プレイレポート
[プレイレポ]80年代アメリカの青春映画を思わせる「Kingdom Eighties」は,美しいピクセルアートが特徴のアクションストラテジーだ
本作は,スウェーデンのRaw Furyが販売する「Kingdom」シリーズの第4弾であり,シリーズ全体を通してピクセルアートで描かれたサイドビューの美しいグラフィックスが見どころの1つだ。そして今作では,1980年代アメリカの風景を描いている。
本作はPC版が6月にSteamで発売されているが,今回出展されたのは架け橋ゲームズによる日本語ローカライズが施された試遊版だ。本稿ではそのプレイレポートをお届けしていく。
ピクセルアートが美しい横スクロール型アクションストラテジー「Kingdom Eighties」リリース。凶悪なグリードから町や家族を守ろう!
Raw Furyは2023年6月26日,横スクロール型アクションストラテジー「Kingdom Eighties」のSteam版を発売した。1980年代の北カリフォルニアにある架空の町モナークを舞台に,凶悪な異世界生物グリードから町や家族を守るため,4人の仲間たちがサマーキャンプの子どもたちを導いて奔走する。
ゲーム舞台は,カリフォルニア州北部にあるキャンプ場だ。サマーキャンプのボランティアとして参加していた4人の若者は,正体不明の異世界生物「グリード」に襲撃され,同じくキャンプの参加者である子供達ともに脱出を試みるが失敗してしまう。残された選択肢はグリードを撃退すること。子供達と力を合わせて,この危機的状況を乗り切るのがゲームの目的となる。
ゲームをスタートしてすぐに,その画面の美しさに目を奪われた。ピクセルアート,いわゆるドット絵ではあるのだが,8ビットや16ビット時代のそれとは次元が違い,現代の表現力やセンスをもって描かれている。画面下の水面に背景やキャラクターが映り込んで揺らめく描写は,このシリーズでは定番の構図だが,過去のどのシリーズよりも美しく見えた。
試遊で体験できたステージの情景も,映画などで見た1980年代のアメリカの雰囲気がバッチリ再現されていて,気持ちを高めてくれる。
冒頭では,少女の姿をした幽霊が主人公を導いてチュートリアル的なアドバイスをくれるのだが,セリフ回しが妙に軽いのが印象的であった。字幕も幽霊の動きに合わせて波打つような演出で表示され,しかもそれが水面に映り込むという懲りようだ。
主人公と仲間たちは自転車に乗って,左右にスクロールするフィールドを駆け回る。フィールドには最初に何枚かのコインが落ちており,それをフィールドで歩き回っている子供達に渡すと,グリード撃退の手伝いをしてくれるという仕組みだ。
システム的にはシリーズを踏襲したものなのだが,子供達がコインで手伝ってくれるシチュエーションを想像すると思わず笑いがこみ上げてくる。しかし彼らは頼もしい戦力であり,さらにフィールドで新たにコインを発見してくれることもある。
コインをキャンプ内の施設に投入すると,施設の効果を発動することもできる。子供達が使用する道具の支給やバリケードの設置など,用途はたくさんあり,数に限りのあるコインをどのよう運用していくかも戦略のポイントとなりそうだ。
ゲーム中の時間はリアルタイムで経過し,夜になるとグリード達が襲撃してくる。それに備えて準備をしなくてはならないわけだが,手探りで進めていた筆者は,5日目の夜にやってきたヤドカリのようなグリードの大軍に敗北してしまった。
従来のシリーズからがらりと変わった,1980年代の青春映画をイメージさせる世界観は,ゲームシステムとのギャップが面白く,なおかつ新しいプレイヤーの興味を惹くものとなるはず。架け橋ゲームズによるローカライズのセンスも感じられ,国内での発売が大いに楽しみとなった。
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