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「サブノーティカ:ビロウゼロ」プレイレポート。今度は氷の世界で海中サバイバル!
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印刷2021/05/24 16:31

プレイレポート

「サブノーティカ:ビロウゼロ」プレイレポート。今度は氷の世界で海中サバイバル!

 2021年5月14日,Unknown Worlds Entertainmentは「サブノーティカ: ビロウ ゼロ」PC/PS5/Xbox Series X/PS4/Switch/Xbox One)を発売した。

画像集#001のサムネイル/「サブノーティカ:ビロウゼロ」プレイレポート。今度は氷の世界で海中サバイバル!

 ダウンロード版は開発元のUnknown Worlds Entertainmentから,パッケージ版(PS5/PS4/Switch ※Switch版のパッケージは前作とのセット)は,バンダイナムコエンターテインメントから販売されている。

 前作は,大半が海で占められた海洋惑星「4546B」に墜落した主人公が墜落の原因を調査しつつ,惑星からの脱出を試みるストーリーだった。本作は,前作から1年後の「4546B」の北極圏が舞台となる。本稿ではそのプレイレポートをお送りしよう。

 ちなみに筆者は,前作のXbox One版をクリアかつ実績をコンプリートしたのち,初回特典のガイドブック欲しさに国内PS4版まで買ったという大の「サブノーティカ」ファンだ。
 基本となるゲームシステムは前作と同様なので,未経験者は,前作のプレイレポートも合わせて読んでみてほしい。なお,今回はXbox Series Xでプレイしている。



海中サバイバルのワクワク感は健在
そして新たに襲いかかる“寒さ”という脅威


 本作は,サバイバル能力に長けた活発な女性・ロビンが,姉のサマンサが勤める会社“アルテラ”から,姉が惑星4546Bにて,本人の不注意による負傷で死亡したという知らせを受けるところから始まる。
 姉の性格や姉の仕事仲間の話から,アルテラの言い分に不審なものを感じ取ったロビンは,姉の死の真相を調査することを決意。

 アルテラに目をつけられぬよう,流星群に紛れて惑星4546Bに落下を試みるロビンだったが,流星群に接触したことで,乗っていたポッドが破損し,コントロールを失い墜落してしまう。陸地に墜落したため,乗っていたポッドは大破。ロビンは極寒の雪原地帯に放り出されることになる。

前作の主人公も墜落していたが,今回も惑星4546Bには普通に着陸できない。まずは辺りに散らばった物資を回収しよう
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 ここで早速新要素である“体温”の概念が登場する。寒い場所にいるとじょじょに体温が低下していき,低体温症になってしまう。海の中に入れば問題なく,陸地であれば洞窟や建物内に入ると体温は戻る。
 また,サーマルリリーという花が咲いていることがあり,これに近付くと熱が発生し,体温が戻る。ただし近づきすぎると炎上ダメージをくらってしまうので,気をつけたい。

体温が低くなってくると,画面の四隅に凍ったようなエフェクトが表れ始める。こうなると要注意だ。外を出歩くときは,いつでも体温を戻せるように洞窟や建物の位置を把握しておきたい
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パラボラアンテナのような形状をしているサーマルリリー。近づくと花が開いて熱を発する
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 前作では不時着した脱出ポッドの中が最初の拠点だったが,本作ではすでに海中に小型の拠点が設置されているので,まずはそこを目指すことになる。不時着からの物資回収,低体温症との戦い……と序盤からワタワタするが,拠点に到着するとホッと一息。惑星4546Bでのサバイバルライフが本格的にスタートする。

海中拠点は,温度も快適で酸素の心配もないという,実家のような安心感。ただし搭載されている設備は必要最低限で,いろいろな物を加工できる「ファブリケーター」と,アイテムを入れておける「ストレージ」のみ
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材料さえあれば何でも作れる万能加工機「ファブリケーター」も前作から続投。何が作れるのかの確認もできるので,初プレイの人は海中を探索して材料を集め,とりあえず片っ端から作ってみよう
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 拠点の周辺には凶暴な生物もおらず,拠点内にいれば安心ではあるが,生きていくためには“のどの渇き”“空腹”の問題がある。まずはこの2点を解決するべく周囲の探索に入ろう。

