルクエストが追加。またフリーカンパニーランクは現在上限の8から一気に30までが開放される。また,ランクアップによって持てるアクションの増加やカンパニーチェストの容量が増えるといった特典がある。そのほか,「ジャンピングアスレチックのコース追加」「傘の実装」については後半で詳細が語られた。
実機を使って各コンテンツを詳しく紹介
●ルビーウェポン破壊作戦
ここからは実機を用いて,より詳細なコンテンツ内容が公開された。まずは「ルビーウェポン破壊作戦」。ウェルリト戦役で登場する討伐・討滅戦のひとつで,ウェルリト戦役自体は今後もシリーズで展開されていく。
●ジョブ関連調整
・PvE関連の調整
今回はあまり多くのジョブの調整は行われていないとのこと。だが赤魔道士に関しては,ほかのキャスターに比べて火力が低いため,純粋に強化が行われる予定だ。また,召喚士は前回の調整でやや強くなりすぎてしまっており,DoT系の威力を少し下方修正する予定とのこと。ほかには侍の剣圧のスタック数が分かりやすくなるなどの調整のほか,戦士にも若干の修正が予定されている。
・PvP関連の調整
PvPの調整はかなり多岐に渡って行われるそうで,現在,明らかに使われていない選択共通アクションが強化される。また軍用ポーションはHPの残量に応じて回復量が決まるという特徴があるが,回復量が低すぎる局面も見受けられるため,回復量のバランス調整が施される予定とのこと。
タンクでは暗黒騎士のブラックナイトのリキャストタイムが比較的短めで強いため,ほかのタンクも並べるように引き上げが予定されている。戦士はホルムギャングが強いがPvP全体では低迷が見られるため,ザ・フィースト用には性能を上げ,フロントラインにはあまり影響しないような調整を行うとのこと。
近接ジョブについては,モンクがザ・フィーストで強いものの,フロントラインではイマイチな状態。現在はフロントラインでは竜騎士と忍者のツートップだが,モンクもそこに並べるように数値の上げ下げで調整を行っているとのこと。
レンジキャスターでは踊り子が強すぎたということでバフ要素を下方修正予定。レンジキャスター全般では,近接に比べると全体的に火力は低めなので,その点は上げていく予定らしい。基準としては召喚士あたりに全体を合わせていければとのこと。
そして,フロントラインのマッチングにおける偏りに関しては,パッチ5.2でアルゴリズムを完全に作り直し,パッチ適用後は偏りがなくなるそうだ。そのほか,細かい点についてはパッチノートで公開されるそうなので,それを待ちつつパッチノート朗読会などもチェックしていきたいところだ。
●蛮族クエスト・キタリ族
ギャザラー専用蛮族クエスト。キタリ族は,ラケティカ大森林に集落を作っているようだが,これまではその姿を確認できなかった。今回のクエストでは,なぜ彼らを発見できなかったのかといったところからストーリーが進んでいくとのこと。
受注条件はギャザラーいずれかのレベルが70以上になっていること。また,今回の蛮族クエストではシナリオ分岐が存在する。ラケティカの古い歴史を調べるうちにプレイヤーキャラがどう考えるかをたずねられ,そこで選択したほうがシナリオに反映されるということらしい。最終的な結末は同じになっているため,別の選択肢を選んだプレイヤーと内容について話し合うなどしてコミュニケーションをとってみてほしいとのこと。
●ジャンピングアスレチック新マップ
ジャンピングアスレチックに新マップが追加。今回はかなり高所で自然物地形も多く,落下時にすくみあがってしまう人も多いかもしれない。チェックポイントも何パターンか用意されているようで,それに合わせてコース取りも異なってくるようだ。
●希望の園エデン:共鳴編
希望の園エデンは属性の力を復活させ,第一世界本来の姿を取り戻していくというストーリーとともにリーンの成長物語でもあるという。共鳴編ではリーンとガイアがどのように共鳴していくのかが見ものもだ。
●オーシャンフィッシング
リムサ・ロミンサから出航する船に乗って沖釣りを行うコンテンツ。現実時間の2時間ごとに15分間募集が行われ,24人集まるか時間がくるかすると出航となる。募集時間前に24人集まった場合は,25人目から2艘目に振り分けられる。あらかじめパーティを組んで参加表明することも可能だ。コンテンツの所要時間は30分程度とのこと。
船はコスタ・デル・ソルの沖へ向かうルートと高地ドラヴァニアの沖へ向かうルートの2コースが順番に募集される。どちらのコースでも3か所の釣り場で各7分間釣りを行い,リムサ・ロミンサに戻ってくることになる。
漁師レベル1からでも参加可能で,船の甲板にはエサ売り&修理を担当するNPCなども配置されており,レベルアップ目当てに参加するのもアリ。3か所の釣り場を巡って帰還したときに釣果ポイントが集計され,報酬がもらえるのだが,所用で抜ける必要がある場合などは報酬を放棄し,途中で退出することも可能(報酬がもらえないだけでペナルティはない)。
今回は所要時間を短くするために,あえて船の移動をリアルタイムではなく,シーン切り替えという形で実装しているとのこと。実際にマップ上を船が移動していく形式で制作することもできたが,それを行うと船の速度を再現するためにコンテンツ所要時間が大幅に伸びてしまうことになる。吉田氏は「そっちのほうが雰囲気がいいのは分かっています。みんな1回は乗るでしょう。でも,釣りするだけじゃん? 2時間拘束はちょっと長いって言うと思う」と悩んだ結果の選択であることを明かした。ちなみに同じ所要時間で船を動かすと,モーターボートのような勢いですっ飛んでいく釣り船になってしまい旅情がなくなってしまうそうだ。
