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考える力が試される「三国志ヒーローズ」を先行プレイ。将棋ベースの簡単ルールを覚えて,最強AI“臥龍(GARYU)”に挑もう
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印刷2020/01/25 00:00

プレイレポート

考える力が試される「三国志ヒーローズ」を先行プレイ。将棋ベースの簡単ルールを覚えて,最強AI“臥龍(GARYU)”に挑もう

 コーエーテクモゲームスは,将棋AIの開発で知られるHEROZと共同開発した,新作スマホゲーム「三国志ヒーローズ」iOS / Android。以下,サンヒロ)を,2020年初頭に配信する。

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 本作は,中国の三国時代で活躍した英傑たちの戦いを,将棋やチェスのような対戦ルールで表現した“AIバトルボードゲーム”だ。
 対戦人数は1vs.1で,盤上(5×5)にて相手のリーダー(将棋でいう王将)を討ち取るため,ユニット(駒)を一手ずつ動かしていく。リーダーに王手をかけるまでの戦術はそれこそ無限大なので,考えて動かす,思考力と想像力を刺激する面白さが凝縮されている。

 また,本作ではプレイヤー同士のオンライン対戦も楽しめるが,シングルプレイの出来も取ってつけたものではない。HEROZ開発の戦略戦特化型AI“臥龍(GARYU)”の搭載により,1人で遊んでいても全力で脳みそをフル回転させなければ到底勝てない,本気のAI戦を実現している。
 今回は,そんなサンヒロを配信前に体験することができたので,基本システムや対戦のコツを先んじてお届けしよう。

無限の戦略性を秘めたバトルと,三国志に基づいたストーリーが魅力
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※本稿で使用している画像は開発中のものです


5×5の盤面で展開する戦略性は,無限大


 プレイの中心になるバトルでは,自分も相手も“先に敵軍のリーダーを撃破する”ことが勝利条件となる。手番はターン制で,盤上に配置された1ユニットを動かすか,遊軍(持ち駒)を1体追加するかを選ぶ。
 ユニットの移動範囲は将棋やチェスの駒のように,歩兵(歩)や騎将(香車)などそれぞれの性質で異なる。移動先に相手ユニットがいれば攻撃判定となり,攻撃されたユニットは一撃で排除される。なお,サンヒロでは相手の駒を取っても持ち駒にはできず,遊軍はあくまで事前に用意したユニットのみとなる。

 各ユニットにはレアリティや特殊能力などが備わっているが,HPや攻撃力といった概念は存在せず,ユニットを重ねるだけで撃破できるため,端的に言って「超強そうな曹操も,雑兵の移動だけで倒せてしまう」。
 その一方で,前方からの攻撃を無効にする盾将ユニットも存在するなど,ゲームらしい拡張性が設けられている。

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 ユニットを動かし,相手リーダーを次のターンに攻撃できる配置にすると「王手」になる。どれだけユニットが残っていようと,リーダーを撃破されたら勝敗が決するので,王手された側は相手ユニットを排除したり,リーダーを逃がしたりしなければならない。相手がどんな一手を講じるのかを予測しつつ,ジリジリと駒を進めていく様子は,まさに将棋を遊んでいる感覚に近い。好きな“戦型”も千差万別だろう。
 相手の逃げ道を封鎖し,移動先の頭を押さえるように(将棋でいう)“金将”を置いていく戦法,いわゆる頭金などの定石が通用するのも,サンヒロが「スマホゲームっぽくし過ぎていない」ことの表れだ。

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 とはいえ,サンヒロ独自の特徴もしっかりある。まず大きいのは,「ユニットが移動後,好きな向きに方向転換できる」ことだ。
 たとえば,将棋の“歩”は前方に1マスずつしか動けないが,サンヒロの“歩”は移動後に方向転換をすれば,次のターンから転換した方向に向かって1マス移動できるようになる。もちろん,そうしたからといって利点にできるかは戦術次第なので,先を読む力は大切だが。