 海草をとるために「サバイバルナイフ」を作り,さまざまな生物をスキャンしてデータを充実させるために「スキャナー」を作る。そして,海中での移動を速めるための「フィン」を作り,海中での行動可能時間が増える「標準酸素ボンベ」を作る……と,前作を踏襲したようなクラフト作業の幕開けだ。ただ,海中の生態系が異なるためか,同じアイテムでも前作とは材料が異なっていたりする。

前作にはなかった植物「リボンプラント」がバッテリーの材料となる。バッテリーは前作よりも作れるようになるのが早いかも
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 序盤の手探り感や,作れる物をちょっとずつ増やしていくワクワク感は基本的に前作と変わらないが,マイナーチェンジされている箇所もある。
 個人的に驚いたのは,「浮袋」の性能だ。浮袋は,ちょっと水深の深い所にいるとき,「もう少しで酸素がなくなる! マズい,早く水面に出ないと……」というときに使うと上昇できるアイテムなのだが,前作の浮袋は上昇速度が遅く,正直ガッカリアイテムだった。

 そうした声が多かったのか,今回の浮袋は大幅にパワーアップしており「シュゴォォォ」という頼もしい音と共に急上昇する。その上昇力たるや勢いあまって海面から高くジャンプするほど。

海面を越え,空中にいる状態。水面にある陸地を見ると,その高さが分かると思う。使ってみな……飛ぶぞ
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 しかも,浮袋を手に持っているときは方向キーの上を押すことで,浮袋内にある空気を酸素として補給することが可能。つまり,少量ではあるが,緊急時の酸素供給アイテムとしても使えるのだ。酸素補給に使ってしまうと,浮上する機能は使えなくなるが,水面に出ると自動的に空気が補充され,浮上用としても酸素補給用としても,再び使えるようになる。前作経験者は,微妙なアイテムだと思い込んで作らずにスルーしてしまうと思うので,「今回の浮袋は一味違うぜ!」と伝えておきたい。

浮袋を持っていると,小さい文字で「酸素を補給する」と表示される。ただし,追加される酸素量は15秒程度。あくまで緊急用だと考えておこう
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 オープニングの墜落地点でもあったように,本作では海中だけでなく,雪と氷に包まれた陸地での冒険もある。陸地というのは「流氷」も含まれていて,拠点近くの海面にも流氷が複数浮いている。浮袋で何度も飛んでいたら,流氷の上に何やらペンギンっぽい生物がいるのを発見したので,「新しい生物を見かけたら,スキャナーで即調査だ」と調べてみると……。

どれどれ……
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 ペ,ペングウィン……!? まんまやん! ちなみに雛は「ペングリン」というらしく,こちらは近づくと「拾う」という表示が出て,アイテムとして持ち歩ける。何か使い道があるのか……? と思ったら,周囲にいたペングウィンたちが一斉に攻撃してきた。

わ,分かったよ,離すよ。悪かったよ……
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ボコボコに殴られながら拠点に持ち帰ってみたが,料理はできないようだ……チッ
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 さて,「サブノーティカ」において楽しいのが,海中基地の建設だ。前作では建設に必要な機器である「ビルダー」の材料が見つけにくかったり,基地を作るためには最低限必須な「多目的ルーム」をどこかで見つけてスキャンする必要があったりと,ひと手間必要だった。人によっては数時間プレイしても海中基地が作れることを知らないままである可能性も充分にあり,このハードルの高さはもったいないなと感じたものだ。

 しかし,本作では序盤から「デルタ基地のドック」というマーカーがマップに記され,ここへ向かえば,海中基地建設に必要なものはほとんどスキャンできるようになっている。ビルダーの材料である「銀鉱石」と「金」は少々見つけにくいが,それでも海中基地建設のハードルはグッと下がった印象だ。

現地に着いてウロウロすれば,すぐ見つかるはずだ。丁寧に看板も出ている
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必須となる「多目的ルーム」。デルタ基地に着いたら,スキャンできる場所がないか,スキャナーで調べ尽くそう
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 ゲーム中で最初の目的地ともいえるデルタ基地だが,ここではもう1つ,衝撃的なイベントが発生する。なんと主人公以外の人物と遭遇するのだ。

