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[プレイレポ]「真・三國無双ORIGINS」は,一人称視点で体験する物語が,深い感情移入をもたらす。三勢力のどこに仕官するかは本当に悩ましい
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印刷2025/01/13 20:00

プレイレポート

[プレイレポ]「真・三國無双ORIGINS」は,一人称視点で体験する物語が,深い感情移入をもたらす。三勢力のどこに仕官するかは本当に悩ましい

 コーエーテクモゲームスは2025年1月17日に「真・三國無双 ORIGINS」PC / PS5 / Xbox Series X|S 以下,ORIGINS)を発売する。
 「真・三國無双」シリーズ最新作となる本作はその名の通り,タクティカルアクションとしての“原点回帰”を目指したタイトルだ。「戦場の臨場感」と「一騎当千の爽快感」というシリーズの原点に立ち返るとともに,三国時代に生きる人々をドラマチックに描いていく。

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 発売まで約1週間と迫った今回は,物語の中盤となる,曹操,孫堅,劉備の三勢力からどこに仕えるかを選ぶ過程と,選んだ後のシナリオを紹介しよう。
 なお,物語序盤のプレイレポートについては過去に掲載しているので,以下の記事を参考にしてほしい。

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 2025年1月17日の発売を控える「真・三國無双 ORIGINS」の序盤,第三章までプレイする機会を得たのでプレイフィールをお伝えしよう。乱世の中で紡がれる重厚なドラマ,武将たちとの絆,そして激しいバトルや成長要素を体験できた。

[2024/11/22 10:00]


主人公目線のドラマが,深い感情移入をもたらす


 これまでの「真・三國無双」シリーズは「三国志演義」をベースに,三国時代の始まりから終わりを描いてきたが,本作では1つの山場である「赤壁の戦い」までが扱われる。

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 範囲が絞られただけに,キャラクター描写やドラマは従来作よりも濃密になった。また,武将たちの人となりについても解釈が変わった部分があるので,従来作のプレイヤーであっても新鮮な気持ちで楽しめるものになっているという印象だ。

 こうしたドラマ面での取り組みにおいて,一つのクライマックスとなるのが仕える勢力選びである。
 主人公は記憶喪失の青年で,関羽とともに黄巾党の立ち上げを目撃したことから戦いに巻き込まれる。彼はいかなる理由か優れた武術の腕を持ち,ある時は王允の食客となったり,またある時は曹操とくつわを並べたり,孫堅の旗下に加わったり,劉備とともに戦ったりするなど,さまざまな勢力に手を貸していく。流れの傭兵とも,根無し草ともいえる生き方だ。

 しかし,そんな暮らしはいつまでも続けられるわけではない。主人公は有能であるがゆえに曹操,孫堅,劉備から士官を求められる。どこの勢力に仕えて骨をうずめるか,自分で決めなければならないのだ。

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 物語が進むと「貢献度」のパラメータが登場し,どの勢力に味方したかに応じて曹操,孫堅,劉備それぞれの貢献度が上昇,十分に貢献した勢力に仕官できる。

 戦に参加する際にはどの勢力の貢献度が上がるかが表示されるし,複数勢力からのお誘いがバッティングしている場合も自分で選べるので心配はいらない。
 ポイントは“貢献度は大きな戦でしか上がらない”ことだ。本作のワールドマップでは常に小競り合いが発生しており,時代を進めずに武器の習熟度やお金を稼ぎ続けられる,サブクエストのような扱いとなっている。この小競り合いをいくら戦っても貢献度は得られない。
 つまり,“貢献度稼ぎ”のような繰り返しプレイは要らない。大きな戦に満遍なく参戦するという,いつも通りのプレイをすればいいというわけだ。

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 しかし,大きな戦の中には,対立する勢力のどちらかを選ばなければならないものもある。その良い例が曹操と劉備が戦う「徐州の戦い」だ。

