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【PR】R6Sの強豪プロチーム「野良連合」が使うイヤフォン「ATH-E70」は,勝ちにつながるイヤフォンだ
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印刷2019/06/27 12:00

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【PR】R6Sの強豪プロチーム「野良連合」が使うイヤフォン「ATH-E70」は,勝ちにつながるイヤフォンだ

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 「レインボーシックスシージ」(PC / PS4 / Xbox One,以下 シージ)の国際大会で活躍し,2018年11月にブラジル・リオデジャネイロで行われた「Rainbow Six Pro League Season 8 Finals」や,2019年2月にカナダ・モントリオールで行われた「Six Invitational 2019」ではベスト4に進出するなど,世界的にも強豪となった日本のプロゲームチーム「野良連合」(関連リンク)。

Six Invitational 2019でベスト4へと勝ち進んだ野良連合の選手たち
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ATH-E70の使用シーンをイメージした写真。ミュージシャンやエンジニアがステージやスタジオで使うことを想定したイヤフォンだ
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 そんな野良連合に所属する選手やストリーマーが,練習から国際大会での試合まで,日常的に使っているイヤフォンが,いわゆるゲーマー向け製品ではないことをご存じだろうか。
 彼らが使っているのは,オーディオテクニカ製のインイヤー型ヘッドフォン「ATH-E70」という製品で,本来は,プロのミュージシャンや音楽制作者が使う,いわゆるモニター用のイヤフォンだ。モニター用ヘッドフォン/イヤフォンは,特定の音域を強調するようなクセを付けずに,忠実かつ精細な音の表現を再現することに重点に置いた製品ジャンルである。音楽を仕事にするプロ向けの製品であるだけに,一般消費者向けのヘッドフォンに比べると価格もそれなりに高い。

ATH-E70
メーカー:オーディオテクニカ
問い合わせ先お問い合わせ・サポート
実勢価格:5万2000円前後(※2019年6月27日現在,税込価格)
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 なぜ野良連合の選手たちは,モニター用イヤフォンのATH-E70を愛用しているのか。そこには,世界で戦うeスポーツ選手ならではの理由があった。野良連合とオーディオテクニカへのインタビューを通じて,製品の持つ特徴とeスポーツ選手がATH-E70を選ぶ理由を解き明かしてみたい。


小さなボディに3基のドライバーを内蔵

どの音域でも鮮明な音を実現


ATH-E70の製品ボックス
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 まずは,簡単にATH-E70そのものについて説明しておこう。
 ATH-E70は,バランスドアーマチュア(Balanced Armature)型と呼ばれるスピーカードライバーを使用するイヤフォンである。小さなイヤフォン本体に,低音域,中音域,高音域の出力を担う3つのドライバーを詰め込んでいるのが特徴で,どの音域でも鮮明に聞こえるのがポイントとなる。

基板が見える独特のデザインをした本体に,超小型スピーカードライバーが3基内蔵される
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 イヤフォン本体から伸びるケーブルは着脱可能で,しかも長さが約1.6mと長い。ミュージシャンの演奏を邪魔しないように,必要であればケーブルを体の後ろに流すこともできるようになっているので,ゲームプレイ時にも操作の邪魔になりにくそうである。

 また,付属のイヤーチップ(イヤーピース)は,シリコンゴム製でS,M,L,XLの4サイズと,低反発ポリウレタンを用いたコンプライ製1サイズの計5セットとなっており,耳穴の大きさや好みに合わせたものを選べるのもポイントだ。

ATH-E70と付属品。左から専用ケース,ATH-E70とケーブル,コンプライ製ポリウレタンタイプ,シリコンゴム製イヤーチップ3セット,6.3mm標準ピン変換アダプター
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ケーブルは着脱可能で,イヤフォンにつながる部分は耳の形に合わせて沿わせやすいよう,曲げた形状を保てる仕組みになっている(左)。右は付属のイヤーチップを並べたところ。写真左からS,M,XL(※Lはイヤフォンに標準装備),コンプライ製ポリウレタンタイプの並びだ
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 主なスペックについては以下のようになる。