何者かによる警告。そうは言っても,ここは寒いし……。暖かい場所を求めてお邪魔します
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“エクソスーツ”と呼ばれる,大型のパワードスーツのようなものを装備した老齢の女性が登場。一体何者なのか……?
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 前作では,主人公以外の人物は音声データやテキストログでのみの登場で,主人公も喋らなかった。ある種,孤独なサバイバルライフであり,そこには確かな没入感と,海中の恐怖があった。
 今回は序盤から主人公以外の人物が登場し,主人公であるロビンにもセリフがある。ロビンも,老齢の女性が立ち去った後に「私って,予想してたほどこの惑星でひとりぼっちではないみたいね」とこぼしており,本作が前作とは違ったアプローチを試みていることが伝わってくる。

 「前作は怖かったけど,自分以外にも人がいると分かると,少しは怖くなくなるよね!」と安心した人もいるかもしれない。しかし,本作には新たな要素・新たな恐怖が存在するのだ……。


新たな生物,新たな乗り物。水と氷の世界のニューフェイスたち


 サバイバルナイフやスキャナーといった,基本となるツールは前作を踏襲しているため,序盤のプレイフィールはどうしても前作と似通う。しかし序盤を過ぎれば,新たな要素が次々と登場する。

 海中では,まず「シーモンキー」と出会うことだろう。シーモンキーは,プレイヤーが手に持っているアイテムをかすめ取っていく習性がある。すぐに追いかけて接触すれば奪い返せるが,見失ってしまうと海中のどこかにあるシーモンキーの巣まで持ち去られてしまう。

あら,カワイイ……
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!? ちょっ……
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シーモンキーは不意に「ガバッ!」と襲いかかってくるので,かなりビビる。お,おどかすなよ……って,そ,それは俺のナイフ……!
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 新たな乗り物としては「シートラック」が登場する。前作では小型探査艇の「シーモス」という乗り物があったが,作ってすぐの状態はシーモスとさほど変わらない。

これがシートラック。これだけだと小型の潜水艇のようなものだ
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 シートラックの最大の特徴は,その拡張性にある。“モジュール”と呼ばれる別ユニットが製作可能で,シートラックの後方に次々と接続していけるのだ。モジュールには,「ファブリケーター」と少量収納の「ストレージ」がセットになった「ファブリケーターモジュール」や,夜の時間帯をスキップできるベッドが付いた「スリーパーモジュール」など,便利なものが多数用意されている。これらを接続したシートラックは,まさに“移動拠点”とも呼べる,頼りがいのある乗り物へと変貌するのだ。

モジュールを接続すればするほど後ろに細長くなってしまうため,狭い海底洞窟などを航行するのは向いていないのが欠点
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 海中を航行できる乗り物はバッテリーが搭載されており,それが切れないうちは,搭乗中に酸素の心配をしなくていい点が便利だ。とくに序盤は呼吸のために海面に戻ることを念頭に置いての行動となるのだが,前作とは異なり,今回は海面が氷で覆われている箇所もある。呼吸のために急いで浮上したものの,氷に阻まれてあえなく溺れる……なんてことも。この点だけを見ても,乗り物の重要性が増している。

海中では“下”を見ながらの探索が基本となると思うが,本作では“上”にも注意しないと危ない。「酸素がなくなるまであと3秒! 」「ふう,間に合った……」と思ったら海面が氷で塞がっていたときの絶望感といったらない
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 また,ほぼ海中のみだった前作とは異なり,本作では雪と氷に包まれた陸地が多数登場し,陸地での冒険も多い。しかし,そこに脅威がないはずもなく……。

……!? 元々,変な色や形をした植物が多い惑星なので,目が慣れてしまいがち。ハッと気付いたときには肉食動物の毒牙に……
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 陸地には,「スノーストーカー」と呼ばれる非常に凶暴な生物が徘徊していることがある。おそらく最初に遭遇するころにはこれといった対抗手段がないので,逃げ惑うことになるだろう。そんな陸地を探索するために存在するのが,新たな乗り物「スノーフォックス」だ。

SF感満載のホバー型バイク。残念ながら主観視点のゲームなので,ロビンが乗っている姿をプレイヤーが客観視することはできない
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 スノーフォックスは地面から少し浮いたホバー状態で運転するため,多少の地形の凹凸はものともせず,スムーズに移動できる。ただ,狭い通路のカーブではやや壁に乗り上げた感じになることもあるため,揺りかごのように車体が左右にグワングワン揺れて,ちょっと酔うかもしれない。
 また,物語が進むと,ペングウィン型のスパイロボットを遠隔操作できるようになる。ロビンでは入れない狭い穴の先に送り込むことができるので,地形はよく観察しながら進みたい。