 戦いが起こったきっかけは,曹操の父・曹嵩が徐州に立ち寄った際に殺害されたことである。その犯人は,徐州を治める陶謙の部下。陶謙の監督不行き届きだったとも,犯人がたまたま陶謙の部下だったとも言えるが,曹操はかたき討ちと称して徐州に攻め込む。
 しかし,これは口実であり,曹操の狙いは徐州を奪って勢力を増すことにある。覇道を行くためには父の死すら利用する,冷徹な側面が強調されているのだ。

「徐州の戦い」では,曹操軍と劉備軍のどちらに加勢するかを選ばなければならない。敵に回した軍には,もう仕官できない
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覚悟のうえで肉親の死さえ勢力拡大に利用する曹操(左)と,弱きものを守ろうとする劉備(右)。この戦いにはどちらにも理と正義があり,単純に善悪では割り切れない。歴史ものとしての面白さがある
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 劉備は陶謙から助けを求められ,義の人としてこれを了承した。しかし,曹操から見ると,無関係な劉備がくちばしを突っ込んできたことになる。これは理の人たる曹操にとって相容れない行動であり,両者の対立は決定的なものになっていく。

 とまあこんな形で両者は対立しており,この戦いでは曹操軍と陶謙・劉備軍のどちらに参加するかを選ばなければならない。曹操軍に加われば,劉備軍に仕える道は断たれるし,逆もまたしかりだ。
 加えて,夏侯惇と関羽の両方から「自分たちの味方になってくれ」という手紙が届くのだから,悩むプレイヤーは多いはずだ。

主人公のもとには,親しくしていた夏侯惇(左)と関羽(右)の両方から手紙が届く。どちらも「自分たちに加勢してくれ」という内容だが,これまでの関係を考えると,どちらを選ぶか悩ましい
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ちなみに「小沛逃亡戦」では呂布に襲われた劉備を曹操が助ける。その際には劉備から主人公へ助力を乞う手紙が送られており,曹操とのつなぎを付けたのが主人公であるという解釈がされているのが面白い
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 参加した勢力によって,戦いの様相が大きく変わるのも見どころである。
 たとえば曹操軍サイドだと,関羽,張飛,趙雲といった猛将たちに悩まされることになる。いずれも非常に強く,油断するとこちらが討ち取られかねない。なんとか倒してもイベントで再登場するという,バトル漫画の主人公のごとき補正がかかっているのだから厄介だ。

倒しても復活する張飛。不屈の主人公といった感じだ
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 しかも,プレイヤーはこれまでの交流イベントを通して彼らと親しくなっている。頼りにされ,劉備陣営に誘われたのに曹操に味方しているわけだから,気まずい再会だ。

 関羽はゲームスタート直後に知り合った武将であり,いわば初めてできた友人である。張飛についても,旗揚げ直後こそ焦る彼から辛く当たられたが,後には和解してともに酒を酌み交わす仲となった。趙雲は公孫瓚絡みの戦で一緒になっており,実直な人柄に好感を抱かない人はいないだろう。

劉備たち三義兄弟とは交流があり,頼りにされていたからこそ曹操陣営に加勢するのが心苦しい
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 彼らと戦場で出会っても,こちらを責めないのがまた辛い。張飛は「何も聞かないから思い切りやり合おう」,趙雲は「それが貴方の誠なら,互いに信念を掛けて戦おう」という感じで,恨み言を言われたほうがまだ楽なくらいだ。
 かつて一緒に戦い,時には無双乱舞や武芸で同時攻撃した彼らも,もう敵である。「随行武将」としてバトル時に交代してもらった際はその強さに驚いたが,今はその武がこちらに向いているのだから悲しい。

曹操に味方した主人公に対し,劉備陣営の皆は責めるようなことをしない。これがかえって辛い
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 さらに,ゲーム中に発生するイベントが心をえぐってくる。曹操は黄巾党の残党を青州兵として取り込み,彼らに規律を叩き込んだはずだったが,タガが外れて村を略奪する。これを見た張飛は激怒し「曹操軍はただの野盗だ」と罵るのだ。

