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「Tom Clancy’s エリートスクワッド」をプレイ。歴代シリーズのヒーロー&ヴィランたちがガチンコ対決
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印刷2020/09/07 12:00

プレイレポート

「Tom Clancy’s エリートスクワッド」をプレイ。歴代シリーズのヒーロー&ヴィランたちがガチンコ対決

 ユービーアイソフトは,新作スマホアプリ「Tom Clancy’s エリートスクワッド」iOS / Android)を,2020年8月26日に配信した。

画像集#001のサムネイル/「Tom Clancy’s エリートスクワッド」をプレイ。歴代シリーズのヒーロー&ヴィランたちがガチンコ対決

 本作は“トム・クランシー”シリーズを題材にしたRPGで,プレイヤーは「レインボーシックス」「スプリンターセル」「ゴーストリコン」「ディビジョン」といった参戦作品のヒーローやヴィラン(悪役)を収集・育成し,リアルタイムのシューティングバトルに挑む。

 基本プレイ無料ということで,すでに遊んでいる人も少なくないだろうが,まだの人は以下のインプレッションを参考にしてほしい。
 また,今回は開発へのメールインタビューも行ったので,本作のコンセプトや今後について気になる人は,あわせて目をとおしてほしい。

「Tom Clancy’s エリートスクワッド」公式サイト

「Tom Clancy’s エリートスクワッド」ダウンロードページ

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半オート操作の奥深い戦闘シミュレーション


 法では対処できない事案の数々に,世界は危機に直面していた──。
 そこに,イリーガルな特殊部隊“エリートスクワッド”が現れる。

 プレイヤーは特殊部隊の指揮官として,世界各地のさまざまなスペシャリストたちを雇用し,運用する権限が与えられている。
 登場人物の顔ぶれを見ると,スプリンターセルの主人公「サム・フィッシャー」や,レインボーシックス シージの「ノマド」「カベイラ」など,どんな難敵でも排除できてしまえそうな信頼感がある。

 とはいえ,キャンペーンで敵対する「UMBRA(アンブラ)」は,世界規模で暗躍する組織だ。相手にとって不足なしといったところである。

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 作中では見知った登場人物のみならず,各作品にゆかりのあるバトルステージも数多く,シリーズファンならニヤリとできる場面も少なくない。まさに“トム・クランシーのお祭りゲー”とも言える内容だ。

 それでも,メインストーリーは本作オリジナルのものであり,既存作品を知らないと理解できない描写などもとくにない。
 シリーズの知識がなくても,十分にゲームを楽しめるはずだ。

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 スマホゲームとしては,時間経過で回復する「エナジー」(スタミナ)を消費してバトルに挑み,そこで得たリソースで「ソルジャー」(キャラクター)を育成しつつ,さらなるミッションに挑戦していく流れだ。

 スマホ向けRPGとしても実にスタンダードな作りと言えるので,プレイサイクルに悩むといったこともないだろう。

キャンペーンは章仕立て。ミッションをクリアすると,次のミッションが開放される
画像集#006のサムネイル/「Tom Clancy’s エリートスクワッド」をプレイ。歴代シリーズのヒーロー&ヴィランたちがガチンコ対決

 バトルでは,計5人のソルジャーで「スクワッド」を編成し,敵陣営との激しい銃撃戦を繰り広げていく。マシンガンやライフルの銃弾,手榴弾や航空支援が入り乱れる戦場は,見ているだけでも楽しげだ。

 なお,ソルジャーの行動は「通常攻撃」と「アビリティ」となるが,いずれも操作は必要とせず,オートで勝手に動き回ってくれる。
  指揮官であるプレイヤーは,マップ全域に介入できる専用スキル「コンバットオーダー」を用いて,味方をサポートすることになる。

手持ちのソルジャーから,任務に最適な人材を選んで分隊を組もう
画像集#007のサムネイル/「Tom Clancy’s エリートスクワッド」をプレイ。歴代シリーズのヒーロー&ヴィランたちがガチンコ対決

 コンバットオーダーには,シールドを付与する「バリアー」をはじめ,指定したターゲットの周辺にダメージを与える「航空支援」,味方のアビリティを即座に使えるようにする「リチャージ」などがある。
 どれも効果は限定的で,持ち込みも2つまでなので選別が悩ましい。

 また,コンバットオーダーは使用後にクールタイムが発生し,再使用までの待機時間がカウントされる。戦況に応じての使用が大切だ。

選択した味方のアビリティを即座に発動させられるオーダー「リチャージ」
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 操作がコンバットオーダーだけなので,よくも悪くも負担はないようなものだが,ソルジャーたちとオーダーのシナジー効果,さらに敵陣営の特性を加味してのスクワッド編成はなかなかに面白い。

 一例を挙げると,敵の攻撃を一手に引き受ける挑発アビリティ持ちのタンクに,バトル開始直後にリチャージを使い,さらにバリアーで防御力を上げて鉄壁の布陣を作り,耐久戦を仕掛けるといった具合だ。
 本作は“予測した戦闘シミュレーションを眺める楽しさ”を味わえる類いの作品なので,それが好きな人ならアイデアも膨らむだろう。

