プレイレポート
「Halo Infinite」テクニカルプレビューに参戦。より硬派に,より遊びやすく,懐かしくも新しいマルチプレイへ
「Halo Infinite」は人類を率いる最強の兵士・スパルタンと,エイリアンの宗教的同盟・コヴナントの戦いを軸に描く「Halo」シリーズの最新作だ。2021年12月8日にPC,Xbox Series X,Xbox One向けに発売が予定されている。なお,マルチプレイは基本プレイ無料となる。
「Halo Infinite」公式サイト
「Halo 3」を彷彿とさせるが,新鮮でもあるマルチプレイ
前作「Halo 5: Guardians」のマルチプレイは高機動なアビリティを採用し,シリーズの中でもハイスピードに展開するものだった。
一方,「Halo Infinite」のマルチプレイはアビリティを廃止し,さらに「Halo 3」以来となる「装備」(マップに配置された使い切りアイテム)を復活させている。新登場の装備や武器は従来にない機能を持っており,試合に新しい風を吹き込んでいた。
アビリティの廃止で使えなくなったのは,スラスター,ホバリング,グラウンドパウンド,スパルタンチャージだ(筆者は確認できなかったが,スラスターは装備として登場している模様)。スプリント,よじ登り,スライディングは健在なので,今どきのFPSとして遅すぎる印象は受けない。スラスターでの回避が制限されたうえ,エイムアシストが控えめになったため,撃ち合いの緊張感はより高まっている。
また,引き続きほとんどの武器でADS(Aim Down Sight。サイトを覗いて狙うこと)が可能だ。前作とは違って,ADS視点のデザインがすべての武器で同じになってしまったのが少し残念である。
もうひとつの変更点である「装備」は,マップに配置されたアイテムを入手すれば好きなタイミングで一定回数使うことができるというもの。「Halo 5: Guardians」にも似たシステムはあるが,アイテムを拾うとすぐ起動するといった細かい仕様が異なる。
新しい装備は独特の機能を持っており,よりテクニカルな戦いを組み立てる楽しさがある。特に新鮮だったのは,プレビュー前から注目を集めていた「グラップルショット」だ。「強い殴り」「敵の乗っている車両を奪う」「強武器を奪い合う」「近接武器」といった,「Halo」シリーズ特有のメカニクスとうまくかみ合う強力なアイテムである。
高所や遠距離への素早い移動,敵に引っかけて急接近して殴る,遠くの武器を引き寄せる,敵の車両に引っかけてそのまま奪うなど,グラップルショットの用途は多岐に渡る。うまく使いこなせた時は非常に爽快だ。
以下,そのほかの装備を簡単に紹介しよう。なお,オーバーシールドやアクティブカモフラージュといったおなじみのアイテムも登場する。
・リパルサー
敵や弾丸を強力にノックバックするアイテム。敵をマップ外へ落とすのに役立つ。
・脅威センサー
センサーを発射して壁などに貼り付けると,向こう側にいる敵の居場所が分かる。
・ドロップウォール
内側からの弾を通すシールド。ダメージを受けた箇所から崩壊していく。
装備だけではなく,新しい武器もユニークだ。「Halo 4」「Halo 5: Guardians」あたりでは武器の機能が少しマンネリ化していた印象を受けたが,「Halo Infinite」では新鮮なギミックを持つ武器が登場している。なかでも,特に面白かったものを紹介したい。
・ラヴェジャー
チャージショットによって着弾した周辺を炎上させる武器。
・ショックライフル
密集した敵を複数感電させ,連鎖的にダメージを与える。
・スキュアー
巨大な針状の弾丸を用いた武器。リロードは遅いが,車両に大ダメージを与えることができる。
チームのコミュニケーションを促進する,いくつかの新機能も実装されている。ラジオチャットでは敵や武器,装備をマークすることで,味方に位置とそこまでの距離を伝えることができた。敵をマークした場合は,周辺にいる敵の人数と場所の名前まで分かるのが便利だ。また,武器を落として味方に渡すこともできる。
プレイヤーのアウトライン表示など,アクセシビリティ面が向上した点にも注目だ。赤と青以外でも,味方チームと敵チームのアウトライン色を自由にカスタマイズできるようになっている。
BTBの新ルールは「攻め」の拠点制圧が楽しい
「Halo Infinite」のビッグチームバトルは,従来の8人対8人から12人対12人に拡大し,より大規模な試合となっている。さらにスレイヤーやキャプチャーザフラッグに加えて,新ルールの「トータルコントロール」が登場した。
