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印刷2023/06/28 18:00

プレイレポート

[プレイレポ]超リアル志向な「RIDE5」とハチャメチャな「Hot Wheels Unleashed 2」,方向性が異なる2つのレースゲームを体験

 PLAIONは2023年8月24日に,リアルさを追求したライディングシミュレーター「RIDE5」PC / PS5 / Xbox Series X|S)を,そして10月19日にミニカーとして展開している“Hot Wheels”を題材にしたレースゲーム「Hot Wheels Unleashed 2 - Turbocharged」PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)をリリースする。
 Milestoneが制作するこれら2タイトルは,同じレースゲームというくくりではあるものの,その方向性はまったく異なる作品だ。

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 今回4Gamerは,この2本を発売前にプレイできるハンズオンに参加した。本稿では,各作品でいくつかのレースを体験した所感と,プレイ前に行われたゲーム紹介の内容をまとめてお届けしよう。なお,今回はPC版のハンズオン用ビルドでプレイしている。


「RIDE5」は笑ってしまうほどの難しさ。でも走りたくなる


 まずは「RIDE5」から触れていこう。本作はリアルなグラフィックスを突き詰め,ライディングシミュレーターを謳い文句とする「RIDE」シリーズの最新作だ。
 PlayStation 4やXbox Oneでもリリースされた前作「RIDE4」とは異なり,今作はいわゆるハイエンド機のみでのリリースとなる。優れたグラフィックス表現は昨今当たり前のものになってきているが,それでもハイエンド機に絞っただけあり,実際に触れてみるとその存在感には驚かされる。

乗ったことはないけれど,メカ的造形としてバイクが好きという筆者としては,ガレージ画面に並ぶさまざまなバイクを眺めているだけでもテンションが上がる
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レース中のビジュアルは言わずもがなのクオリティ。ライダー視点での光景にはレーサーたちも太鼓判を押しているという
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 シミュレーターを名乗るだけあって操作面もリアルになっており,本作は現実世界でレースに出場するレーサーたちからも運転の感覚が近いとの好評を得ているとのことだ。しかしその徹底ぶりは操作を複雑なものにもしており,シリーズを通して難しすぎるとの声も多い。今作も簡単操作でリアルを体験,とはいかない。

 実際にプレイを始めてみると,コーナーひとつ曲がるのにも苦労する,どころではなくクラッシュに次ぐクラッシュの連続だ。筆者にリアルでの操縦経験がないのも大きい気はするが,いわゆるゲーム然としたレースゲームとはかなり勝手が異なる。本シリーズに触れたことがない人は,当面の目標がクラッシュせずにコースを走り切ることとなるだろう。

 コーナー前でスピードを落としたり外側に位置取ったりというのも,かなり早い段階で意識する必要があるため,操作はもちろんコースを把握するのもかなり重要だ。このあたりもリアルのレースと通ずる部分だろう。

クラッシュ頻度の高さと派手な吹っ飛びっぷりにファミリーコンピュータの「エキサイトバイク」を思い出してしまった。ただ,復帰は早いのでそこまでのストレスにはならない印象だ
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 最初はまともに操作できないことが逆に面白くて笑えてしまうレベルではあったが,本作には操作を補助する“ライディングエイド”なる機能も搭載されており,操作の難度を下げてくれる。これを使えばブレーキやステアリング,加速の自動操作,そして走るべきラインの視覚化,さらにはゲームスピードの低速化などを設定可能だ。アシストは単純にオンオフの切り換えではなく,強弱も選択もできる。

 各種項目を一括で設定できるプリセットも用意されているが,項目ごとに自分で自由にカスタムできるので,走りながら操作しやすい設定を探していけばある程度触りやすくなるだろう。個人的に大きかったのは,全体のゲームスピードを下げられる機能だ。最大で40%低下させられる(60%のスピードにできる)ので,コースの形状やブレーキタイミングなどを落ち着いて把握できた。

理想的な走行ラインを視覚化する設定も便利。コース上に三角形が点々と表示され,カーブを曲がり切れないスピードになっていると三角形がオレンジ色になるなど,スピードの目安になるのも親切だ
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 試しに,ライディングエイドをアシストのほぼ入らないプロモードにして走ってみたところ,カーブどころかまっすぐに走るのにも苦労する始末で,操作に関してはシミュレーターの名にふさわしいガチ感がある。約30分間でのプレイではなかなか上達することも叶わなかったが,ビジュアルや操作性だけでなく,個人的にはゲームパッドの振動から伝わるリアルさも印象に残った。