●ATH-E70の主なスペック
  • 基本仕様:アナログ接続型ワイヤードタイプ,インイヤー型
  • スピーカードライバー:バランスドアーマチュア×3(※片側あたり)
  • 周波数特性:20Hz〜19kHz
  • インピーダンス:39Ω
  • 出力音圧レベル:109dB/mW
  • 本体色:ブラック
  • 公称本体サイズ:未公開
  • 公称本体重量:約9g(※ケーブル除く)
  • 公称ケーブル長:約1.6m
  • 接続インタフェース:3極3.5mmミニピン,6.3mm標準ピン(※付属アダプター)
  • 主な付属品:着脱ケーブル,6.3mm標準ピン変換アダプター,シリコンイヤーチップ(S/M/L/XL),コンプライ製ポリウレタンイヤーチップ,ケース
  • 公式対応ハードウェア:アナログ接続対応機器
  • 実勢価格:5万2000円前後(税込)
  • 保証期間:購入後1年間


野良連合の選手が語る。ほかのFPSにないシージならではのポイント


 それでは,野良連合のメンバーに,まずはシージの話題から話を聞いていこう。インタビューを受けてくれたのは,野良連合代表のKizoku(キゾク)氏,選手のWokka(ウォッカ)氏とPapiliq(パピリア)氏の3名である。

左からPapiliq氏,Wokka氏,Kizoku氏。取材は,野良連合の選手たちが寄宿するチームのゲーミングハウスで行った
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 加えて,ATH-E70についての説明を担当するメンバーとして,オーディオテクニカから国際営業部 プロオーディオ課の伊東洋右氏,同部 コンシューマー営業課の植野祐介氏,商品開発部 ポータブルリスニング開発2課の田久保陽介氏にご参加いただいた。

――まずは,皆さんの簡単な自己紹介からお願いできますでしょうか。

Wokka氏:
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 野良連合のストリーマー部門で活動しているWokkaです。野良連合がPC版のシージ部門を作った直後に参加して,2年間ほど選手として活動しておりましたが,現在はストリーマーとして活動しています。

――シージはPS4版からプレイされていたのでしょうか。

Wokka氏:
 いえ,PC版が初めてで,リリースから3〜4か月後に初めてプレイした感じですね。

Kizoku氏:
 野良連合のオーナーを務めているKizokuです。シージは,2015年の発売初日からプレイしています。2016年夏ぐらいまでは選手として活動し,PlayStation 4(以下,PS4)版の大会では国内で優勝もしました。現在は選手業から引退して,オーナーをしています。

Papiliq氏:
 野良連合ESL部門のリーダーを務めているPapiliqと申します。

――Papiliqさんは,いつ頃からシージを始めたのでしょうか。

Papiliq氏:
 シージが発売されてすぐの頃からで,最初からPCでプレイしています。チームに参加したのは,2018年の9月ですね。

――皆さん,FPS自体は,シージ以前からプレイされていたのでしょうか。

Wokka氏:
 自分は,シージが発売される5〜6年前から,PlayStation 3(以下,PS3)やPS4といった据え置き型ゲーム機で,「Call of Duty」(以下,CoD)シリーズのオンライン対戦をメインにプレイしていました。
 今はCoDをプレイしていないのですが,プレイしたいという気持ちはあります。そのほかには,「Fortnite」とか,人気のタイトルには触れています。

Kizoku氏:
 シージ以前からもFPSはプレイしていて,一番初めにプレイしたFPSは,NINTENDO 64の「ゴールデンアイ 007」でしたね。1997年発売でしたか。

Wokka氏:
 自分が生まれた年ですね。

(全員笑)

Papiliq氏:
 僕は,17歳の頃からPCゲームをプレイし始めていて,FPSも当時からプレイしていました。そうしたゲームの1つとして,レインボーシックスシリーズをプレイしていたので,その流れの中で,シージが発売されたときに始めました。

――FPSは最初から対戦がメインでしたか。学校などでチームを作っていたりしたのでしょうか。

Wokka氏:
 中学時代の友達と一緒にプレイすることもあれば,オンラインでフレンドになった人たちとプレイすることもありました。

Papiliq氏:
 もともとは,PCよりも前にXboxでFPSをプレイしていたので,その頃に出会った仲間とチームを組んでプレイしていました。大学にも,PCのFPSプレイヤーがいたので,一緒にゲームを始めようという感じでしたね。

