プレイレポート
「スプラトゥーン3」インプレッション。いつでも練習,研究ができる? 遊びやすく,そして学びやすくなった新要素や進化した点を紹介
SNSにて連日,多くのスプラトゥーン関連のワードがトレンド入りしているところでも,ゲームの人気ぶりをうかがうことができ,さらに9月24日に発売後,初のフェス「無人島に持っていくなら? 道具 vs 食料 vs ヒマつぶし」が開催されることが発表され(関連記事),これからさらなる盛り上がりを見せるはずだ。
そんな本作のリリースから3日間,じっくりプレイしたインプレッションで,“遊びやすく,そして学びやすくなった新要素や進化した点”を紹介してみたい。
「スプラトゥーン3」公式サイト
「スプラトゥーン3」は“混沌”から生まれたのではなイカ!? これまでの情報をまとめてお届けする「スプラトゥーン3」をより一層楽しむための短期連載:最終回
9月9日発売の「スプラトゥーン3」をより一層楽しむための短期連載企画。終回となる今回は,これまで発表された「スプラトゥーン3」の情報をまとめてお届けする。初報からこれまで発表された情報をまとめていくと,「『スプラトゥーン3』は“混沌”から生まれたのではなイカ!?」という思いがあふれてくる。
ちょっとした新要素で,遊びやすさと学びやすさが大きくパワーアップ
過去作から大きな変化を感じたのは,バルーンやダミーを相手に練習できる試射場がロビーに併設されたことだ。
これまでの作品は,「レギュラーマッチ」「ガチマッチ」などのマッチング中は,ただ試合開始を待つしかなかった(初代「スプラトゥーン」には,Wii Uゲームパッドの画面でミニゲームが遊べたが)。それが,試射場の登場によって射撃やアクションの練習をできるようになり,待ち時間がほとんど気にならなくなった。これを喜んだプレイヤーは多いだろう。
ガチマッチの後継となる「バンカラマッチ」のチャレンジ部門では,同じチームでの連戦が可能となった。連係プレイがうまくいった試合のあとは,チームが解散しないまま快進撃が続いたりもするのだが,これが新しいロビーの仕組みと相まって,なかなかエモーショナルな出来事が起こるようになったのだ。
連戦中も一戦ごとにロビーに戻ることは変わらないが,連戦を選んだチームメイトの「ブンシン」がロビーに表示される。これには実際のプレイヤーの動きが反映されており,お互いの待ち時間の過ごし方を見ることができるわけだ。
このときあらためて「ナイス!」のシグナルを出してチームの健闘を称えると,ほかのメンバーからもナイスが返ってきたり,喜ぶように飛び跳ねる姿が見られたりと,ちょっとしたコミュニケーションが成立する。もちろん相手がリザルト画面を見ていたり,そもそもモニターから目を離していたりという場合もあるが,筆者が試してみた限り,だいたいは反応が返ってきた。
偶然集まって連戦を選んだ同士で,一期一会のコミュニケーションが成立したときは特別な嬉しさや感動があり,ぜひ多くの人に体験してほしいと感じたポイントだ。相手チームも含めて“ほかのプレイヤーが存在するからこそ楽しめる”という,対戦ゲームにとって大事な部分があらためて実感できると思う。
ロビーにある端末から使用できる「メモリープレイヤー」はかなりの優れものだ。これは,過去の試合のリプレイをさまざまな形で再生できるもので,例えば試合が動いた局面を再生し,味方と相手それぞれのキーマンの視点やステージの俯瞰で見ることで,自身の腕前の向上につながる使い方ができるのだ。
自分が関与することでなんとかできそうな場面が見つかれば,その後のプレイで活かせる反省材料となる。また強いプレイヤーに試合をひっくり返されたときなどは,マネできる部分を探してみてもいい。相手の視点から自分の動きを見てみると,意外な欠点に気づくこともあるはずだ。
苦戦した試合を相手の視点からチェックしてみると,往々にして相手チームは基本に忠実に動いているだけ,一方で自チームは勝負を焦るあまりメンバーそれぞれがバラバラに動いて“自壊”していることに気付かされることは多い。手柄や結果を気にしすぎて,基本を忘れてしまわないようにしなければ。