「オーシャンフィッシング」に関しては今後のパッチでは航路を増やしたり,ハプニング要素を追加するという予定もあるそうだ。巨大な魚を全員で釣り上げるレイド的なイベントや,突如海賊船がやってきて釣り勝負を挑まれるなんてイベントもあるかもしれない。
また,旧「FFXIV」のムービーにあった,リヴァイアサンかと見紛うような巨大魚を実装したいという密かな野望もあるとのこと。吉田氏は,「あの伏線をぜひ(このコンテンツで)回収したい」と前のめりな勢いだ。
●イシュガルド復興
パッチ5.1での導入に続き,本格的な復興が始まる蒼天街。パッチ5.21からはギャザラーが参加可能になるのがポイントだ。復興段階も10段階以上用意されているとのこと。
前回の復興段階では,復興ゲージがMAXになったあと,できるだけ参加者が増えてくれるようにと共同復興作業の開始までに時間を置いたのだが,それが完全に裏目に出てしまい,ほかのワールドから共同復興作業目当ての参加者を呼び込む結果になってしまった。
実際にそのワールドで復興ゲージを溜めた功労者が共同復興作業に参加できないという本末転倒な状態になることもあったという。今回は復興ゲージが溜まったら比較的短い時間で共同復興作業がスタートするように調整されているとのこと。
とはいえ,多くのプレイヤーが参加してどんどん復興していくという遊びであることに変わりはなく,全段階の復興作業に参加できるのかと聞かれると,やはり難しい。ただ,段階数は多いので,参加できる機会は増えるだろうとも説明された。途中途中の段階のスクリーンショットを撮影しておくなど,徐々に復興する様子を楽しんでほしいとのこと。
●スカイスチールツール
パッチ5.25からスタートするコンテンツ。そこまで壮大なストーリーや難度の高いクエストではなく,単純に必要な素材を集めてくることで伝説の主道具が作れるようになる。今回は初回ということで,ギャザクラガチ勢の装備には及ばないものの,今後のパッチで強化していくことでその性能はどんどんアップしていくので,合間を見つけて制作していってほしいとのこと。ギャザラー&クラフターはクラス数が多いため,すべて手に入れようとする人にも配慮し,1回のクエストにはそれほど長い時間はかからないようになっている。
●セイブ・ザ・クイーン
過去に繁栄していた国の女王の親衛隊が使っていたという伝説の武器を手に入れるストーリー。こちらはストーリーがかなり厚めになっているそうだ。それもそのはず,シナリオを担当するのは「リターン・トゥ・イヴァリース」でもおなじみの松野泰己氏。ゲーム的にはすべてソロでクリアできるシナリオになっており,今回実装分のシナリオをクリアするとベースとなる武器が手に入るとのこと。また,ほかのクラスの武器が欲しい場合でもそれほど苦労せずに集められるらしい。
「セイブ・ザ・クイーン」も継続的なアップデートが予定されており,次回はパッチ5.35の予定。パッチ5.35では新たなフィールドを使ったコンテンツも予定されている。その新コンテンツで強化用の素材が手に入るようだが,実は別のコンテンツでも同じ素材が手に入る。過去のエウレカとは違い,武器強化だけをやりたい人と新コンテンツも一緒に楽しみたい人で住み分けが可能になる予定だ。「(同じ武器強化系ということで)エウレカと同じだとは思わないでください。共通点もあるけれど違うコンテンツになっています」と吉田氏。今回もバルデシオンアーセナルに相当するダンジョンは存在するようだが,前回の入り口開放条件のようなものは予定していないとも付け加えられた。
●傘の実装
傘はアイテムではなく,手に入れた傘アイテムを使うことでアクションを習得する形式になる。習得したアクションはアクションリストのEXTRAにパラソル系アイコンで登録される。今後傘の種類が増えていくごとにここに新アイコンが登録され,ある程度増えてきたらまとめて別の場所に移動させる予定になっている。パラソル自体はさまざまな場所の報酬として用意されているので集めてみてほしいとのこと。
傘はマウントの分のメモリを使って表示されており,この状態ではマウントに乗ることはできない。傘を差しているとキャラや地面にも影が落ちるほか,服などが雨に濡れてしっとりした状態にならないようになっている。これはもともとひさしの下などに設定されているパラメータなのだが,今回動き回る傘の下にこのパラメータを付与するという特殊な状態を作り出しているとのこと。そのうえで,水場に入った際に足元だけは濡れるという再現も行っており,内部的にはかなり大変な作業を経ての実装だということが説明された。そのほかにもいろいろと難関があり,アイテム班担当者とプログラマーの3年間の苦労が実った結果だという。
●マテリアシステムの改修
パッチ5.2からはマテリアを取り出すさいにアイテムを消費せず,アイテムの錬成度のみを消費する仕様になる。これにより,同じ装備を使い続けつつ,マテリアを入手できるようになる。
なお,装備を分解した際などに手に入るデミマテリアは,一部問題があるため買取価格を調整する予定とのこと。もし溜め込んでいる人がいたら,メンテ前にNPC売りしておいてほしいとの告知も行われた。
●その他のお知らせ
最後にファンフェスの日程などを始め,さまざまなお知らせが行われ。「第57回PLL」は終了となった。
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