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リアルな偵察と狙撃の感覚を味わいつつ,作り込まれたマップを探索するのが楽しい「Sniper Ghost Warrior Contracts」プレイレポート
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印刷2020/03/30 11:00

プレイレポート

リアルな偵察と狙撃の感覚を味わいつつ,作り込まれたマップを探索するのが楽しい「Sniper Ghost Warrior Contracts」プレイレポート

 H2 INTERACTIVEから2020年3月26日に国内版が発売されたPlayStation 4用FPS「Sniper Ghost Warrior Contracts」。本作は,累計700万本を超えるという「スナイパー ゴーストウォリアー」シリーズ最新作で,本作でも緊張感たっぷりのリアルなスナイパー体験が味わえる。

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 今回,主人公(プレイヤー)が赴くことになるのは,ロシア連邦から独立したシベリア共和国だ。この地はかつてロシア連邦の一部だったものの,連邦による搾取に耐えかねた民衆が蜂起。連邦との独立戦争を経たのち,地方知事だったネルグイ・クルチャートフを首班とする新政府が樹立する。

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 しかし,シベリアの民衆にとって新体制は,支配者がロシアからクルチャートフの一派に入れ替わっただけにすぎなかった。独立戦争を戦った民衆たちは,シベリアン・ウルフと呼ばれる民兵組織を結成し,新政府への抵抗を開始した。

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 このような情勢下のシベリアで,プレイヤーは傭兵スナイパー(狙撃手)としてさまざまなコントラクト(契約)に取り組んでいく。本来ならばスナイパーは,長距離射撃で射弾の観測や修正量を計算するスポッター(観測手)と二人一組で行動するが,本作では主人公ひとりで任務を遂行することになり,スポッターの仕事は多彩な機能を備えた「ARマスク」がサポートしてくれる。

武骨なデザインのARマスク
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 ARマスクにはさまざま機能が用意されているが,一番お世話になるのが「双眼鏡モード」だ。これは敵情を探るための基本手段であると同時に,敵をマーキングしたり,敵との距離が瞬時に分かる優れものだ。

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 もちろん倍率を変えられるので,遠くでチラリと見えた黒い影が,敵スナイパーかどうかを確認できる。

確認してみたら,敵スナイパーがすでにこちらを狙っていた!
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 正確な狙撃を行うためには,標的までの距離を知ることは不可欠。なぜなら,発射された弾は重力の影響を受けて少しずつ落下するためだ。また風の影響によって,弾道は横方向にも曲がる。こういったスポッターがやるべき仕事をARマスクが計算してスコープ内に表示してくれるので,プレイヤーは距離の目盛りと,弾道が交わる点で標的を狙えばいい。

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 標的を狙うコツは,弾道が標的の頭から首に抜けるようなコースを意識することだ。そうすることで多少狙いを外したとしても弾道のどこかが頭や首に当たり,致命傷を与えられる確率が上がる。なお,引き金を引く寸前に呼吸を止めることで,照準を安定させられる。

オプションで「弾丸カメラ」をONにしていると弾丸がどこにヒットしたのか分かる
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 狙撃中に別の敵の存在に気付いたときは,双眼鏡モードに切り替えなくてもスコープの左上の目盛りを使うことで,標的までのおおよその距離を知ることができる。瞬時に使いこなせるようになれば,いかにも凄腕のスナイパーらしい気分が味わえるので,身につけておきたいテクニックだ。

敵の足を中央の水平線に合わせ,頭の位置の数字で距離が分かる。この場合は敵との距離は200m
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相手がしゃがんでいる場合は,おおむね2分の1の距離と考える
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人間以外が標的のときも,近くにいる人間の距離を計ることで間接的に距離を計測できる

 標的が遠い場合は,スコープの角度を変えることで狙いやすくなることもあるので,ケースバイケースで使い分けたい。

 ただし,複数の標的を素早く撃つときは,細かく角度調整などせずにスピードを優先したほうがいいこともある。また,長距離射撃のために調整したスコープを元に戻すのを忘れていると,とっさに近距離で撃ったときにあらぬ方向に弾丸が発射されるので,スコープの調整後は元に戻すクセをつけておきたい。

スコープの中心線を相手のいる距離に合わせることで,スコープの中心近くで標的を狙えるようになる
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 ここまでが本作における基本的な観測と狙撃のやり方だ。ちなみに本作では,狙撃銃がメイン武器となっており,サブ武器(普通の銃器)はあまり強力ではない。しかも主人公の体力は低くいため,近距離で複数の敵に近づかれてしまうととても厳しい状況になる。そのため,標的からできるだけ離れたまま,気付かれないように1人ずつ仕留めていくのが鉄則である。

