Blizzard Entertainmentが配信中のチーム対戦アクション
「オーバーウォッチ 2」 (
PC /
PS5 /
Xbox Series X|S /
PS4 /
Xbox One /
Nintendo Switch )で,新シーズンとなるシーズン2が2022年12月7日にスタートする。本シーズンでは新たなヒーロー
「ラマットラ」 が登場するほか,オムニックの寺院をモチーフにした新マップ
「SHAMBALI MONASTERY」 の追加,マップローテーション,ゲームバランスの調整などのアップデートが施される。
4Gamerでは実装に先立ち,メディア向けに開催された先行体験にてテスト版に触れることができたので,その情報をお届けしたい。なお,本稿の内容はテスト版を基に執筆しているため,ライブサーバーへ実装される仕様とは異なる可能性がある。その点をご了承いただければ幸いだ。
2つのフォームを切り替えて戦う新たなタンクヒーロー「ラマットラ」
本作11人目のタンクとして追加される「ラマットラ」は,
「オムニック・フォーム」 と
「ネメシス・フォーム」 ,2つの対照的な形態を切り替える戦闘スタイルを最大の特徴とするタンクロールのヒーローだ。過去に4Gamerでは,ラマットラのバックストーリーや,開発チームへの合同インタビューを収録した記事を掲載しているので,ぜひ併せてチェックしてほしい。
オムニック・フォーム
ネメシス・フォーム
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2022/11/05 11:25
“ネメシス”とはギリシャ神話に登場する女神であり,“人間の高慢な行いに対しての神の怒り”,それに伴う“神罰”の擬人化と解釈されている(らしい)。それを踏まえれば,ラマットラが辿った過去は,正にネメシスの名を冠するに相応しいものだと言える。ここからはラマットラが持つアビリティを紹介していこう。なお,ダメージなどは通称“200族”の一員であるアッシュ(体力:200)で比較している。
●スキル1:ネメシス・フォーム
ネメシス・フォームへと姿を変え,メイン,サブの性能が変化する。効果時間は約8秒で,終了後は自動的にオムニック・フォームへと戻るが,キー(ボタン)の再度押しで時間内に戻ることも可能だ。発動と共にボーナスアーマーが付与されるが(付与アーマーは150。オムニック・フォーム含む素の体力は450なので,計600),これは終了と同時に消失する。クールダウンはネメシス・フォーム終了直後からカウントされ,一律で8秒となっている。
手を合わせるモーション後にネメシス・フォームへ変化する
●スキル2:貪欲な渦
ナノボールを投擲し,着弾地点でダメージフィールドを展開する。発動時間は約2秒ほどで,ダメージは決して大きくはないものの,スロウ効果や空中にいる敵を地表(下向き)に引っ張る効果を持つ。この性質からファラ,エコー,マーシーといった“空中を飛び回る敵”にも効果を発揮するスキルと言える。オムニック,ネメシス双方のフォームで使用可能だ。クールダウンは12秒とやや重めだが,投擲と同時にクールダウンが開始される。
効果範囲はこの程度
●メイン:ヴォイドアクセラレーター(オムニック・フォーム)
ラマットラが所持する杖状のユニットから一定のパターンで投射物を連続で発射する。簡潔なイメージとしては“プロジェクタイルのマシンガン”だ。100発の装弾数を持ち,連続のフルオート射撃の場合,約4秒で撃ち尽くす。ヘッドショット判定あり。
発射後の投擲物は直線状に飛んでいき,射程は非常に長い(無限かどうかは不明だが,相当な距離まで飛んでいくことを確認できた)。弾速は遅めで,実際のプレイでは至近距離はともかく,距離が離れると安定して命中させることは難しそうな印象だ。
実測値を元に計算するなら秒間約25発,分間約1500発の高速連射
参考までにアッシュに対して近距離でボディーショットしたところ,キルまでに必要だったのは約45発。連射する投擲物の威力は1発ごとにややバラけるようで(キルまでに必要な弾数が若干前後する場合がある),これが説明文にある“一定のパターンで投擲物を発射する”旨を指しているのかもしれない。
●サブ:ヴォイドバリア(オムニック・フォーム)
指定地点に耐久力1000のバリアを作り出す。展開時間には限りがあり(約4秒ほど),耐久値が0になるか,効果時間終了で消滅する。使用感としてはシグマのエクスペリメンタル・バリアに近いが,空中などにも展開できるあちらとは異なり,何らかのオブジェクトに面した地点でしか展開できない点が異なる。また,展開後の収納はできず,即座に15秒のクールダウンが開始される使い切り仕様だ。形成されるシールドは比較的小さめ。
サイズイメージ
展開位置にはマーカーが表示される。なお画像は最大展開範囲だ
●メイン:パメル(ネメシス・フォーム)
前方を左右の腕で交互に殴りつけ,バリアを貫通するエネルギー波を発生させる。エネルギー波の発生とあるが,実質的には“前方にダメージゾーンを作り出す”という認識でよいだろう。射程は約11mで「パンチと呼ぶには長く,射撃と呼ぶには短い」程度。距離感は以下の画像を参照してほしい。
左右の巨大な腕からエネルギー波を繰り出す
エネルギー波の左右にはヒーロー1人分程度のヒット判定がある模様
