インタビュー
[インタビュー]「オーバーウォッチ 2」と「ワンパンマン」のコラボが3月8日にスタート。まさかの組み合わせが実現した理由を開発陣に聞く
ワンパンマンは,あらゆる敵をパンチ一発で倒す主人公「サイタマ」の活躍を描く作品だが,「オーバーウォッチ 2」ではドゥームフィストがサイタマのコスチュームに身を包み,作中どおり買い物袋を片手に戦うなど,ユニークな趣向が凝らされている。
今回のコラボ発表に合わせて,Blizzard Entertainmentのバイスプレジデント兼コマーシャル・リーダーであるジョン・スペクター(Jon Spector)氏と,アート・ディレクターのディオン・ロジャー(Dion Rogers)氏へのメディア合同インタビューが行われたので,その模様をお伝えしよう。
――まずは「オーバーウォッチ 2」初のアニメコラボが「ワンパンマン」になった経緯を教えてください。
スペクター氏:
「オーバーウォッチ 2」でコラボを展開するにあたり,まずはゲーム的にワクワクできる要素があり,プレイヤーの皆さんに楽しんでもらえる作品を探すことから始めました。
「オーバーウォッチ」のプレイヤーさんの多くはアニメファンでもありますから,どのアニメとコラボすることがチャンスになるかを考えていったわけです。
絵柄はもちろんのこと,魅力的なキャラクターやストーリーがあり,キャラクターの姿を「オーバーウォッチ 2」に持ってきたときに「素晴らしい」と感じてくださる作品ということで,「ワンパンマン」が浮かびました。開発チームも「ワンパンマン」のファンですから,今回のコラボは「オーバーウォッチ 2」にとっての素晴らしいチャンスだと考えています。
ロジャー氏:
スタッフに「『ワンパンマン』とのコラボが決まったよ」って伝えた途端,アートチームがすぐにスケッチを描き始めたんです。「ウチにこんなに『ワンパンマン』好きがいたんだ」と驚かされました。ディレクターも「ワンパンマン」のファンでしたし,これは正しい選択だと確信しましたね。
――現時点ではドゥームフィストにサイタマのコラボスキンが用意されることが明かされていますが,そのポイントや特殊な仕様について教えてください。
ロジャー氏:
「ワンパンマン」のキャラクターをそのまま「オーバーウォッチ 2」に持ってくるのではなく,彼らが持つ要素をゲームに取り入れるイメージ,双方をセレブレイトする(称える)内容になっています。ドゥームフィストの場合,サイタマ風の台詞を喋ったりもしますが,声が変わったりすることはありません。彼が「ワンパンマン」に触発されたという感じでしょうか。
コラボスキンをデザインするうえでは「各キャラクターのシルエットを変えてはいけない」ということを心がけてもいます。戦場で相手と出会った際,それが誰であるかをシルエットで素早く判断する方もいるからで,最終的には“コスプレをしている”というところに落ち着きました。「ワンパンマン」をセレブレイトする意味でも,一番いい選択をしたんじゃないでしょうか。
――ドゥームフィストのスキンはサイタマの買い物袋を再現しているのが印象的ですが,なぜこれを取り入れたのでしょうか。また,買い物袋には特殊なギミックが用意されていますか。
ロジャー氏:
良く気づかれましたね(笑)。ウチには「ワンパンマン」のファンが多いので,コラボが決まった時にアニメを観て印象に残ったところを次々と挙げてくれました。その中の1つがサイタマの買い物袋なんです。ゲーム内でどういう働きをするものかは,まだお話しできません。でも,コラボが始まれば「オーバーウォッチ 2」の開発陣も「ワンパンマン」のファンで,作品に対する愛をゲームに注ぎ込んだことがお分かりいただけると思います。
――ドゥームフィスト以外のキャラクターにもスキンが用意されるのでしょうか。
スペクター氏:
はい。沢山のスキンをご用意しています。コラボの開始日に向けてどんどん情報を公開していきますよ。
ロジャー氏:
開発チームからはとめどなくアイデアが出てきてますね。
――コラボスキンの入手方法について教えてください。
スペクター氏:
複数のスキンが用意されていて,1つはチャレンジの報酬,その他はショップに並びます。
――シリーズではイベントごとに特別なルールが追加されますが,「ワンパンマン」コラボではどうなりますか。
ロジャー氏:
特殊チャレンジがあります。詳細は後日公開しますので,楽しみにしてください。
スペクター氏:
完了時には新しいレジェンダリースキンなどの報酬を用意しています。楽しいアイデアはいろいろありますが,ドゥームフィストをサイタマ本人にしてしまうようなことはできませんから,ルール的には模索を続けています。
――「ワンパンマン」コラボは「シーズン3」期間内で開催されるのでしょうか?
