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開発12年のこだわりが詰め込まれた,シリアスかつシュールな物語。「ノナプルナイン:アシンプトート」試遊レポート[TGS2024]
本作は,どこまでも32階がループする謎の研究施設から脱出するため,「被検体:ノナプル・ナイン」と呼ばれる少女を操作し,ここが何なのか,何が起きているのかを調べる,ポイント&クリック式のアドベンチャー作品だ。
驚くべきはその開発期間で,すでに12年以上をかけて製作されている。そんな本作は,想定プレイ時間が30時間以上にも及ぶボリュームだという。本稿では,そんなノナプルナイン:アシンプトートの試遊レポートをお届けする。
ゲームを開始すると,「ガイド」と名乗る謎の女性が,今回の試遊版の概要を紹介してくれた。それによると,作品の性質上,短時間しか遊べない場でストーリーを伝えるのは難しいため,この体験版ではストーリーが少し飛んでしまうものの,より本作の空気感を味わえるようになっているという。また,ほかのゲームイベントなどで本作をプレイしたことがある人向けに,普段のデモとは違うエリアを探索できるモードも用意されていた。
筆者は今回が初プレイだったので,初めての人向けのモードを選択した。すると,主人公の少女,ノナプル・ナインが,囚われていた部屋を脱出したシーンからスタートした。そこでは,おそらく先ほどの女性と思われるガイドと,新たに「ビリオ」と呼ばれるキャラクターが登場した。
ビリオは,ノナプル・ナインより先に脱出した同じ被験者で,どうやらガイドとは敵対関係にあるらしい。ビリオによりガイドは通信を切られ,ノナプル・ナインはビリオが隠れているという32階を目指すことになった。
ところで,本作はその設定やスクリーンショットなどから,かなりシリアスな作品であると感じた人が多いだろう。実際そうなのだが,このノナプル・ナインちゃんは,ちょくちょく天然っぷりを発揮して,なんともシュールな空気を生み出しているのが面白い。この空気感は,確かにデモ版で知っておくべき内容だ。
当面の目的が決まったところで,とりあえず先へ進むことに。先ほどもお伝えしたように,本作はポイント&クリック式のゲームだ。横スクロール型のマップを進んでいき,怪しいポイントをクリックして調べることで,さまざまな情報が集まったり,イベントのフラグが立ったりする。
調べた際の会話は,施設の秘密に関わりのありそうなものはもちろん,ノナプル・ナインとビリオの雑談的なものもある。そうしていくつかのポイントを調べていると,誰かが残した映像記録をビリオとともに視聴することに。その映像に映っている女性は,ノナプル・ナインとよく似た格好をしており,何かから逃げ隠れている様子だった。どうやら我々と同じ被験体であるらしい。
と,ここで再びガイドが登場し,体験版の終了を告げてきた。ガイドによると,本作には先ほどの映像記録のように,さまざまな情報が登場するという。それはマンガだったり,リモート会議の映像ログだったり,テレビに映るビジネス番組だったりと,何でもありで,かつ膨大な量であることがうかがえた。
開発者のnonuple9氏によると,本作は「会社では絶対作れないタイプの面白さ」を持ったゲームとのこと。そのユニークな演出は今回の試遊で一端を垣間見ることができたが,このほかにも,専門家に監修を受けたうえでの科学的考証などが盛り込まれ,プレイヤーの“世界の見方”そのものをくつがえす内容になっているという。
ノナプルナイン:アシンプトートは先日,開発12年目にしてようやくSteamストアページが公開となり,今回体験できたシーン以外のスクリーンショットもいくつか確認できる。発売まではまだ少し時間がかかりそうだが,2025年内には通しでプレイできるバージョンを用意したいとのこと。今後の動きも楽しみにしておこう。
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