プレイレポート
[プレイレポ]オリジナルとはひと味違う。コミカルで可愛いレゴブロックのアーロイ達が冒険を繰り広げる「LEGO ホライゾン アドベンチャー」
「Horizon」の世界設定や登場キャラクターを踏襲し,文明が滅びて動物や恐竜の姿をした機械達が闊歩する世界のすべてをレゴで作り上げた本作は,「LEGO」シリーズならではの演出やコミカルなテイストを盛り込んだアクションRPGだ。
4Gamerではメディア向け試遊会のレポートを掲載しているが,さらにじっくりと遊んでみたのであらためてプレイレポートをお届けしよう。
※SIEからPlayStation 5版のコードの提供を受けています。
[プレイレポ]「LEGO Horizon Adventures」試遊レポート。ブロックで作られたHorizonの世界を駆け回る,協力プレイが楽しいアクションRPG
ソニー・インタラクティブエンタテインメントのアクションアドベンチャー「Horizon」シリーズとLEGOが融合した「LEGO Horizon Adventures」のプレイレポートをお届けする。2024年11月14日に迫った発売に先駆け,ブロックで再現されたHorizon世界を体験してきたので,その魅力をお伝えしていこう。
「LEGO ホライゾン アドベンチャー」公式サイト
思わず見入ってしまう,緻密に作り込まれた「Horizon」の世界
かつて存在した文明が滅び,美しい自然に覆われた世界。そこには恐竜や動物の姿をした機械達が存在し,人々は彼らと共存しながら暮らしている。
ノラ族が住む山の洞窟で赤ん坊のときに発見され,村の外に住む狩人のロストによって育てられた主人公のアーロイは,自分を見つけてくれた大長老ティルサのいる村「母の源」へと向かう。自らの出自の謎を知るために――。
ストーリーのベースはシリーズ第1作「Horizon Zero Dawn」に準じているが,子どもから大人まで幅広く楽しめるように分かりやすくコミカルにアレンジされている。
冒頭のプレイヤーキャラクターはアーロイのみだが,ゲームを進めると3人のキャラクターと交替して進められるようになる。
前回のプレイレポートでも述べているが,まずはすべてがレゴブロックで作られた「Horizon」の世界に見入ってしまう。「LEGO」ゲームシリーズのファンならば見慣れた光景かもしれないが,「Horizon」シリーズをしっかり遊んできた筆者には,かつてアーロイとして走り回った未来世界が隅々まで再現されていることに驚かずにはいられなかった。
物語の舞台となる台地や自然,人々が住む村,崩壊した世界の残骸,機械炉などはもちろん,そこに棲む機械達までもオリジナルのイメージを崩すことなく,レゴブロックで構築されている。開発にはオリジナルのデベロッパであるGuerrilla Gamesも深く関わっており,スタッフのクレジットにはプロのレゴビルダーも名を連ねている。完成度はお墨付きと言えるものだ。
「Horizon」の世界観に合った昼夜のライティングも施され,巨大なレゴブロックのジオラマに入り込んでいる気分に浸れる。
キャラクターはおなじみのレゴミニフィギュア(ミニフィグ)の姿で登場する。これがまた愛らしく,ちゃんとオリジナルの姿に見えるのが面白いところだ。アップになったときの表情やミニフィグとしての質感も,まさにそのもの。レゴならではの着せ替え要素もあり,ストーリーとは関係のない見た目に変更できる。
シンプルながらよく考えられたゲームシステムは,幅広いプレイヤーを引き込む
本作は見下ろし視点のステージクリア型アクションRPGだ。チャプターごとに行動できるエリアが決まっている。クラフト要素は存在せず,道中で入手したお金を使って村のカスタマイズやプレイヤーの強化をしていく。
