弟者さん，おついちさんがゲーム中盤を生実況。リメイクならではの“逆アハ体験”も見つかった「SILENT HILL 2」ステージレポート［TGS2024］

　KONAMIは本日（2024年9月29日），日本最大のゲームイベント「東京ゲームショウ2024」の同社ステージにおいて，リメイク版「SILENT HILL 2」（PC / PS5）のステージイベントを実施した。


　今回のステージには，本作を開発するプロデューサーの岡本 基氏，コンポーザーの山岡 晃氏，コンセプトアーティストの伊藤暢達氏に加え，ストリーマーとして人気を集める「2BRO.」の弟者さん，おついちさんが出演。トークセッションや生実況プレイが披露された。

■出演者
●開発チーム
岡本 基氏 プロデューサー
山岡 晃氏 コンポーザー
伊藤暢達氏 コンセプトアーティスト

●ゲーム実況
弟者さん（2BRO.）
おついちさん（2BRO.）

●MC
山口 慧さん

※掲載画像は配信映像をキャプチャしたものです。

YouTube「『SILENT HILL 2』スペシャルステージ【TGS2024】」視聴ページ

「SILENT HILL 2」公式サイト

名作「SILENT HILL 2」リメイクの葛藤

サイコロジカルホラー再誕はいかに成ったか

　まずは本作の開発チームが登壇し，さっそくトークセッションがスタートした。最初の話題は，リメイク版の企画が始動した経緯についてだ。

（写真左から）プロデューサーの岡本 基氏，コンセプトアーティストの伊藤暢達氏，コンポーザーの山岡 晃氏

　オリジナル版「SILENT HILL 2」はPS2用ソフトとして2001年に発売されたもので，2013年にリリースされたPS Vita用ソフト「SILENT HILL: BOOK OF MEMORIES」から数えても10年以上の時間が経過している。それから長く続編がない期間が続き，ファンは多いものの“なかなか続編が出ないゲーム”として知られていたSILENT HILLシリーズだが，近年になって大きく状況が動き出した。

　2022年に「SILENT HILL f」「SILENT HILL: Townfall」「SILENT HILL 2」の3作品が一挙発表されたのだ。岡本氏によると，新作がリリースされていない間にも熱意ある要望が多数届いていたとのこと。そうした反響に応える形で，リメイクの企画が始動したようだ。

リメイクが初代でなく2作目になったことについては，岡本氏が「SILENT HILLのアイデンティティは“真のサイコロジカルホラー”であることです。それを体現するSILENT HILL 2である以上，真っ先にリメイクするのはそちらだろうと考えました」と語った

　2024年2月にリリースされたPS5向け無料DLソフト「SILENT HILL: The Short Message」（以下，The Short Message）も，そういった流れの中で生まれたタイトルだ。シリーズ作品が最後にリリースされたのは10年以上前ということで，The Short Messageは「サイコロジカルホラーの世界観を凝縮して体験できる作品」になっているとのこと。

　SNSを通じた誹謗中傷，いじめ問題といった“若者にとって身近な精神的な恐怖”をテーマに据えているのは，The Short Messageが新たな世代に向けた作品であるためだ。まだシリーズに触れたことがない人は，ここからSILENT HILLらしさを体験してみるのもアリだろう。

The Short Messageでは独自のクリーチャーも登場する。桜の花びらや，大量のポストイットといった“集合”がデザインのテーマになっており，一般的なクリーチャーのおぞましい印象とは乖離したモチーフが取り入れられているのが特徴だ

　リメイク版の開発に参加している伊藤氏，山岡氏はいずれもオリジナル版で活躍したクリエイターだ。伊藤氏は「リメイクなんかはする必要がないと考えていて，最初は断ろうと思った」とコメント。しかし，岡本氏のリメイクへの決意を受け，オリジナルを手掛けたメンバーの1人として参加を決意したという。