 とはいえ,ミッションの「戦闘スキップ」でプレイヤーレベルを手早く上げ,PLVに応じて上限値が引き上がるソルジャーをどんどん強化して,コンバットオーダーには攻撃用の「航空支援」,回復用の「コンバットエイド」を選んでゴリ押す。これもまた正攻法のひとつだ。
 自分なりのプレイスタイルを探し,気持ちのいい勝利を目指そう。

クォータービューで眺めるバトル。シミュレーションやストラテジーの類いの戦闘を見ているのが好きな人は,まず楽しめるはずだ
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ソルジャーを育てて,自分だけのスクワッドを作ろう


 キャンペーンモードを進めてプレイヤーレベルを上げていくと,少しずつコンテンツが開放され,いろいろな遊びが生まれてくる。
 ここも,ゲーム序盤から戦闘スキップをうまく重ねて使うことで,ササッとコンテンツを開放しながら報酬にありつける。

 ゲームモードには,特定のソルジャーをアンロックできる「イベントモード」,実力が試される非同期型PvP「アリーナ」,特定のリソースを集めやすい「デイリーオペレーション」,そしてオンラインゲームらしく,気の合う仲間を見つけて一緒に遊べる「ギルド」も存在する。

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時間制限や回数制限もある「イベントモード」。毎日チェックするといい
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ランク分けされた非同期型PvP「アリーナ」。報酬をもらえるので気軽に参加しよう
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 これらのコンテンツを通じて,ソルジャーたちをどんどん強化していく。キャンペーンには難度や種類がいくつも用意されており,「ヒーロー系のソルジャーのみ編成可」などの制限もあることから,必然的にいろいろなソルジャーを使えるのが楽しみなところだ。

 なお,ソルジャー自体はゲームプレイや有償で獲得でき,同一のソルジャーを集めることで強さの指針となるランクも上げられる。
 お気に入りをトコトン強くしていくのは当然としても,ロールや属性を鑑みての手広い育成も大事にしておくといいだろう。

 当の育成面に関しては,通貨と素材を使って強化していく。
 最初に着手すべきはソルジャーのレベルで,ゲーム内通貨「銀貨」を使うだけでレベル上げが行える。銀貨さえあればいいので,実際にバトルに参加させていないソルジャーであっても気軽に強化可能だ。

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 さらに各ソルジャーが装備する「武器」「ギア」をアップグレードすることもできる。こちらは特定の素材を使ってクラフトすることになるので,必要な素材がドロップするステージを探し,周回するといい。

 素材だなんだと言うと,スマホゲームの複雑なお約束が想起させられるだろうが,そこはユービーアイソフト。同社のさまざまなタイトルよろしく,“UBIらしいシンプルな強化システム”は健在だ。
 たしかに素材の種類は細分化されているものの,プレイが煮詰まるような段階でもなれければ,いつもどおり「強いのにできるから強いのにしておこう」くらいの気軽さで,単純なアップグレードの階段を上れる。

 難しく考えず,強化できるようならしておく。それだけでも十分だ。

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 トム・クランシーと聞くと,やはりシューターゲームの印象が強い。だが本作はイメージを保ちつつ,スタンダードなRPGに仕上がっている。

 もはや当たり前となった銃器の充実ぶりはきちんと踏襲され,3Dグラフィックスで描かれるバトルは迫力あり,細かな戦術思考もあり,それでいて爽快感もある。ステージサイズの問題で,スナイパーのはずがわりと近距離で撃ち合っているのは苦笑いだが,不平まではいかない。
 それに世界的なゲームメーカーである同社のタイトルらしく,全体的に“楽しみやすいゲーム”に構築されているのはたしかだ。

 革新的なシステムこそ少ないものの,誰でも手軽に遊べるよう,手堅くまとめられた「Tom Clancy’s エリートスクワッド」。
 トム・クランシー作品のファンはもちろんのこと,こつこつ育成したり,バトルシミュレーターの結果に試行錯誤するのが好きだったりする人には,胸を張ってオススメできる1本である。


開発へのメールインタビュー


 今回,本作の開発を手がけた「Owlient Studio」(オゥリエントスタジオ)へのメールインタビューも実施した。

 回答者は,スタジオマネージャーのCharlie Guillemot氏(シャルリー・ギルモ),Rémi Pellerin氏(レミ・ペルラン),さらにユービーアイソフト APACモバイル ビジネスデベロップメント&パブリッシング ディレクターのOzan Kocoglu氏(オザン・コチョール)だ。

4Gamer:
 本作の誕生までの経緯を教えてください。

Owlient Studio:
 プロジェクトの発端は2017年2月,フランス・パリのOwlient Studioで生まれました。当時はわずか15名の小さなチームでしたが,私たちはモバイルRPGの大ファンであり,かつトム・クランシーのブランドを活用し,キャラクターをコレクションする作品を構想していたんです。
 そのうえでさらに,本作ならではのユニークな試みをできればと考えました。トム・クランシーの世界観を維持しつつ,従来のターンベース方式のゲームよりもダイナミックな戦いを実現して,バトルシステムに革新を起こしたいと。なかなか躍起になっていましたね。

