ヴィンス・ザンペラ氏が逝去。「Call of Duty」「Apex Legends」を生み出し，「Battlefield 6」を成功に導いたFPSジャンルの巨星

　Electronic Arts傘下のRespawn Entertainment，およびRipple Effect Studiosを率いるヴィンス・ザンペラ（Vince Zampella）氏が，現地時間2025年12月21日に事故死したことが明らかになった。享年55。

　NBC Los Angeles誌（リンク）が報じるところによると，ザンペラ氏はカリフォルニア州ロサンゼルス市北部の山中を運転中，トンネルの出口にあるコンクリート製の障壁に激突。運転していたのはフェラーリ 296 GTSで，単身事故だったものの車は炎上したという。

　ザンペラ氏は，1999年にオクラホマ州にあった2015 Inc.に入社し，2002年にリリースされた「Medal of Honor: Allied Assault」のリードデザイナーとして従事した。その知的財産はElectronic Artsに帰属していたために，盟友のジェイソン・ウェスト（Jason West）氏とともに独立して起業したのがInfinity Wardであり，2003年には「Call of Duty」第1作目をリリースしている。

　2009年には，大ヒットとなった「Call of Duty: Modern Warfare 2」の成功報酬が，Activisionから満足に支払われていないことに不服申し立てを行ったザンペラ氏らは，2010年に再び独立してRespawn Entertainmentを起業。ウェスト氏は2013年に離脱しているものの，その後もザンペラ氏の指揮下のもとで「Titanfall」シリーズをリリースした。

　Respawn Entertainmentは，2017年にElectronic Arts傘下となってからも，2019年に「Apex Legends」「Star Wars ジェダイ：フォールン・オーダー」，2020年に「Medal of Honor: Above and Beyond」，2023年に「Star Wars Jedi: Survivor」を手がけ，“AAAアクションゲームの巨人”であり続けた。

　2023年にElectronic Artsが社内改革を行った際には，今は形骸化しているEA Entertainmentのヘッドに着任し，現在はRespawn EntertainmentとRipple Effect Studiosを統括。2025年10月にリリースされたばかりの「Battlefield 6」（PC / PS5 / Xbox Series X|S）でもエクゼクティブ副社長，およびグループGMとして初めて同フランチャイズの開発に関わり，高い評価を得るに至っていた。


　Respawn Entertainmentも訃報を報じており，「彼の影響力は，特定のゲームやスタジオをはるかに超えていました。私たちは，ザンペラが日々の仕事に励み，チームを信頼し，大胆なアイデアを奨励し，Respawnとバトルフィールドを信じていたことを忘れません。何よりも重要なのは，彼がこれらのスタジオを支える人々とプレイヤーにとって正しいと信じたことを，何よりも大切に守り抜いたことです。私たちは彼を深く偲びます」と公式Xアカウントでコメントしている。