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Richard Garfield氏が手がけた新作「マインドバグ 最初の邂逅」をプレイ。敵クリーチャーをいつでも奪える,型破りな対戦カードゲーム
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Nerdlab Gamesが2022年に初版をリリースした「マインドバグ」(Mindbug)は,「マジック:ザ・ギャザリング」のRichard Garfield氏を含むデザイナーたち(全4名)が手がけるタイトルとして話題を集め,海外ではすでに複数の拡張セットが登場する人気ぶりとなっている。
そんな注目作が,ついに日本に上陸を果たしたというわけで,さっそく会場で購入してプレイしたので,今回はそのプレイレポートをお届けしていく。
いつ,どのクリーチャーを奪うべきか。コントロール奪取が鍵となる異色のカードゲーム
「マインドバグ」のコンセプトは「超シンプル化した対戦カードゲーム」だ。基本的な仕組みは一般的なTCGから引き継がれているが,あらゆる面がシンプルにまとまっている。
まず本作には,“事前のデッキ構築”という概念が存在しない。パッケージには48枚のカードが収録されており,そこからランダムに選ばれた10枚のカードがデッキになる仕組みである。文字どおり,配られたカードで勝負を決めなければならないわけだ。
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手番に行えるアクションは「手札のクリーチャーを1枚場に出す」と「場にいるクリーチャー1枚で攻撃する」の2つしかない。そしていずれかのアクションを1回実行したら,ターンは終了となる。
いわゆるコストの概念もない。どんなカードだろうが,1ターンに1枚は出すことができる。クリーチャー以外のカードは存在しないので,手番内での意思決定は「どのクリーチャーを出すか」と「どのクリーチャーで攻撃するか」に集約されることになる。
攻撃を受けた側は,場のクリーチャー1枚でブロックを宣言できる。この処理もまた明快で,パワーの値が高いほうが生き残り,同値なら双方が破壊されて墓地に送られる。ブロックしなかった(できなかった)場合は,パワーの値にかかわらず,プレイヤー本体が1ダメージを受ける。そうして,3点のライフを削りきればゲームセットとなる。
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これだけでは,あまり面白いゲームとは思えないだろう。パワーの低いクリーチャーには強力な能力が付与されているが,相性を覆す手段がないので,どうしても「運よく相性のよいクリーチャーを出せた側が勝つ」という結果へと収束してしまう。
そこで出てくるのが,非手番プレイヤーが使える特殊アクション「マインドバグ」だ。効果は単純かつ超強力,相手がクリーチャーを出したときにマインドバグ発動を宣言すると,そのクリーチャーを洗脳し,自分のものにできる(コントロールを奪える)のだ。
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もちろん制限はある。各プレイヤーはゲーム開始時に「マインドバグカード」(以下,MBカード)を2枚所持しており,発動時にはこれを消費する(裏返す)必要がある。基本的にMBカードは後から増えないので,ゲーム中に2回しか使えないわけだ。
また,マインドバグでクリーチャーを奪われた側のプレイヤーは「手札からクリーチャーを出す」というアクションをキャンセルされた形になるので,改めてもう1枚のクリーチャーを手札から出すことができる。
このシステムにより,本作のプレイフィールは緊張感あふれるものとなる。なにしろ,どんなに強力なクリーチャーが手札にあったとしても,出した瞬間にそれが相手側につく可能性があるのだから。
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常に念頭に置いておくべきは,奪われたクリーチャーに対処できるか否かだ。奪われて困るようなクリーチャーは出さず,対処の札を後から出せるように手元に控えさせておくか,場に先に用意しておく必要がある。うまく調整すれば,相手にMBカードを無駄打ちさせることも可能だ。
カード効果と戦闘による“即興パズル”ともいうべきやり取りは非常に奥深く,その読み合いはかなり悩ましい。また全体のカードプールを把握すれば,さらに深く本作を楽しめるようになるだろう。
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似たコンセプトを持つタイトルとしては,「はらぺこバハムート」や「Shadowverse」シリーズが近いものとして挙げられる。どちらも回数制限のある強力なアクションを中心にした駆け引きが楽しめるゲームだが,本作はさらにその比重が強いと感じられた。
その分ゲームは短時間で終わり,本作独自の要素を強く味わえるように設計されている。すべての要素が“クリーチャー同士による戦闘”に集約していて,読み合いが分かりやすいのも本作の強みだろう。1対1のヒリヒリとした読み合いを気軽に楽しみたい人には,本作はピッタリのタイトルとなるだろう。
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今回発売された「最初の邂逅」は“基本セット”であり,先述のとおり複数の拡張セットが存在している。会場では「キング・オブ・トーキョー」シリーズとのコラボセットが販売されていたほか,拡張セット「新たなしもべ」や,2022年にリリースされたプロモーションカードが販売予定であることも明らかとなっている。
カードプールが広がるほど楽しい環境を構築しやすくなるので,ぜひ展開が続くことを期待したいところだ。
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(C) 2024 Kissaki Studios GmbH
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