インタビュー
「De:Lithe Φ」制作陣インタビュー。ダンジョンRPGの楽しさを間口に,ブロックチェーンゲームの醍醐味を味わってもらう
本作は累計777万DLを突破したDe:Litheをベースとし,“ゲームを遊んで稼ぐ”ためのブロックチェーン(※1)とNFT(※2)の仕組みを取り入れた,マルチプレイ対応のダンジョンRPGだ。
内容的には,全プレイヤーが制作・提供できるNFTダンジョンの参加料や,ハクスラ系のアイテム収集で稼ごうといったものである。
※1:暗号技術を用いて,1本の鎖のようにつなげて記録するデータ構造。改竄ができず,組み込まれたデータの同一性が保証される
※2:非代替性トークン。ブロックチェーン上に記録されるデータ単位。同一物が複数存在しない“サイン本のように代わりがないトークン”として,「人気プレイヤーの装備」など一点物の価値を付加しやすい
今回はenishの取締役兼「De:Lithe Φ」プロデューサーの公文善之氏と,HashPalette プロジェクト担当の赤石智哉氏にインタビューを行い,両者からゲーム制作の経緯や概要などについて話を聞いてきた。
「De:Lithe Φ」公式サイト
ゲームとしての面白さを担保できる
そんなブロックチェーンゲームを作りたかった
4Gamer:
本作はenishが開発し,HashPaletteのBCG(※ブロックチェーンゲーム)スタジオである,HashGamesが配信する座組とのことで。
まずはプロジェクトが発足した経緯から教えてください。
※BCG:ブロックチェーン要素を組み込んだゲーム。ゲーム構造は従来の遊びと大差ないが,NFTアイテムの購入・収集,他者に売却して金銭を得るなど“遊んで稼ぐ”ための仕組みが特徴となる
公文善之氏(以下,公文氏):
企画の立ち上げは約1年前のことで,世の中的にBCGやP2Eといった概念が世界的に盛り上がり始めているころでした。
そのため,我々もゲーム会社として新たな海に参入したいと考えたのですが,社内にはブロックチェーンなどに関するノウハウがまったくなく,どこに相談したらいいかも分からないレベルだったんです。
4Gamer:
そこでHashGamesに声をかけたのですか。
公文氏:
はい。HashGamesさんを設立したHashPaletteさんは,日本初のIEO(※)を行った会社で,国内業界の第一人者とも言える存在でした。
そこでお声がけさせてもらったところ,HashGamesさん側もBCGの企画をちょうど進めていたタイミングだったので,「じゃあご一緒になにかできませんか?」と相談させてもらったのがきっかけです。
※IEO:Initial Exchange Offering。取引所を介してトークン(暗号資産)を発行する仕組みのこと。投資家と直接取引を行うICO形式よりも信頼性が高いとされ,トークンの発行元とのつながりがなくとも取引所のアカウントさえあれば参加できるため,一般ユーザーでも取引がしやすいとされる。株式に対する「証券取引所」の存在に近似
4Gamer:
つまり,両社の動き始めのタイミングが合っていたんですね。
赤石智哉氏(以下,赤石氏):
そうですね。我々は2021年7月にIEOを開設しましたが,イーサリアム(ブロックチェーン・プラットフォーム,ならびに同システムの内部通貨などの総称)などと比べた際,どこで優位性を保つかを思案していて,「次のトレンドはゲームを遊んで稼ぐP2Eだろう」となったんです。
そこで自社プロダクトの開発と並行し,ゲーム業界においてしっかりとしたゲームIPを持っているパートナーさんを探していたところ,ちょうどenishさんにお声がけいただけたという経緯です。
4Gamer:
De:Lithe Φは,スマホ向けオンラインRPG「De:Lithe」の続編とのことですが,前作にブロックチェーンやNFT要素はありませんでした。
そこでなぜ「De:Litheの続編をBCGで」となったのでしょう。
公文氏:
今でもその傾向はありますが,当時のBCGマーケットはゲームとしてシンプルなものが多かったんです。そこでBCGに進出するにあたり,「普通に遊んで楽しいゲームにしたい」という思いを抱きました。
そして当のDe:Litheは,BCG市場のほかのタイトルと比べるとゲーム性が富んでいて,かつ過度な複雑さではなかったので,BCG化するのに適しているんじゃないかという案が生まれたんです。