……と,試合をふり返ることも大切だが,実際に何度も試合をプレイしたり,各モードでイカを操作したりすることがなにより最大の練習であることは間違いない。リプレイによる復習と試合での実戦。これをバランスよく取り組むことが上達のコツだ。
試合の合間にロビーで寝ているジャッジくんに話しかけると,各種操作のチュートリアルができるようになったのも大きい。スプラトゥーンを始めたばかりの人,シューターというジャンル自体が初めてという人にはやはりヒーローモードをオススメしたいが,試射場やチュートリアルでも実戦に近い形でキャラクターを動かせるので,動きの反復練習やウォーミングアップはロビーで十分こなせるだろう。
街にある「さんぽ案内所」にて,全ステージを好きなタイミングで“さんぽ”できるようになったことも特筆しておきたい。これまでの作品では原則,現在試合を行えるステージとルールでしかできなかったが,「スプラトゥーン3」ではそれが解消されたわけである。
これまで同様,スペシャルウェポンの効果が及ぶ範囲も確認可能だ。さらに「バンカラマッチのガチホコをプレイするとき,どの地点までガチホコを進めると何カウント取れるか」といった部分までチェックできるようになった。これは,戦術をしっかり練って試合に挑みたい人にとって嬉しいものだろう。
「相手を壊滅させたら左ルートで一気にカウントを取るが,多少残っているときは右ルートでじっくり進めるぞ」「この壁ぞいに進めば正面からの射線を切って低リスクでカウントを取れそうだ」といったように研究すると,試合中にその都度判断するよりプレイスピードが上がり,余裕をもって戦えるようになる。
研究の結果でうまく立ち回れるようになり,それが勝利や表彰という形で現れるようになると,それだけゲームも楽しくなり,得られる達成感も大きくなるはずだ。
ほかのプレイヤーとの自然なコミュニケーションが取れるようになり,うまくプレイするための練習や研究がしやすくなった「スプラトゥーン3」は,過去作のプレイヤーにとって“かゆい所に手が届く”要素が増えている印象だ。
もちろん,初めての人にとっても遊びやすく,学びやすいものとなっているので,たくさん練習や試合をして,バンカラマッチに挑んでほしい。“ガチな場所”な印象があったり,「ほかのプレイヤーに迷惑をかけてしまうかも」と思ったりしてまだ挑戦できていない人もいるかもしれないが,気軽にチャレンジしてみてほしい。
バンカラマッチのチャレンジ部門の評価は,勝ち負けだけでなく,試合後にもらえる「表彰」も影響する。たとえ5勝達成に失敗したとしても,活躍して金色の表彰を多く受け取っていればそれなりのポイントが手に入るので,ランクアップへ少しずつでも近づける。最初はあまり勝ち負けに神経質にならず,自分自身のできることをしっかりこなすことから始めるといいだろう。
なお,リリース直後からの人気ぶりで想定以上のプレイヤーが集まっているためか,筆者の場合,試合中の通信エラーなどの不具合にはそれなりに遭遇している。ゲームをまったく楽しめないレベルではないのだが,これまでの作品に比べるとその頻度が多いことも確か。早急な解消が望まれるところだ。
最後に伝えたいのが,“ともかく遊びの要素が盛りだくさん”ということだ。
定番の「ナワバリバトル」でワイワイ盛り上がる。「バンカラマッチ」で勝負の駆け引きを堪能する。協力プレイ「サーモンラン」の“キケンなバイト”でひと稼ぎし,シングルプレイの「ヒーローモード」で,物語を進めていくと明らかになる衝撃の新事実に触れる。さらに集めたギアで楽しむコーディネートや,ネームプレートやロッカーといった新規のコレクションやカスタマイズ要素もあり,「ひとつひとつをじっくり遊びたいけど,たくさんあって時間が足りない!」と嬉しい悲鳴をあげている人も少なくないと思う。
さらに開催が近づくフェスや,アップデートによる新要素の追加があると考えると……スプラトゥーン3の“遊びの奥深さ”は,まだまだ研究を進める必要がありそうだ。
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