――野良連合の結成は2016年とお聞きしましたが,それはどのような切っ掛けがあったのでしょうか。

Kizoku氏:
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 シージを初めてプレイしたときに,ほかのFPSとの違いを感じました。ほかのFPSは,いわゆるエイム,射撃の精度を重視するというところがあります。それに対してシージは,ガジェットを使ったり,立ち回りで戦う要素が大きく,敵の裏を取れたりすることも多いなど,頭を使うFPSであると感じました。もともと頭を使うゲーム,たとえば将棋や囲碁,ポーカーやチェスも好きでした。そこで直感的に,「俺,このゲームなら日本一になれるな」と思って,シージのチームを作ったのがきっかけですね。

――口で言うだけなら誰でもできますが,それを実行したのがカッコイイですね。

Kizoku氏:
 いえいえ(笑)。

――ほかのFPSにはないシージの魅力や,ほかのゲームとの違いは,どこにあると感じているのでしょうか。

Wokka氏:
 ほかのFPSでは,まず武器を選んでというパターンが多いです。一方,シージの場合,ガジェットを使うオペレータを選んでチームを編成する要素が,戦略的なゲームとしての魅力だと思っています。

――ちなみに,好みのオペレータは何でしょうか。

Wokka氏:
 防衛ではヴァルキリー,攻めではアッシュと,人気のあるオペレータたちが好きですね。

――チームで試合に臨むときは,誰がどのオペレータを担当するというのは決まっているのでしょうか。

Kizoku氏:
 いえ,うちは海外大会を考慮して,全選手が全オペレータを使えるよう,フレキシブルにやっています。その点が,海外大会でも躍進できた理由かと考えています。

――プレイしていて「シージはここが面白い」と思うのは,どんなところでしょうか。

Wokka氏:
 ほかのFPSよりも,圧倒的に小技とか,覚えることがたくさんありますね。

Kizoku氏:
 射線とかね。ほかのFPSって,だいたい屋外戦が多いですよね,サバイバルゲームのような感じで。一方,シージは基本的に全部が室内戦なので,室内だとできること,やれることが増えます。たとえば(壁に)穴をちょっとだけ開けるとか。

Wokka氏:
 壁が壊せるので,なんでもできるんですよね。

Papiliq氏:
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 そのほかの違いとしては,シージは攻撃側と防衛側で非対称なゲームであるという点でしょうか。一般的なFPSは対称的,いかに平等な条件の中でプレイヤースキルを出すかというゲームが多いと思います。しかし,シージは完全に非対称。防衛側と攻撃側で武器も性能差があったり,1人1人使うオペレータに異なる個性があったりという具合です。FPSという土台の上にシージ固有のゲーム性が加わることで,今までのFPSにない感覚を実現できているのが,ゲーマーを引きつける魅力なのではないかと思います。


世界の強豪チームとオフラインで戦う経験が海外大会の醍醐味


――海外大会への参戦が増えたのは2017年くらいからとのことですが,海外の大会に参加する魅力,あるいは難しい面というのはどこでしょうか。

Kizoku氏:
 チーム目線で言うと,まず熱気がすごいですよね。会場がなにしろ広いです。2018年のリオデジャネイロで参加した大会(※Rainbow Six Pro League Season 8 Finals)は,リオ五輪でも使われた会場(※Jeunesse Arena)で,1万5000人くらいは観客がいたと聞きます。つい先日参加したカナダの大会(※Six Invitational 2019)も,観客が7000〜8000人くらいはいたんじゃないでしょうか。
 それと,海外でプロゲーマーは,プロアスリートと同等に扱われたりしますので,食費がタダだったり,タバコ代がタダだったりと(笑)。ホテルにも,僕らの選手専用のシェフがついてくれたりとか。ホテルもいいところを取っていただけます。

Wokka氏:
 自分の成長につながるというのが,選手としては一番大きいところかと思います。日本と海外では,戦術やプレイの方向性がいろいろ異なるところがありますので,それを体験していろいろな方向性を知ることで,さらに自分たちのプレイを改善したり,次のステップへ進んだりするという機会になるというのが,一番の魅力かなと思います。

 難しいところで言うと,自分はすぐに体調を崩すタイプなので,体調管理が難しいですね。長いフライトもありますし,自分のコンディションを大会までに作り上げるのが難しいかなと思います。

