インタビュー
[インタビュー]スマホゲーム「Persona5:The Phantom X」,開発元であるパーフェクトワールドのプロデューサーにインタビュー。ペルソナファンが違和感なく楽しめるように開発中
開発した経緯やどういった形で開発しているのか,ペルソナファンとして気になっている部分を聞いてきた。
4Gamer:
よろしくお願いします。
ではさっそく。なぜペルソナ5の世界を舞台にしたゲームをパーフェクトワールドで作ろうと思ったのでしょうか。そのきっかけを教えてください。
パーフェクトワールドゲームズはゲーム開発経験豊富なゲーム開発会社であり,比較的早くモバイルゲーム市場に参入した中国ゲームメーカーでもあります。今まで開発してきたタイトルの中では,中国の伝統的な題材を扱った大型オンラインゲームを一番得意としています。近年になって業界的に変化しつつある中で,我々はグローバル展開やクロスプラットフォーム展開をより重視しています。
そうした中で,SEGAと数年前からいい関係を築けていたので,これからの時代,どう連携していくかを考えていました。我々のチームメンバーに「ペルソナ」シリーズの大ファンがたくさんいて,「ペルソナシリーズをモバイル向けに出すとどういうゲームになるのか」と,話題になったんです。
チーム内でしっかり検討と研究を重ねて,我々は企画書を作って,日本に行き,直にSEGAさんとATLUSさんに「モバイル端末でペルソナシリーズの楽しさと魅力を体験できるゲームを開発しませんか」と真剣に提案させてもらいました。そして両社から「良いものになるのではないか」というフィードバックをもらって,開発することになったという流れですね。
4Gamer:
SEGAとATLUSに提案したときの反響はかなり良かったと。
Vulpe氏:
モバイルゲーム化の提案はSEGAさんとATLUSさんに認めてもらっていましたが,ペルソナシリーズタイトルだからこそ,並外れたゲームになることは間違いないと思っています。「ペルソナ」シリーズの大事にしている部分をよりよく理解するために,SEGAさんとATLUSさんと頻繁に深くディスカッションを行い,最終的にP5Xゲームの方向性を共同で決めていきました。この過程は新鮮でしたね。
4Gamer:
そうやってディスカッションを重ねていった結果,「Persona5:The Phantom X」はどのようなゲームになったのでしょうか。
Vulpe氏:
「ペルソナ5」をモバイルゲーム化するにあたって,二つの選択肢がありました。1つはペルソナ5の体験をモバイルでプレイヤーに提供すること,もう1つはペルソナ5のスタイルで新しい体験をプレイヤーに提供することです。
これに関してはATLUSさんと真剣に話し合いを重ねました。その結果,ペルソナ5の体験をそのまま提供するのではなく,新しいストーリーを提供する,ペルソナ5のスピンオフとして展開していくことになりました。
ペルソナ5の再現度についても,我々はかなり時間をかけてブラッシュアップしてきました。ペルソナ5は非常に個性的で魅力的な作品なので,最初にプレイしたときに「これはペルソナ5だ」と思ってもらえるように作ったうえで,P5Xならではの新しい要素と楽しさを体験できるようにしています。
また,モバイル化したタイトルではありますが,クロスプラットフォーム展開を考えており,iOS/Androidのほかに,PCでも遊べます。
4Gamer:
モバイルゲームでライブサービスを行うタイトルですが,アップデートはどのようになるのでしょうか。
ペルソナ5で好評だったシステムを生かし,モバイルにふさわしいシステムや遊び方を取り入れようと考えています。また,ライブサービスを行うタイトルである以上,長期的に新鮮で魅力的なコンテンツを提供する必要があります。その点に関してもSEGAさんとATLUSさんと強く連携しつつ,プレイヤーにコンテンツを長く提供していく予定になっています。
まず大切なのはストーリーです。メインストーリーはこれからどんどんアップデートして,プレイヤーの期待を超える新しいストーリーを提供していきます。新たな怪盗団の物語がどうなっていくのか,楽しみにしていてくださいね。
その他にも,新しいキャラクターや都市エリアの追加といった,新しいイベントと遊び方のアップデートもどんどん行っていく予定です。
4Gamer:
ペルソナシリーズはペルソナの収集も重要なコンテンツだと思うのですが,入手方法はどのようなものになっているのでしょうか。
Vulpe氏:
