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単体GPUなしの薄型ノートPCでゲームのプレイが実用的に。薄型ノートPC向け第12世代Coreプロセッサの見どころとは
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印刷2022/02/24 01:00

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単体GPUなしの薄型ノートPCでゲームのプレイが実用的に。薄型ノートPC向け第12世代Coreプロセッサの見どころとは

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 既報のとおり,Intelは,2022年1月に第12世代Coreプロセッサ計50製品を発表した。とくにメインテーマと言えるノートPC向けの製品は,高性能ノートPC向けの「H」シリーズ,薄型と高性能の両立を狙う「P」シリーズ,そして薄型軽量ノートPC向けの「U」シリーズで構成されている。

 Hシリーズを搭載するノートPCは,すでにPCメーカーから製品が発表済みだが,PシリーズやUシリーズを搭載するPCは,これから登場する予定である。
 製品の登場に先駆けて,Intelは,PシリーズやUシリーズと,これらを搭載する薄型ノートPCに関する新たな情報を明らかにした。純粋な新情報はあまりないのだが,ゲーム用途に言及している部分もあるので,概要を簡単にまとめておこう。

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薄型ノートPCでフルHD解像度のゲームがプレイ可能に


 簡単におさらいしておくと,第12世代CoreプロセッサのPシリーズは,Processor Base Power(=PL1)が28Wの製品で,これまでで言うTDP 28WクラスのCPUだ。省電力コアである「E-Core」は,Pシリーズすべてが8基を搭載する。一方で,高性能コアである「P-Core」は2〜6基と異なっており,性能と価格に合わせて6製品をラインナップしている。

Pシリーズの概要を記したスライド
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 一方のUシリーズは,Processor Base Powerが15Wと9Wの2種類があり,15Wの製品は薄型軽量ノートPC向け,9Wの製品は2-in-1ノートPCやタブレット端末向けの製品だ。CPUコアの構成は,E-Coreが4または8基で,P-Coreは1〜2基となっている。最近人気の小型ゲームPCで使われるのは,Uシリーズとなりそうだ。

Uシリーズの概要を記したスライド。15Wと9Wの2種類のパッケージがある
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 PシリーズとUシリーズの15W版は,I/OとしてCPU直下のPCI Express(以下PCIe)Gen 4×4レーンを2組用意している。SSDの接続を想定したPCIe Gen 4インタフェースだが,単体GPUの接続も可能だろう。Intelは,「P・Uシリーズと単体GPUを組みわせることは想定していない」とのことだったが,PCメーカーが単体GPUと組み合わせたノートPCを投入してくる可能性はある。

 さて,Intelによると,第12世代CoreのP・Uシリーズにおける特徴は,P-CoreとE-Coreという消費電力と性能が異なるCPUコアを組み合わせたうえで,条件次第で許される最大パワーとなる「Maximum Turbo Power」(=PL2)を設定することで,幅広い性能および消費電力をカバーできる点だという。

横軸が消費電力,縦軸が第11世代Coreプロセッサ比の「SPEC CPU2017」による性能を示すグラフ。第12世代Coreプロセッサは異種のCPUコアを組み合わせることで広い消費電力/性能レンジをカバーできる
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 その結果,たとえばPシリーズでは,第11世代Coreプロセッサに対して最大30%の性能向上をはたしているほか,「同じ消費電力レベルで比較すれば,最大70%もの性能向上を果たした」(Intel)という。Intelは,統合3Dアプリケーション「Blender 3.0」や,BAPCo製のアプリケーションベンチマーク「CrossMark」の結果を示しつつ,CPU性能が必要な場合はもちろん,一般的なアプリケーションでも前世代や競合を上回る性能を見せるとアピールしていた。