――海外だと,たとえば薬を現地で買うにしても,思うに任せないことはありますよね。

Wokka氏:
 以前にパリへ遠征したとき,フライト中がめちゃくちゃ寒かったので,現地に着いたら扁桃炎になってしまったことがありました。そのときは40℃近い熱が出て大変で,病院に行って点滴を打ってもらうわ,よく分からない薬を処方されるわと。最後には「ここでは治せない,よくなるのを祈るしかない」と言われまして(笑)。結局は38℃の熱があるまま参加しましたね。

――それは真似したくない(笑)。Papiliqさんはいかがでしょうか。

Papiliq氏:
 海外遠征の魅力は,戦術を見つけるといった部分です。
 日本にいると,必ず壁になるのがPingの壁です。eスポーツが進んでいる海外のチームと,ほぼ平等な環境で対戦できる機会がないのですね。しかし海外遠征に行けば,予選を勝ち上がってきた世界でもトップクラスの選手やチームと,オフラインでの試合だけでなく練習試合もできます。オフラインでの対戦経験は,世界大会に進むことでしか得られない面もあります。そこで得られる経験はかなり大きく,それが一番の魅力ではないでしょうか。
 難しいと感じるのは,圧倒的に言語の壁ですね。体調管理ももちろん大変ですが,病院に行っても薬を買うにしても,言葉が壁になる。日本語がもう少しグローバルな言語だったらいいなと思います(笑)。


世界大会で戦うプロゲーマーは,ヘッドフォンの下にイヤフォンをつけている


――今回のテーマはATH-E70ですが,皆さんは,実際にどういう場面でこの製品を使っているのでしょうか。練習や試合の場,あるいはストリーミング配信でも使われているのでしょうか。

Kizoku氏:
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 まず前提となるお話をさせていただきますと,僕らは,普段の練習から,海外大会と同じ環境でプレイするようにしています。国際的な大会では,イヤフォンとヘッドセットを組み合わせて使うのがルールになっているからです。この場合,ヘッドセットは大会規定のものや,大会スポンサーの製品などを使うことになります。
 ヘッドセットはマイクでしゃべるために使うのですが,ゲームのサウンドやチーム内での声による指示は,イヤフォンで聞くようになっているんですね。そのため,練習中でも試合でも,ATH-E70を使わせていただいています。

 イヤフォンで音を聞くなら,なぜその上にヘッドセットが必要なのかというと,会場の実況音声を遮断するためです。現地の言葉を聞き取れる選手なら,実況音声や歓声から,敵の状況や居場所が分かってしまいます。それを防ぐために,遮音性の高いヘッドセットが必要になるわけです。FPSでもMOBAでも,国際大会では同じですね。

Wokka氏:
 自分の場合ATH-E70は,ゲームであったり音楽であったりと,いろいろなところで使わせていただいています。一方,配信のときは,オーディオテクニカ様のコンデンサマイク「AT2020」と組み合わせています。

伊東洋右(以下,伊東)氏
 AT2020は音楽レコーディング用の固定して使うマイクなので,大会に持ち込んで使うのではなく,普段の配信で据え置きマイクとして使っていただいております。

――チームの皆さんは,ATH-E70をPCだけでなく,ほかのゲーム機やスマートフォンでも使っているのですね。ゲーム用途でなく,音楽を聴くときもという感じですか。

Wokka氏:
 なんでも心地よく,気持ちよく聞こえるので,あらゆる用途で使わせていただいています。

Papiliq氏:
 何をするにしても音に関しては完璧です。自分が今までに使ったことがないくらい聞きやすいので,ゲーム以外の普段使いでも,いろいろな用途に使わせていただいています。

Kizoku氏:
 たとえば海外大会などでは,専用のバスで移動するのですが,皆,移動中に音楽を聴くとき,スマートフォンにATH-E70をつないで聴いていますね。

伊東氏:
 昨今では,Bluetoothによるワイヤレス接続を使った左右分離式のイヤフォンが流行っていますが,ケーブルがあってもATH-E70のほうがいいと?

Wokka氏:
 そうですね。

Kizoku氏:
 イヤフォンとしてはケーブルも長いので,それほど苦になりませんね。

伊東氏:
ATH-E70のケーブル長は,約1.6mもあり,イヤフォンとしては長めだ
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 ATH-E70のケーブル長は,約1.6mあります。通常のイヤフォンは,再生デバイスをポケットや鞄に入れて使うので,ケーブルがあまり長くありません。しかしATH-E70の場合,ミュージシャンがドラムを叩いたり,体を動かしたりしながらでも使えるようにと,イヤフォンとしては長めにしているんです。

――たしかに普通のイヤフォンでは,机の下に置いたデスクトップPCにつなぐような用途では,ケーブルの長さが足りないでしょうね。

Wokka氏:
 たまにもったいない気もしますけどね。これを壊しちゃったらどうしようとか(笑)。

Kizoku氏:
 実は,ある選手が服に入れたまま洗濯してしまいまして……。

Wokka氏:
 でも,壊れはしなかったんでしたよね?