 コースの両脇に設置されている縁石に乗ったり,さらにコースアウトして砂利むき出しの地面を走行したりしているときの振動は,グラフィックスの緻密さも手伝ってかなりリアルに感じられる。とくに砂利の上では細かな石のイメージが手にそのまま感じられるような感覚を覚えた。今回のハンズオンはXbox Oneのゲームパッドを使ったものだったが,これがPS5のDualSenseに搭載されたハプティックフィードバックでどのように感じられるのか,といった部分にも期待が持てる。

 ブレーキによってタイヤにかかる摩擦や,左右だけでなく前後にも気を配る必要がある体重移動など,管理すべき要素も多く,触ってみるとかなり忙しい印象の本作。カジュアルに遊べるタイトルとして勧めることはできないが,ライディングエイドのおかげで投げ出してしまうようなことにはならず,一度触ってみるとしっかり走れるまで練習してみたくなる。

 ハイエンド機ならではのグラフィックスや鳴り響くエンジン音,路面を感じさせる振動などがリッチに仕上がっているだけに,これで颯爽とサーキットを駆けられたらさぞ気持ちいいだろう,と感じさせてくれる作品だ。

コースから大きく外れたときの振動はぜひとも体験してほしい
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 本作では,コースやマシンを選んで単独のレースを楽しめるモードのほか,1人のレーサーとして一連のレースに挑み,獲得した賞金でパーツやバイクを買い集めていくキャリアモードも搭載されている。今回はあくまで序盤のレースに触れる程度だったが,公式発表によればプレイアブルイベントが200個以上用意されているとのことで,プレイボリュームもしっかりと確保されていそうだ。
 なお,キャリアモードでは特定のメーカーのバイクに乗り続けることで,そのメーカーのバイクがより安く買えるようになるといった要素も用意されている。

 そのほか,タイムトライアルやリアルに8時間走れる耐久レースなども搭載。耐久レースについてはゲーム内で流れる時間の倍率を選べるほか,途中でセーブして中断可能ということで,ぶっ続けではなくてもコンディションを維持しながら走る,通常のレースとは異なった体験が手軽に楽しめる。
 レース中に天候がリアルタイムで変化する“ダイナミック・ウェザー・システム”も導入されているので,耐久レースでは天候による体験の変化も実感できるだろう(設定で天候を固定することも可能)。

 バイクやレーサーのカスタマイズも前作同様に存在しており,衣装だけでなくブレーキにかける指の本数やコーナーリングの姿勢など,マニアックな設定も可能だ。本作はオンラインでのマルチプレイはもちろん,画面分割プレイにも対応しているので,リアルバイクで走れないときにバイク仲間で遊んだりするのもアリだろう。

選手カスタマイズではヘルメットの種類だけでなくバイザーの色味も設定可能。プレイ中に目立つ部分ではないがリプレイやフォトモードでこだわるなら見逃せないポイントだろう
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「Hot Wheels Unleashed 2」はマシンもコースも走りもはっちゃけて遊び心満載


 リアル志向の「RIDE5」とは打って変わって,遊び心満載なのが「Hot Wheels Unleashed 2 - Turbocharged」だ。前述のとおり,マテルの販売するミニカーとしても人気の“Hot Wheels”を扱う本作では,実際に販売されているミニカーやゲームオリジナルの車両が計130種以上登場する。スポーツカーからモンスタートラック,バギーに大型バイクと登場車両のバリエーションが豊富で,見た目にも賑やかだ。

階級が分けられるでもなくさまざまな車両が混在したレースが展開
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アメリカンテイストの強い車両や,パッと見て何の乗り物なのかよく分からないものまで,ビジュアル面での個性が強い車両が多数用意されている
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 ミニカーが主役とあって,レースの舞台も家の裏庭や西部劇を思わせるミニゴルフコースなど,ほかのレースゲームとはだいぶ雰囲気の異なる場所ばかり。コースアウトしても強制的に復帰させられることはほぼなく,リスポンボタンを押さない限りは好きに走り回れるのも特徴的だ。レースガン無視で探索に走ることもできてしまうハチャメチャ具合は,おもちゃを題材にしたレースゲームならではだろう。

