プレイレポート
【ディーノ×カナイ×やまもと×徳岡】実録・愉快な仲間達と遊ぶ「人生ゲーム+令和版」。カネではなくフォロワー数をかけた戦いが,今始まる
そのうえで「人生ゲーム」というタイトルどおり,人生におけるさまざまなイベント――就職や結婚などがゲームシステムに組み込まれており,時代に応じてさまざまな時事ネタが取り入れられてもきた。なにせ1989年の「人生ゲーム平成版」を「平成時代の第1作目」と数えると,平成の31年間でなんと59作が作られてきたという,いろんな意味で驚きのタイトルなのである。
そんな人生ゲームの最新作である「人生ゲーム+(プラス)令和版」が2019年6月に発売されることとなった。令和に入って初めての「人生ゲーム」ということになる……のだが,パッケージに書かれた「目指せ TOP OF インフルエンサー」という副題を見て分かるとおり,これまでになく大胆に時事ネタを取り込んできた意欲作となっている。
また,これまでの人生ゲームは,ゲーム内容こそ時事ネタ満載だが,タイトルはあくまで「人生ゲーム」であり,内容が基本双六であることに変りはなかった。そこに「+」が付くことでゲームシステムは大きく変化し,従来の人生ゲームとは完全に異なるゲームとなっている。少なくとも「スタート」から「ゴール」を目指すタイプのゲームではないのだ。
新元号を冠した「人生ゲーム+令和版」が2019年6月に発売。戦略性をプラスし,“お金”ではなく“フォロワー”数を競う新シリーズが登場
タカラトミーは,定番ボードゲーム「人生ゲーム」シリーズの新製品「人生ゲーム+令和版」を2019年6月に3900円(税別)で発売すると発表した。現代のトレンドである“インフルエンサー”をテーマに,決まったコースやゴールもない,まったく新しいゲームプレイが展開されるという。
「人生ゲーム+(プラス)令和版」公式サイト
令和最初の人生ゲームを遊ぶために集った勇士達
まずはプレイヤーを簡単に紹介しよう。
4Gamer読者にとっては説明不要なプロレスラー(DDT所属)にしてゲイマー。フィジカルを酷使する肉体派でありつつ,高いエスプリを感じさせるコラムを毎週連載する超人である。今回は「人生を語ってサマになる大人」枠としてご参戦いただいた。
カードゲーム「ラブレター」で一気に世界の注目を集めた,気鋭のゲームデザイナー。最近ではディライトワークスから発売されたボードゲームの制作・監修にも携わっている。今回は「ゲームデザイナー」枠としてご参戦頂いた。
小説家・投資家な元切り込み隊長。最近Twitterを引退したばかり。筆者が「山本さんが令和版の人生ゲームで『アカウントが凍結される』みたいなイベントを踏んだら,もうそれだけで面白い」と話した結果,本人からの熱い要望と相まっての参戦となった。「インフルエンサー」枠ということで,ひとつ。
冷静に考えたら何枠として参戦しているのか不明だが,ゲームを遊ばずに記事を書くこともできないのでご容赦いただきたい。そういう人生もあるさ。
ゲームのテーマから考えても,まったく穏やかには終わりそうにないメンツだが,集まってしまったものは仕方ない。かくして高確率で「このメンツにとって平成最後の人生ゲーム」が開幕したのである。
「人生ゲーム+」ってどんなゲーム?