植野祐介(以下,植野)氏
 濡れた状態で電気を通したりしなければ,大丈夫なこともあります。保証外ではありますが。

Wokka氏:
 だいぶショックを受けていましたけどね。

Kizoku氏:
 すごく申し訳なさそうでした(笑)。

植野氏
 大事に使っていただいているのが分かって,嬉しいですね。


敵の位置を聞き分けられるATH-E70


――ゲームの話に戻りましょう。ATH-E70をシージで使っていて,他のヘッドセットやイヤフォンと,どこが違うと感じるのでしょうか。

Wokka氏:
 ATH-E70は,音域別に3つのスピーカードライバーを内蔵しているそうなんですが,そのおかげか,音がすごくクリアに聞こえるんですね。ゲーム内のどこに敵がいるというのが,言うなればmm単位で,すごく細かく分かるんです。
 そのうえ,他社製品と違って直感的に聞こえて,音が来てからの反応が速いと言いますか,音が来て「あっ! そこにいる」というのがパッと出てくるのが魅力ですね。

――シージは見通しのきかない室内戦がメインですから,音で位置や距離感が分かるというのは,非常に強いですよね。

Wokka氏:
 室内なのでこもった音もあるのですが,他のイヤフォンだと,その音が上から聞こえるのか下から聞こえるのかが分かりません。しかし,ATH-E70を使うようになってからは,上下もしっかりと分かるので,「この音は上,この音は下だ」というのが聞き分けられる。そこで差は出てきますね。


Papiliq氏:
 ドライバーが3個あることによって,音の立体感というか,方角や距離感がクリアにつかめるのだと思います。上の階の音って低音で響くように聞こえるのですが,他のヘッドセットでは音が濁るというか,低音が強く聞こえてしまうことがありました。そのため,「真上に敵がいる」と判断して爆破したのに,予想よりも離れたところにいたということがありました。
 ATH-E70では,そういうことがありません。正確かつクリアに聞こえる分,直感的に把握できるという点につながっていると思っています。

伊東氏:
 上の階の右側にいるぞ,とかが分かる?

Wokka氏:
 分かりますね。シージの場合,C4(※ニトロセル)や爆発物を使って下から上の敵を倒すことがありますが,通常であれば,チームメイトの報告を聞いて「ここら辺に敵がいる」と判断して使います。それがATH-E70の場合,足音でどこにいるかが分かるので,1人でも(爆発物で)敵を倒せることがありますね。

Kizoku氏:
 野良連合の大会動画を見ていただくと分かるのですが,うちはC4で倒す率が非常に高いんです。圧倒的なほどに。

田久保陽介(以下,田久保)氏:
 音の定位,たとえばバンドの演奏を聴いているときに,右にギターがいればそちらからギターの音,左にベースがいれば左からベースの音が聞こえますよね。イヤフォンで定位を表現するのは難しいのですが,真ん中にマイクを置いて録音した場合,真ん中で聞こえるように設計します。
 ATH-E70は,プロのミュージシャンに向けて定位がちゃんと聞こえるように設計したのですが,それがゲームという用途にもうまくフィットしたんじゃないかと思います。

 また,先ほど「反応がいい」という話もありましたが,普通のイヤフォンがダイナミックドライバーを使っているのに対して,ATH-E70はバランスドアーマチュア方式と呼ばれるドライバーを使っています。その特徴は,ものすごく薄い振動板を使うことで,レスポンスがすごくいいんですね。「1」の音が入れば,すぐに「1」を出すといった特性があります。
 それも,ミュージシャンが楽器を弾いたら,その音がすぐに聞こえるようにという意図で作ったものなのですが,レスポンスと感度の良さが,うまいことFPSにフィットしたのかなと考えています。

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――お話を聞いていますと,ある意味,シージというゲームに適したイヤフォンだったのかな,という印象を受けます。ゲームによっては,適さないこともあるのでしょうか。