4Gamer:
HashGamesから見ても,同じ印象でしたか。
赤石氏:
De:LitheをBCG化できれば,ブルーオーシャンを狙えるかもと感じましたね。De:Litheにある,RPGの育成の楽しさであったり,MMOらしいマルチプレイ要素だったりは,BCGではまだ追求されていません。
そのため,ベースにするうえで魅力的なタイトルだったんです。
4Gamer:
前作から継承するゲームの核は,どのような部分でしょう。
公文氏:
システム変更は多々ありますが,F2P(※)が入り口にあるスマホゲームであり,“育てる楽しさ”があるところです。前作はアバターの見た目を着飾り,装備の強さを高めて楽しんでいくという純粋なRPG体験ができたので,そこはDe:Lithe Φでも変えていません。
加えて「クラス」(いわゆるジョブ)の要素も踏襲して,プレイヤーさんには自身の役割を持って遊んでもらいます。De:Litheを遊んでくださっている方々が慣れ親しんでいる要素は残しつつ,BCGならではの特色を付加した,そんなゲームになっていると思ってください。
※F2P:基本プレイ無料。多くのオンラインゲームが採用する構造
4Gamer:
BCG化するうえでの課題はなんでしたか。
公文氏:
BCGでは「トークノミクス」(トークンの経済環境)をどう形成するかが大事とされます。例えばここ1年,大きく盛り上がったBCGもあるにはあるんですが,それらは一時的に盛り上がったあと落ち込んでしまったり,逆に盛り上がりすぎて(NFTが)誰も購入できないような値段に高騰してしまったりと,失速が目立つ結果となっていました。
その点,我々はゲームを遊ぶことで生まれる経済活動を,実社会に近い形で提供し,かつ持続する構造を目指します。
4Gamer:
BCGおよびNFT業界の近年の隆盛はたしかなもので,遊んで稼ぐの理念を体現するかのように,大会や売買などで大金を得るプレイヤーの存在も,目を凝らせば少なくない数の事例が出てきています。
一方でおっしゃるとおり,ゲームを楽しく遊ぶ以前に「NFTを安く買い,人気なときに高く売る」といった投機的な,それこそ側面であるはずのマネーゲームとしてのイメージが先行する例はまだまだ多く,ゆえに短期的に盛り上がって燃え尽きる消費コンテンツの印象も強いです。
けれど,De:Lithe Φはそれを打破すると?
公文氏:
はい。そこをなんとかしたいのが,De:Lithe Φです。
赤石氏:
NFT価格というのは運営サービスやユーザー動向を通して上下するものですので,投資性・投機性といった面はどうしても出てきてしまいます。しかし,それをいかに平準化し,長く持続させられるか。
それが本プロジェクトの最大の挑戦ですね。
プレイヤーがダンジョンを所有しつつ
編集&公開できるハスクラ型RPG
4Gamer:
あらためて,ゲーム内容をざっくりと説明してもらえますか。
公文氏:
ゲームジャンルはRPGで,「今よりも強くなれるかもしれない装備」を求めて,ランダム性のあるダンジョンに繰り返し潜っていくといった,ハック&スラッシュ系の遊びが楽しめます。
ダンジョンから持ち帰った装備を強化して,さらに強くなっていく流れは,前作のDe:Litheとも共通している部分です。
4Gamer:
バトルはコマンド選択型を採用しているとのことですが。
公文氏:
De:Litheは純粋なコマンド入力だけでしたが,本作ではコマンド選択のほか,敵味方の位置関係やスキルのクールタイムといった要素も取り入れています。またダンジョン内はシームレスバトルとなり,探索中に見つけた敵に挑むか,敵をさけて別の道を進むか,罠を踏まえたり,仲間を助けたりするかなど,考えて進む楽しさを強化しました。
4Gamer:
プレイヤーは自分の役割を意識する,仲間を助けたりもできるとのことですが,マルチプレイのパーティ人数は何人になるのでしょう。
公文氏:
アップデートで規模を拡張する可能性はありますが,リリース時点では最大4名のマルチプレイで,ダンジョン攻略に挑むことが可能です。
4Gamer:
ダンジョンに潜って,ハクスラで強化を楽しむ。この構造に疑問はありませんが,BCGの側面はどのように絡んできますか?
