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NFTゲームの世界:第3回は「ステラファンタジー」を紹介。アニメ調の美麗なグラフィックスと,可愛いキャラクターが特徴の3DアクションRPG
連載「NFTゲームの世界」第3回は,韓国のRing Gamesが2023年4月13日にリリースしたブロックチェーンゲーム「ステラファンタジー」を取り扱う。アニメ調の美麗なグラフィックスが特徴のPC向け3DアクションRPGとなっており,日本語にも対応している。
性格が異なる3名の美少女とパーティを組んでファンタジー世界を冒険
公式サイト(外部リンク)からダウンロードしたクライアントをインストールしてゲームを始めると,最初にビジュアルノベルのような雰囲気のムービーが流れる。既存のブロックチェーンゲームと比べてかなり高いクオリティで,本作がグラフィックスに力を入れていることがうかがえる。
ムービー終了後,プレイヤーは記憶喪失の状態で異世界で目覚め,アウトローに襲われているところを,“ツンデレ魔法師”こと「リネット」,“紅蓮の見習い騎士”こと「ルビー」,“暖かい春風の王女”こと「ラピス」の3名で構成される「アステラ冒険団」に助けられる。
この3名が非NFTの初期キャラクターとして配布されるため,基本プレイは無料となっている。しかし,パーティは最大4キャラクターなので,公式マーケットプレイス(外部リンク)でNFTキャラクターを1体は購入しないと,メインストーリーの中盤で行き詰まってしまう印象だ。
拠点となるフロンティアタウンで資源を生産
本作でプレイヤーは,さまざまな生産設備の揃った「フロンティアタウン」を拠点として活動することとなる。戦闘以外の要素はタウン内で完結している。
ゲームプレイにおいては,「木材」「革」「鉱物」「マナリング」を,それぞれに対応する施設で生産することが重要だ。メインストーリーなどの戦闘ステージに挑戦するには,木材・革・鉱物を消費する必要があり,実質的なスタミナ制となっている。マナリングはゲーム内通貨で,装備の製作など多様な用途で使用する。
戦闘では仲間をAIが操作。瞬時に切り替えも可能
戦闘は,専用のメニューからステージを選択して挑戦する形式で,WASDキーで移動し,左クリックで通常攻撃,Eキーで“スキル1”,Rキーで“スキル2”を使用するタイプの3DアクションRPGとなっている。プレイヤーは1体を操作し,残りのキャラクターはAIが操作してくれる。操作キャラクターは,1〜4の数字キーを押すことで瞬時に切り替えられる。
キャラクターの育成やパーティの構成が重要となってくるバランスで,操作はそこまで難しくないものの,高威力でクールタイムの長い“スキル2”はしっかりと狙いをつけて使用する必要がある。
NFTキャラクターの強さを検証
今回は,実際にマーケットプレイスで“アッシュとダストの冒険家”こと「アッシュ」を購入して,レベルや装備をだいたい揃えた状態で配布キャラクターのリネットと強さを比較してみた。レアリティはSSR・SR・Rの3段階で,アッシュがSR,リネットがRとなっている。
リネットをプレイヤー,アッシュをAIが操作した場合の与ダメージ |
アッシュをプレイヤー,リネットをAIが操作した場合の与ダメージ |
ステージの終了時に戦闘データを表示する機能が搭載されているので,検証はスムーズに行うことができた。
プレイヤーが操作した場合は,リネットが約21万ダメージ,アッシュが約28万ダメージを与え,AIが操作した場合は,アッシュが約21万ダメージ,リネットが約14万ダメージを与えたので,アッシュはリネットの1.3〜1.5倍の性能となっているようだ。なお,ルビーはタンクとして,ラピスはヒーラーとしてデザインされているため,アタッカーの2名に比べて与ダメージが低くなっている。
アッシュを加えた4人パーティでは,最初のボス「アラウネ(赤)」まで1日でクリアできた。レアリティによってレベル上限が異なるため中盤以降は差が開くようだが,序盤はキャラクターの性能差よりも,パーティの人数が増えるメリットを実感することが多かった。
ゲームとしての素材は良いが,ブロックチェーン要素を活用できていない
連載の第1回,第2回で扱ったタイトルのように,最近のNFTゲームはゲーム内通貨として気軽に使用するユーティリティトークンと,株のようにプロジェクトの意思決定に関わる権利を持ったガバナンストークンという2種類のトークンを発行し,ゲーム外でのトークン売買によって,ゲーム内で稼いだトークンを日本円に換金できるものが多い。
一方,本作はユーティリティトークンを採用しておらず,ゲーム内におけるほとんどの経済活動はマナリングを用いて行う。これは外部市場で売買できるトークンではなく,完全なゲーム内通貨なので換金できない。生産で獲得できる資源や,戦闘で入手できる素材アイテムも同様だ。
有料通貨「エスト」も実装されているが,これもトークンではないので,一般的なスマホゲームで“課金”する際に使用するものをイメージしてほしい。キャラクターに装備できる「ドール」という妖精のようなミニキャラをガチャで引く際に使用するのだが,序盤のプレイでは必要性を感じなかった。
ガバナンストークンの「SFTY」は,現状ではあまり使われていない。NFTキャラクター1体の将来性を犠牲にして,別の1体を強化する「覚醒」というシステムで主に消費することになるが,NFTの値段が高額なことを考えるとハードルが高い。SFTYはトークンなのでゲーム外市場で売買されているが,リリースから1週間でおよそ半分の価値となってしまった。
全体的な印象として,本作はNFTキャラクターをマーケットプレイスで購入することを除いて,ほぼ既存のスマホゲームと違いがないように感じた。そうなると「原神」など非ブロックチェーンの同ジャンル大型タイトルと競合してしまうのが悩ましいところだ。
本連載ではNFTゲームを,ゲーム性およびファイナンスの観点から,それぞれ★(最大5個)で評価している。現時点で,本作のゲーム度は「★★★★」,ファイナンス度は「★」とする。
また,本作の最大の魅力は,美麗なグラフィックスで描かれるキャラクターの“可愛さ”にある。まだストーリーの導入部分しか確認できていないので「★★★★」としておくが,特にテキストアドベンチャーパートは気合が入っていて,一見の価値がある。
なお,本記事は紹介を目的としたものであり,これらNFTの購入を推奨するものではない。投資にはリスクが伴うので,十分に調べたうえ各自で判断してほしい。
※文中における暗号資産のレートは,2023年4月21日18:00時点のものです
ステラファンタジー | |
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ジャンル | 3DアクションRPG |
プラットフォーム | PC |
リリース日 | 2023年4月13日 |
初期費用 | 無料 |
ゲーム度 | ★★★★ |
ファイナンス度 | ★ |
可愛さ | ★★★★ |
開発 | Ring Games |
公式サイト | https://www.stellafantasy.io/ |
公式Twitter | https://twitter.com/StellaFantasyJP |
ホワイトペーパー | https://ring-games.gitbook.io/suterafantaj/xu-lun/suterafantaj |
ブロックチェーン | BNB Chain |
ガバナンストークン | Stella Fantasy Token(SFTY) |
ユーティリティトークン | なし |
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