Kizoku氏:
 それはないと思います。うちのPUBG部門もATH-E70を使わせていただいていますが,成績が上がったと聞いていますよ。「音が分かる」と選手も話していましたから。

Wokka氏:
 CS:GOにも使っていますけど,めちゃめちゃよく聞こえますよ。

Kizoku氏:
 MOBAだと分からないけれど,FPS系全般は合うのかもしれないね。

Wokka氏:
 今までに試したどのゲームでも,足音がクリアに分かります。自分の印象では,FPSに限らず,全部のゲームで音をしっかりとつかめるのがすごいなと感じています。

Kizoku氏:
 勝ちにつながるイヤフォンですね,分かりやすく言うと。

植野氏
 ゲームを作る方も,そういった音を表現できるように作っているのがすごいと思いますけど。

田久保氏:
 たしかに,ゲームでの音声出力がちゃんと出ていなかったら,イヤフォンから正しく聞こえません。ゲーム開発者の方々も,音に気をつかって作られているのでしょうね。

伊東氏:
 Ubisoft Entertainment様が公開しているシージの開発者による動画で,「シージでは音にとてもこだわっている。こう音が入ったら,現実世界ではこう跳ね返るというのをプログラムしているんだ」と説明していました(関連リンク)。もともとシージは,音にこだわって作っているんですね。

――面白いですね。音楽のプロ用に作ったイヤフォンが,ゲームのプロにも適していた。一見,接点がなさそうですが,実際には同じようなポイントが響くというのは。

伊東氏:
 私からもお聞きしたいのですが,海外の選手は,どのようなイヤフォンを使っているのでしょうか。

――やはりスポンサードしている企業の製品を使っているのでしょうか。

Kizoku氏:
 いえ,各チーム,選手,いろいろでしたね。世界的に名の知れたイヤフォンメーカーで,eスポーツチームをスポンサードしている企業は,まだないのではないでしょうか。ヘッドセットメーカーは,さまざまなチームをスポンサードしていますが,世界的な音響機器メーカーのイヤフォンはないですね。
 音楽に秀でたイヤフォンがゲームにも使えるというのは,おそらくメーカーが把握していないのだと思います。

伊東氏:
 そうなると,海外のチームはバラバラなイヤフォンを使っているということでしょうか。

Kizoku氏:
 使うイヤフォンをチームで統一しているのは,たぶんウチぐらいじゃないでしょうか。統一したイヤフォンを使うというノウハウが,チーム側にないのだろうと思います。とくに,シージにおける国内チームの場合,毎年,世界大会に参加しているのは僕らくらいですから,そういったノウハウも得られないのでしょう。

伊東氏:
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 野良連合様から最初にオファーをいただいたとき,「世界大会へ出るにあたって,いいイヤフォンを探しているのですが」という話だったんです。我々は「ゲームに使うのならヘッドセットではないのですか?」と思っていたのですが,「そうではなく,世界大会にはそのようなルールがあるのです」とお聞きしたのですね。
 そこで,オーディオテクニカ製品で一番いいイヤフォン3種類をお渡ししますので,その中からいいものを選んでくださいということになりました。その3種類とは,低音域に強い最高級モデルと,音楽を楽しむリスニング用の高級モデル,そして音楽制作のプロが使うためのATH-E70でした。その中から,チームの皆さんが全員一致で「これだ!」となったのが,ATH-E70だったのです。
 たとえば,「10時の方向に敵がいる」となったときに,同じイヤフォンを使うことでチーム全員がそれを把握できるようであれば,チームとして戦う場合における1つの武器になるのではないかと考えました。

――ゲーマー向けヘッドセットは数多くありますが,ゲーマー向けイヤフォンとなると,非常に少ないですしね。

伊東氏:
 ゲーマー向けヘッドセットやイヤフォンを手がけているブランドさんもありますが,音の専門企業ではないですよね。彼らの製品で使われているパーツ,たとえばスピーカードライバーなどは,別の製造メーカーが開発したものを調達,あるいはカスタマイズしているのでしょう。それに対してオーディオテクニカは,レコーディングエンジニアやミュージシャンといった音楽のプロが道具として使うレベルのヘッドホンやイヤホンを製造している長年のノウハウがありますので,音の品質に関しては上を行けるかなと自負しております。