赤石氏:
ダンジョンで獲得したアイテムは,ゲームプレイや取引所で手に入る専用トークンを用いて“NFT化“できます。強力な装備などのアイテムをNFT化して他者と取引すれば,そこで新たにトークンを稼げるわけです。
それとアイテムをNFT化する流れだけでなく,ゲーム外でNFTを売買して“専用トークンを稼ぐ”こともプレイサイクルの一つです。
4Gamer:
ゲーム内で専用トークンを買ってNFT化して稼ぐ。ゲーム外でNFTを売って専用トークンを稼ぐ。いろいろできるわけですね。
赤石氏:
プレイヤーの立場なら,無料で遊んでNFTを作って稼ぐ,有料でNFTを購入して遊びを加速させるなどがプレイ方針になりますね。
4Gamer:
NFTとは別に「ガチャ」もあるのでしょうか。
公文氏:
ガチャ機能は用いるかもしれませんが,De:Lithe自体がガチャに依存しているゲームではなく,装備強化などのプレイングや時間に重きを置いている内容なので,大きく取り上げることはないです。
4Gamer:
事前資料には「プレイヤーがダンジョンを作る」といった記述がありましたが,こちらはどのような意味合いでしょう。
赤石氏:
いわゆるメタバースでは“デジタルな不動産”を「ランド」と呼んでおり,De:Lithe Φでは次世代型ランド「オーナーシップ」として,ダンジョンやアリーナを作る土地と,それらを構成するのに必要なモンスターなどのNFTを提供します。プレイヤーさんはそれらを自由に組み合わせて,自分だけのダンジョンを制作・公開することが可能です。
4Gamer:
個人制作のダンジョンで,ほかの人たちが遊ぶんですね。
公文氏:
そのとおりです。ダンジョンは自動生成ではなく,運営側が提供するもの以外は,誰かが作り込んだものを攻略していきます。
そしてダンジョン入場には専用トークンなどの「参加料」が必要で,その一部がダンジョン所有者に還元されます。これにより遊ぶ側の立場だけでなく,提供側の立場でもアプローチできるんです。
4Gamer:
面白いダンジョンを作れば作るほど,参加者も増えて収入も伸びると。コンテンツ制作が好きな人にはうってつけですね。
公文氏:
とはいえ,リリース時に提供するダンジョン制作ツールは現状,少々複雑でして,外観などをアレンジするには専門知識が必要になってしまいそうです。テンプレートをもとにモンスター配置を変えるといった簡単な作業なら,多くの人ができるかなという塩梅です。
ただ,これまでのゲーム,とくにF2P形式だと「プレイヤー自身が運営側の立場に回る」といった構図は多くないですし,やっぱり“みんなで作り上げるゲームの世界”を実現したかったので,できる限りのものをいろんな人が手がけられるようにと設計してきました。
4Gamer:
参加料が収益になるダンジョンとなると,「簡単構造で報酬おいしめのダンジョン」のほうが,作り込まれたものより評価されてしまう可能性も考えられるのですが。このあたりはいかがでしょう。
公文氏:
「入場直後に報酬がもらえるお手軽ダンジョンが一番人気になる」といった状況にならないよう,クリエイト部分に制約を課します。
ダンジョンの制作規模もいろいろですので,遊びのボリュームに適している,納得できる報酬が得られる仕組みも準備中です。
4Gamer:
将来的にツールが進化して,クラフトゲーム風にダンジョン制作が可能になったら,コミュニティもかなり盛り上がりそうですね。
公文氏:
そこまでいければうれしいのですが(笑)。
リリース当初は,個人と運営との1対1のコンテンツ契約を想定していますが,仲間内でダンジョン制作が上手な人,絵を描ける人などと一緒に組んで,チーム制作に挑むといった広がりも生まれるといいですね。
まずはゲームとしての楽しさに触れてほしい
4Gamer:
本作でとくにアピールしたいポイントはなんでしょう。
公文氏:
F2PとP2Eがしっかりと融合した,無料で遊んで稼げるBCGであるという点は大きくアピールしていきたいです。
またトークン経済を持続させていくことが課題と言いましたが,我々は法律的や公正な取引の観点を鑑みながらになりますが,売上の一部を“自社トークン買い“に当てるつもりです。F2Pとの共存の懸念は,無料でNFTが増産されてトークン価値が下落することにありますが,そこを自社トークン買いで安定させるわけです。
4Gamer:
F2PとBCGの比重は,どちらに傾いているのでしょう。
公文氏:
比重としてはどちらも同じくらい大きいですよ。
赤石氏:
BCGは,流行作品でもDAU(デイリー・アクティブ・ユーザー)が10万人いくかどうかとされていますが,De:Litheは777万DLを達成している人気アプリで,この時点で間口の規模が大きく異なります。
そしてリリース時点でのプレイヤー比率も「無料だから遊んでみる」といった方々が多くなるはずで,物足りなくなった人がBCG部分にも踏み込んでいき,バランスが均一化されていくだろうと予測しています。
