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印刷2022/04/26 19:54

イベント

インディーズゲームイベント「TOKYO SANDBOX 2022」レポート。会場で気になったタイトルをピックアップして紹介

 2022年4月23,24日にインディーズゲームイベント「TOKYO SANDBOX 2022」が東京・ベルサール秋葉原で開催された。本稿では,さまざまなインディーズゲームが出展された中から,気になった作品を6つピックアップして紹介していこう。

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大ヒットした死にゲーの続編「Salt and Sacrifice」


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 架け橋ゲームズブースで,「Salt and Sacrifice」が出展されていた。本作は名作2Dアクション「Salt and Sanctuary」の続編だ。

 制作者自らが「DARK SOULS」の影響を受けたと語る本作は,攻撃や回避にスタミナを消費するシステムを採用し,シビアなゲームバランスに調整されている。攻撃ばかりしていると回避するためのスタミナが足りず,かといって攻めないと敵の攻撃が怖い。相手の攻撃モーションをしっかりと観察し,スタミナ配分を考えつつクレバーに戦わなければならない。

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 難度は前作に引き続き高く,トラップに引っかかったり,高い所から弓で射られたりと歯ごたえがある。ボスも非常に強く,一撃一撃が非常に痛い。攻撃を食らった後に慌てて回復しているとその隙を狩られてトドメを刺されるなど,死にゲーらしいヒリつく戦いが堪能できた。
 今回,新要素であるオンラインマルチプレイや従者召喚は体験できなかったものの,発売が楽しみに思える内容だった。PS4PS5PC版(Epic Games)の発売自体は2022年5月10日に予定されているが,日本語版リリース日は未定とのこと。

ゲーム内のメッセージが日本語化されている。キャラクター作成時にはクラスや人種のほかにも,主人公が犯した罪も設定できるようだ。ゲームにどのような影響を及ぼすかは不明
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「Salt and Sacrifice」公式サイト

「Salt and Sacrifice」Epic Gamesストアページ



スロットの目を切り替えて,勇者の運命を決めろ!ミニマルで不思議なRPG「RP7」


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 「RP7」は,Turtle Creamが2023年に発売を予定しているPC用ゲームだ。本作は,勇者が7つのスロットの上をオートで歩いて冒険するというユニークなルールが採用されている。スロットの7個それぞれがキーボードの[Z]〜[M]キーに対応しており,押すたびにスロットの出目が1つずつ切り替わっていく。
 スロットにはモンスター,回復薬,盾,毒薬などさまざまな目が用意されており,勇者が踏むと目に応じた効果が発動する。スロットの目は,大きく分けてモンスター系の出目と回復系の出目の2系列が存在し,モンスターだと出目に表記されている分だけHP/シールドが減る。勝つと画面左の宝箱ゲージが上昇し,これがMAXになるとさまざまなアイテムを貰える。回復系の出目は,HPを回復する「回復薬」と,シールドを回復する盾,HPが減少する「毒薬」が存在する。

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 公式に倣って“スロット”と形容しているが,一般的なスロットのように“勝手に回転するドラムをタイミング良く止める”というものではない。モンスターとの戦いや回復で変化していく勇者のステータスを確認しながら,キーをポチポチと押して最適の目を出すゲームなのだ。

 とはいえ,勇者はオートで歩くため,操作はなかなかに忙しい。HPは満タンなのに回復薬の目を出して無意味に終わったり,目を切り替えていったら強いモンスターが出たり,HPがギリギリの状態で毒薬の目を出してしまったりといったハプニングが面白い。
 勇者が踏むと,そこのスロットのドラムの内容は切り替わるようで,さっきまで回復薬のあったスロットが,今度は何回ボタンを押してもモンスターしか出ないといったことも起こる。出展バージョンではスタンダードな「カエルナイト」と,毒薬と回復薬の効果が逆になる「疫病ドクター」をプレイできたが,製品版ではさらにキャラクターが増えるという。操作は非常にシンプルだがゲームデザインの面白さが凝縮されたタイトルと言えるだろう。

画像集#011のサムネイル/インディーズゲームイベント「TOKYO SANDBOX 2022」レポート。会場で気になったタイトルをピックアップして紹介

 ちなみに本作は,過去イベントにも出展されており,その際はモノクロのドット絵によるシンプルなグラフィックスだったので,こちらを覚えている人もいるだろう。現在はデフォルメされた絵柄になっており,ボードゲームのコマのような勇者がひょこひょこ歩いて行く様が可愛らしい。

こちらは2019年の動画から,旧版を自作の専用コントローラで遊んでいるところ。グラフィックスがモノクロのドット絵になっている
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「RP7」公式サイト

「RP7」Steamストアページ



ジャンプしかできない忍者を操り,縦横無尽に体当たり!「Ninja or Die」


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 NAO GAMESのPCNintendo Switch用アクションゲームが「Ninja or Die」。こちらは「集英社ゲームクリエイターズCAMP」の参加作であり,目にしたことがあるという人もいるかもしれない(外部リンク)。


 主人公である忍者の移動手段はジャンプのみ。壁に張りつけるので,壁から壁へと飛び渡りつつ,進んでいく。体当たりには攻撃判定があり,これで敵にダメージを与えていく。
 2Dアクションゲームにおける三角跳びだけで戦っていくようなもので,トゲや回転するギロチンといったトラップをかいくぐりつつ,縦横無尽に画面内を飛び回り,狙い澄ました体当たりで敵を倒したときは爽快感抜群だ。ドット絵で描かれたダークなテイストのグラフィックス,そして体当たりが決まる度のヒットストップや飛び出すダメージ数値といった演出も印象的で,気持ち良い。主人公の行動を制限することにより,シンプル操作で奥深いゲーム性を実現しており,尖った作品と言えるだろう。「Ninja or Die」の発売は2023年を予定しているという。公式サイトにはブラウザ版やデモ版も用意されているので,気になっている人はプレイしてみよう。

