インタビュー
[インタビュー]なぜApple Arcadeを選んだのか。最新作「ぷよぷよパズルポップ」を手掛けた細山田氏と中島氏に気になる点を聞いてみた
本作は,ぷよを消して「おじゃまぷよ」を相手に送る「ぷよぷよ通」や,次々に出題される問題に答えて,ノルマを先にクリアした方が勝ちになる「なぞぷよ」など,これまでのシリーズに登場したさまざまなルールで遊べるほか,Game Centerを使用すれば最大4人のオンライン対戦もサポートされている。
また,「ぷよぷよ」シリーズの登場キャラクターたちによる,完全新作のストーリーを楽しめる「アドベンチャーモード」や,基本ルールから上級テクニックまで学べる「レッスンモード」,好きなキャラクターを配置して,オリジナルの「まんざいデモ」を作成可能な「フォトモード」など,まさに「ぷよぷよ」シリーズの集大成とも言えるタイトルだ。
このほか,タッチ操作が苦手な人や初心者向けに,NPCとの試合を有利に進められるサポートアイテムや,画面をタッチするだけでおすすめの場所にぷよを落としてくれる機能,さらに色覚多様性にも配慮し,画面の色味を調整できるなど,幅広い人が楽しめる工夫も施されている。
4Gamerでは,「ぷよぷよパズルポップ」のリリースに合わせて,「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀氏と,「ぷよぷよパズルポップ」ディレクターの中島玄雅氏にインタビューを行う機会を得た。なぜApple Arcadeというプラットフォームを選んだのか,他のプラットフォームで計画している新作はあるのかなど,気になる点を聞いてみた。
「ぷよぷよパズルポップ」公式サイト
「ぷよぷよパズルポップ」ダウンロードページ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは「ぷよぷよパズルポップ」の紹介をお願いします。
細山田氏:
「ぷよぷよ」シリーズの最新作で,「ソニックドリームチーム」や「サンバDEアミーゴ:パーティー・トゥー・ゴー」といったタイトルと同じく,Apple Arcade専用のタイトルです。
ゲームシステムとしては王道のぷよぷよですね。対戦型アクションパズルをメインに,ストーリーモードがあって,まんざいデモも楽しめます。
Appleさんは「ぷよぷよテトリス」や「ぷよぷよeスポーツ」の盛り上がりに注目してくださっており,実はけっこう前から始まっていたプロジェクトなんですが,ようやく日の目を見ることができました。
4Gamer:
スマホ向けタイトルで「ぷよぷよ」がリリースされるのは久しぶりですね。
細山田氏:
はい,現在遊べるタイトルだと,2013年にリリースされた「ぷよぷよ!!クエスト」以来です。また,サブスクリプションで遊べるアクションパズルゲームの「ぷよぷよ」タイトルは,iPhoneでは「ぷよぷよパズルポップ」が初になります。
4Gamer:
「ぷよぷよパズルポップ」の開発に至った経緯を教えてください。
細山田氏:
現在「ぷよぷよ」以外にさまざまなタイトルをApple Arcadeで出させていただいているのですが,それがなかなか好評で,以前からAppleさんとセガは良い関係を築けていました。加えて,「ぷよぷよテトリス」シリーズが全世界で売れていたり,海外で日本産のIPの評価が高くなっていたりといったことから,「ぷよぷよ」をApple Arcadeに出そうという流れになりました。
4Gamer:
新しいシステムではなく,王道の「ぷよぷよ」にしようと思った理由はなんですか。
中島氏:
もちろん新ルールを導入したり,内容を攻めたりした作品の企画案もありました。しかし「ぷよぷよパズルポップ」は,世界の多くの人が初めて触れる「ぷよぷよ」になるだろうと思い,「一番触ってほしいぷよぷよの形はなんだろう」と考えたときに,今の状態にまとまりました。
細山田氏:
ソーシャルゲームに近い内容や,まったく違う内容の案もいくつかあって,最終的に王道でいこうとなりました。これまでモバイルで王道の「ぷよぷよ」を展開していなかったということや,ボリューム的に過去最大級なことから,王道ながら,ある意味チャレンジとも言える作品です。