 これは曹操軍が“悪”,劉備軍が“主人公サイド”的な立ち位置となる,三国志演義的なエピソードである。
 しかし,プレイヤー=主人公は,そこまで単純な話ではないことを知っている。青州兵はもともと生きるために黄巾党に身を落とした民であり,暴政の哀れな犠牲者だ。そして,あちこち渡り歩いた主人公は,彼らを受け入れた曹操の度量や,訓練で更生させようとした于禁の頑張りも見ている。
 「皆が野盗なわけじゃないんだ」と言いたくもなるのだが,はたから見ていると張飛のように感じても仕方がない。白黒入り混じった曹操軍の内幕を知っているだけに,義や民のために戦う真っ白な劉備軍がうらやましく感じられる。

青洲兵は,タガが外れて,略奪を始める。これを見た張飛は「曹操軍はこんな奴らばかりか」と軽蔑する。主人公はそう単純ではないことを知っているが,反論の機会は与えられない
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元・黄巾党を訓練し,新たな規律を叩き込もうとしていた于禁。あちこち渡り歩いているからこそ見える内幕だ
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 戦では主人公サイド的な劉備軍の皆が,本陣を蹂躙するのだからたまらない。「士気ゲージ」は常に敵が有利な真っ赤に染まった状態で,気が付いたら曹操がやられているくらいの勢いである。

 本作では負けても複数のチェックポイントから再開できるが,敗北の直前から再開すると,攻め込まれ過ぎてどうにもならないこともある。そんなときは,しばらく前のチェックポイントからやり直すのが正しい。味方の士気を上げるイベントを起こし,拠点の占領で敵の戦意を下げつつ,できるだけ味方を助けて士気の低下を防ぐ。

 目の前の敵だけにこだわらず,状況に応じて戦場を駆け回るタクティカルアクションの基本が,これまで以上に問われることになる。

民のために戦う劉備たちだけあり,士気は非常に高い
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曹操軍本陣での大乱戦。画面上部,拠点の耐久力はもうゼロに近い
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 曹操軍での戦いは厳しいが,だからといって劉備軍を選べば“イージーモード”になるかというと,決してそんなことはない。
 曹操軍の勢いはすさまじく,やはり士気のゲージは常に真っ赤だ。気が付いたらこちらも本陣まで攻め込まれ,劉備がやられていたということもしばしばだ。
 こちらは関羽,張飛,趙雲が味方にはなるものの,敵に回した時のような復活イベントは特にない。また,前述した青州兵の略奪イベントも起こらない。こうなると逆に曹操軍がうらやましく思えてきてしまう。

こちらでは,劉備三兄弟に加えて趙雲が味方になるが,曹操軍はとにかく数が多い。どちらに味方しても苦戦は免れないのだ
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 交流してきた武将たちと出会ったときの気まずさは劉備軍についても変わらない。夏侯淵こそ撤退を勧めてくれるものの,夏侯惇は「劉備に加担して何を企むんだ。邪魔するなら斬る」と実にクールだ。
 どの勢力を選ぼうと隣の芝生は青く見えるし,自身が選択したことの責任からは逃れられないのである。
 ちなみにこの戦いは,曹操軍が不可解な撤退をして幕引きとなるが,その理由が劉備軍に仕えた主人公に説明されることはない。敵軍の事情が分からない辺りもリアルで面白い。

敵対した主人公に対し,夏侯惇の冷たい一言
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 貢献度が高くなっていくと,それぞれの勢力に深く踏み込む物語が展開する。たとえば,呉(孫家)の場合,孫策がリーダーになった後の苦労を間近で見られる。

 孫策はとある事情から勢力を維持できなくなり,周瑜をはじめとした重臣たちも散り散りになってしまう。
 これは主人公も例外ではなく,誘ってくれた周瑜からも「君を放り出すようなことをしてしまってすまなかった」とお詫びの手紙が来る始末だ。知人のラブコールに応えて転職したはいいものの,肝心の会社があっさり潰れたような状況で,妙なリアルさがある。