 コース自体もジェットコースターよろしく一回転する場所があれば,巨大なサメや恐竜がコースを塞ぐ場面もあるなど,まさにおもちゃ箱をひっくり返したような内容になっている。

天地が逆転した状態で走ったり,床から柱がせり出して障害物になったりと,グラフィックスはリアルだがコースはなかなかにはっちゃけている
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 本作は続編ということもあり,ドリフトを決めてゲージを溜め,ゲージを使ったブーストで加速してつぎなるコーナーへ突き進むという基本は変わっていない。しかし,今回は新たにジャンプとダッシュの機能が追加され,障害物やライバルを飛び越えたり,はたまた真横にスライドする水平ダッシュでライバルを突き飛ばしたりと,走りに関してもよりゲームならではの内容に進化している。

 操作はアクセルとドリフト,ブーストさえ使えれば上位争いに加われるシンプルなもので,数回走ればだいたいの感覚は押さえられる。ブースト用のゲージは最初こそ出し惜しみしがちだが,ドリフトを成功させると早いペースで回復するため,むしろ余らせないようにガンガン使っていくようになり,そうなると全体的なスピード感も上昇してより強い疾走感が味わえる。
 なお,ブースト用のゲージはコース内に設置されている特定のパネルを踏むことでも獲得できる。

ブーストは車両によってアイコンを消費して一定時間加速するものと,ボタンを押しているあいだだけゲージを消費するタイプの2種類が存在する
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ジャンプは華麗に決めれば前方を塞ぐライバル車両や障害物を飛び越え,ときにはショートカットにも使える。2段ジャンプできるのが楽しくて無駄に飛びたくなるが,場所によってはコース外に真っ逆さまなので要注意だ
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 ゲームモードとしては一連のレースに挑むストーリーやタイムアタック,ドリフトでスコアを稼ぐドリフトマスター,一定時間ごとに最後尾の車両が爆散していくエリミネーション,そしてコースの設置されていないステージ内に点在するポイントへ素早くアクセスしていくウェイポイントといったものが存在する。

 エリミネーションは定期的にカウントダウンが始まり,カウントがゼロになったタイミングで最下位の車が炎に包まれリタイアしていく。下位争いをしているとカウントダウンの開始でかなり焦らされ,通常のレースとはまた違ったスリルが味わえるだろう。
 ウェイポイントは裏庭などを舞台として,コースは設置されておらず,ある意味つねにコースアウトの状態で走れる形式だ。画面上部に表示される矢印や目的地に立つ光の柱を目安に走り回ることとなるが,場所によっては道が途切れているのでジャンプで穴を飛び越えていくなど,本作ならではのアクションが楽しめる。

サバイバルレースとも言えるエリミネーション。エリミネーション対象となった車両が炎に包まれる光景も過激なおもちゃ遊びといった感があって面白い
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 今回のハンズオンでは各ルールで個別のレースをプレイしたため,ストーリーモードなどについてはまだ詳細が分からないが,レースを通して獲得した資金で車両を集め,強化していく要素もあるとのことなので,シングルプレイでもしっかりと楽しめそうだ。
 なお,本作もオンライン対戦だけでなく画面分割でのローカル対戦が可能。車体のカラーリングやステッカーといったエディット機能,前作に搭載されていたコースエディタも引き続き登場しているので,マルチでもシングルでもたっぷりと遊べるだろう。


 今回のハンズオンレポートは以上となる。どちらの作品も同じレースゲームではあるがまったく違った角度から楽しめるので,興味を持った人はどちらか,あるいは両方に触れてみてほしい。個人的には「RIDE5」がビックリするほどまともに操作できなかったので,製品版発売後にはクラッシュせずに走れるようリベンジしたいところだ。

「RIDE5」Epic Games Storeページ

「RIDE5」PlayStation Storeページ

「RIDE5」Microsoft Storeページ



「Hot Wheels Unleashed 2 - Turbocharged」Epic Games Storeページ

「Hot Wheels Unleashed 2 - Turbocharged」PlayStation Storeページ

「Hot Wheels Unleashed 2 - Turbocharged」Microsoft Storeページ


「Hot Wheels Unleashed 2 - Turbocharged」公式サイト

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