4Gamer:
確かに先ほど軽く触らせていただいたのですが,すべての要素を見きれないくらいボリュームたっぷりでした。
細山田氏:
はい,やりすぎちゃったなってくらいの量になってしまって……ちょっと怒られてしまいました(笑)。
4Gamer:
かなり力の入ったタイトルなんですね。しかし,それだけにプレイヤーからは「なぜApple Arcadeなのか」という疑問があると思います。
モバイルで全世界のプレイヤーに遊んでもらおうとすると,セガの力だけではなく,グローバルに展開しているAppleで提供することでその範囲を最大化できる,というのが1番大きな理由です。
もちろん提供の形もいろいろと検討しました。例えばフリートゥプレイは,日本では浸透していますが,日本でのやり方は海外だと文化の違いや仕組みの違いから通用するかが怪しい。かといって買い切りなら売れるのかというとそれも難しい。そうやって最適解を模索して,継続したサービスの提供がしやすいサブスクリプションという形を取ることになりました。
移植を望む声があることも分かっていますが,「ぷよぷよパズルポップ」に関しては現状,完全にApple Arcadeのみの提供となります。その反響を受けて今後どうするか,といった感じです。
4Gamer:
より多くの人にプレイしてもらおうとしたときに,Apple Arcadeが最善だったと。
細山田氏:
はい。「ぷよぷよ」は日本でこそ有名だと思いますが,海外ではまだまだ認知度の低いタイトルだと感じています。そういった将来ファンになるであろう人たちにアプローチしようとすると,Apple Arcadは非常に心強い存在です。
4Gamer:
なるほど,タイトルを知らなくてもサブスクライブに加入していれば,見かけたときに「ちょっと触ってみよう」となるかもしれないですしね。
細山田氏:
その通りです。Apple Arcadeって「iCloud+」や「Apple TV+」「Apple Music」など,複数のサービスを利用できる「Apple One」というサブスクリプションに含まれているんです。Apple Oneに加入しているけどApple Arcadeを遊んでいない人が,日本を含めて結構いらっしゃるようで,そういった人たちにもぜひプレイしてもらいたいです。
4Gamer:
続いて,「ぷよぷよパズルポップ」について詳しく教えていただきたいのですが,本作ならではの要素や,ここに注目してほしい,というポイントはありますか。
やはりアドベンチャーモードに注目していただきたいですね。本作ではキャラクターごとにストーリーが用意されており,それぞれがどんなキャラクターなのか,フルボイスで楽しめます。そこから「ぷよぷよ」にはどんなキャラクターがいて,どういった世界観なのかを理解していただければと思います。
また,さまざまなルールで遊べる点も大きな特徴です。「ぷよぷよ」にはこれまでいろいろなルールが登場しましたが,人気のあるものはもちろん,これまでなかなか登場しなかった懐かしのルールまで,本作で復活させているので,「ぷよぷよ」の深さや遊びの幅を知ってもらいたいです。
ほかにも,本作ならではの要素として「フォトモード」という機能があります。「ぷよぷよ」シリーズにはいつも,ストーリーでキャラクター同士の掛け合いを見られる“まんざいデモ”というものがあります。フォトモードでは,そんな“まんざいデモ”のワンシーンをプレイヤーが作り,キャラクターの表情や漫符なんかを設定して,写真を撮影できます。
4Gamer:
ゲーム内ではキャラクターやプロフィール用の装飾など,さまざまなアイテムの開放ができるようですが,すべてゲーム内で入手できるのですか。
中島氏:
今作ではゲームをプレイすると“ぷよポイント”というゲーム内のポイントが溜まっていくので,それを使用していろいろなアイテムをアンロックできます。ゲームを遊べば遊ぶほどいろいろな要素を楽しめる仕組みです。また,今後の追加コンテンツも含めて課金要素はなく,すべてゲーム内で完結するようになっています。
4Gamer:
隠し要素的なものもあるのでしょうか。さきほどアドベンチャーモードをプレイしていたときに,道がつながっていない宝箱が置いてあって取り方が分からず……。
