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[CES 2015]PS Vita風デザインの“ゲームパッド付きスマホ”「W1 3D」を展示会場で発見。取り急ぎ触ってきた
Snail Games USAが北米市場での発売を予定しているゲーマー向けAndroidスマートフォンシリーズ「W1」には,“無印”の下位モデルと,裸眼立体視対応の液晶パネルを搭載するW1 3Dがラインナップされている。前述のとおり,今回デモ展示されていたのは上位モデルのほうだ。
ただし,最初に残念なお知らせをしておくと,展示会場の電波状況が悪く,デモ機は無線LANに接続できず,オンライン認証が必要なゲームのデモを試遊できないという状況だった。なので,ゲームのプレイや立体視の体験はできていない。次に試す機会があれば,再度レポートしたいと思う。
横持ち時のの本体前面は,左の上側にアナログスティック,下型にD-Pad(=十字キー)という並び。液晶ボタンを挟んだ右には,上側に不思議な模様の描かれた4個のボタンが十字状に,その下側にはアナログスティックが並ぶ配置となっている。PS Vitaと比べた場合,D-Padと左アナログスティックの位置関係が逆だ。
横持ち時の上面には,左右に小さなショルダーボタンが2個ずつ用意されていた。左から順に[L1/L2][R2/R1]ボタンという並びだ。ボタンが小さいうえ,ボタン同士の隙間も少ないので,内側にある[L2][R2]はとっさの操作には向かないような印象もある。
なお,左ショルダーボタンの隣に並んでいるのは,音量調節ボタンが2つと[電源/スリープ]ボタンである。これらは,スマートフォンとして使う場合の違和感のなさを重視した結果,ここに置かれることになったらしい。
ちなみに,W1シリーズでは,インストールされたゲームを自動的に認識し,ゲーム側がゲームパッド操作に対応していればそのまま使えるよう,そうでない場合は適切な割り当てを行うようになっているとのこと。ただし,音量調整ボタンと[電源/スリープ]ボタン以外のボタンはユーザーレベルでカスタマイズできるようになっているため,自由に設定を変更することもできるそうだ。各ボタンは圧力検知にも対応しているという。
搭載するSoC(System-on-a-Chip)はMediaTek製の「MTK6595」で,CPUコアの最大動作クロックは2.2GHz。MTK6595を採用する某社の中国製スマートフォンでは,「3DMark」の「Ice Storm Unlimited」スコアは11000台という情報があったので,W1 3Dの実力がこれと同じくらいだと仮定した場合,2013年のハイエンドスマートフォン程度の性能を見込めるといったところだろうか。2014〜2015年仕様のハイエンドスマートフォン並みの性能を追求してこないあたりからは,Snail Games USAがW1シリーズでどういったゲームのプレイを想定しているのかがうっすら見えてくるような気がしないでもない。
なお,メインメモリ容量は2GBで,内蔵ストレージ容量は16GB。外側には見当たらなかったが,microSDカードスロットも備えていて,記憶容量64GBのmicro SDXCカードを差せるようにもなっているとのことだった。
搭載OSはAndroid 4.4(Kit Kat)。LTE(※対応バンド未公開)と無線LAN(※対応規格未公開)とBluetooth 4.0に対応している。内蔵するバッテリー容量は4000mAhとなっていた。
日本でNTTドコモから販売されたこともある「Xperia Play」を持ち出すまでもなく,この手のゲームパッド統合型スマートフォンは定期的に出てくるが,今回も,やはりゲーマーとしてはくらっとくるところがある。
メーカー想定売価は不明ながら,北米では2015年3月の早い時期に発売されるというW1 3D。日本でもどこかがSIMロックフリーで発売してくれるといいのだが。
ベンダーやユーザーがパーツを変更できる
Android端末,OBox
OBoxは,縦置き横置き兼用のデザインを採用した筐体を採用する製品で,テレビや液晶ディスプレイに接続してAndroid用ゲームを楽しむための,セットトップボックス的な存在と位置づけられている。ゲームの操作に使うのは,付属する専用のワイヤレスゲームパッドだ。
メインメモリ容量は4GBで,内蔵ストレージには2.5インチサイズまたは3.5インチサイズのSATA接続型HDDを搭載可能。搭載OSはAndroid 4.4(Kit Kat)とのことだ。
さて,このOBox,発表時には「モジュラーデザインのAndroid据え置きゲーム機」であると謳われていたのだが,このモジュラーデザインが何を意味するのかが分からず,謎のままだった。
そこで,モジュラーデザインとは何かを説明員に確認したところ,「内部のコンポーネント,SoCやマザーボード,ストレージが交換可能となっていて,ベンダーが独自に構成を選べるということだ」との回答を得た。要するに,販売店側がゲーマー向けPCのように構成を選択して販売できるということらしい。
たしかに,Android端末としては珍しい特徴ではある。新しいSoCが登場すれば,Tegra K1から「Tegra X1」に交換するといったことも,理屈のうえでは可能だろう。
なお,交換用パーツが発売されれば,販売店だけでなくユーザー自身によるパーツの交換も可能になるとのこと。自作PCのようにアップグレードできるAndroid端末として登場すれば,ゲーマーには意外に受けるかもしれない。
価格どころか,発売時期に関する情報は得られなかったが,ハードウェア構成を弄れるAndroid端末というのは貴重であり,OBoxも,可能なら日本市場で買えるようになってほしいものだ。
Snail Games USA 公式Webサイト(英語)
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Android端末本体
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