スペクター氏:
「ワンパンマン」コラボは3月頃を予定しています。
※このインタビュー後,冒頭でお伝えしたように2023年3月8日のスタートが決定した。
ロジャー氏:
「シーズン3」中盤になります。「シーズン3」の全貌については,まだお話しできないところがありますが。
――今回のコラボにおいて難しかった部分や苦労した部分はありますか。
ロジャー氏:
アイデアを吟味することでしょうか。コラボが決まったたときから,開発チームがとてつもない量のアイデアを出してくれましたから。贅沢な悩みになりましたが,悪いことではありませんね。
――お二人が「ワンパンマン」のアニメを観ての感想を教えてください。
スペクター氏:
(二人が同時に話し始めたところをロジャー氏から譲られて,笑みを浮かべながら)他の少年マンガやアニメの主人公たちには「今の実力で敵に勝てるのか?」という緊張感があり,特訓などを通して強くなっていく様子がストーリーの軸になっています。
しかし「ワンパンマン」ではそれがひっくり返されていて,最初から最強,笑えるほどに強いサイタマが主人公です。にも関わらず,ストーリーがとても面白いものになっていますし,素晴らしいキャラクターたちが揃っていますね。そして,話の中心にはサイタマが一日中腕立て伏せをしたり,走り込んだりといったトレーニングを3年やるだけで世界最強になってしまうようなトンデモ発想があるんです。
ロジャー氏:
「ほとんどの敵をパンチ一発で倒せる主人公なんて,どうやってストーリーを作るんだ?」と思いながら見始め,世界観の作り込みに驚きました。「オーバーウォッチ」のようにヒーローたちが集まってチームを作るなど,ストーリーの面白さと素晴らしさに感動しましたね。
――コラボが決まったときの「ワンパンマン」サイドの反応について教えてください。
ロジャー氏:
アニメの制作陣もとてもワクワクしていました。我々と同様,コラボできることを嬉しく感じていただけたようです。アニメのプロデューサーとウチのスタッフがずっと一緒に仕事をしていて,コラボにあたっては話し合ったうえで決めています。お互いに納得できるものを目指したので,アニメの制作陣もウチも気持ち良くなれるコラボになっているはずです。
――今回のコラボイベントを企画するうえで,日本のコミュニティはどの程度意識されたのでしょうか。
スペクター氏:
初のコラボとして「ワンパンマン」をやりたかった理由は,日本人が共感できる作品であると同時に,世界中で愛されているからです。コラボすれば,世界中のファンが楽しめるイベントになるだろうと感じていました。今回は初めてのコラボですから,皆さんのご意見が欲しいですし,今後に活用していきたいです。今後もこうしたコラボイベントを開催していきたいですね。更なるコラボをするなら相手がどうなるのかは決まっていません。今回の「ワンパンマン」コラボで,プレイヤーの皆さんが開発スタッフと同じくらいワクワクしてくださるのを祈っています。
――お二人が個人的に好きなアニメやエンタメ作品を教えてください。
ロジャー氏:
「ドラゴンボール」,特に悟空の少年時代が好きです。「オーバーウォッチ 2」とコラボできたら凄いでしょうね。だって,サイタマと悟空のどっちが強いかゲームの中で分かるんですよ! 実現したら凄いことなんじゃないかと思います。
スペクター氏:
自分の中で特別なアニメといえば「NARUTO」でしょうね。第10話から見始め,その後15年間ほぼリアルタイムで追っていきましたから。最近ですと「SPY×FAMILY」ですね。「NARUTO」とは毛色が違うんですが,こちらも素晴らしい作品です。
ロジャー氏:
こちらからメディアの皆さんに質問したいんですが,「オーバーウォッチ 2」がどんな作品とコラボしてほしいですか?
―――「DARK SOULS」「ELDEN RING」といったフロム・ソフトウェアの作品はどうでしょうか。
ロジャー氏:
「ELDEN RING」は何時間プレイしたか分からない程に好きなゲームです。「DARK SOULS」や「Bloodborne」も大好きなので,実現したらいいですね(笑)。
スペクター氏:
まず,さっき買ったSwitch用の「ペルソナ3」と「ペルソナ4 」,「ファイアーエムブレム エンゲージ」が終わったら「ELDEN RING」をプレイしてみるよ(笑)。
――日本の「オーバーウォッチ 2」コミュニティにメッセージをお願いします。
ロジャー氏:
我々「オーバーウォッチ 2」のアートチームは日本から大きな影響を受けていますから,その日本でプレイされているのはとても素晴らしいことです。欧米のゲームメーカーとして,日本的アートスタイルを持つ作品とコラボできるのも素晴らしいですし,光栄に感じています。開発チームの多くは日本のアニメやゲームで幼少期を過ごしています。だから自分を育ててくれたメディアとコラボできるのは嬉しいですし,コラボを見た皆さんが,開発チームが日本のメディアから受けた影響や,そこへの感謝を感じ取ってくれると嬉しいですね。
スペクター氏:
サービスを開始してから,日本では沢山のプレイヤーさんがプレイしてくださっており,感謝する毎日です。日本のコミュニティは我々にとってとても大切です。先日,弊社の日本支社と交流できたのですが,とても素晴らしい体験でした。こうした機会を与えてくれた日本の「オーバーウォッチ 2」コミュニティにはとても感謝しています。開発チームはコラボの開発でとても楽しい時間を過ごすことができました。プレイヤーさんの皆さんから感想をいただくことが楽しみです。
――ありがとうございました。
「オーバーウォッチ 2」公式サイト
- 関連タイトル:
オーバーウォッチ 2
- 関連タイトル:
オーバーウォッチ 2
- 関連タイトル:
オーバーウォッチ 2
- 関連タイトル:
オーバーウォッチ 2
- 関連タイトル:
オーバーウォッチ 2
- 関連タイトル:
オーバーウォッチ 2
- この記事のURL: