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[GDC 2019]Switchでのリリースが決まった「Neo Cab」は,会話でゲームを進めていく“ナラティブ・サバイバル”ゲーム
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印刷2019/03/26 15:51

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[GDC 2019]Switchでのリリースが決まった「Neo Cab」は,会話でゲームを進めていく“ナラティブ・サバイバル”ゲーム

Chance Agencyを率いるパトリック・ユーイング氏。わりと現実味のあるフューチャーノアール風の世界観が気になるゲーマーも多いはずだ
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 新作アドベンチャー「Neo Cab」PC / Mac)が,Nintendo Switchに向けても2019年内に海外で発売される。これは,ナラティブ・デザイナー Patrick Ewing(パトリック・ユーイング)氏の率いるChance Agencyが,GDC 2019に合わせて発表したものだ。この会期中にユーイング氏に作品を紹介してもらったので,その内容をお届けしよう。

 フューチャーノアール風の2Dグラフィックスが気になる「Neo Cab」は,今から30年後ほどのサンフランシスコをイメージしたという,近未来の都市Los Ojos(ロス・オホス)を描いている。AmazonとTeslaとFedExとUberを合わせたような超巨大企業Capra Corporationの本部があるこの街は,宅配や配車サービスの完全オートメーション化に成功しているという超ハイテク都市になっている。
 主人公のLinaは,田舎でかろうじて存続していたタクシー会社Neo Cabのドライバーとして生活していたが,Capra Corporationで働いてた友人のSabrinaが失踪してしまったことから,都市内で営業する許可を得て,この街最後の人間ドライバーとして活動しつつ,友人の行方を追っていくことになる。

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 Sabrinaの手がかりが何もないばかりか,泊まる場所もないような行き当たりばったりでロス・オホスに来てしまったLina。彼女のできることと言えば,専用アプリを使って客を探し,目的地まで乗せて金銭を得ることだ。乗客として数十人のキーキャラクターがおり,彼らとの会話の中でSabrinaの行方につながる話題を探っていくことになる。会話システムそのものは非常に練り込まれており,プレイヤーが会話で客を喜ばせ,より多くのチップを弾んでもらったり,アプリで高い評価を付けてもらったりする必要があるそうだ。

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 面白いのは,すべての人間が「FeelGrid」と呼ばれるバイタリティチェッカーのような腕輪を装着していることで,装着者が喜びを感じれば「黄」,怒りや心配なら「赤」,平常なら「緑」,そして落ち込めば「青」といったカラーサインが表示される。プレイヤーキャラクターの場合は右のリスト部分に,乗客達は顔の周囲のパラメータで表示されるが,それによって自分との会話がどのように進行しているのか,客同士の会話がどのような進展をしているのかといった情報を確認できるというわけだ。

 2Dアートながらも感情の変化が表情にも描き込まれており,実際にキャラクターと会話のキャッチボールを楽しんでいるような雰囲気が醸し出されている。会話を適当に選んでいると進展しないどころか,相手を怒らせてアプリで低評価を付けられたり,充分なチップをもらえないだけでなく,次から呼び出されなくなったりするのである。

 ゲーム画面はダッシュボードにカメラを添えたような,Linaと乗客を一度に表示する視点と,バックミラー越しのみに乗客の顔がうかがえるLinaの視点に切り替えられる。1人称カメラ視点と言っても実際に街中を運転する必要はなく,ダッシュボード上の各種情報やFeelGridの変化,そしてCapraの車両が行き交う街の様子をうかがうために利用できる。
 会話の選別は目的地の距離に左右されることはないとのことだったので,会話をじっくり読みながら進めていくのが良さそうだ。ただ,トレイラーを見ると,運転中に何らかのイベントが発生することもあるようだ。

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 ユーイング氏は「常時,3人ほどの乗客候補がポップアップしている状態がバランスとして良さそうだ」と話していたが,充分なチップをもらえなかったり,乗せる客がいなくなれば収入に響き,その日暮らしをしているLinaにとっては死活問題となる。具体的には,良い収入を得ることによって良いホテルに泊まってリラックスし,最悪の場合なら車中睡眠となってしまうのだ。
 それによって感情の向上が難しくなってしまい,場合によっては会話の選択も制限されることになる。そんなサバイバルゲーム的な要素が組み入れられているのも面白く,アクションのないゲームながらも飽きを感じずにプレイできそうな印象だった。

 ユーイング氏は,もともと「Firewatch」のクリエイティブ・デザイナーとして活動していたが,その完成目前に「Neo Cab」のアイデアを育むために独立したという。ゲーム開発は「Where the Water Tastes Like Wine」のように,各地に点在する有能な脚本家をChance Agencyがまとめるというような方式を採用しており,サウンドトラックも「Monument Valley」のObfusc氏が担当するなど,インディーズ界のちょっとしたオールスター集団で開発が進められている。
 複雑な会話を含むので日本語化は難しいかもしれないが,“ナラティブ・サバイバル”とでも表現できる,興味深い作品に仕上がっていくことを期待できそうだ。

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