プレイレポート
今から始める「マジック:ザ・ギャザリング アリーナ」入門ガイド。基本プレイ無料で楽しめる,TCGの原点がここにある
トレーディングカードゲームの元祖である「マジック:ザ・ギャザリング」(以下,マジック)をPCでサクサクプレイできるようにしたこのタイトルは,腰を据えてじっくり取り組める無限の奥深さの一方で,短時間だけ遊んでも十分おもしろい手軽さもある。
基本プレイ無料のタイトルで,お金を掛けなくてもたっぷり遊べるようになっているので,「マジックって難しそうだし,お金もかかるんでしょ?」と敬遠していた人も,この機会に手を出してみてはいかがだろうか。
「マジック:ザ・ギャザリング アリーナ」公式サイト
「マジック:ザ・ギャザリング アリーナ」とは?
トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」のデジタル版が「MTGアリーナ」だ。2019年9月に正式ローンチを果たし,プラットフォームはPCのみ。基本プレイは無料で,日本語版のほか各国語版とのオンライン対戦が可能となっている。
さまざまなモード(本作ではフォーマットと呼ぶ)があり,ストイックにランクを上げて世界最強を目指したり,大会に出て賞金を狙ったりもできる一方で,一風変わったフォーマットでカジュアルに楽しむことも可能となっている。
〇「MTGアリーナ」のいいところ
- リアルで遊ぶのと異なり,シャッフルやカード管理の手間もなく,サクサク遊べる。
- 現環境のカードは,すべてリアルと同様に使える。
- レアカードが出ると,固有のアニメーション演出が入る。
- 世界中のプレイヤーと,待ち時間なしでオンライン対戦が楽しめる。
- 持っていないカードはワイルドカード(後述)を消費して入手できる。需要の高いカードが高騰したりしない。
- イラストが大きく立体的な特殊加工のカードや,絵違いバージョンのカードを集める,コレクション要素もある。
- ゲーム内ランクを上げることでオンライン大会の予選イベントに参加でき,それを勝ち抜けばMTGアリーナ上での世界大会にも参加できる。
最初に何をする?
ゲーム開始後は,まず「チュートリアル」をプレイしてみよう。ここでは「スパーキー」と呼ばれる火花が,「マジック」の基本ルールを教えてくれる。
なおすでに「マジック」のルールを熟知しており,チュートリアルが必要ないならスキップしても構わない。その場合は画面右上の歯車のアイコンをクリックし,「アカウント」→「チュートリアルをスキップする」を選ぶといい。
全5回戦が遊べて,進むごとに使えるカードが増えていく仕組み |
チュートリアルを終えると,5色の単色デッキが1つずつ入手できる。「マジック」のカードには色が5つあり,それぞれ得意・不得意がある。まずはこの特性を理解するのが肝要だ |
チュートリアル後は,入手した単色デッキを使って「カラー・チャレンジ」を進めていこう。これによりゴールドやワイルドカード(後述)が入手できるほか,特殊なイラストのカードが使えるようになる。またパックの買い方などの説明もある。
なおチュートリアルと同じく,「アカウント」→「プレイモードをアンロック」を選べば,これもスキップできる。
「カラー・チャレンジ」を最後まで戦い抜くと,以降は1試合プレイするごとに1つずつ,2色デッキが入手できるようになる。もらえるのは1日に1つだが,最終的には10個の2色デッキが手に入る仕組みだ。これらはレアカードが6枚前後含まれた扱いやすいデッキとなっているので,最初はこれらを回して自分好みのデッキを見つけていくといい。
新しいカードを手に入れる方法
入手したカードを組み合わせて,自分だけのデッキを組むことももちろん可能だ。新たなカードの入手方法は,主に以下の3つが用意されている。
1. パックを開ける
「ストア」で普通にブースターパックを購入する方法。1パック8枚入りで,レアか神話レアが1枚,アンコモン2枚,コモン5枚がランダムに入っている。なお一つのデッキには同じカードを4枚まで入れられるが,パックからの入手では,5枚目以上のレアや神話レアはダブって出ない仕様になっている。ありがたい。