 筆者も三国志の小説や漫画で,孫策の苦境については知ってはいたのだが,主人公(自分)がそこに居合わせると,身に迫るような切実さがある。孫家の重臣たちはそれでも日々を耐え忍び,別の勢力に鞍替えせず孫策の元に再集結したわけで,よく彼のことを信じ続けられたものだ……と感じた。

仕える勢力は貢献度に応じて自分で選べる。決定を下すと引き返せない
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仕官が決まると,主人公のコスチュームも流浪時代(左)から,武将らしいものに変化する(右)
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曹操軍に仕官すると,本拠地である許に自室が与えられる。宿屋を泊まり歩いていた流浪時代と比べて,内装は豪華だ
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周瑜に誘われて孫家に協力した(左)はずが,状況が急変。主人公を含めた皆はバラバラになってしまい。周瑜からは詫びの手紙が来る(右)。主人公の目線で物語が描かれているため,苦境もリアルに感じられる
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 肝をなめる日々ではあるが,その中にも喜びはある。孫策の旗揚げも成功し,もとは敵将だった太史慈が心服,孫権も頼りないながら周泰に師事して成長するなど,孫家も勢力を増していく。苦しい時期を見ているからこそ,こうした様子がより嬉しくなる。三国志という物語を,一人視点で体験する本作らしい感情移入の過程が味わえる。

孫策の弟である孫権も,父や兄と違って線が細い印象だが,懸命に努力する
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 一方,魏(曹操軍)は,帝を擁するうえに人材も豊富だが,呂布に手こずることになる。体験版の汜水関の戦いで辛酸をなめさせられた人も少なくないはずだが,彼の最強っぷりを見せつけられる機会が多いのも曹操軍の特徴だ。

曹操は能力さえあれば身分や前歴を問わない。主人公は徐晃や許褚などさまざまな境遇から登用された同僚とともに,曹操のために尽力することを誓う
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 呂布がいる場所は,遠くからも分かる。ヤバそうな赤いオーラが漂い,ポップコーンが跳ねるように味方が吹き飛ばされているからだ。
 通常の攻撃でさえ深紅の軌跡を描き,ガードしても耐え続けられるものではない。威力も高く,基本的に数発食らったらアウトだ。だからといって間合いを取ったら,強烈な弓矢が飛んでくる。一発目を食らったら続く二発目もヒットしてしまうため,実質即死技のような威力だ。

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 そのため,こちらも出し惜しんでいる余裕などない。無双乱舞は無敵を伴いつつほぼあらゆる状況に割り込めるので,こちらが動けない状態で呂布が攻撃するようであれば緊急回避に使う。
 武将に連打攻撃を加える「収撃」は無敵状態かつ近くにいる敵にもヒットする。周囲にとどめを刺せそうな武将がいるかをチェックし,呂布も巻き込めるように心がける。
 呂布を見失ったら「戦法」の指示時に時間がスローになることを利用して索敵する。呂 布が「武芸」を使おうとした際にいつでも割り込めるよう,自分の武芸テーブルには必ず低コストの「発勁」属性を仕込んでおく。

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 と,呂布を倒すにはありとあらゆる手段を使わなければならない。幸い,難度は設定で自由に変更できるので,どうしてもクリアできないなら呂布戦だけ下げてしまうのもアリだろう。

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 ものごとが主人公の視点で進むという点では「宛城脱出戦」も印象深い。曹操が宛城を攻めようとしたところ,ここを治める張繡はあっさりと降伏する。曹操は張繡から宴に誘われるが,これは罠であった。孤立した曹操は燃える宛城を脱出することになる。