……その前に,まずはとてもざっくりとルールを解説しておきたい。
本作の目的は,それぞれインフルエンサーとなったプレイヤー達がフォロワーの獲得にいそしみ,最終的に最もフォロワーを多く獲得できたプレイヤーが勝利するというものになっている。
プレイヤーは手番が来るとルーレットを回し,出た目の数だけコマを前進させ,止まったマスの指示に従ってカードを引いたりフォロワーを得たりする。このあたりは従来と変わらないが,ゲームボードは周回構造になっており,明確なスタートやゴールが存在しない。ついでにいうと,人生ゲームなのにお金は関係がないし,登場すらしないのである。
ゲームボードには内周と外周の2レーンが設定され,それぞれ周回方向が異なる。内周と外周は合計4マスで接しており,そのマスでプレイヤーは路線を切り替えることができる。このため基本は双六でありながら,ボードの上を動くにあたって一定の戦略性が備わっているわけだ。
ゲームが始まると,プレイヤーは最初に「インフルエンサーカード」を3枚受け取る。このカードは一種のクエストを示すカードで,カードに示された条件――特定のアイテムを満たすと,カードごとに決められたフォロワー数を獲得できる。この達成に必要な「アイテムカード」はボードを周回していると獲得できる仕組みだ。
そして,達成されたインフルエンサーカードが全員で10枚になったらゲーム終了というのが,本作のおおまかな概要である。
ほかにも細かなルールは存在するが,ゲームの基本としてはこれだけ。いたってシンプルである。
カナイ:「インフルエンサーカードが10枚になったらゲーム終了というあたり,最近のゲームっぽいですよね」
筆者:「めっちゃイマドキのデザインっすねえ」
一癖も二癖もあるインフルエンサーカード
さて,かくして始まったゲームだが,まずは手元に配られたインフルエンサーカード3枚を見て,皆がブツクサ言い始める。
切込:「ほほう,バーチャルアイドルですか……」
カナイ:「バーチャルYouTuberを意識したやつですね」
切込:「あれはねえ。登録ユーザー数が多いわりに■■■■が■■■■■■■■■■■,すっごく■■■■■■になってるんですよね」
カナイ:「マジっすか?」
男色:「ちょっと。これ,本当に記事にできるのかしら?」
カナイ:「このカード,『有名アイドルの娘』ってすごいですね。後付けでなれるものじゃないでしょ」
切込:「なれませんね……」
筆者:「そうですかね。■■には後付けでなれるじゃないですか」
カナイ:「それはまずいでしょ」
男色:「ちょっと。これ,本当に記事にできるのかしら?」
カナイ:「……このヘリコプターが背景に描かれたお医者さんのカードって,つまり……」
切込:「■■だ」
筆者:「■■■■ですね間違いない」
男色:「ちょっと。これ,本当に記事にできるのかしら?」
……フランクな会話であったため,伏せ字が多くなってしまったが,この段階からゲームは始まっている。インフルエンサーカードに示された「達成のための必要アイテムカード」には,カードごとに明確な偏りがあるのだ。
すごくゲーム的なことを言えば,アイテムカードには4つの色(=4種類)があるのだが,インフルエンサーカードによっては「赤が2枚必要」といった形で,特定種類を揃えさせる傾向が強く示されている。ではその赤いアイテムカードはどこで手に入るかと言えば,ボード上の赤いエリアだ。ボードは色に対応した4つのエリアに分割されており,各エリアでは原則としてその色のアイテムカードしか手に入らない。
だが,各プレイヤーのスタート地点(=スタートエリア)はランダムに決定される。なので……。
筆者:「あの。自分のインフルエンサーカード,赤アイテムばっかりなんですけど,自分のスタート位置から赤エリアまで果てしなく遠いんですが!」
といったことも起こりうる。このあたりは「不運だった」と諦めるしかないが,この程度の不運ならわりとなんとかなってしまうゲームバランスなのも事実で,まずは諦めないことが重要だ。あと,長くても30分で終わるので,試合終了を待つのも手である。
切込:「諦めたらそこで試合終了ですよ」
筆者:「いいから隊長の手番なんでルーレット回してください」
切込:「おう! ……コマを進めて……ん,なんだこのイベント」
カナイ:「『SNSのアカウントが凍結される。フォロワーを100万人失う』ですね」(注:フォロワー増減の最小単位は100万)