2. 「リミテッド」で入手
「リミテッド」とは,新しいパックを開封し,出てきたカードだけでデッキを組んで戦う遊び方のこと。入場料としてゴールドかジェムが必要になるが,これらをプレイすれば,使ったカードがそのまま手に入れられる。ただパックを開けるだけよりも概ねお得であり,また実際にプレイして効果を覚えながらの入手となるので,オススメの入手方法といえる。
なお「リミテッド」には,「ブースタードラフト」と「シールド」の2つのフォーマットが存在するので,その違いも紹介しておこう。
ブースタードラフト
8人が各自でパックを開け,その中から好きなカードを1枚取って,残ったパックを隣の人に渡す。隣の人から回ってきたパックから,また1枚選んで隣の人に渡す。これを繰り返して集まったカードでデッキを組んで戦うのが「ブースタードラフト」だ。取ったカードはすべて手に残るうえ,勝ち数に応じて報酬のジェムやパックも入手できる。
「ブースタードラフト」には,初心者向けの「クイック・ドラフト」,高配当の「プレミア・ドラフト」,やや上級者向けの「マッチ・ドラフト」があるので,まずはゴールドをためて「クイック・ドラフト」に挑戦してみるのがいいだろう。
シールド
「シールド」は新セットの発売時のみ遊べるフォーマットで,一人でブースターパックを6つ開封し,そこから出たカードで40枚のデッキを組んで戦うもの。入場に2000ジェムが必要だが,7勝か3敗するまで対戦でき,0勝でもほぼ元が取れる仕組みになっている。
3. ワイルドカードで作成
ブースターパックを開けたときに,まれに出現する「ワイルドカード」は,どれでも好きなカードと交換できるという優れものだ。ただしレアリティには縛りがあり,ワイルドカードの色――黒・銀・金・オレンジの4色が,それぞれコモン・アンコモン・レア・神話レアの4種類のレアリティに対応している。オレンジのワイルドカードを1枚消費すれば,好きな神話レアを1枚入手できるというわけだ。
番外編:プロモーションコードによる入手
新セットの発売時などに,プロモーションとしてコードが配布されることがある。
手に入れたコードは,「ストア」画面の右上にある「コードを引き換える」の欄に入力することで,パックなどに引き換えられる。例えば2020年4月30日現在は,「PlayIkoria」と入力することで「イコリア:巨獣の棲処」3パックが手に入る。コードの配布情報は,MTGアリーナの日本語公式Twitterなどで告知されることが多いので,チェックしてみよう。
デッキの組み方
自分でデッキを組むにあたってはさまざまな方針が考えられるが,初心者にまずオススメしたいのは,チュートリアル/カラー・チャレンジで入手した構築済みデッキに,パックから入手したレアカードを入れて,少しずつ改良していく方法だ。
ポイントは同じマナコストや,似た目的のカードを抜いて,より強いカードを代わりに入れ,デッキは60枚で維持すること。これはいきなり大きくデッキを変えないほうがプレイしやすく,デッキの変化が実感しやすいためだ。また「このカードを入れたらこういうところが強くなった」「追加したカードと既存のこのカードとの噛み合いが悪い」といったデッキ変更の効果を,自分でデッキを回しながら理解することで,カードの選定眼も育てられる。
このほか,初心者にオススメできる方法が幾つかあるので,こちらも合わせて紹介しておこう。
強いデッキを真似る
「デッキが弱くて勝てないので,実績のあるデッキレシピをネットなどで探し,ワイルドカードを使って組む」というやり方も悪くはない。ただし運用が難しいデッキもあるので,コピーするだけでなく,使い方を学ぶことも大切だ。大会の動画を見たり,プロプレイヤーが書いたHowto記事を探したりするのもいいだろう。
チャレンジャーデッキ
