プレイレポート
[プレイレポ]アニプレックス新作「World II World」先行インプレッション。二人の主人公を同時に操作する“ニコイチRPG”の実力やいかに
「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」のデスクワークスが開発を手がけ,“ニコイチRPG”を謳う本作は,二人の主人公を同時に操作して遊ぶゲームシステムが新しいタイトルだ。また三つのワールドで展開される物語が更新されていくという運営スタイルにも注目が集まる。果たしてそのプレイフィールはいかなるものか。いち早くプレイする機会が得られたので,紹介してみたい。
「World II World」公式サイト
2つの世界を同時にプレイできる“ニコイチRPG”
本作の物語は,世界を滅ぼそうとする「分断王・ディヴァン」によって分断されてしまった3つの世界――「機械(マキナ)×人間(ラボル)ワールド」「異世界(ファンタジー)×現代(リアリティ)ワールド」「西部(ガンマン)×東部(サムライ)ワールド」を舞台に展開する。
分断された世界にはそれぞれ主人公がおり,あるときは別々に,またあるときは助け合いながら旅を続けていく。プレイヤーはその「観測者」となり,ゲームプレイをとおして彼らの旅を追いかけていく。
文章にするとオムニバス形式のRPGかと思うかもしれないが,そうではない。進行によって主人公が切り替わるのではなく,分割された画面で2人の主人公を同時に操作するのだ。
そう,本作のゲーム画面は,縦持ちにしたスマホの上下が区切られており,それぞれの画面で冒険が展開する。例えば「機械×人間ワールド」なら,上画面は機械サイドで,主人公は天上界にいる機械人の少女・ラッカ(CV:市ノ瀬加那さん)。下画面は人間サイドで,地上に暮らす少年・フジョー(CV:梶原岳人さん)が主人公という具合だ。
「機械×人間ワールド」は,天上界と地上に分かれている |
天上界には永遠を生きる機械人,地上には生身の人間が住んでいる |
2つの画面で物語が同時進行するので,例えば上画面のラッカを右に移動させつつ,下画面ではフジョーを左に移動させる,なんてことが普通に行える。それだけでなく,ラッカの会話イベントを見つつ,フジョーはフィールドで経験値稼ぎをする,ということも不可能ではない。さながら2台のゲーム機で別のゲームを遊んだり,ながらで動画を視聴したりする感覚だろうか。
こうしたマルチタスクな遊び方は,もはや一般的ではあるだろうが,それはあくまでプレイヤーの側で勝手に行うものだった。しかし本作では,これが正しい遊び方なのだ。慣れてくると「上画面はエンカウントのない街を歩いているから,今は下画面のバトルに集中しよう」などと,意識の割り振りが自然にできるようになるから驚きだ。
ポイントは,上下の画面を同時に“プレイしなければならない”のではなく,同時に“プレイしてもよい”という点だ。同時に操作せずともペナルティはないので,例えば上画面はひとまず放っておき,下画面のストーリーに集中したとしても問題はない。
まあ,あまり放っておきすぎるとレベル差が付いてしまいそうだが,操作していない側にも時間経過で少しずつ経験値が入る「放置特典」というシステムがあり,ここにも配慮が感じられる。なお放置特典が得られるのはプレイ中のみなので,遊ばなくとも経験値が稼げる,いわゆる“放置ゲー”とは別物だ。あくまで,一方しか操作していなくても,時間が無駄になるわけではないだけなので,注意してほしい。
とはいえゲームシステムや操作はシンプルにまとめられているので,ゲーム慣れしている人なら,上下の画面を同時に進行させるのはそう難しくない。
画面の左右をタップして移動し,モンスターとエンカウントしたらコマンド選択式のターン制バトルへ。ノーコストの通常攻撃「アタック」と,強力だが「SP」を消費する「スキル」を活用して戦っていく。SPやキャラクターのHPは戦闘が終わるごとに全回復する手軽さで,オートバトルも用意されているのが嬉しいところ。
なおキャラクターや敵はそれぞれ「火」「水」「風」「雷」といった属性があり,「水は火に強いが雷に弱い」というジャンケンのような相性がある。属性相性と,敵の攻撃を1人のキャラクターに集中させる「ヘイトコントロール」システムを活用して,戦略的なバトルが楽しめる。
一人旅が心細いのであれば,ランダムでキャラクターが手に入る「結集」(ガチャ)で仲間を集めるといい。結集は課金要素であるほか,クエスト報酬でも引くことができる。例えば「機械×人間ワールド」のガチャなら,天上界の機械人と地上の人間が登場する仕組みで,機械人はラッカの,人間はフジョーの知り合いという扱いだ。
ガチャから登場したキャラクターには,それぞれ寸劇風の会話シーンが用意されていて,世界の広がりが感じられる。彼らはそれぞれの世界に属しているため,例えば機械人を地上のパーティに入れるようなことはできない。ただし同一キャラクターを重ねてレアリティを上げきると(いわゆる限凸),「超越者」としてどの世界のパーティにも参加できるようになる。分断世界の設定は,こんなところに活かされているわけだ。
こちらは人間サイドのレーナ(CV:Lynnさん) |
機械サイドのアナ(CV:長縄まりあさん) |
人間サイドのニャイン(CV:赤尾ひかるさん) |
ガチャで手に入るどのキャラクターも,初登場時には主人公との会話シーンがある |