昔のSFマンガやアニメでよく見た感じの動きをするスノーフォックス。狭い通路にあるサーマルリリーに接触しやすいので気をつけろ!
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可愛いぬいぐるみみたいだが,サマンサが開発したらしい,高性能なロボットだ
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ロボット越しの画像はかなり粗いが,普段は確認できない主人公・ロビンの姿も見える。しかし「ペン司」って何だろう……。このロボットの名前?
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 陸地での冒険が追加されたとはいえ,海中に潜むさまざまな生物の調査や,海底洞窟の探索は健在。シートラックを作れるようになるころから,面白さが急激に増すはずだ。
 海中では不気味な生物の鳴き声や,頭上の氷が軋む音などが絶え間なく響き渡るが,シートラックの安全性に慣れると当然緊張が緩んでくる。しかし,プレイヤーのそんな瞬間を,本作は見逃さない。

!? ギャ,ギャアーッ
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 シートラックに突如襲いかかる,獰猛な生物。これはビビる。
 プレイヤーが海中に慣れてきて,長距離移動が本当にただの移動になりつつあるときを狙いすましたかのような襲撃。筆者は本気でビクッとしてしまったが,これぞ海中の恐怖,これぞ「サブノーティカ」だぜ……! と嬉しくなってしまった。

普段はあまり見ない色の生物が視界に入ったときもビクッとしてしまう。これは……絶対おとなしくないやつ……!
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 拠点に帰ってくると,ホッとすると同時に,どこか寂しさを感じることがある。筆者はこの孤独感が好きなのだが,人によっては「怖い」と感じることもあるだろう。そんな人にオススメしたいのが,本作から追加された「ジュークボックス」だ。

ジュークボックスは序盤のデルタ基地でスキャンできる。早い段階から設置が可能だ
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ジュークボックス用のディスクは,あちこちで見つかる。どんな曲なのかは,拠点に戻ったときの新たな楽しみの1つ
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 「お,いい感じのBGMだな。しばらくこれをかけておこう」と思ったら,それは長い前奏で,突然,男性ボーカルによる熱唱が始まったりする。思わずジュークボックスに「お前が歌うんかい!」とツッコんでしまったが,拠点に新しい安らぎが生まれた印象だ。
 また,BGMを流した状態で拠点の外に出ると,拠点の近くであれば,BGMが小さく聴こえる。騒音で近所迷惑な家が海中にあるみたいで,ちょっと面白い。

ジュークボックスから離れると,拠点内であっても,流れている曲の音量が小さくなる。大音量で聴きたいという人は各所に「ジュークボックス用スピーカー」を設置しよう
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前作との大きな違いとして,拠点用の「大部屋」がある。「多目的ルーム」とはケタ違いの広さのスペースをワンフロアとして使えるので,拠点作りのバリエーションが膨らむはずだ
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海上の恐怖の1つとして,悪天候がある。雹のようなものが降ってきたり,猛吹雪で何も見えなかったりと,前作にはなかった脅威だ。例えばこの画像,正面すぐの所に陸地があるのだが,吹雪いているとホワイトアウトしてしまい,距離がまったく分からない。正確な地図が存在しない本作において,距離感を奪われることはかなりの恐怖だ
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海中の恐怖と孤独を味わいながら,好奇心を刺激される順当な続編


 海中サバイバルの傑作として名を馳せた「サブノーティカ」の続編として順当な仕上がりを見せていて,前作が好きだった人は間違いなくハマるだろう。
 アルテラという会社が関わっていることや,惑星4546Bが舞台という共通点はあれど,前作の主人公や出来事とは繋がりが薄いため,本作からプレイしても問題ないようになっている。

 前作を遊んだ筆者としては,浮袋をはじめとした細かい改良点が嬉しかった。砕くと鉱石類が手に入る岩も明らかに前作より多く配置されていて,序盤の進行はスムーズだ。体感だが,海中をフヨフヨと泳ぐ魚も,捕まえやすくなっている気がする。