中島氏:
マップの探索を楽しめるようにはしていますね。メインストーリーを進めるための道だけでなく,寄り道して強敵と戦えたり,それこそ宝箱が置いてあったりします。
あと,ゲーム内ポイントやアイテムがもらえるデイリーミッションやウィークリーミッションがあるんですが,それと同じような感じでシークレットミッションがあります。条件は表示されませんが,達成することで存在が判明して,ご褒美アイテムがもらえます。
4Gamer:
なるほど。結構やりこみ要素がありそうですね。
そんな「ぷよぷよパズルポップ」ですが,「ぷよぷよeスポーツ」のように,大会を開催する予定はあるのでしょうか。
細山田氏:
大会に関しては,具体的に「やります」とはハッキリ言えないのですが,生放送での利用や,イベントの開催を自由に行える仕組み,生配信などの「プレイ動画規約」は作る予定です。実際に今「ぷよぷよキャンプ」というサイトで,イベントなどでの使用許諾が取りやすいシステムが作られているので,うまく対応させられればと思います。
もちろん大会はやりたいです。ただ,今予定しているコンテンツをある程度出してからのほうが盛り上がるんじゃないかなという考えがあるので,現時点で確約はできません。
4Gamer:
さきほど「ぷよぷよパズルポップ」はApple Arcadeのみでの提供とお話がありましたが,ほかのプラットフォームで新作を出す予定はあるのでしょうか。
細山田氏:
何も言えません……が,いろいろと考えているとだけお伝えしておきます(笑)。「ぷよぷよパズルポップ」の反響が大きければ大きいほど,さまざまな展開の後押しになると思いますので,ぜひプレイして,忌憚ないご意見をいただけると嬉しいです。
4Gamer:
何かしら進んでいる計画はありそうですね。気になります……!
ところで,Apple Arcadeでの今後の展開については,何か考えていることはありますか。
中島氏:
まだまだ満足していないので,やっぱり「ぷよぷよパズルポップ」をどんどんパワーアップさせていきたいですね。それこそサブスクである意味もあると思いますし。いずれは,初期リリースの状態が信じられないってくらいのものに仕上げたいです。
細山田氏:
「ぷよぷよeスポーツ」がまさにそれでしたね。実は最初にパッケージを出して終わりのはずだったんですけど,なんか大会モード入れるとか……キャラも僕に事前確認取らずに勝手に入れてますし……(笑)。
まぁ僕らとしてはアップデートでいろいろな要素を入れていきたいですね。もちろん盛り上がり次第だったり,開発チームとの兼ね合いだったりもありますが。会社からはよく「やりすぎ」って怒られます(笑)。
中島氏:
そりゃやるからには本気ですよ。
細山田氏:
こうやって煽る人がいるんです……(笑)。
中島氏:
せっかくやらせてもらえるんだったらもう全力ですよ!
一同
(笑)
4Gamer:
「ぷよぷよパズルポップ」の今後の進化に期待ですね。
では,最後にプレイヤーへのメッセージをお願いします。
中島氏:
今作で初めて「ぷよぷよ」に触れるという方が,きっと世界中にいらっしゃると思います。全力で作ったので,ぜひみなさんに楽しんでもらいたいです。それと,いろいろな場所で,自分の好きなタイミングで練習できるのが本作の強みなので,これを機に「ぷよぷよ」という作品にハマって,今のプロの文化や空気を,いい意味で壊してくれる猛者が現れることを期待しています。
細山田氏:
「ぷよぷよパズルポップ」は,これまでスマホでやっていなかったことの1つになります。Apple Arcadeには無料体験もありますので,「ぷよぷよ」を知らない人にも一度触れていただいて,できるだけ多くの人に「ぷよぷよ」を広げていって,盛り上げていけたらなと思います。あと,いろいろな期待があると思いますが「頑張ります」という感じで(笑)。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「ぷよぷよパズルポップ」公式サイト
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