 盤上のすべてのユニットは,タップすると移動範囲が表示されるので,慣れるまではマメにチェックするといいだろう。

各ユニットの「8方向の矢印マーク」は,動ける方向を示す。太い矢印は飛車角のように一気に移動できるという意味
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 また,一発逆転を狙える「士気ゲージ」の存在も欠かせない。このゲージはターン開始時に1ずつ増えていき,自ターン内で使用すると,ユニットを「覚醒」したり,リーダー固有の「計略」を発動したりできる。
 さらに,一定ターン数が経過すると「ブーストタイム」になり,士気ゲージの増加量が上昇する。堅実な差し合いの序盤戦から,ド派手な策が飛び交う終盤戦への移り変わりは,決してゲームバランスの崩壊などは感じさせず,ゲームスピードに応じてアナログからデジタルへと変遷していくといった,サンヒロならではの流れを体験できるものだ。

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 覚醒は,将棋でいうところの“成り”で,覚醒したユニットは移動範囲が広くなる。ただし,覚醒中は士気ゲージを消費し続けるため,基本は相手のリーダーや強力なユニットの動向に絡めて,確実にアドバンテージを取れる場面で使いたいところだ。

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 計略は,リーダーごとに効果が異なる。士気ゲージの必要量もそれぞれ違うので,使いどきはプレイヤー次第だ。いずれも劣勢を覆したり,隙間を狙って王手をねじ込んだりと,多種多様な効果を発揮できるので,勝つためにうまく活用していきたい。

リーダーごとのユニークな計略が使用可能だ
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 それと,対戦開始前も重要である。サンヒロでは手持ちのユニットで「部隊」を組むが,自分のユニットは“初期配置を変えられる”のだ。
 将棋では互いの駒は完全に対称配置だが,サンヒロでは対戦前に戦型をある程度固められるので,“将棋の中盤戦からバトルスタート”といったスピード感がある。そのため,のっけから激しい攻防の応酬となり,対戦時間もほどよく短縮されているのだ。

ステータスの「練度」は陣形効果に影響,「知力」はアップデートで実装される機能“おまかせ遠征”に影響するという。なお,本作では“二歩制限”もないので,歩兵を並べて配置してもOK
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 部隊編制では,まず好みの「陣形」を選び,選択した陣形の形状ごとに,ガチャなどで入手した武将を配置していく。有用な武将ほど「コスト」が高いので,序盤からオールスターというわけにはいかない。
 当然,飛車角などを優先して編制したいが,そういったユニットは高コストの傾向にある。プレイヤーレベルを上げると,コスト上限も引き上がるが,それでも飛車角を入れ放題とはならない絶妙なバランスだ。それに前述したとおり,たとえ高コストでも1度攻撃されたらおしまいなので,遊軍枠なども踏まえて,存分に頭を悩ませるといい。

 なお,陣形前列の空き枠には,コスト0の歩兵が自動配置される。ビジュアルはそれこそ雑兵だが,対戦中は将棋などと同様,リーダーにも劣らない戦力として活躍する。王手の道はやはり,歩兵からである。

騎将や盾将といった特殊なユニットも存在する
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 武将のレベルは「強化」で上げられる。レベルを上げると,移動範囲が広がったり,覚醒時の消費士気が減少したり,一定レベル到達でスキルを習得したりする。強化素材は各種コンテンツで入手できるので,遊びながら少しずつ強くしていくといい。

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英傑たちを率いて三国時代を攻略する


 サンヒロでは,周瑜を中心とする「赤壁の戦い」のチュートリアルをこなすと,シングルプレイで遊べる「ストーリー」が開放される。

 ストーリーには魏・呉・蜀・他の「4つの勢力それぞれに属する武将たちの戦記」(ゲーム開始時点)が用意されており,それぞれ章立てのバトルに挑戦していく。
 三国志らしいエピソードはもちろん,キャラクターボイスを担当する石川界人さん,内山昂輝さん,上坂すみれさん,そしてCV初挑戦の棋士・香川愛生女流三段など,声優陣の熱演にも注目してほしい。