海中の美しさと怖さは筆舌に尽くしがたい。深海にいると,ここは黄泉の世界かと思うくらいにゾッとする瞬間がある
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 ほかにも,設定で「PDAポーズ」という項目を切り替えると,インベントリやメニュー画面を開いている間は時間が止まるようにもできる。通常はインベントリ画面やロッカーの画面でも時間が流れており,のんびりと荷物整理をしていると,のどの渇きと空腹度が進行してしまう。慣れないうちはこれを活用するのもいいだろう。

PDAポーズは,「設定」の「アクセシビリティ」の中にある
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 しかし,前作同様に「次はどうすべきなのか」の指針がなく,良くも悪くも自由度が高い。前作は「墜落した巨大宇宙船・オーロラ号」という大きな目印があり,海面に出さえすれば,だいたいの現在位置がつかめていたのだが,本作はそれがない分,地形の把握が難しくなっている印象だ。陸地には,海底から侵入しないと行けなさそうな場所もあり,手探り感は前作より増しているかもしれない。

 ただ,最初のデルタ基地に周辺マップらしき物があるので,これに描かれた記号の位置に向かえば,いろいろと得る物はある。示される位置はかなり大雑把だが,少なくとも中盤までは困らないのではないだろうか。
 プレイ中にマップらしき物を見かけたら,スクリーンショット機能を使って撮っておくといいだろう。マップは一度確認するとメニューの「データバンク」に記録されるため,そこから確認もできるのだが,「ピクチャーフレーム」を作るとスクリーンショットを入れて飾ることができる。こうすると,拠点内でポスターを眺める感覚でサッと確認できるのがいい。

各地で見つかる,地図らしきもの。こうした物が一切なかった前作と比べると,少しはユーザーフレンドリーになった……のかも?
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各地にある建物に残っているポスター類は拠点に持ち帰って飾れる。たまたま拠点が電力切れになったときに気づいたのだが,このポスター,なんと発光する
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 本作をプレイする前の筆者は,「基本となるゲームシステムは前作を踏襲しているので,新鮮味はあるのだろうか」と思っていた。しかし新たな生物がかなり多く,驚きや発見は絶えない。「お,なんか人工物があるな」と思って近づいたら,体に穴が空いた奇妙な魚でビビッたり,その魚をスキャナーで調べていたら,酸素が供給できる魚だと知って二度ビックリしたり。

体に穴がある,タイタンホールフィッシュ。データバンクの説明を読んで,かなり接近してみると……ホントだ! 酸素が!
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ちなみに,序盤から所々に「オキシプラント」という植物が生えていて,これも触れると酸素が補給できる。海面が氷で塞がれている箇所が多いので,こういった救済があるのだろうか
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 また,海中基地作りが好きな人にとっては、基地作りのバリエーションが増えた点も嬉しいはずだ。先述の「大部屋」は「仕切り」を使うことで小部屋を作ることもできるし、見た目だけのインテリア家具から食べ物の腐敗を遅らせる「冷蔵庫」などの実用家具まで,置けるオブジェクトもいろいろと増えている。前作では,クリア後も基地建設にハマる人が続出したが,本作はさらに楽しめるだろう。
 前作を堪能した人も,初めての人も,惑星4546Bの深淵を覗き込みに来てみてほしい。時間を忘れて夢中になれる快作であることを保証する。


前作では,八角形の「多目的ルーム」を1つの部屋としてしか使えなかったが,本作では,大部屋と仕切りを利用すれば,ちょうどいいサイズの部屋が作れる
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作れる家具類も増加。シャワーやトイレなども
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大部屋の使い勝手は最高。増築して,1フロア丸ごと倉庫もいいな……と夢が膨らむ
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本作で新たに追加された「コントロールルーム」を使えば、基地の色もカスタマイズできる。センスが……センスが問われる……!
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 なお,現在PS4/Switchの日本語版において,エラー落ちする現象が多数報告されているようで,公式サイトではセーブデータの提供を呼びかけている。
 今回筆者がプレイしたのはXbox Serie X版だったためか,ゲームが進行不能になる深刻な不具合には遭遇しなかったが,“離れた位置からファブリケーターを使おうとすると,ファブリケーターが展開してすぐに閉じ,主人公がその場から動けなくなってしまう”というバグに遭遇した。メニュー画面を開閉することで動けるようになったが,どうやら再現率は100%なようだ。そのほかのプラットフォーム同様,アップデートによる修正を待ちたい。

「サブノーティカ:ビロウゼロ」公式サイト

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    サブノーティカ:ビロウゼロ

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