Kizoku氏:
 面白いのは,(ATH-E70が)ほかのプロチームにも浸透しつつあることです。野良連合は,他チームから移籍してくる選手も多いのですが,彼らが「Kizokuさん,E70はいいですか?」と聞いてくるんです。彼らも,僕らがATH-E70を使っていることを知っているんですね。

Papiliq氏:
 僕はそれでしたね。加入する前,たしかアメリカでの大会のときだと思うのですが,野良連合がオーディオテクニカのイヤフォンを使っていると知りました。「音の聞き方が違うなと感じる」と言うので,「何のイヤフォン使っているの?」となる。それを自分でも使ってみたいと思うようになるわけです。

伊東氏:
 音楽用に作ったATH-E70ですが,モニター用ということもあり,音楽業界で広く知られた存在とは言えません。それが,ゲーマーのコミュニティでそんなに知られているというのは,嬉しいですね。


オーディオテクニカがゲーマー向け製品を作るなら?


――最後の質問ですが,もし,ATH-E70をベースにゲーマー向けイヤフォンやヘッドセットを作るとしたら,こんな機能が欲しいという点はありますか。

Kizoku氏:
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 銃声が大きくなるよりも,足音とか階段を上る音,中音や高音がより聞こえるようなヘッドセットがいいのかなと思います。銃声は小さめ,足音や服の衣擦れの音が聞こえるようなものがいいかなと。

田久保氏:
 ヘッドフォンの下に着けるという点では,もっと小さい,薄いほうがいいという要望はありますか。

Papiliq氏:
 小さければ小さいほうがいい,というのはありますが……。

Wokka氏:
 自分は,このサイズがちょうどいいです。横方向に出過ぎていないのがいいですね。横方向に大きなイヤフォンはよくありますが,その場合,上からヘッドセットを着用すると耳の中に押し込まれてしまうので,試合ごとの休憩で外さないと耳が痛くなることがあります。その点,ATH-E70はすごくいいですね。
 そう考えると,イヤフォンだったらATH-E70があれば何もいらないかなと。現状最強です。

Papiliq氏:
 イヤフォンに欲しいのは,聞いていて疲れないことだと思っています。その意味では,銃声はかなり耳へ負担をかける音です。低音が強すぎるのも,今度は爆発音で耳を痛めてしまいます。僕は少し難聴の傾向があるので,ATH-E70は聴きやすくて助かります。

Kizoku氏:
 撃ち合っているときに銃声が大きすぎたら,後ろから近づく足音が聞こえないのです。

Wokka氏:
 やたら低音が強いヘッドフォンが向かない理由ですね。以前にアジアの大会で使ったイヤフォンは,低音が強すぎて何も分かりませんでした。銃声が強すぎて,自分が撃たれていることさえ分からない。「誰が撃っているんだ? 味方か敵か?」ということさえ分からなくてボロ負けしたことがありましたね。

伊東氏:
 自分の銃声で,後ろから近づく音が消えてしまうのか……これは難しいな……。

Papiliq氏:
 変に(特定の音域を)強調するくらいなら,現実的に,ナチュラルに寄せたほうがバランスよく聞こえます。たとえば,小さいはずの音が大きく聞こえると,近くにいるのかと距離感を勘違いしてしまいます。距離感どおりに正しく聞こえて,自分の銃声も普通に聞こえていれば,近くにいる敵の足音も聞こえるでしょう。現状から変に強調するよりは,普通に聞こえるほうがいいのかなと思います。

――そういう意味では,モニターヘッドフォンのほうがゲーム用途に向いているということですか。

田久保氏:
 お聞きしている限りでは,そのようですね。

伊東氏:
ATH-M50x
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 実は,私共のモニターヘッドフォンに「ATH-M50x」シリーズという製品があります。それが,海外のゲーマーに高評価を得ているということで,オーディオテクニカとしても,ゲーマー向けの製品にもっと目を向けてみようという態勢になりつつあります。レコーディングスタジオにいけばどこにでもあるような製品をゲーマーが見出して,「これは使えるぞ」となったのが,オーディオテクニカがゲームに向き合うきっかけとなったわけです。
 ですので今後はさらに,ゲーマーに向けて,オーディオテクニカならではの製品を展開していきたいと考えています。

インタビューに参加していただいたメンバー。左から伊東洋右氏,Papiliq氏,Wokka氏,Kizoku氏,田久保陽介氏
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