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 ストーリーでは,自分の部隊を用いる「ノーマルモード」と,既定の部隊を用いる詰め将棋的な「ハードモード」がある。相手をどう追い詰め,相手の攻撃をどうさばくか。サンヒロの基礎を学ぼう。
 ちなみに,ストーリーの相手AIはゲームを進めるごとに“恐ろしく頭のいい強敵”に変貌していく。ステータス差で押し切るといった戦略を取れないので,攻略のしがいが半端ではない。心してかかろう。

 それと,ストーリーバトルでは1ターン巻き戻す「待った!」と,AI“臥龍”に次の1手をアドバイスしてもらう「臥龍指南」の機能を利用できる。ついでに,バトル演出中は画面ホールドで3倍速が適用されるので,覚えておくとサクサク遊べるだろう。

ストーリーが進展するとバトルに突入。制限時間はないので,じっくり考えながら攻略していこう
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 配信後は定期的に「イベント」も実施されるようで,テストプレイ時は「孫尚香」をモチーフにしたイベント戦を体験できた。ここでは自分で編制した部隊を使って,AI“臥龍”と対戦する。
 難度はAIレベル1からはじまり,最終的にAIレベル10まで開放されるが,プレイして間もない筆者の部隊ではレベル3がやっとで,かなりの高難度だった。ランキング機能も搭載されていたので,シングルプレイを極めるなら,このイベント戦がひとつの目標になるのかもしれない。

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 AI対戦に慣れてきたら,やはり対人戦「ヒーローズマッチ」にも挑まずにいられない。ヒーローズマッチはシーズン制のランキングバトルとなり,各々の部隊を駆使してリアルタイム対戦でぶつかり合う。

 一手の持ち時間はほどほどだが,大局を読むとなるとシステム周りを読み切れず,どうしても局地的な戦況に対処するのが精一杯になってしまった。急かされるというより,ゲームに対する慣れの問題かもしれないので,時間の長短はサービス後の意見を待ちたいところだ。
 結果として,直感を優先せざるを得ないプレイングばかりであったが,そのおかげかスピード感のある対局を楽しめた。eスポーツライクな将棋対戦としては,チャレンジのしがいがあるかもしれない。

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 ほかにも,AIvs.AIによる「おまかせ遠征」というコンテンツも存在した。こちらはローンチ後の追加コンテンツとなるようで,自分の部隊を送り出すことで,各プレイヤーの部隊同士がAI対戦を繰り広げるといったものになるらしい。

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 以上が,先行テストプレイで判明したサンヒロの概要である。

 筆者は幸い,将棋のルールを知っていたのですんなりとゲームに入り込むことができた。将棋経験者であれば同様なはずだ。一方で,将棋の知見がない人でも,チュートリアルで段階的にルールを教えてもらえるし,遊んでみると“やっぱりゲーム的”なので,そう戸惑うことなくプレイできるはずだ。といっても,やはり難しさを覚えるところもあるかも。
 しかし,このゲームは遊んでみて,ちゃんとルールを覚えたときに,その面白さがぶわっと押し寄せてくる。思考力・集中力・判断力が求められる知的なゲーム性に気づいてからが,本当のスタートである。

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 一般的なスマホゲームは,育成要素によって難所を突破する成功体験が面白さの核にありがちだが,サンヒロは“プレイヤーの考える力”を求めてくる。もちろん,ユニット間のシナジーなど考慮すべき点は多々あるが,ゲーム的な補助は最低限で,あくまで思考力で戦うため,相手に勝ったときの達成感は,本作ならではの痛快さがある。
 相手リーダーを倒せば勝ち。そんなシンプルさに,覚醒や計略といったスマホゲームらしさを盛り込んだサンヒロは,思考するゲームとしての楽しさを担保しつつ,コーエーテクモゲームスが新たな方向性で打ち出す三国武将の格好よさを,存分に味わえるタイトルになっていた。

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