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「Ninja or Die」公式サイト

「NAO GAMES」Twitter



素材を集めて島を広げ,主人公を強くしていく「Crystarise」


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 YUKIUSAGI GAMESのアクションRPG「Crystarise」は,本拠地の「空島」を発展させるほど,主人公が強くなっていくシステムが特徴だ。


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 フィールドで木々や岩を破壊したり,敵を倒したりすると,素材が手に入る。そして,素材を使って,空島にオブジェを建てたり,空島の面積自体を拡張したりできる。オブジェは木々や鳥籠,農園,自販機,岩,宝箱など,自然物から人工物まで様々な品が存在し,それぞれが主人公を助ける特殊な効果を持つ。街灯を多く建てればフィールドが夜でも明るくなり,風車を置くとダッシュ速度が上昇し,クリームソーダのオブジェでHPの自然回復能力が手に入る……というように,オブジェを建てれば建てるほどに主人公が強化され,冒険も楽になっていく。

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 開発スタッフによれば,空島の面積は無限に広げていくことが可能で,強化された主人公の強さを存分に楽しめるという。ドット絵スタイルのグラフィックスも可愛らしく,箱庭かままごとのように空島を飾り付けるのも楽しそうだ。発売時期は2022年が予定されているとのこと。

「Crystarise」公式サイト

「Crystarise」Steamストアページ



敵の攻撃を見切って,トドメを刺す!「No Place for Bravery」


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 BEEPブースに出展されていたのがGlitch FactoryのアクションRPG「No Place for Bravery」。公式サイトやフライヤーの「SEKIRO風の残忍な2Dコンバット(Brutal sekiro-esque 2D combat)」というキャッチコピーが,本作の特徴を端的に示していると言えるだろう。主人公と敵には,それぞれHPのほかに黄色い「防御」ゲージが存在し,攻撃をガードすることで減少し,ゼロになると無防備状態となる。また,主人公が敵の攻撃をギリギリで受け止めるとパリィとなり,防御ゲージを一気に減らせる。無防備になった敵にはトドメの「処刑」アクションを決められるのだ。

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 敵の動きをシッカリと観察すれば,パリィから処刑で瞬殺することができ,バトルもテンポ良く進む。しかしパリィはリスクも伴っており,タイミングを誤るとダメージを受けてしまう。敵の攻撃にはパリィできないものも混じっており,前兆となる光の色で見極めなければならない。たとえ雑魚が相手であっても,緊張感ある戦いを楽しめるのだ。描き込まれたドット絵のグラフィックスは美しく,血しぶき舞い散る処刑描写も迫力がある。対応機種はPCNintendo Switch。Steamページによると,発売時期は2022年Q3を予定しているとのこと。

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「No Place for Bravery」公式サイト

「No Place for Bravery」Steamストアページ



折り紙を折って,隠された道を探し出す「Paper Trail」


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 NewfangledGamesの「Paper Trail」は,ゲームシステムに折り紙の要素を組み込んだタイトルだ。主人公が冒険するフィールドは折り紙状になっており,端をつまんで折り曲げると,裏に描かれた地形が現れる。道が行き止まりになっていた場合,紙に裏側の道をうまく折り曲げて道をつなげることで,通行可能になるのだ。こうして道を切り拓いていき,目的地へと導いていく。
 折り曲げる回数に制限はないが,主人公のいる場所が裏面になるようには折れないため,紙のどこを折り曲げるか,主人公をどこに位置させて折り曲げるかを考えつつゲームを進めていく必要がある。

画面左下が主人公。先に進みたいが,道は途切れている(左)。フィールドの折り紙を折り曲げると,裏側には道が描かれていた。これで先に進める(右)
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 まるで仕掛け絵本のようだが,ビデオゲームなので素材の劣化を気にせず何度でも折り曲げることができるのは嬉しいところ。試行錯誤を前提としたルールなため,友達と話しながら遊ぶのも楽しそうだ。ブースでも来場者同士が相談しながらあれこれと試す姿を見ることができた。PC版は2023年Q1に発売予定のほか,Nintendo SwitchPlayStationプラットフォームXboxプラットフォームに加え,AndroidiOS版もリリース予定とのことだ。

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「Paper Trail」公式サイト

「Paper Trail」Steamストアページ


 最後に,気になったブースを写真メインで紹介しよう。そのほかにも「TOKYO SANDBOX」の公式サイトでは,さまざまな出展タイトルが紹介されているので,合わせて確認してほしい。

「SUNDAY CREATORS」ブースでは,「アリス・ラビリンス」が出展されていた。現実世界の少女たちがおとぎ話の世界に迷い込み,ユニットを召喚して戦っていくタイトルだ。普段プロとして活躍するクリエイターが休日を使ってゲームを作るという試みを行っているのだという(公式Twitter
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今回特に多くタイトルを出展していたのがUkiyo Studios。海外のインディーズゲームをローカライズしたり,マーケティングや広報,コミュニケーションを行うBtoBの会社なため,普段は社名が表に出ることはあまりないのだという(公式サイト
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