切込:「なんだよそれ!!」
筆者:「いやあ,ほんとに踏みましたね。ヒストリカルですねえ」
切込:「そもそもゲーム開始時点でフォロワー500万って,すでに勝ち組じゃねえの? ゲームする必要ないじゃん!」
カナイ:「フォロワーを表示するためのコマが1個100万人で120個ちょいありますから,たぶんこれ日本の人口すべてなんですね」
男色:「老若男女,すべてがフォロワーって計算なのね……」
勝手に「物語」が生まれるアイテムカード
和気あいあい(?)とゲームは続き,各プレイヤーは順調にアイテムカードを獲得していく。
だがこのアイテムカードにもいろいろと仕込みがあった。
筆者:「この『グランピング』ってカード,なんです?」
切込:「キャンプ地とかに集まってインスタ映えする飯を食うことですね」
カナイ:「あー! なるほど理解です!」
筆者:「理解,『#エアポート投稿おじさん』の反対語っすね」
切込:「超ムカつくやつです」
男色:「これ,本当に記事にできるのかしらね?」
切込:「これくらい大丈夫でしょう。あーもう,こういうの見るとコメント欄荒らしたくなりますよね」
カナイ:「ひどい(大爆笑)」
男色:「……これ,本当に記事にできるのかしら?」
筆者:「『#やってみた』カードをMovie配信エリアでゲットですわ」
切込:「何をやってみたんですかねえ」
筆者:「そらもちろん■■■■■■■■■■でしょう」
カナイ:「それはマズい,それは絶対にマズいですよ! いくらなんでも■■■■■■出ちゃったのはマズい!」
切込:「あんなことになるとは誰も思わなかっただろうしなあ……」
男色:「ここ,絶対に記事にできないわよね?」
先程はゲーム機能を優先して「色」で説明したが,本作のアイテムカード4種は「Tsubuyaki」「マニアック」「Movie配信」「Photogenic」の4ジャンルに分かれている(ゲームボードにおけるエリアもこの4種類)。
これらのうち「Tsubuyaki」=Twitter(アイコンからして鳥だし背景が青),Movie配信=YouTube(背景が赤),Photogenic(アイコンがどう見てもInstagram)と分かりやすいが,「マニアック」(緑)だけはジャンルが多岐にわたるせいか,とくこれといったモチーフがあるわけではないように思える。とはいえ,マニアックエリアで得られるアイテムカードは「ペンライト」や「撮影会」など,その名のとおりマニアックなものばかりだ。
もらって嬉しいキラカード
そうやって和気あいあい(大事なことなので2回)とゲームが進むにつれ,謎のフォイルカードが登場した。いわゆるキラカードというやつだ。
切込:「なんすかこのキラカード。しかもムカつく。なんでコイツがキラなんだよ」
カナイ:「それは達成が難しいけれど,達成するとすごい数のフォロワーが得られるインフルエンサーカードですね」
切込:「■■■■■■,マジで■■■■な」
筆者:「あと,そのキラなインフルエンサーカードを達成するには,同じようにキラになっているアイテムカードが必要です」
男色:「いま隊長が引いたインフルエンサーカードの場合は,私が持ってる,この青いキラのアイテムカードが必要になるのよ」
カナイ:「そうそう,その『月へのチケット』っていうやつですね」
男色:「すごく簡単に特定できそうなんだけど,これ本当に大丈夫なのかしら?」
フォイルのインフルエンサーカードは,いずれもアイテムカードが4枚(=つまり最速で4手番)必要で,それだけで達成条件が“重たい”カードだが,そのうち指定された1枚はフォイルのアイテムカードでなくてはならない。そしてフォイルのアイテムカードは,各ジャンルにつき1枚しかない,レアカードとなっている。したがって……
切込:「オッ,Movie配信のキラアイテムカード引いた」
カナイ:「それは! 自分のキラインフルエンサーカードを達成するのに絶対必要なやつ!!」
切込:「じゃあ,この500万フォロワーが獲得できるインフルエンサーカードに使ちゃいますね,ポチー。これでそのキラインフルエンサーは死にカードになったと?」
カナイ:「死 に ま し た !」
このようにして,ほかのプレイヤーが3000万フォロワー獲得に近づいていると判断できたなら,自分の手元にある「安い」インフルエンサーカードを達成するために,キラアイテムカードを使ってしまうことも大事な戦略となる。