公式からアナログカード版で発売されている「チャレンジャーデッキ2020」というものが4種類存在している。これはそのまま大会に出られるくらいの完成度のデッキなので,まずはこれと同じものを作って回してみるのもいいかもしれない(ただし,このデッキには「イコリア:巨獣の棲処」のカードは含まれない)。
アリーナのさまざまな遊び方
いろいろな遊び方がある「MTGアリーナ」だが,その中から初心者におすすめのフォーマットについて,大まかに紹介していこう。
なお「プレイ」や「ランク戦」と表示されている場合は1本勝負(いわゆるBO1)だが,「マッチ戦」の場合は最大3ゲームをおこない,2回勝利した人がマッチ勝者となる(BO3)。またマッチ戦では15枚の「サイドボード」(ゲームの合間にデッキを修正/変更するための予備カード群)が使用可能で,ゲームの合間にデッキを組み替えが可能だ。
プレイ
ランクの変動などがなく,気軽に対戦できるフォーマット。ランク戦:スタンダード
近いランクの人と当たり,勝てばランクが上がっていく。クイック・ドラフト
前述の初心者向けリミテッドフォーマット。詳細はそちらを参照してほしい。Bot戦
チュートリアルに出てきたスパーキー(AI)が,単色デッキを使って相手になってくれる。これに勝っても経験値はもらえないので注意。(期間限定)構築済みデッキ戦「作業場」
定期的に行われる期間限定イベントで,何種類かの構築済みデッキから好きなものを選んで対戦するフォーマット。賞品は少ないが,持っていないカードを使ったデッキやユニークなコンセプトのデッキが使え,いろいろなデッキに慣れることができるので初心者にもオススメだ。
(期間限定)コモンだけの「パウパー」
こちらも期間限定イベントで,コモンカードだけを使ってデッキを組むのが特徴。手持ち資産の差が出にくいフォーマット。
(期間限定)統率者とともに戦う「ブロール」
これも期間限定で遊べる,デッキに「統率者」を加えた特殊なルールで戦うフォーマット。
統率者は伝説のクリーチャーかプレインズウォーカー(ブロールではすべてのプレインズウォーカーが使用可)でなければならず,デッキを組むにあたっては,統率者で使われている色しか使えない。統率者は手札と別の「統率者領域」からプレイでき,もし倒されても統率者領域に戻ってまた呼び出せる(2回目以降は追加で2マナずつ余分にかかる)。また通常はデッキに同じカードは4枚までだが,ブロールでは1枚ずつとなる。このため,ブロール用に作った専用デッキを用意する必要がある。
お気に入りのクリーチャーを統率者にして活躍させられ,レアカードも4枚揃える必要がないので手軽なモードではある。
さあ,始めよう!
「MTGアリーナ」には無限に遊べる奥深さがあり,まだまだ説明しきれない部分も多いが,とりあえず始めるために必要な情報をまとめてみた。今ならちょうど新セット「イコリア:巨獣の棲処」が出たばかりで,映画「ゴジラ」シリーズとのコラボカードが登場する,話題の多い時期でもある。このチャンスに,ぜひ本作を体験してみてはどうだろうか。
ゴジラシリーズとのコラボカード登場!
「MTGアリーナ」で今回のコラボカードを手に入れる方法は二つ。「パック購入で6パック以上をセットで購入する」か「ドラフトに参加する(5月21日まで)」だ。
前者はおまけでコラボカードが(被りなしで)ついてくるので,90パックをセット購入すれば全18種類が確実に手に入る仕組み。後者は「イコリア〜」のプレミア・ドラフト,マッチ・ドラフト,シールドに参加することで,勝利数に関係なく1つもらえる仕組みになっている。
ただし,ここで入手できるのは「カード・スタイル」と呼ばれる,いわゆるスキンのようなものなので,元々のカードを持っていないと使用できない。例えば《宇宙の帝王,キングギドラ》のカード・スタイルを使用してデッキに組み込むには,《願いの頂点,イルーナ》を持っていなくてはならない。
詳しくは公式サイト「こちら」のお知らせを確認してほしい。
「マジック:ザ・ギャザリング アリーナ」公式サイト
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