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レトロンバーガー Order 16:E3 2019のレトロゲーム情報まとめ。Arcade 1UPにSWとMarvelが来るし,Atari対Intellivision時代も来る編
2019年6月11日〜13日(現地時間),アメリカ・ロサンゼルスでElectronic Entertainment Expo 2019(E3 2019)が開催されました。いやー,開催されましたね。今のご時世,大手のサプライズは事前のカンファレンスで終わってしまうので,現地に行ってない筆者からすると,E3自体はなんか始まってなんか終わってたくらいの印象ですが。
個人的には「サイバーパンク2077」(関連記事)や「GhostWire: Tokyo」(関連記事)に期待していたりもするのですが,それはさておきE3と言えば当然ながらレトロゲームです。当然ながら。当然ですね。そんなわけで,E3 2019で発表されたレトロゲーム関連情報を振り返ってみましょう。
Arcade 1UP
オリジナルの2/3サイズになったアーケード筐体風ゲーム機「Arcade 1UP」について,Atari製Star Warsバージョン,カプコン製Marvel Super Heroesバージョン,KONAMI製Teenage Mutant Ninja Turtlesバージョンという,3つの新機種が発表されました。
Star Warsバージョンに含まれるのは「Star Wars」「STAR WARS The Empire Strikes Back」「Star Wars Return of the Jedi」といったアーケードの3タイトル。Marvel Super Heroesバージョンに含まれるのは「Marvel Super Heroes」「X-MEN Children of the Atom」「The Punisher」と,こちらもアーケードの3タイトル。Teenage Mutant Ninja Turtlesバージョンに含まれるのはアーケードの「Teenage Mutant Ninja Turtles」とSuper NESの「Teenage Mutant Ninja Turtles: Turtles in Time」の2タイトル。個人的にはMCU特集もやったくらいなので,Marvel Super Heroesバージョンがメチャクチャ欲しくなっています。
Swing by @Arcade_1Up’s booth at #E32019 to see the Marvel Super Heroes arcade cabinets, including a 16-foot version! Head over to our Instagram Story to see more. pic.twitter.com/kjnZrVtIe2
— Marvel Entertainment (@Marvel) 2019年6月12日
会場では新機種のほか,テーブル型やテーブルトップ型の新筐体とスツールも展示されていたそうです。テーブルトップ型は日本への輸送費も安く済みそうですね……。
Retro-Bit
ゲームコントローラ復刻でおなじみのRetro-Bitは,Bluetooth版のSega Genesis / Sega Saturnコントローラを発表しました。また,製品化が遅れていたDreamcastコントローラについて,モックアップのお披露目も。Dreamcastコントローラの詳細な仕様はまだ明かされていませんが,Sega Genesis / Sega Saturnコントローラと同様,先に有線版,後から無線版がリリースされるそうです。
そのほか,NESソフト「METAL STORM」(アイレムから発売されたファミリーコンピュータ「重力装甲メタルストーム」)の復刻版も発表されています。通常版とコレクターズエディションがあり,後者には自機のフィギュアなどが含まれるとのこと。公式Twitterの発言によると,コレクターズエディションのROMは日本語版となるようです(他のTweetに「all carts will be the Japan version」といった言及もあるので,通常版も日本語なのかもしれませんが)。
Commemorate the release of Japan’s version of #MetalStorm with our collector’s edition! Here’s a first look at everything that will be included! Along with the full-colored figurine! #E3 #RetroGaming pic.twitter.com/hzEYI9pSiW
— Retro-Bit Gaming (@RetroBitGaming) 2019年6月12日
Hyperkin
北米レトロハード復刻界でRetro-Bitと双璧を成すHyperkinは,ニンテンドウ64の互換機を発表。映像出力はHDMIで,解像度は720pだそうです。
https://t.co/4qjJSUoctH
— Hyperkin @ TooManyGames (@Hyperkin) 2019年6月7日
You may have heard some interesting news. :)
The RetroN ULT will be at @E3 at our booth 317 in the South Hall. Please send media inquiries or booth appointments to media@hyperkin.com.