 同時に,当時のモバイルRPGの大半は「プレイヤー同士の協力要素が足りていない」と感じていたため,ソーシャル機能を大幅に改良することを目指しました。それに伴い,いわゆるAAAモバイルタイトルにするためにと,最終的に計5か所のスタジオで80人以上の人を動員しています。

4Gamer:
 ゲームの特徴や魅力を教えてください。

Owlient Studio:
 本作は,トム・クランシーの公式ゲームとしては初のモバイルタイトルです。テンポに優れたミリタリーバトルに加え,過去すべてのシリーズ作品から,数多くのヒーローとヴィラン(悪役)を集結させました。
 本作ではそれらを集めて育てて,5vs.5のバトルで撃ち合います。オリジナルストーリーのキャンペーンモードに加え,多彩なPvEやPvPの遊びも取り入れたため,長く楽しんでいただける内容になっています。

4Gamer:
 トム・クランシー作品の参戦キャラクター数は?

Owlient Studio:
 現時点で“77人”のソルジャーが参加しています。もちろん新キャラクターも頻繁に登場させますので,楽しみにしていてください。

4Gamer:
 トム・クランシー以外の“UBIキャラ”の参戦はどうでしょう。

Owlient Studio:
 将来的な話ではありますが,ほかのユービーアイソフト作品のキャラクターとのクロスオーバーが発生する可能性もあります。
 とはいえ,今のところはトム・クランシーの世界にまだまだ魅力的なキャラクターがおりますので,まずはこちらを優先します。

4Gamer:
 RPGとしての構造はいかがでしょう。育成要素の特徴などは。

Owlient Studio:
 本作では“バトル・コレクト・アップグレード”からなるRPG特有のゲームサイクルを導入し,プレイヤーの皆さんにより多くのキャラクターを集めて楽しんでもらえるようなデザインを意識しました。
 育成面はソルジャーのランク,武器やギアのアップグレード,戦略面はスクワッドのシナジー効果やスキルの取捨選択が大事になります。

 最も強力な「レジェンダリー」ランクのソルジャーは,毎月イベントでのみ獲得できます。イベント以外のゲームモードは,レジェンダリー獲得に必要なリソースを集めてもらうような設計としました。
 これによりレジェンダリーを集める過程で,さまざまな特徴を備えるソルジャーを集めて使う,そんな楽しみを体験してもらえます。

4Gamer:
 エンドコンテンツとなりうる,PvPの仕組みはいかがでしょう。

Owlient Studio:
 私たちが設計したソーシャル要素と競争要素のフレームワークは,本当に自信を持って送り出せるものになりました。
 たとえば,アリーナのPvPシーズンは毎週末にリセットされるため,プレイヤーの皆さんは毎週月曜に,新たな気持ちでリーダーボードのトップを目指すことができます。さらにギルドの友人と協力し,ギルド戦に参加すれば,専用のリーダーボードで記録を狙うことも可能です。

4Gamer:
 現状の課題,あるいは今後のアップデート目標はどうですか。

Owlient Studio:
 私たちは現在,プレイヤーの皆さんにゲームに関心を持ち続けてもらえるよう,遊び続けてもらえるようにと思案しています。新しい機能をはじめ,ゲームモード,キャラクターやマップや武器,それにバトルシステムも含めて,さらなる深みを与えられたらと考えています。
 また地域や端末によって,クラッシュやバグといった技術関連の課題が発生してしまっているので,その修正にも尽力を尽くします。

 そして今後のアップデートですが,6週間ごとに小さなアップデート,12週間ごとに大きなアップデートを提供予定です。本作については豊富なロードマップを用意していますので,ぜひ期待してください。

4Gamer:
 最後に本作が目指すところ,またUBIの展望もお聞かせください。

Owlient Studio:
 私たちの目標は,多様なゲームプレイとコンテンツを継続的に提供し,ゲームを改善し続け,より多くのプレイヤーを引きつけることです。
 いつしか「Tom Clancy’s エリートスクワッド」がモバイルRPGの模範とされ,すべてのRPGファンに「Must-Play-Game(絶対やるべきゲーム)」と思ってもらえるよう,これからもがんばっていきます。

Ozan Kocoglu氏:
 私どもユービーアイソフトは,2020年8月にモバイル版「ブロウルハラ」を,そして今回の「Tom Clancy'sエリートスクワッド」をリリースさせていただきましたが,さらなる来年に向けて,モバイルタイトルのラインアップをいろいろと増やしていく予定です。
 世界中の方々はもちろん,日本のプレイヤーの皆さんにとくに楽しんでいただけるゲームもたくさん用意していきますので,ユービーアイソフトのモバイル展開のこれからを,ぜひご期待ください!

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