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KLab創業者は低予算のブロックチェーンゲームに活路を見出す。「BCGの成功が難しい5つの理由と弊社の試行錯誤」聴講レポート
登壇したのは,BLOCKSMITH&Co.の代表取締役 CEOである真田哲弥氏。氏はシリアルアントレプレナー(連続起業家)であり,これまでにサイバードとKLabを東証に上場させ,2022年にKLabの子会社として設立したBLOCKSMITH&Co.で3社目の上場を目指している。
まず,真田氏はソーシャルゲームの進化に伴って,プレイヤーの要求値と開発費が上がった一方で売上は伸び悩み,ソーシャルゲーム会社の多くが赤字だと語った。氏によると,黎明期に3000万円だった開発費が,今では30億円になっているそうだ。ブロックチェーンゲームのプレイヤーは,ソーシャルゲームのプレイヤーよりもさらに少ないため,ソーシャルゲームと同様の体験を提供することは無理だという。
そこで,BLOCKSMITH&Co.が開発を担当したブロックチェーンゲーム「キャプテン翼 -RIVALS-」(BROWSER / iOS / Android)では,開発費を1億円に抑えることを目標にするなど,高コストのタイトルと真っ向勝負しないことが意識された。その結果,「それなりに成功した」と真田氏は振り返る。また,次の主力サービスであり,現在オープンβテストを実施中のクイズゲーム「QAQA」(iOS / Android)では,低予算はそのままに,より広いターゲットを狙うとのこと。
QAQAは,クイズに正解するとゲーム内通貨「CHIP」が手に入り,これを暗号資産「BLQS」に交換できる仕組みだ。このままでは人気が出るほどBLQSの価格が下がってしまう。
これを解決するために,QAQAでは企業スポンサーを取り入れたという。QAQAに広告を出したい企業がBLQSで広告費を支払ってくれるので,ゲームの人気が上がると広告の価値が上がり,BLQSの価格が上昇する。この上昇分で,先述した下落分を相殺することが狙いとなっている。
また,可処分時間をSNSや動画に奪われていることが,世界的なゲーム業界の不況につながっていると真田氏は分析。「フォートナイト」を例に挙げ,ゲームを長続きさせるカギは,ソーシャル,動画,UGC(ユーザー生成コンテンツ)にあるとした。
こうした考えをもとに,QAQAはソーシャル要素満載の,動画でクイズを出題するゲームになったのだ。さまざまな人にクイズを投稿してもらえるようなコミュニティを作りたいと真田氏は語る。
ゲームのチュートリアルをクイズにしたり,エアドロップ(暗号資産の無料配布)の対象をクイズのランキング上位にしたりと,QAQAの活用方法は幅広く,ほかのブロックチェーンゲームとの相性もいいという。
最後に真田氏は,最近のブロックチェーンゲームはトークン経済による資金調達に主眼を置いたものが多いが,決済,換金,送金といった「価値交換」の部分をもっと使っていくべきだと提言し,ある動画を見せてくれた。それは,「稼げる」をフィーチャーした世俗的なプロモーション動画だった。内容についてはノーコメントとし,Web3ゲームにしかできないことをやっていくべきだと,真田氏は講演を締めくくった。
「QAQA」公式サイト
「QAQA」ダウンロードページ
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(C)BLOCKSMITH&Co.
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