敵によっては1発で倒せないこともある。続けて何発も当てたり,威力の大きい狙撃銃を購入して対処しよう
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 なお,敵に発見されそうになるとARマスクが「認識ゲージ」を表示してくれるので,これが見えたらすぐに伏せるか後退するかすれば,とりあえずは発見されるのを回避できる。とはいえ,敵も不自然な動きや音に気付くと,ライトや双眼鏡などを使ってさらに探してくるので,焦らず慎重に行動し,気付かれることなく敵情を調べることが肝心だ。

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 もし,敵に接近されてしまったときは無闇に撃ち合わず,狙撃銃で確実に仕留めていくほうがいいこともある。また敵が迫ってくるルートを予想しておき,そこに対人地雷を仕掛けておくのも有効だ。

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 敵に気付かれていなければ,背後にこっそり接近できる。そのままステルスキルしてもいいが,尋問すれば敵の配置や弾薬の位置などを知ることができるのでメリットが大きい。とはいえ,当然その様子をほかの敵に見られてしまう危険もある。

尋問によって周囲の敵の配置が判明。しかしこの数は……迂回するのが得策か
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敵の死体を奥まった場所に移動させておけば,発見されるのを遅らせられる。余裕があるときはできるだけ隠しておこう
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狙撃技術だけでなく,念入りな偵察が重要


 さて,ここからはゲームの流れを紹介しながら,プレイフィールをお伝えしていこう。最初にプレイすることになるロケーション(マップ)は「アルタイ山脈」だ。ここにはソビエト時代からの悪名高い生物兵器研究所があり,そこを任されているイヴァノブスキがメインターゲットとなる。天候は吹雪で,多少の音は風音にまぎれるため,こちらも発見されにくい。このゲームに慣れていくには丁度いいロケーションだろう。

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 アルタイ山脈はおおむね1km四方くらいの広さで,その中に関連する建物や基地が点在している。戦闘に入る前なら特定地点まで高速移動もできるので,上手に利用していきたいところだ。

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 本作のロケーションには達成すべきミッションが5つあり,すべてを達成することで次のロケーションに進める。ミッション以外にもチャレンジや収集品,追加ターゲットなどがいくつか用意されており,達成すればさらなるボーナス報酬が得られる。
 ただし,装備を購入したり,ARマスクやスーツの強化が必要になるものもあるため,最初からすべてを達成するのは難しい。まずはメインとなる5つのミッション達成を目指すのがいいだろう。

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 また,遠距離からの狙撃やステルスキルなど高度なテクニックを使うことでも追加報酬が得られる。とくに遠距離からの狙撃によるボーナスが美味しいので,なるべく狙っておきたい。

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 まずはメインミッションのひとつ,「イヴァノブスキの計画をダウンロード」に取り掛かかる。高速移動を使って目標となる基地の近くまで移動して,基地周辺で偵察を行い,敵の配置を探っていく。

 ここでARマスクを使うと,よじ登れそうな場所や,プレイヤーが操作できるオブジェクトが強調表示される。ARマスクを活用することで,隠れた移動ルートや,狙撃ポイントが探しやすくなるのだ。

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 偵察の結果,基地にはそれなりの人数が配置されており,すんなりと侵入できそうにない。基地を見下ろせる狙撃ポイントと,地下の配管から侵入するルートを発見できたので,どちらを選択するかしばし思案する。さらに偵察を続ければ,おそらく別のアプローチも見つかるかもしれない。

 とはいえ,いきなり潜入してデータを手に入れてしまうのもどうかと思い,まずはスナイパーらしく狙撃で敵の人数を減らす道を選ぶことにし,孤立していたり,ほかの敵の視界に入っていなかったりする敵を優先して狙い,かなりの数を始末した。

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 高台から見える敵を片付けたあとは,計画のデータをダウンロードするために基地に潜入する。この段階になるとさすがに敵側は警戒を固めつつあったが,まだこちらの具体的な位置まではつかめていないようだ。発見していた配管ルートを使って基地に潜入し,データを探す。

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 基地内にも敵は残っていたものの,物陰から狙撃したり,とっさにアサルトライフルに持ち替えて応戦したりしつつ倒していく。しかし,データの入ったPCがなかなか見つからず,気が付けば基地の敵兵を全滅させていた……。