　山岡氏もまた，SILENT HILL 2の人気の高さを肌で感じていたようで，完成度が高くまとまった作品に再び手を付けることへのプレッシャーを受けていたようだ。新しいチャレンジと，かつてのファンに届けるこれまで通りの魅力の間で悩みながら，新たな音楽を作り上げたと語る。

日本語ボイスに対応したのも，ある意味で音響面での新たなチャレンジといえる。YouTube公式チャンネルにはボイス入りのPVもあるので，そちらも要チェックだ

　そうした開発の裏話に続いては，リメイク版の“8つの特徴”が紹介された。この内容は，前日に実施された「PLAY! PLAY! PLAY! TGS2024 SPECIAL STAGE」でも取り上げられている。4Gamerではレポートを掲載しているので，振り返りたい人は参考にしてほしい。

弟者さん，おついちさんが生実況

暗闇の中で見つけた“逆アハ体験”

　ここからは，ストリーマーグループ「2BRO.」の弟者さん，おついちさんが登場。2人はすでにゲーム序盤の“最速プレイ”を実施しており，その様子はYouTubeのアーカイブで確認できる。基本的なシステムやストーリーはそちらでも紹介されているので，順番に観たい人は視聴しておこう。

【リメイク版を世界最速配信!?】弟者,おついちの「サイレントヒル２(2024) | SILENT HILL 2 (2024)」【2BRO.】

　今回のステージでは，ゲーム中盤にあたる「ブルックヘイブン病院」の攻略に挑むことに。1人プレイ用のゲームなので，弟者さんが実際のゲームプレイを担当し，おついちさんがその内容を拾いつつ開発陣に質問を投げかける役割を担う形となった。


　ゲームプレイの中で印象的だったのは，オリジナル版との比較に関する言及だ。懐から取り出すようなスタイルで開かれるマップに着目して進化を楽しんだり，ギミックの変化を味わったりと，オリジナル版をしっかりとやり込んだプレイヤーならではの反応が多く見られた。

　逆に“むしろ変化していない要素”を見つけた瞬間を，おついちさんは「逆アハ体験」と表現。グラフィックスや音響表現を大きく進化させつつ，オリジナル版をきちんと再現している部分も多く，それをどんな形で実現しているのかも本作の注目ポイントといえるだろう。

進行状況に応じ，マップに情報が書き足されていく様子を確認できた。懐から取り出すようなモーションが挟まり，没入感を妨げない工夫がなされているのも面白いところだ

　ちなみに，プレイにはPS5版を使用しているようだ。鉄パイプを振るいつつ「空を切っているのが（感触が）コントローラから伝わってきます」と語るなど，ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーの感触も実況していた。

　音響効果についても触れられ，砂埃の表現などの細かな演出も含めて臨場感を味わっている様子が感じられた。ヘッドホンを通じた立体感ある音響，コントローラの振動を通じた体験など，実況プレイを通じて“実際に触れないと味わえない要素”があることが伝わってきた。

最初こそバブルヘッドナースに驚いたり，ゆっくりと絞られるレティクルに翻弄されたりもしていたが，アクションゲームを得意とする弟者さんはすぐにコツを掴み，ずんずんと進んでいく

　そして後半に差し掛かった頃，おついちさんは「エンディングは期待していいんですかね」と開発陣に語りかける。すでに発表されているとおり，既存のエンディングはすべて収録されており，複数の追加エンディングがあるとのことだが，岡本氏は「ぜひ期待していただければと思います」とだけコメント。オリジナル版を遊んだファンが期待しているものがどんな形で実現されるのか，気になるところだ。


　そんな核心に迫る話題が背後で繰り広げられる中，弟者さんが「プールのカギ」を入手したところで今回のプレイは終了となった。配信の中では新しくなった謎解きや，新たなクリーチャーとの戦闘シーンも確認できたので，それらの詳細が気になる人は以下の時間指定リンクからアーカイブを視聴してほしい。

「『SILENT HILL 2』スペシャルステージ【TGS2024】」時間指定リンク（34：45）

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