キャラクターのアクションはジャンプ,固有の武器を使った攻撃,投げ,そして「フォーカス」による周囲のスキャンといったシンプルなものだ。オリジナルの多彩なアクションを体験していると少々物足りないかもしれないが,道中で手に入るアイテムやフィールド上のギミック,機械達の動きなどを利用することで,戦略性のある戦闘を味わえる。
前述のとおり,プレイヤーキャラクターはアーロイを含む4人で,ステージごとに交替できるようになる。オリジナルはアーロイしか操作できなかったので,なかなか新鮮だ。キャラを交替してもストーリーに影響はなく,ムービーはアーロイの視点になっている。
以下,各キャラクターの特徴を簡単に紹介しよう。なお,設定は本作のものだ。
■アーロイ
「Horizon」シリーズの主人公であり,ノラの聖地「大いなる母」で発見された赤毛の少女。養父のロストから狩りを教えられ,優秀な狩人として育つ。
武器は高速でまっすぐに飛ぶ弓。攻撃ボタンを押し続けて弓を引くと,向きと射程を決められる。連射もできるが,射程はかなり短くなる。主人公であるだけに,扱いやすいキャラクターだ。
■ヴァール
いにしえのコミックに登場するヒーローに憧れるノラ族の青年。カルトに捕らえられていたところをアーロイに助けられる。
武器は投擲するヤリ。使い勝手はアーロイの弓に似ているが,射程距離は常に一定。対象に命中したヤリは連続してダメージを与える。ソロプレイや初心者向きのキャラクターだろう。
■ティルサ
「母の源」の大長老。ヴァールと同じくカルトに捕らえられていた。たくさんのひ孫を持つおばあちゃんだが,老骨にむち打ってプレイヤーキャラクターとして参戦する。
武器は卵や野菜,ニワトリなどの形をしたバクダン。着弾すると小さな爆風が広がり,巻き込まれた敵にダメージを与える。敵が多いシーンで効果的だが,連射はできない。
■エレンド
ハンマーを携えたオセラム族の青年。いにしえの世界のお菓子であるドーナツをこよなく愛し,ドーナツ探しを邪魔するカルトや機械と戦っていた。
武器は巨大なハンマー。攻撃ボタンを押し続けると,一定距離をダッシュして攻撃を繰り出す。攻撃力はかなり高いが,近接攻撃になるため,敵の攻撃を受けるリスクも大きい。中級者以上向けのキャラクターだろう。
各キャラクターには個別のレベルが設定されており,敵と戦うことで経験値を得て強くなっていく。また,村の「大いなる母の木」では全員に反映されるパッシブスキルのアップグレードが可能だ。
本作の敵は,太陽と日焼けを崇拝するカルト集団「エクリプス」や彼らに操られた機械達だ。ボス的な存在を除けば,単体であればそれほど強くないものの,集団で襲ってきたときは戦い方を考える必要がある。
フォーカスによるスキャンは,敵の場所や機械の弱点をあらわにし,周囲にあるフィールド上のギミックや回復アイテムの場所を明らかにしてくれる。オリジナルのように弱点を正確に狙う必要はなく,弱点がある方向から攻撃すれば自動的に狙ってくれる。
戦闘時は飛び道具を炎などに通すことで属性を付与したり,特定の場所に設置された爆弾を放り投げたり,オブジェクトを壊してそれに巻き込んだり,敵を誘導してトラップにかけたりと,ギミックを利用することで有利に戦える。これらはゲームプレイを重ねるうちに身についていくはずだ。
そして,アイテムの存在も重要だ。アイテムは倒した敵や道中の商人から手に入り,「レア武器」と「ガジェット」のカテゴリに分類される。
レア武器はキャラ固有武器の上位バージョンだ。炎や氷などの属性が付いたものや攻撃範囲が広がるものなどがあり,使用できるキャラは決まっている。
一方,ガジェットは特別な攻撃手段をもたらすもので,全員が装備できる。使い勝手はさまざまなので,まずはどんな効果があるのかを確認しよう。
アイテムには使用回数と所持数の制限があり,各カテゴリは1種類ずつしか持てない。どれがどんな効果を持っているのか,理解しておきたいところだ。
本作は5段階の難度があり,中間の「ぼうけん者」はアクションRPGのプレイ経験があればサクサク進める程度の難しさだ。ただ,中盤以降のボス戦は弱点や倒し方を把握しないと不覚を取るかもしれない。