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 このように,最初のミッションはあまり華麗とは言えないやり方で達成してしまったが,うまくいったのは先に狙撃で敵を減らしていたからで,いきなり潜入していればこちらの身が危なかった……かもしれない。
 ゲーム中盤以降のロケーションでは敵の警戒はより厳重になり,行き当たりばったりな戦い方では太刀打ちできなくなる。慎重に潜入経路を探し,最小限の戦闘でスマートに達成するか,それとも強力な装備を整えるかといった,しっかりとした準備が作戦を遂行するために重要になってくる。

迷路のような建物では敵兵よりも,建物の構造そのものがプレイヤーの行く手を阻む。ARマスクのサポートを最大限に活用し,移動ルートを探そう
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2つ目のロケーション「コルチャックハーバー」のワンシーン。一見有利そうに見えるルートを進むと,敵スナイパーの十字砲火を受けて釘付けに……その間に別の兵士が迫ってくる。敵側もこのような「罠」を用意していたりする
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3つ目のロケーション「ベクトフバレー」では,敵の警戒は厳重を極める。一見ルートが無いように思える場所でも,壁の穴からトラックの下をくぐり,次の遮蔽物まで進むなど,意外な進み方が見つかる
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 その後も「アルタイ山脈」でのミッションをこなしていくうちに,妙に警戒が厳重な施設に行き当たった。マップを開いて確認してみると,どうやらこの付近にイヴァノブスキがいるらしい。ただし,敵や監視カメラの配置にスキがなく,敵に気付かれずに数を減らすのは難しそうな雰囲気だ。

いずれかを倒しても,すぐ別の敵に発見されそうだ
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 偵察を続けていると,幸運なことに将校からイヴァノブスキの居場所を聞き出すことができ,敵が少ないルートも見つけ出せた。そして,途中で出くわした敵はステルスキルで処理しつつ,イヴァノブスキの近くまで接近することに成功する。

蒸気で視線が通りにくい通路を使い,気付かれずにイヴァノブスキを狙撃
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 無事にミッションを達成して脱出ポイントまで逃げ切れれば,報酬が受け取れる。これらの報酬を使って新たな武器を購入したり,ARマスクやスーツの機能をアンロックすることで今後のミッションで役に立つ。

 なお,報酬は現金だけでなく,さまざまな「トークン」が得られることもあり,強力な武器や機能を使うためには,現金だけでなくトークンも必要になる。
 現金やトークンを溜めて,一気に強力な狙撃銃や各種機能を購入してもいいし,細々としたものから先に揃えて,どんどん実戦投入するというスタイルもアリだ。そのあたりのさじ加減はプレイヤーに委ねられている。

推奨レンジ(射程)の長い狙撃銃ならば,敵にこちらの存在を気付かれても具体的な位置は特定されにくい
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ARマスクの機能をアンロックすれば,周辺の敵の場所が分かるようになるなどのアドバンテージが得られる
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各種グレネードなどのガジェットは現地調達することもできるので,ARマスクやスーツの機能アンロック,狙撃銃の購入を優先させるほうがいいかもしれない
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 次なるロケーション「コルチャックハーバー」は,北極海に面する港。ここではターゲットの暗殺だけでなく,砕氷船の爆破も行うことになる。天候は晴れで,敵に発見されやすく,敵兵も迫撃砲で反撃してくることも多く,高所には敵スナイパーが配置されているため,定点から敵を減らしていく戦法はあまり有効ではない。

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音を出さずにダッシュできる「憤怒」をアンロックすると,相手の背後に接近しやすくなり,ステルスキルや尋問が簡単になる
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 そして,続くロケーション「ベクトフバレー」では,マフィアのボス同士の会合を利用して,2人のターゲットを仕留めることになる。ここではプレイヤーの進め方でターゲットの行動が変わるので,一度クリアしても別のアプローチで楽しめるだろう。

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 このように,ミッションを達成して得た報酬で戦力を強化しながら,全5種類のロケーションでのミッションや,多彩なチャレンジを楽しめる本作。筆者は,今回のプレイレポートのためにゲームを中盤までプレイしたが,リアリティを感じられる偵察や狙撃の雰囲気だけでなく,潜入ミッション的な作戦の立案やルート探しなど,ミッション遂行のためにやるべきことが多く,非常に遊び甲斐のあるタイトルだと感じた。
 とくに移動にはさまざまなルートが用意されており,「次はこのルートを利用すれば,別のチャレンジを達成できるかも」という気にさせてくれる。あれこれ試すことで楽しさが増していくので,一気に最後まで終わらせてしまうのではなく,ひとつひとつのロケーションを味わい尽くすように取り組むことをオススメしたい。

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