プレイレポート
この手をとってくれたから。スマホ版「嘘つき姫と盲目王子」を遊びましょう
月にむかって歌う「狼」は,美しい歌声にさそわれた人間の「王子」と出会い,自分の爪のするどさに気づかず,彼を失明させました。
盲目の王子は両親にうとまれ,こどくな日々をすごします。心をいためた狼は,大切なものを代償に「魔女」に願いを叶えてもらいました。
「これが…私…?」。歌声をささげた狼は,王子の手をとれる「姫」になりました。さあ森の魔女のところで,目をなおしてもらいましょう。
ぶきみな森のなかは,不思議なものがいっぱいあって思うように進めません。くらいしげみの奥には,人を食べる化け物もたくさんいました。
姫は目が見えない王子の手をひっぱって,先へ先へとすすみました。その手をはなすときがあっても,また手をつないでふたりで歩きました。
光をうばった狼をおそれる王子に,その正体を明かせないまま――。
お姫さまには,秘密がありました
みなさん,こんにちは。本日は日本一ソフトウェアが配信しております,スマホ版「嘘つき姫と盲目王子」(iOS / Android)をご紹介いたします。本作は2018年5月31日にPS4 / Switch / PS Vita向けに発売されたタイトルのスマホ版でして,指折り数えればまもなく2周年です。
この作品は,狼が変身したお姫さまと目が見えない王子さまが旅をする,横スクロールアクションアドベンチャーです。風変わりな森のなかで謎解きをこなしながら,心暖まる絵本のような物語を楽しめます。
化け物の「狼」は,人間の「姫」に変身する力を使い,「王子」と手をつないで旅をはじめます。ふたりの目的は,盲目になってしまった王子の目を,魔女に治してもらうことです。
しかし,森は広大です。風景がガラッと変わるいくつもの難所を越えなければ,魔女にはたどり着けません。
狼は,見た目どおりの危険な化け物です。鋭い爪で「攻撃」したり,強靭な肉体で「ジャンプ」したりします。森のなかには人食いの化け物がウヨウヨいますので,王子を守るために退治してあげましょう。
姫は,見た目どおりの小さなお姫さまです。歩くのも早くない,跳ぶ力も見た目のとおり。けれどその柔らかな両手であれば,仕掛けを起用に操作できますし,王子さまだって安心して手をとってくれます。
両目の光を奪われてしまった王子ですが,姫と手をつないでいるときだけは,走ったり跳んだりする勇気が湧いてきます。姫の可憐な声に「おねがい」されれば,短い距離をひとりでだって歩いてみせます。
あなたは,狼と姫を指先ひとつで交互に変身させながら,画面左タッチで「移動」,画面右タッチで「カメラ移動」,攻撃やジャンプで危険を潜り抜けて,王子の手をとりながらステージを進んでいきます。狼がどれだけ強くったって,王子は姫の手でなければついてはきません。
当然,狼になって道の安全を確保してから,姫になって王子と進む。これがスマートな進め方です。森のなかでいつどこで化け物が襲ってくるのかなんて,人間であるあなたには予測できないはずですから。
ときには王子が化け物に襲われてしまい,姫は泣き崩れるでしょう。狼にとっては些末な外敵でも,姫のままでは逆に食べられてしまいます。
ゆく手を阻むのは化け物のみならず,スイッチを押さないと昇らない床,ふたりで渡ると崩れそうな足場,浴びると姿が暴かれる月の光に,高く飛ばされるボヨボヨのキノコなど,愉快なギミックたちも満載です。
願いを叶える代償に,相手の大切なものを取り上げ,美しい結晶に変えて集めている森の「魔女」。その過去は謎に包まれていますが,王子が住んでいる王国には“ある魔女のおとぎ話”が伝わっているとか。
あなたがそれを知りたくなったのなら,こんな森のなかでもキレイに咲いている「花」を摘み,王子にプレゼントしてみましょう。すると彼は喜び,王国に伝わるおとぎ話を聞かせてくれるかもしれません。
あるいはあなたが狼や姫や王子,森のなかの生態系について興味があるのなら,森のあちこちに落ちている「花びら」を拾いましょう。たくさん集めれば集めるほど,この物語に関わる資料を閲覧できます。
ゲーム的な話をすると,本作では「ステージプレイ中に10分が経過するとステージスキップが利用可能」になります。全体の難度はそれほど高くはなく,次から次へと現れるギミックごとにリトライポイントが設定されるものの,どうしてもクリアできそうにない人は使いましょう。
もちろん,物語を読み進めたいだけの人にもオススメです。ナレーションの近藤玲奈さんの読み語りを堪能しながら,可愛げのある数々のビジュアルを目に入れていく,聞く絵本のように楽しむのもありです。
とはいえ,スキップをすると花も花びらも拾えないので,脇道の要素に触れられず,遊びの手応えもなしと,淡白な体験になるのは否めません。それでもいいならアドバイスをしますが,スマホのスクリーンオフ設定を10分にしておくと,放置後の画面暗転が目印になって便利です。
そのほかの機能では,もう1度読みたくなったイベントシーンを振り返ったり,花や花びらを取り忘れているステージを選んで挑戦したり,コンシューマ版で搭載されていたトロフィーを収集したりできます。
花と花びらの収拾はそれなりの難度ですが,トロフィーコンプリートはわりとガチです。スタイリッシュな操作を求められることもあるので,物語と寄り添って進むべきクリア前は無視しましょう。操作性に難はありませんが,PS4コントローラに対応してるので必要に応じて一考を。
また,スマホ版では新要素として「サウンドルーム」が追加されています。ゲームに収録されている音楽の数々や,志方あきこさんとのタイアップ曲“月夜の音楽会”を聴いて,リフレッシュするのもいいですね。
「馬鹿な獲物だ。食べてしまおう」
「歌声の主に会って仲良くなりたい」
古今東西,人々の心を揺さぶり惹きつけてきたとされる,人と人ならざるものの物語。公式サイトの記述によると,このお話は「ビデオゲームというインタラクティブな表現方法で、そうした普遍的な心あたたまる物語を追体験したい」という気持ちから生み出されたとのことです。
気持ちをどちらのキャラクターに向けるかは人それぞれだと思いますが,意外と乙女チックな狼にはキュンとくるでしょう。本当のわたしではあなたに触れられない,だなんて。ロマンチックな嘘つきです。
ちなみに美しくも恐ろしい世界観や,愛がこめられた物語なら,こちらも先日配信されました「htoL#NiQ -ホタルノニッキ-」もオススメです。あなたと幼い少女による,心暖まる物語を楽しめるはずですよ。
自身を犠牲にできる決意,隠さなければならない秘密,大切なものを取り上げられた無念の心を隠し味に,小さな花を咲かせる嘘つき姫。端末のスペックさえ足りていれば描画もレスポンスもぬるぬるで,コンシューマ版と比べても遜色ない,高品質な体験が約束されるでしょう。
狼と人のアクションゲーム「嘘つき姫と盲目王子」は,App StoreとGoogle Playで1960円(税込)で配信中。あなたもどうぞ,歪なふたりと一緒に不気味な森のなかを進んでいってあげてください。やさしいウソからはじまった旅の終わりに待っている,暖かな最後を信じて。
まさかとは思いますが。こんなにも健気なお姫さまと,孤独な王子さまの組み合わせが,好きじゃないなんてことありえませんよね?
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