なお,オプション設定ではプレイヤーを無敵にもできるので,「どうしても敵を倒せない」「先に進めない」といったときには利用するといいだろう。
マルチプレイ(2人協力プレイ)であれば攻撃力が倍になり,敵の攻撃も分散され,倒れてしまったプレイヤーを蘇生できるため,ソロプレイよりも攻略しやすいはずだ。オンラインはもちろん,オフラインの飛び入り参加も可能なので,「ちょっと難しいな」と感じたら家族や友達に手伝ってもらおう。
個性的で手強い機械達。攻撃方法と弱点を把握しよう
本作には「Horizon Zero Dawn」の機械達が登場する。それぞれが非常に個性的で,“穢れ”によって凶暴化した「禍ツ機(まがつき)」は「強化型」だ。ほとんどはオリジナルに沿った攻撃方法だが,本作ならではの攻撃をしてくる機械も存在する。
レゴブロックで作られた機械は見ているだけでも楽しく,サンダージョーやソートゥースといった巨大なものを目の当たりにすると圧倒される。
すべての機械に弱点があり,それ以外の部位とは与えるダメージが桁違いだ。前述のとおり,弱点を狙うこと自体は難しくないが,機械も常に動いているので,それに合わせて立ち回る必要がある。
また特定のガジェットを装備していないと,回避やローリングのような素早いアクションはできない。敵の攻撃を回避するためにも,常に動くことは重要だ。
底抜けに明るいキャラクター達が織りなす,ひと味違う「Horizon」の物語
プレイヤーキャラクターのほかにも,「Horizon Zero Dawn」の主要キャラクターが登場して物語を盛り上げてくれる。とにかく皆,個性的でよくしゃべるので,シリアスだったオリジナルのストーリーを知っているとギャップに驚くかもしれない。
なぜか現代のカルチャーや流行に通じているのも面白いところだ。アーロイをサポートするサイレンスを村に連れてくるとDJブースが出現し,村人がそこで彼のDJプレイを楽しむようになるなど,かなりぶっ飛んでいる。
アーロイがDNAを受け継ぐいにしえの科学者のエリザベトは,もう世に存在しないはずなのにアーロイらと会話をしている。本作ならではのパロディ的な面白さが満載だ。オリジナルと同じ声優が演じているので,これもまた“ギャップ萌え”を感じるポイントだろう。
アーロイ達の拠点「母の源」は,フィールドをクリアすると手に入る「ゴールドブロック」やお金を使ってカスタマイズできるようになるが,やはり「Horizon」の世界観に留まることなく,「LEGO」要素をミックスした外観に変更できる。
村の住人にはノラ族ではないミニフィグも登場し,村のエリアを「LEGOニンジャゴー」や「LEGOシティ」といったテーマカラーに変更したり,オブジェを配置したりと,レゴブロックの楽しさを存分に味わえる。
村のカスタマイズだけでなく,経験値やお金,ブロックを稼げる「狩り場」や「村のおしごと」など,やり込めそうな要素もたっぷり用意されている。こちらはじっくりと楽しみたいところだ。
先日,リマスター版が発売された「Horizon Zero Dawn」はCEROレーティング:D(17歳以上対象)だが,本作はすべてがブロックなので出血表現もなく(登場人物も自らがプラスチックであることを自覚している),幅広い層のプレイヤーが「Horizon」の世界で遊べるようになった。
誰でも気軽に楽しめる手軽さがありながら,やり込むことで戦略性が広がっていくゲームデザインは秀逸だ。家族や友達と一緒に遊べる「LEGO」ゲームシリーズとしての特徴もあり,筆者のようにシリーズ作品を遊んできた「Horizon」ファンのツボを突く要素もたくさんちりばめられている。家族や友達が集まる機会には,ぜひ協力プレイも遊んでみてほしい。
「LEGO ホライゾン アドベンチャー」公式サイト
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