先述の通り,バリアを貫通する性質が最大の特徴であり,敵タンクやそのシールドの後方に位置する敵など,複数の目標にまとめてダメージを与えることができる。バリア貫通後にダメージが減少するかはテストを行えなかったが,一度の攻撃で複数の敵へヒットさせた場合にダメージが低下するなどの仕様は見受けられず,密着して殴るとパンチ分のダメージが加算される……というようなこともなかった。アッシュを相手に繰り出したところ,3発で約1ゲージが残る結果となったので,1エネルギー波あたりのダメージは60ほどだろう。
●サブ:ブロック(ネメシス・フォーム)
防御の態勢を取り,前方からのダメージを大きく軽減する。代償として移動速度が低下する。ネメシス・フォームの効果時間中は自由自在にオンオフの切り替えが可能だが,防御中は移動以外の行動が行えなくなる。
●アルティメット:アナイアレーション
ネメシス・フォームに変身し(スキルのクールダウンを問わない),全周囲の敵を自動で攻撃するエネルギー体で自身を取り囲む。エネルギーのダメージは約7秒でアッシュをキルする程度だが,効果時間はなんと3秒(!)しかない。
紫のラインが効果範囲。このラインを踏み込んだ敵は容赦なく自動攻撃にさらされる
「アッシュをキルするのに7秒かかるのに,3秒しか使えないのは大したことないんじゃない?」と思うだろうが,これには仕掛けがある。エネルギーフォームには,「周囲の敵をエネルギーフォームで攻撃している間は,効果時間が減少しない」という効果があるのだ。実際には「効果範囲内の敵をすべて倒してしまう」「敵が効果範囲内から逃げる」「敵に倒される」ことになるので不可能に近いが,理論上は範囲内に敵が存在する限り,延々と発動し続けるなかなかクレイジーなアルティメットだ。実際に効果時間が無限かは不明だが,少なくとも練習場でBOT相手に1分以上粘ることができた。ちなみに発動中でも,ネメシス・フォームのキー(ボタン)を押すことで強制終了する。押し間違いには注意が必要だ。
自動攻撃している敵にはラインがつく(画像では分からないが背後にいる2体のBOTにも自動で攻撃をしている)。ラマットラ自体はネメシス・フォームなので,貪欲の渦,パメル,ブロックも問題なく繰り出せる
今回のテストプレイは,練習場やAI戦のプレイのみであったが,使用していて非常に“楽しい”タンクだった。移動手段を持たないため位置取りに気を配ったり,ネメシス・フォーム中のヒットボックスの大きさには注意したいが,2つのフォームを要所要所で切り替えながら,性質が大きく異なる戦闘を繰り広げるスタイルは非常に新鮮だ。
敵の視点から見れば,目の前で戦っているタンクが刻々と変化するので,異なる対処を求められることになる。同時に,性能をフルに発揮するには双方のフォームの把握,クセのあるスキルを安定して活用することが必要であり,慣れたプレイヤー向けのヒーローだとも感じた。公式YouTubeチャンネルには,開発陣がラマットラの性能について語る動画も公開されているので,合わせてそちらも確認してほしい。
オーバーウォッチ 2:ラマットラのゲームプレイ概要|開発アップデート
VIDEO
オムニックの寺院をモチーフにした新マップ「SHAMBALI MONASTERY」
エスコートルールでの追加となる新マップ「SHAMBALI MONASTERY」を探索することができた。救いを求め寺院を訪れるオムニックが歩んできたカーブの多い山道を辿り,ゼニヤッタとラマットラのかつての住処へと進むバックグラウンドから生まれたロケーションは,美しくも,どこか儚さを感じさせる。
仏像…ではなくオムニック像
スタート地点は市街地の面影が残る。ある意味“巡礼登山”
つづら折りの洞窟を抜けて
POTGイメージ。なかなか絵になる
ヒーローの調整についてもチェック。ソジョーンはレールガンが弱体化される
コミュニティでも度々話題になっていた,ソジョーンに調整が入るようだ。実際にはほかの変更も含まれている可能性があるが,パッと判別がつく大きな修正点は話題の中心となっていたレールガンの弱体化だ。具体的には「ヘッドショット倍率が下がり,フルチャージ状態のヘッドショットで体力200のキャラクターがキルできなくなった(180〜190程度だと思われる)」「標的から約40mを境に威力減衰が発生するようになった」ことの2点だ。強力なヒーローとしての立ち位置は変わらずだが,よりうまい立ち回りと,狙う敵の見極めを求められるようになるだろう。
最大チャージ後のレールガンヘッドショット。体力フルの200族がギリギリ耐えるようになった
BOT(体力:200)から約55m地点でヘッドショットを行い,接近後に残り体力を確認したもの。威力が減衰していることが分かる
画像1枚目がライブサーバー,2枚目がテストサーバー。ボディヒットの火力は変更されていないようだ
執筆時の現段階でパッチノートが手元にないため,ゲーム内で確認できることは限られているのだが,このほかにも,アナ,バスティオン,ジャンカー・クイーン,キリコ,マーシー,シンメトラ,ドゥームフィストに調整が入る予定だという。また,ゲーム内のダメージロールのパッシブ説明が「敵を排除すると一時的に移動速度とリロード速度が向上する」から「敵を排除すると一時的にリロード速度が向上する」になっていたことも記しておく。
ダメージロールのパッシブから移動速度の記載が削除されている
やや駆け足での紹介とはなってしまったが,アップデートの全体的な雰囲気は掴んでいただけたと思う。今後の詳細な続報にも注目してもらいつつ,最後にプレミアム・バトルパスで入手できるスキンを一部紹介し,本稿の締めくくりとしよう。
※2022年12月7日13:50ごろ,Blizzard Entertainmentよりスキン画像の削除要請があり,該当箇所を削除いたしました