また,Hyperkinの新製品で注目したいのがNintendo Entertainment System用の「光線銃」互換デバイス。2000年ごろまでの家庭用ゲーム機向けライトガンは,ブラウン管の走査線をキャッチすることでヒット/ミスを判定していた(厳密に言うと,光線銃は簡易方式ですが)ので,走査線という概念の無い液晶モニタなどでは使えません。それを何やら力技で解決したというのが,このデバイス。個人的には,ここからガンコンやバーチャガンの互換品も出てきてくれたら……と期待したいところです。
The HyperBlaster HD is the first light gun, compatible with Duck Hunt, that works on an HDTV! Come check it out at Booth 317 in the South Hall at @E3! pic.twitter.com/d4kfnju55o
— Hyperkin @ TooManyGames (@Hyperkin) 2019年6月11日
ちなみにHyperkinのレトロゲーム機互換ハードといえば「RetroN」シリーズですが,本連載タイトルの“レトロン”は「Re:Tron」なので,まぐれかぶりです。ただ「RetroN 5」とか「RetroN 77」とかは購入しています。
Atari VCS
Atariは新ハード「Atari VCS」について,おおよそのハードウェア仕様を発表するとともに,公式サイトとGameStop,Walmartで予約受付を開始しました。発表によると,本体は4GB RAM仕様と8GB RAM仕様の2種類があり,販売店ごとに取り扱いの本体カラーが異なるとのこと。標準OSのほか,WindowsやChromium OSなど任意のLinuxディストリビューションをインストールできて,USB/Bluetoothでゲームパッドやキーボード,マウスなどを接続可能だそうです。
一般向けの発送開始時期は2020年3月ですが,Indiegogoサポーターには2019年末から発送されるとのこと。ちなみに筆者はIndiegogoサポーターなので,皆さんより少し早く手にすることになるかと思います。皆さんより少し早く。当然,皆さんも遅れてでしょうが手にする……手にしますよね?
[GDC 2018]新作ゲーム機「Atari VCS」,その正体はAMD製APU搭載のLinuxマシンだ
Atariというブランドから登場する据え置き型ゲーム機としては四半世紀ぶりの新作となる「Atari VCS」。GDC 2018に合わせて本機を正式発表したAtariは,会場近くのホテルで実機を披露していたので,Bristol RidgeベースのAMD製APUベースのLinuxマシンとなる実機のインプレッションをお届けしたい。
Intellivision
新ハード「Amico」の発売を2020年10月10日に予定しているIntellivisionは,E3 2019では静かな出展でしたが,E3 2020では大きなカンファレンスを行うとのこと。2020年はAtariとIntellivisionが直接対決となる,歴史的な年になりそうですね。世間の一部ではPS5とかProject ScarlettとかStadiaとか,そんな話もありますが!
Intellivision Entertainmentが新型ゲーム機「Amico」をアナウンス。149〜179ドルで2020年10月10日にリリース
Intellivision Entertainmentが,新型ゲーム機「Amico」を正式にアナウンスし,149〜179ドルの価格帯で2020年10月10日に発売すると発表した。低年齢層向けのカジュアルゲームを主体にしたゲーム機になる模様で,旧式のiPodのような形状のワイヤレスコントローラで操作するという。
PCエンジン mini
KONAMIから突如として発表された「PCエンジン mini」。当連載の第1回で「ミニPCエンジンが欲しい」と言いましたが……まさか瓢箪から駒になるとは。北米版およびヨーロッパ版には「New Adventure Island」(海外版「高橋名人の新冒険島」)が収録されるそうですね……マジで前回の特集で言った「ワンダーボーイ」系譜のブームが来ている……。この勢いで,「ゼビウス ファードラウト伝説」や「スプリガン mark2 Re-Terraform Project」が入らないものか! とか言ってたら本当に入らないでしょうか。
[E3 2019]PCエンジン miniを見て触ってきた! TurboGrafx-16 mini,PC Engine Core Grafx miniもあった!
KONAMIから2019年6月12日に電撃的に発表された「PCエンジン mini」の実物を,特別に見て触ることができたので写真をお届けしよう。今回見せてもらったのは“ほぼ実機”ではあるのだが実動機ではなく,実機生産用の金型で作られたモックアップで,かなり最終製品に近い外観をしている。
その他いろいろ
世界的に旧作IPの復活がブームということもあり,THQ Nordicからは「Destroy All Humans!」のリブートが発表されました(関連記事)。2005年にリリースされたオリジナル版「Destroy All Humans!」は,それ自体というよりも2007年にセガからリリースされた邦訳版のクレイジーなローカライズが印象的ですが,またやってくれないでしょうか。
セガと言えば,注目したいのが「Panzer Dragoon: Remake」(関連記事)。なんだか熱帯っぽくなった背景の描画や野太くなったドラゴンの鳴き声に不安を覚えなくもないですが,見守っていきたいと思います。
さらに,E3 2019会場では「DOOM Museum」という歴代DOOMの展示コーナーや,National Videogame Museumによる出張展示などもあったとか。海外メディアを見ると,後者ではセガサターン試作機・Sega Plutoや,日本では光速船として知られるVectrexの試作機などが展示されていたそうですね。うーん,実物すっごい見たい。筆者は当時の勤務先から行ったE3 2014で,スーパー32X一体型メガドライブ・Sega Neptuneの試作機を見てスゲースゲーと言っていたものですが,Plutoも目に焼き付けたいものです。デルタ航空かアメリカン航空が,席種・貨物室(HND→LAX 2万円)とか売り出してくれないでしょうか。大型犬と同様の扱いで大丈夫ですので。あ,水と電源だけください。
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