 「宛城脱出戦」(過去作では「宛城の戦い」)はこれまでの「真・三國無双」シリーズでも登場し,曹操自身を操作してプレイできた。
 しかし本作はあくまで主人公の視線で展開するのがポイント。曹操とは分断されてしまい,宛城の外で戦うしかない。これまでのシナリオで曹操の人となりが描写されており,曹操軍に仕えるほど彼に感情移入しているため,彼の安否が案じられ,もどかしさも感じられる。

張繡は降伏するが,これは曹操を殺害するための罠だった。果たして曹操は脱出できるのだろうか
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 バトルは後半に差し迫ると,敵武将が手ごわくなり,通常攻撃の後にガード不能攻撃をつないでくる。ガードして固まっているともろに食らってしまうので,回避や発勁での阻止をしっかり行う必要がある。
 また,関羽や張飛など大物武将は「覚醒」し,強力な「絶・無双乱舞」を放つようになる。覚醒から技の発動までは時間があるため,その間に一定のダメージを与えて阻止しなければならない。アクションゲームとしての手応えが増していると感じられた。

「覚醒」した敵武将。放っておくと「絶・無双乱舞」を放つので,阻止するためには集中攻撃が必要だ
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 バトル部分で個人的にお気に入りなのが,後半で手に入る逆襲の武器「矛」のアクションだ。
 矛は強攻撃ボタンを押しっぱなしにすると「敵の攻撃を受け止める」状態になるのが特徴。受け止めた攻撃の威力が大きいほど,続く強攻撃の威力がアップする。
 敵武将が複数いるととんでもない火力になるため,わざと突出するのも楽しいし,常に受け止め状態となる武芸も存在しており,うまく使えば混戦でも大暴れできる。

 豪快に見えつつも,運用には繊細な配慮が必要になる二面性も面白いところだ。受け止めた攻撃のダメージは「時間経過で回復可能」という特殊な扱いになるものの,一時的に体力が減ってしまう。また,吹っ飛ばし効果の技は受け止められないので,大逆転するはずがそのまま天に召されることもある。このギャンブル性がたまらない。

「矛」は受け止めた攻撃をパワーに変え,逆襲の一撃を繰り出す。受け止め体勢では移動できない
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 そして,敵武将が使う戦法を意識する機会も多くなる。主人公が部下の「護衛兵」に「突撃」や「斉射」といった戦法を命じられるのと同様,敵武将の部下兵士も戦法を使う。
 戦意が上がったり「大戦法」の最中だったりすると戦法の使用頻度も上がり,ガード不能の突進やジャンプ攻撃がますます厄介になってくる。つまり,武将戦では武将本人と戦法に対応することとなり,バトルの色合いが加わるのだ。
 幸い,戦法を使ってくる兵士を発勁属性の武芸で一撃すると,そのまま収撃でとどめを刺せ,周囲の敵も巻き込める。敵の戦法がそのまま大チャンスになるので,この辺りのリスク&リターンの考え方もよくできている。

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 武器に付与される特性も見どころだ。主人公は武将を倒すなどすると武器を入手でき,その武器にはさまざまな特性が付与される。付与される特性には「敵の矢を攻撃で払える」といったものも存在する。この特性を得られると,弓兵が配置された敵拠点での戦闘がより戦略的で面白いものとなる。だが,何が付与されるかはランダムで選べない。
 「突発戦」など,大陸地図上で起きている戦いに積極的に参加して,さまざまな特性を持った武器を手に入れれば,より戦場を楽しめるはずだ。

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 本作をまとめると,物語の視点が従来作のような俯瞰ではなく,主人公の目線で進んでいき,勢力選びをはじめとしたさまざまなイベントが印象的なものになっている。
 また,バトルの難度もゲームの進行に応じて上がっていくため,より手ごわくなった武将と戦えるのが楽しい。

 ここからクライマックスである「赤壁の戦い」へと物語は加速していく。「赤壁の戦い」には「苦肉の策」や「連環の計」,諸葛亮の大論陣や「草船で矢を借りる」など逸話も多く,主人公目線でそれがどのように描写されているのか。興味のある人はぜひプレイしてその大規模な合戦を体験してほしい。

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