本作では「ほかのプレイヤーからアイテムを奪う」といったマスが割と多く仕込まれているため,キラアイテムカードが場に出たなら,それは限りなく「公共の資産」に近いものとして考えるべきだろう。敵に得をさせるくらいなら,闇に葬るべきなのだ。
プレイヤーのセンスと悪意が問われる「チャレンジ」
そうやって和気あいあい(本当に大事なので何度でも)とゲームが進んでいくと,続々と達成されたインフルエンサーカードが場に並び,いよいよゲーム終了が見え始めた。このあたりから,本作が持つ「プレイヤーの判断」が,大胆にゲームを動かしていくことになる。「チャレンジマス」の活用だ。
チャレンジマスは「マス」という表記ではあるものの,手番がまわってきたときに,ルーレットを回す前に使用を宣言できる――つまりコマがどこにいるかは関係ない,すべてのプレイヤーに対して開かれた行動オプションとなっている。
チャレンジマスは4つあり,それぞれ異なるチャレンジが可能だが,とくに使用される頻度が高いのはアイテムチャレンジとフォロワーチャレンジだろう。
カナイ:「……よし,ではアイテムチャレンジします! 500万フォロワーを支払って,チャレンジ!」
切込:「フォロワーを支払うっていう表現,面白いな」
カナイ:「支払うんです! 判定に成功すればすべてのプレイヤーから1枚ずつアイテムを獲得! 勝負!」
このような形で,チャレンジではまず「フォロワー数を支払う」必要がある。その後ルーレットを回し,チャレンジごとに設定された数字が出ればチャレンジ成功。アイテムチャレンジは参加プレイヤー数が多ければ多いほど利益も大きいので,4人プレイのときは500万フォロワーを払ってバンバン仕掛けて良いだろう。ただし……
筆者:「自分もアイテムチャレンジしようかな……あれ,でも今は微妙か」
男色:「私,アイテム持ってないわよ。さっき全部取られちゃったし」
筆者:「ディーノさんさっさとアイテム拾ってきてくださいよ」
このような形で,手元にアイテムがないプレイヤーがいると,ちょっと仕掛けにくかったりする。あとになって考えれば,2人からゲットできればそれで費用対効果は十分なので,1人くらい在庫がなくても仕掛けたほうがいいのかもしれないが。強欲なんです。
これはフォロワーチャレンジにも言える。フォロワーチャレンジは挑戦者が300万フォロワーを支払った上で,全員がフォロワーチャレンジマスに300万フォロワーを出し,チャレンジに成功すると提出されたフォロワーを総取りできるというものだ。
切込:「フォロワーチャレンジをします。まず300万を払います。さあ皆のもの,300万を場に出すのだ」
カナイ:「これやっぱ強いですよね」
筆者:「きついっすねコレ」
男色:「残り200万なんですけど,300万出せないわよ? えっ,足りないときは全部出す? ええー!?」
4人プレイの場合,チャレンジに成功すると+1200万。そのうち300万は自分が出していて,チャレンジ費用に300万かかっているので,収支は+600万となる。成功率は20%なので,そこまで素晴らしいチャレンジには思えないかもしれない。
だがこのチャレンジをすると,ほかのプレイヤーのフォロワー数を減らせるというのが大きい。アイテムチャレンジもフォロワーチャレンジも参加費を払う必要があるため,いったん大きくリードしたプレイヤーはフォロワーチャレンジによってほかのプレイヤーの選択肢を減らせるわけだ。例えば上の例の場合,ディーノ氏は新たにフォロワーを獲得するまで,アイテムチャレンジもフォロワーチャレンジもできないことになってしまう。
ちなみにチャレンジマスのうち1つは「キラインフルエンサーカードを,手元に3つ揃えたらその時点でその人の勝ち」という特別ルールである。露骨に無理筋っぽいが,ゲームボードを周回しているとインフルエンサーカードを1枚山札と交換するというマスを定期的に踏む(通過時に必ずそのマスで止まるルール)ので,2枚までなら意外と揃ってしまったりする。
カナイ:「TOP OF インフルエンサーカード(キラインフルエンサーカード)が2枚! あと1枚ゲットで勝ちです!」
男色:「あら,すごいじゃない!」
切込:「おっ,そのキラカードだよな,これ」
カナイ:「えっ」
アイテムと違ってインフルエンサーカードは流動性がほとんどないので,「3枚揃い」は相当厳しいと思われる。2人プレイならあるいは……といったところか。