おっしゃる通り,真・女神転生シリーズからペルソナ(仲魔)の収集は重要な要素です。その点に関していろいろな手段を検討しましたが,ペルソナ収集に関しましても,多くの方に楽しんでもらえる仕様にするべく,アトラスとも連携をとって決めていきます。例えば,パレスや異世界を探索することで,順調に原作ペルソナを集め,合体する仕様があります。ペルソナ集めを存分に楽しんでいただけたらと思います。
4Gamer:
それは楽しみですね。ペルソナを集めるうえで欠かせないのが「合体」なのですが,これはどういった形で行うのでしょうか。
主人公のベルベットルームで行います。新しいキャラクターである「メロペ」がプレイヤーをサポートしてくれます。具体的な演出に関してはもうすぐ実施されるCBT2で実装しているので,それを楽しみにしていてください。
原作と同じロジックで合体できるので,ペルソナ5のファンが楽しめるものになっていると思います。
4Gamer:
ペルソナの収集にガチャ要素はないとのことですが,マネタイズはどういう方向で行うのでしょうか。
Vulpe氏:
P5Xには新しい要素として「怪盗」と「アイドル」を合わせた言葉で「怪ドル」というものを追加しました。それをガチャで入手できるようにすることで,マネタイズを実現できるかなと考えています。
4Gamer:
ペルソナ5を構成する要素とは別の+αの部分でマネタイズをすると。
Vulpe氏:
本作はまったく新しいストーリーなので新しい怪盗団が登場します。ストーリーを進めていくと,どんどん怪盗団のメンバーが登場して仲間に加わっていきます。新しい怪盗団のキャラクターたちはほとんどを無料で入手できるということです。
「怪ドル」や原作キャラクターたちはゲームプレイでも入手できますが,ガチャで入手することも可能です。ペルソナシリーズでどうやってマネタイズするか,かなり難しい問題です。ですので,テストをしながらプレイヤーのフィードバックを参考にし,調整していきたいと思っています。
4Gamer:
怪ドルはゲームにどういった影響を与えるものなのでしょうか。
Vulpe氏:
怪盗団のメンバーは限られていていますが,でもP5Xの世界には怪盗になりえるセンスを持つ人たちがたくさんいます。彼らは認知世界では「怪ドル」として,様々な困難や危機を乗り越えるように怪盗団を助けにいきます。つまり,新たな怪盗団の協力パートナーという存在ですね。
4Gamer:
SEGAとATLUSの監修はどのような形で関わっているのでしょうか。
Vulpe氏:
私自身の感想で言うと,ライセンスアウトではあるものの,全面監修を行い,またかなり深く,綿密に関与をしていただいてます。今までSEGAさんとATLUSさん両社とコミュニケーション取ってきたのですが,両社のペルソナ5にかける熱量の高さを感じています。P5Xの主人公キャラクターデザインは副島成記さんが担当していますし,ストーリーのコアの部分もATLUSさんに制作してもらっていて,多大な協力を受けて作っていることは間違いないです。今後もさらに深い関与をいただけることもお約束いただいてます。
4Gamer:
思った以上に両社が関わっているのですね。
Vulpe氏:
そうなんです。それ以外の部分についても,シナリオやキャラクターデザイン,音楽,演出,システムなどほぼすべての内容で監修が入っています。
監修の基準は高く,最初の頃は厳しいチェックが入っていましたが,我々もペルソナ5に対する理解が深まっていて,今現在はかなりスムーズにやりとりすることができていて,すごくいい開発状況になっています。
4Gamer:
最後に本作の開発としての意気込みをお願いします。
Vulpe氏:
前述の通り,P5XはSEGAさん,ATLUSさんと綿密にコミュニケーションを取り開発を続けています。「ペルソナ5」の世界観と基本設定をベースにした,全く新しいスマートフォンゲームとしてリリースすべく鋭意開発中ですので,ご期待頂ければ幸いです。
4Gamer:
ありがとうございました。
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ペルソナ5:The Phantom X
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(C)[2024] Perfect World Adapted from Persona5 (C)ATLUS. (C)SEGA.
(C)[2024] Perfect World Adapted from Persona5 (C)ATLUS. (C)SEGA.