トータルコントロールでは,マップ内の3つのゾーンをすべて占拠すると1点が入り,3点を獲得すれば勝利となる。1点獲得するごとにゾーンがリセットされ,約10秒後に新しいゾーンが設定される仕組みだ。
よく似たルールとしてはストロングホールドが挙げられる。こちらが「2つのゾーンさえ守り続けていればOK」なルールであるのに対し,トータルコントロールは2つのゾーンを維持することに加え,3つ目のゾーンを獲得することが不可欠なので,より「攻め」の拠点制圧を楽しめる。さらにゾーンのリセットと約10秒のインターバルがあるため,その間にマップを探索して車両や武器の調達を行い,策を練ることが可能。さまざまな攻撃手段が選べるビッグチームバトル向けのルールだ。
臨場感を高める新たな仕掛けも追加されている。なんとペリカンがリアルタイムで一部の車両を投下するようになったのだ。一部の武器も上空からポッドで投下される。ペリカンのもとに敵味方が一斉に集結したり,武器ポッドが青い閃光とともに落ちてきたりする様子にはとてもライブ感がある。
武器や車両の投下タイミングを教えてくれる「パーソナルAI」は,プレイヤーの頼もしい相棒となるだろう。彼らはアリーナモードでも強武器の出現が近づいたりすると声をかけてくれる。パーソナルAIのおかげで,試合の重要な局面を見逃してしまうことはないはずだ。「全員ケバブみたいに焼いてやれ!」など,盛り上げるようなコメントを言ってくれるのも楽しい。落ち着いたAIや子どもっぽいAIなど,複数のタイプが用意されている。
また,今回プレイできたビッグチームバトル用のマップ「Fragmentation」には,パーソナルAIを使って開けられる武器庫がある。武器庫のドアの解錠には一定の時間が必要だが,敵に狙われたりしてその場を離れると解錠がリセットされてしまう。武器庫を巡る攻防も,ビッグチームバトルに新しい展開をもたらしそうだ。
初心者・復帰勢も安心の「アカデミー」で練習しよう
「Halo Infinite」にはマルチプレイの練習に特化したコンテンツが,シリーズで初めて導入されている。それが「アカデミー」だ。プレイヤーはトレーニングモードとウェポンドリルの2つを使って,自分の課題に合った練習を行える。
トレーニングモードはカスタマイズ可能なボットアリーナだ。初期武器と装備,ボットの数などを自由にカスタマイズできる。実戦での武器の使い勝手を試したり,マップの構造や武器の配置を覚えるのに役立つ。特に「Halo」シリーズはマップ内の強武器や装備を手に入れることが重要になるため,トレーニングモードは待望の機能だと言えるだろう。
一方,ウェポンドリルはいわゆる試射場である。止まっているボットを撃ったら,次は動いているボットを狙うといったように,段階的に試し撃ちすることが可能だ。
また,「ウェポンベンチ」では武器を鑑賞したり,それぞれの機能を確認したりできる。「Halo Infinite」には,これまで以上にクセの強い武器が多く,こうしたコンテンツの存在はありがたい。車両の鑑賞,機能の確認ができるビークルベイも用意されている。
際立つ「Halo」らしさは人を選ぶが,対策は万全
「Halo Infinite」のマルチプレイは,「Halo 3」以前を好むファンの期待に応えつつ,最近のFPSをプレイしている新しいユーザーも取り込める余地がある。「Halo 3」からハマっていた筆者は,懐かしくて新しいという不思議な感動を覚えた。最近のFPSに見られるスプリント,ADS,よじ登り,ラジオチャットなどの機能がしっかり整備されていて,新しいユーザーに「古い」「遊びにくい」と思われる可能性は低いはずだ。
ただ,前作「Halo 5: Guardians」と比べると大きく変わったため,シリーズファンの反応は心配である。エイムアシストの弱体化やスラスターの制限によって,「ヘッドショットを狙い続けなければならない」「純粋な撃ち合いのスキルが試される」といった「Halo」らしさが先鋭化しているため,シリーズ初心者や「Halo 5: Guardians」以降のファンは慣れるまでに時間がかかるだろう。
冒頭で触れたとおり,「Halo Infinite」のマルチプレイは基本プレイ無料,そしてPC版も発売される。そのため,初めて「Halo」に触れるプレイヤーも多くなるはずだ。最初は戸惑うこともあるだろうが,そんな時は充実した練習用コンテンツが活躍するだろう。練習の中で難しさから面白さを見出し,どっぷりと「Halo」らしさにハマるプレイヤーが増えることを願っている。
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