開発方針にせよ,どちらも同じくらい力を注ぎ,F2Pのゲームの面白さとBCGの稼げる楽しさをうまく組み合わせたつもりです。
4Gamer:
BCGの入り口として,スマホ/PCゲームの無料感を用意したと。
赤石氏:
そうです。まずは無料スマホ/PCゲームらしくライトに遊んでもらい,徐々に「BCG部分も楽しみませんか?」と提案する流れです。
今の日本のマーケットでは,P2EやNFTゲーム(GemeFi)的な遊びを体験したことのない人がまだまだ多いので,まずはそういった方々にも手に取ってもらえるよう,ゲームとして単純に楽しいものを提供するのが最優先です。そうしてプレイするなかで,F2PとP2E,それぞれ迷わずに進める道を用意する。役割分担と共存のゲームデザインですね。
4Gamer:
BCGの取引には,プレイングなども関わってきますか。
公文氏:
我々が掲げるのは「Play Better,Earn More」。単純に訳すと“うまくゲームすれば,より稼げる”といったもので,それもスーパープレイ的な技術だけを指しているわけではありません。知識が豊富,着こなしがステキ,仲間を助けるなど,他者から「あの人はすばらしい」と思われる行為すべてをPlay Betterと定義しています。
BCGとして,NFT取引で金銭を稼げることは大事なんですが,それよりもまずは賞賛されるゲームプレイに期待を膨らませてほしいんです。でなければ先ほど言ったように持続性のないゲームとなってしまいますし,そのためにゲームとしての面白さを追求してきました。
それにNFT取引は,場合によっては投資に見合わない出資をしてしまうケースもありまえす。とにかくP2Eだからといって,ただお金を稼ぐという行為だけに目を向けさせない。それが我々の考えです。
4Gamer:
イメージとしては,YouTuberのチャンネルを応援するような? 動画投稿者が動画作りを楽しんでやっていたら,いつの間にか広告収入を得られるようになっていた,といった手段と目的の逆転と言いますか。
公文氏:
そうですね。プレイヤーが楽しんで遊べるゲームのなかで,みんなで共通の目的意識を持ってもらったり,コミュニティを作ってもらったりと,自然と互いを賞賛し合える環境を形成していきたいです。
たぶん,当面は「強い敵を倒すのがうまい」だとかの分かりやすいゲームプレイが称賛につながっていくと想定していますが,次第にそれらの対象範囲が広がっていくような運営をと検討しています。
4Gamer:
下世話な話,周囲から好感を得て「お金を稼ぐ」のが着地点だと思っていましたが,豊富な稼ぎの手段で「愛着を生む」のが狙いだと。
赤石氏:
ええ。一例として,リアルで歩いた距離が稼ぎにつながる「STEPN」というアプリがあります。同作は一時期の盛り上がりをすぎて,単純に稼げなくなったのですが,以降も「STEPNを使って歩く楽しみ」や「コミュニティでのオフ会」が活発化するなど,こちらもある意味で目的が逆転し,今ではファンの方々により親しまれているですよね。
我々もそれに近いことを実現したいと考えています。もちろん,稼げる構造はなるべく持続させようとしつつで。
4Gamer:
ゲームリリース前に「プレセール」を行うとのことですが。
こちらもあらためて説明をお願いします。
赤石氏:
BCGでは一般的ですが,ゲームリリース前にNFT(ゲーム内アイテム)を購入できる機会を用意します。どんな内容か分からないなかでの有料購入ということで,ある種のリスクはありますが,そこでしか手に入らないものを提供するなど,先行者向けの優遇施策と言えます。
投資家さんにとってはリスクを取りつつリターンを得られる場と言えますし,我々としても購入者に報いるため,いただいた資金を開発などに回してリリースまでの仕上げに当てていきます。
4Gamer:
どのアイテムを買うべきかの判断は難しそうですね。
赤石氏:
そこはDe:Litheの続編であることが強みでして,前作のプレイヤーさんはある程度“どんなゲームになるのか”を想像できるはずですし,一例として「金背景の武器アイコン」(De:Litheにおける冠辞装備)などおなじみの要素もあるので,よく遊んでいた人ほど予測は可能です。
あとは,プレセール期間までに公式Twitterのスペースなどで皆さんとコミュニケーションを取り,前作のノウハウなど推測材料も発信し,販売アイテムの魅力をお伝えしていく予定です。
4Gamer:
ちなみに,ゲーム内アイテムを制作してガチャで提供するのと,ゲーム内アイテムをNFT化してから提供するのとでは,開発側の労力も変わるものなのでしょうか。主に「NFT化する」という部分で。
赤石氏:
enishさんにとっては初のBCGとなりますが,基本的には専用SDK(ソフトウェア開発キット)を用いて,ゲーム内データにNFT化フラグを付けるだけの作業なので,そこまで複雑ではないです。