Blender 3.0を用いたレンダリング時間比較グラフ。第11世代Coreと比べて,第12世代Coreは半分の時間でレンダリングを終えるという
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CrossMarkによる第12世代Coreプロセッサと競合製品の性能比較。MacBook Proが採用するApple独自プロセッサ「M1 Pro」もライバルに含められている
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 第12世代CoreのP・Uシリーズは,統合型グラフィックス機能(以下,統合GPU)として「Iris Xe Graphics」を採用する。Intelは,「第11世代Coreプロセッサ(Tiger Lake)と同じIPを使用している」と述べていたので,統合GPU自体は変わっていないようだ。

 P・Uシリーズの上位モデルが搭載する統合GPUは,Execution Unit数96基のIris Xe Graphicsである。これを他社製GPUのシェーダ数に換算すると768基に相当する規模であり,エントリー市場向け単体GPUに匹敵する性能が期待できそうだ。Intelは,解像度1920×1080ドット(フルHD)であれば,グラフィックス負荷が重めのゲームでもグラフィックス品質「Medium」相当の設定で,またグラフィックス負荷が軽いeスポーツ系タイトルならば,グラフィックス品質「High」相当の設定で60fps前後が得られるというデータを示していた。

フルHD解像度ならば,Iris Xe Graphicsは,多くのタイトルで60fps前後を表示できる
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 Intelは,「P・Uシリーズ発売後に,統合GPU向けにAIを使った超解像技術『Xe Super Sampling』を提供する予定だ」と明らかにしている。Intelの超解像技術がゲームで利用できるようになれば,さらなるフレームレートの向上が可能となるだろう。

 さらにIntelは,「Intel Arc(※デスクトップ用のゲーマー向け単体GPU)を2022年に発売したあとで,ノートPC向けの単体GPUを提供する計画がある」とも明言した。時期は明確にしていなかったので,年内なのか2023年になるかは分からないが,CPUと単体GPUをIntel製で固めたゲーマー向けノートPCが,いずれ登場するかもしれない。


第3世代のEvoプラットフォームでは,スマートフォンとの連携も?


 IntelはノートPC向け第12世代Coreプロセッサの発表に合わせて,第3世代となる薄型軽量ノートPC向け規格「Intel Evo Platform」(以下,Evoプラットフォーム)の詳細も公開した。
 Evoプラットフォームは,Intel製CPUを搭載したノートPC向けのプラットフォーム技術だ。第3世代のEvoプラットフォームでは,「Intelligent Collaboration」というAIベースの技術を追加したことが特徴だ。簡単に言えば,これは,AI技術を使ってWebカメラ映像やサウンドの品質を高め,ビデオ会議などによるコラボレーション能力を高めようというものである。

第3世代Evoプラットフォームでは,AIを使ってコラボレーション能力を向上させるIntelligent Collaborationが加わった
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 ここまでは2022年1月に発表されていたことだが,今回,新たに2022年末を目標として,第3世代Evoプラットフォーム向けとして,スマートフォンやタブレット端末などと連携するMulti Device Experienceという機能を投入することを予告した。

 ざっくりとした説明だったので,具体的な姿を推測しにくいのだが,Intelによると,スマートフォンとノートPCをシームレスに連携する機能なのだそうで,たとえば,スマートフォンがメールなどを受け取ったときに,それをノートPCでシームレスに確認できるような機能となるのだそうだ。
 MicrosoftがWindows 11/10向けに提供している「スマホ同期」アプリのEvoプラットフォーム版という感じだろうか。スマートフォンは誰にとっても重要なデバイスなので,使い勝手が良い機能なら歓迎だろう。

2022年末を目標に,Evoプラットフォーム向けにMulti Device Experienceを提供する
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 第12世代CoreプロセッサのP・Uシリーズを搭載するノートPCは,近日中に登場してくるだろう。4Gamerでも報じたように,競合であるAMDも,フルHD解像度でゲームプレイを可能にするという薄型ノートPC向けの「Ryzen 6000 Series for Mobile」を発表済みだ。第12世代CoreプロセッサP・Uシリーズと合わせて,さらに進化したゲーマー向けノートPCが2022年には市場を賑わせることだろう。あとはゲームにおける実力に期待したい。

Intelの第12世代Coreプロセッサ製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    第12世代Core(Alder Lake)

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