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心のモヤモヤを払うように,自身の内面世界で絵筆を振るう。ラン&ジャンプなテンポ感も特徴の2D探索アクション「Constance」[TGS2024]
「The Berlin Apartment」はすでに掲載しているレポートにあるとおり,ドイツ・ベルリンの一つのアパートを舞台としたナラティブなアドベンチャー。そして本稿で紹介する「Constance」は,絵筆を扱うアーティストの女の子を主人公としたアクションゲームだ。
ブース内に本作のディレクターであるSebastian Drews氏がいたので,試遊しながらゲームの基本的な部分や特徴を聞いてきた。
ゲーム画面とアートの雰囲気で「ホロウナイト」をイメージするかもしれないが,ゲーム進行や仕組みのベースはそれに近い。デモ版で触れられたのはほんの一部のため全体のマップは不明だが,各地を巡って新しい能力を得てさらに次へと進むという,いわゆるメトロイドヴァニアと呼ばれる探索ゲームのようだ。
絵筆など絵画の道具をベースにしたいろいろなアクションをこなしてステージを進めるわけだが,スキルを使っているうち絵筆は汚染(スキル使用時のポイント消費をこう表現していた)され回復が必要になる。いつどのタイミングで特別なアクションを使うかが重要だ。
ギリギリのタイミングでジャンプして渡り,仕掛けが始動する前にさらにステップするように次の足場に飛び乗って「いまだ!」というときスキルで敵を倒す。ステージの状況を見て,テンポよくステージを駆け抜けるのが難関突破のコツとなるが,それがうくいったときのラン&ジャンプなゲームの爽快感がたまらない。
ステージや敵はなかなか強く,またボス戦も動きをしっかり覚えて対処しないとすぐやられてしまう手強さだ。Sebastian Drews氏によるとデモ版はアクションの要素を圧縮して詰めこんだもので,「10分ほどの試遊ではゲーム自体が難しく感じるかもしれない」と話していた。しかし実際は段階的にアクションの操作や使いかたが覚えられるような,もう少しプレイヤー各々のペースで楽しめるようなゲームになるそうだ。
さて,btf Gamesというとアートやナラティブな要素が強めなゲームのイメージがあるが,なぜ今回はそれとは異なる印象の2D探索アクションだったのか。世界観や物語について聞いてみると,実は本作の設定も,btf Gamesらしさといえるナラティブな要素が込められたものだった。
ゲームのステージで描かれているのは,こころの病を抱える女の子の頭のなか,心のなかの世界なんだそうだ。彼女は,一見すると美しいがどこか陰鬱としたものを感じさせる自身の精神世界で,自分のなかにあるものを探り,そして崩壊しつつある世界から脱出しようと奮闘する。探索型の2Dアクションというゲームの仕組みは,そういった彼女の内的な部分を表現するものでもあるというわけだ。
自身の内面世界で心のモヤモヤを払うように絵筆を振るい,そして何かを見つけるため探索する。操作がうまくいくととても爽快なラン&ジャンプなアクションはもちろん,人の内面や心に向き合ったゲームの精神性みたいな部分も気になる本作。Steamにてデモが配信されているので,気になる人はプレイしてみるといいだろう。
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