プレイヤーさんにしても,装備のNFT化は簡単に行えます。
公文氏:
システム上はデータを入れてしまえばいいだけですね(笑)。
それにゲームというもの自体,搭載しているゲーム内アイテムはプログラム上で個別に別物として認識させています。それをブロックチェーン上の情報とどうリンクさせるかが関わるだけの話です。
4Gamer:
あらためて,本作はどんなプレイヤー層を想定していますか。
公文氏:
日本国内で言えば,RPGファンの方々や,人と一緒に遊ぶのが好きな方々です。また本作はグローバル展開を想定していて,キャラクターの見た目も日本のアニメっぽいタッチにしているので,日本のコンテンツが好きな方々にも遊んでいただきたいと考えています。
赤石氏:
BCG目線では「エコシステムが安定したゲーム」であることが魅力となるので,NFTに興味はあるけど触ったことがない,暗号資産を少し持っているけれど使っていない,といった方々にも興味を持ってもらえればうれしいです。それと,海外にはどんな暗号資産でも扱う上級者層がいるので,彼ら投資家も呼びこめるよう認知を広げていきたいです。
そうしてゲーム界隈もNFT界隈も含めて,各方面の初心者も上級者もみんなが楽しんで遊べるゲームにするのが目標です。
4Gamer:
単刀直入に。BCGやNFTに踏み入れるにあたり,これらの概念は現代のゲーマー層にどのように認知されていると思いますか。
あるいは,まだまだ認知されていないという肌感は。
公文氏:
正直なところ,現状はゲーマーの方々にはほとんど認知されていないと思います。だからこそチャンスがありますし,そういう意味では「まずはゲームとして面白いからやってほしい」というF2Pとしての武器が,最大のきっかけになればと考えています。
そこから少しずつ,BCGやNFTへの理解を深めていってもらう。この道筋が,今まで話してきたとおり狙っているプロセスです。
赤石氏:
実際,既存のゲームでNFTなどを新たに販売しようとして,プレイヤーからの反対で止めてしまったケースというのも聞きます。暗号資産にせよ,よく分からない怪しいものといった印象はまだ根強いと思うので,公文さんが言ったように,私たちは「ゲームとして楽しいもの」を目指してスタートしました。そして遊びのなかで「これで稼げるんだ」という成功体験を自然に提供できるかどうか。ここがキモです。
BCGであることは,まだそれ自体がデメリットにもなり得るのですが,逆に訴求できるメリットにもなり得る。そういった挑戦からF2Pを入り口とし,P2Eにスムーズに移行できる仕掛けを用意しました。
公文氏:
BCGは「最初にアイテムを買わないと始められないタイトル」もあり,その場合はマイナスからスタートするので,余計に怪しいんですよね。でも本作は無料で遊べて,遊んでいるうちに収支プラスになるという体験を生めるので,間口は整っているほうかなと思います。
僕もよくゲームで遊びますが,ゲームってやっぱりすごく時間を使うじゃないですか? そして同じ時間を使って遊ぶものに,稼げるゲームと稼げないゲームが存在するなら,稼げるほうをやってみたい。De:Lithe Φはそんな時代に向けた先駆けのタイトルと言えますね。
4Gamer:
では最後に,今後のスケジュールを教えてください。
公文氏:
まず,10月21日からの2週間,NFTのプレセールを実施予定で,2023年春ごろをめどにゲームをリリースしたいと考えています。
「De:Lithe Φ」第1回 NFTセール
赤石氏:
プレセールで買ったNFTは,ゲームリリース前でも取引可能ですので,配信前からアイテム価格が変動する可能性もなくはないです。
NFTを取り扱っているユーザーの方々は,しっかりと下調べをしてアイテムを購入する人,とりあえず話題性で買う人などさまざまですので,そういった人たちがコミュニティで情報を交換し合う,クリプト業界的に言うところの“二次流通の活発化”にも期待しています。
公文氏:
今は鋭意開発中ですが,本作は「みんながダンジョンを作れるゲーム」です。ダンジョン制作の関連情報も発信予定ですので,「面白いダンジョンを作りたい」という方々にはたくさん集まってほしいです。
ダンジョンの外観,モンスターの見た目や行動パターン(作中で「スキル」と呼称)とその優先順位など,できる限りの部分はいじれるようにして,人それぞれの特徴を出せるようになっています。
将来的に「ダンジョンコンテスト」なども開催したいので,スマホRPGやオンラインゲームが好きな人はもちろん,ダンジョン制作に興味を持たれた方々も,リリース後にぜひプレイしてみてください。
――2022年9月26日収録
「De:Lithe Φ」公式サイト
- 関連タイトル:
De:Lithe Φ 〜幻想のラビリンス〜
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