上下の世界は分断されているが,ときに交わることがある。
「機械×人間ワールド」の上空に存在する天上界は,高度に機械化された文明が息づく,清潔な世界だ。そこに住んでいたラッカは,天上界を治めるマザーズから授かった任務により,謎の敵から地上を守る戦いを続けていたが,あるとき地上へ落下してしまう。
ラッカは天上界を治めるマザーズの命を受け,謎の敵から地上を守るべく戦う |
しかし,あるときラッカは不調を起こし,地上へと落ちてしまう |
一方,地上は天上界から落ちる鉄くずが,「ジャンク雨」となって降り注ぎ,街全体がジャンク置き場のような有様だ。そこで暮らすフジョーは天上界に憧れつつも,地上でジャンクを集めて生計を立てていた。
そんなフジョーの頭上に落ちてきたのがラッカであり,フジョーは機械の腕で受け止め彼女の命を救うが,負荷により腕が壊れてしまう。責任を感じたラッカは,自分の腕とフジョーの腕を交換し,再び天上界へと戻っていくのだった。
二人の交流シーンでは,分かたれた画面が一つになって物語が進行するが,ラッカが天上界に戻ると,再び画面も二つに分割される。上画面では天上界のラッカが任務に励む様子が描かれ,下画面ではラッカとの再会を誓ったフジョーが地上で仕事をする姿が映し出されるのだ。二人を再会させるためにゲームを進めたくなること請け合いの演出で,これが本作ならではの面白さと言えるだろう。
ソーシャル要素を排除したゲームシステムと,3つのワールドで展開される物語
本作はソーシャル要素のない完全なシングルプレイで,自分のペースで物語を進められるのがウリだという。それだけに,それぞれのワールドで展開されるストーリーが大きな魅力となっている。
「機械×人間ワールド」で描かれる物語は,前述したような王道なボーイミーツガールだ。ラッカとフジョーの再会は叶うのか。そして天上界と地上界の関係や謎の敵の正体が,今後の展開の鍵を握る。
「異世界×現代ワールド」では,流行の異世界転移ものの形を取りながら,コメディタッチの物語が繰り広げられる。お笑い好きでツッコミ気質だが,ぼっちの現代高校生・小宮ハルタ(CV:千葉翔也さん)と,魔王の仕事に疲れた異世界のマルママック(CV:加隈亜衣さん)は,謎の女神マージェム(CV:本渡楓さん)の導きによって,お互いの世界へと転移することに。ハルタは異世界のあれこれにツッコミを入れながらサバイバル生活を送り,魔王の責務から解放されたマルママックは,大喜びで現代社会に適応していく。異世界転移ものの王道パターン二つを同時に楽しめるわけで,今後二人がどんな騒動を巻き起こしていくのか,非常に楽しみだ。
そして,少年マンガかくやなバトルものが展開されるのが,最強を目指す二人の男が登場する「西部×東部ワールド」だ。ガンマンが闊歩する西部世界では,クールなガンマンのコル(CV:梅原裕一郎さん)が,そして剣士が腕を競い合う東部世界では,熱血剣士の剣丸(CV:神尾晋一郎さん)が,それぞれ戦いや修行に明け暮れる日々を送っていた。
しかし西部と東部は分断されており,相互の交流は禁じられている。志を同じくしながらも出会うはずがなかった二人だが,その両名が協力して巨大な敵に挑み,ボロボロにされてしまうところから物語はスタートする。そして時を遡り,二人が出会う前へと場面は移り……両者はどのような旅を経て,どうやって出会ったのかが描かれていくわけだ。そして,このボロボロの状態から果たして逆転は可能なのか。これもまた,続きが気になる物語だろう。
「西部×東部ワールド」のオープニング。東部と西部の交流は禁じられているはずのコルと剣丸が,共に行動し…… |
何者かが呼び出した魔物によって,なすすべもなく叩きのめされる |
サービス開始後はこれら3つの物語が,順繰りで更新されていくとのこと。さらに先にも述べたとおり,本作はギルドやフレンドとのキャラクターの貸し借りや,期間限定イベントといったスマホゲームではお馴染みの要素は存在しない。まさに週刊連載のマンガのように楽しめるタイトルとなっている。
「異世界×現代ワールド」の女神マージェムは,異世界サイドと現代サイドの住人たちを転移させる存在。果たしてその目的は? |
ライバル達と戦い,自分の技に磨きを掛けていく「西部×東部ワールド」のコルと剣丸。二人はオープニングに登場した敵に勝てるのだろうか? |
三つのワールドを舞台に,6人の主人公による物語が紡がれる,一風変わったシステムの「World II World」。2画面で展開されていく物語やソーシャル要素の排除など,これまでにない取り組みにも期待ができそうだ。この尖りに尖った本作が,今後どのように展開を見せるのか。2月22日に迫ったサービス開始が,今から楽しみだ。
○商品概要
タイトル:World II World(ワールド・ツー・ワールド)
ジャンル:ニコイチ RPG
対応プラットフォーム:iOS / Android
対応言語:日本語
プレイ人数:1人
発売日:2023年2月22日(水)予定
公式サイト:https://worl2.world/
公式Twitter:@W2W_pr(https://twitter.com/W2W_pr)
権利表記:(C)DeskWorks / Aniplex
開発:株式会社デスクワークス
販売:株式会社アニプレックス
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