「人生ね,賭けなきゃだめですよ」(やまもといちろう氏)
かくしてゲームはついに最終局面に入った。達成されたインフルエンサーカードは9枚。10枚めが達成された時点でゲーム終了である。
筆者:「あっ,アイテム揃った。ゲームを終わらせられる」
カナイ:「でもこの状況って……」
……そう。本作では潔いまでに美しい「キングメイカー」状況が起こり得る。このゲームのときは,以下のような状況だった。
- 筆者がここでゲームを終わらせる やまもと氏のトップが確定。ディーノ氏と筆者が同点2位,カナイセイジ氏が4位
- 筆者がここでゲームを終わらせない 次の手番に確定でディーノ氏がやまもと氏をまくって1位,2位がやまもと氏,3位カナイセイジ氏,4位が筆者
つまり筆者は「もう絶対に1位にはなれない」が,「誰が1位になるかは決定できる」ポジションに立ったというわけだ。ともあれこの場合なら,選択肢は1つ。
筆者:「世界のトップゲームデザイナーであるカナイ氏を4位にできるし,自分の順位も上がるので,ここでゲーム終了です!」
人生の決断なんてこんなものである。
とはいえこれでゲームが完全に終わったわけではない。ゲーム終了時,フォロワー数がトップだったプレイヤーは「最後のチャレンジ」をしてもよい(成功率20%)。このチャレンジに成功したら,場に残っているフォロワーはすべてトッププレイヤーのもの。失敗したらフォロワーをすべて失う。
切込:「それって意味あるの?」
あるのだ。というのも本作における勝利者には「終了時に得ていたフォロワー数」で称号が与えられる。今回の場合,やまもと氏は2500万未満1000万以上だったので「なんちゃってインフルエンサー」の称号を獲得する。一方でこのチャレンジに成功すれば「SUPER TOP OF インフルエンサー」。失敗すれば4位である。さあ,決断はいかに!
切込:「なるほど。やりましょう」(あっさり)
一同:「マジで!?」
何の気負いもなくチャレンジを宣言したやまもと氏は,20%の賭けにあっさり勝利して,見事「SUPER TOP OF インフルエンサー」の称号を獲得した。
一同:「マジで!?」
切込:「人生ね,賭けなきゃだめですよ」
……というわけで,我々にとっての平成最後の人生ゲームは,やまもといちろう氏の大勝利にて幕を閉じた。ここまで派手に勝たれると何も言えませんな,ハッハッハ。
その後,簡単な感想戦が持たれたが,プレイヤーの感触としては「良いゲーム」ということで一致した。確かに運の要素は強いが,それでいてプレイヤーの判断が勝負を左右する要素もかなり強めに盛り込まれている。一方でゲーム時間は1ゲーム20分〜30分程度で,人数による時間の増減もほとんどないと思われる。このため「じゃあもう1回やりますか」も容易だし,子供の集中力でも問題なく1ゲームをこなせるだろう。
またインフルエンサーカードやアイテムカードの時事ネタ濃度が現時点においてはなかなか適切で,「これってもう過去のネタですよね」「来年には忘れてるんじゃないですかね」という部分も含めて楽しめる。インフルエンサーカードを獲得するためのアイテムカードにも個性的な名称が多く,どのアイテムカードを使うかでちょっとした小咄が成り立つのも面白いところだ(その手のフレーバーを無視して,ただ単にカードの色だけを揃えてもゲームとしては問題なく成立するが)。
カナイセイジ氏は「大きな企業が,大人数でブレストしながら,マンパワーをかけて完成させたゲームだ,という感触が強いです」と語っていたが,どちらかと言えばインディー気質が強く見られる今の日本のボードゲーム界にあって,本作はまた違ったテイストの楽しさを堪能できる作品と言えるだろう。
本作「人生ゲーム+令和版」は,2019年6月に3980円(税別)で発売となる。。4月26日からすでに予約も始まっているようなので,本稿で興味を持った人は,ぜひ身近な“愉快な仲間達”とプレイしてみてほしい。まあ,この記事ほどヒドいことにはそうそうならないとは思うが,気の置けない仲間とボードゲームで卓を囲むのは,いつだって楽しいものなのだ。それがひさかたぶりの人生ゲームだったりしたら,なおさらだろう。ぜひ,お試しあれ。
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