プレイレポート
8K写真で見るPlayStation 5本体とDualSense。本体は静音性に優れ,ゲームパッドは新しくも実用的に
そんなPS5の発売を前に,ソニー・インタラクティブエンタテインメントは都内にて,メディア向けのPS5体験会を実施した。会場では,PS5の本体と専用ゲームパッド「DualSense ワイヤレスコントローラー」(以下,DualSense)の撮影ができたので,本稿ではフォトレポートをお届けする。
じっくりと接写で細かく紹介したかったのだが,開発版とのことでPS5本体は接写NG,底部と背面の撮影も不可だった。そこで6100万画素機であるSONY α7R IVで撮影し,長辺を8K(7680px)にリサイズしたデータを一部掲載するので,各自で見たいところを確認してほしい。なお8Kサイズの写真は1枚10MB前後となっている。時間の都合上,ストレートRAW出力とデジタルデータ上でのゴミ取りはしていない。写真で見ても分かるかと思うが,本体の黒いパネル部分は,ちょっとホコリがくっつきやすい印象だ。
さて,まずはPS5本体からだが,スペックについては既報のとおりなので省略して,本体のサイズを見てみると,公称本体サイズは約390mm×104mm×260mmで,公称本体重量は約4.5kgとなっている。今回用意されていたのはUltra HD Blu-ray(以下,UHDBD)ドライブ搭載のPS5のみで,ディスクドライブレスのデジタルエディションはなかったが,そちらの公称本体サイズは390mm×92mm×260mm,公称本体重量が約3.9kgとのことだ。UHDBDドライブ分,幅と重量が異なる。
実機を見ると,複雑なカーブで構成されているのがよく分かり,有機物的な印象を受ける。大体どの角度から見ても,実際のサイズよりもスリムに感じられるのも面白い。これは縦置きにしても,横置きにしても同じだ。撮影したPS5は,付属するスタンドで支えられていたが,このスタンド自体は細かく確認できなかった。
本体のカラーはツートンカラーで,正面から見て左側面にロゴがある。また,白い側面パネルの表面と裏面では,表面処理が異なっており,裏面は小さな○×△□で梨地処理のような雰囲気だ。
ここでPS5の吸排気構造についても触れておきたい。PS5は,縦置きの状態だと正面の上部から吸気(構造的にはおそらく底部も)し,背面から排気する仕組みだった。下に掲載した写真を見てもらうと分かるのだが,上部吸気口の隙間から金属製パーツをいくつか確認できる。これは,どうもフィンガードのような物体で,200〜240mmサイズのファンでも入っているのかというくらいの大きさだった。
また構造からすると,シロッコファンを組み込んでいるように思えるので,筐体自体がファンケースを兼ねている様子だ。この巨大なファンで,静音性と冷却性能を確保していると考えられる。参考までに上部からでは,どう覗いてみてもヒートシンクらしきものを確認できなかった。いったい内部構造はどのようになっているのだろうか。
PS5の冷却機構で,本体の温度はどの程度になるのだろう。ローンチタイトルの1つである「Godfall」をプレイし始めて,しばらくしてからチェックしてみたが,排気口から出てくる風はゆるやかで,極端に熱く感じるものではなかった。このとき,スタジオの温度は約30度。搭載するSoCのスペックからすると,55〜60度あたりで動作していると考えられる。となると「騒音がすごいのでは?」と思われるかもしれないが,逆だ。上述したようにゆるやかな排気で済んでおり,ファンの回転音らしきものはほとんど聞こえなかったのだ。
ちなみに,撮影したスタジオは地下にあり,天井には動画収録用の照明が4つもあるという特殊な環境だった。一般的な家庭であれば,室温は20〜25度前後が多いだろう。つまりスタジオ環境での様子から家庭での使用を想像すると,PS5は爆音とは無縁である可能性が高い。どちらかと言えば設置場所の影響が大きそうで,吸排気に十分な空間を確保しておく必要はあるように思える。PS4と置き換える形で設置予定の人は,現在PS4を置いている場所の前後左右に10〜15cmの隙間があるか,もしくは用意できるかを確認しておこう。
続いてDualSenseを見ていこう。こちらは接写可だったので,サイズ的には軽めの写真が中心になる。公称本体サイズは約160mm×66mm×106mmで,公称本体重量は約280gとなっており,外観はPlayStation 4の純正ゲームパッド「DUALSHOCK 4」にごく近しい印象だった。またD-Padやボタン類,アナログスティックの位置も同様だ。
D-Padやボタンにはクリアパーツを採用しており,PSボタンは円形ではなく,PlayStationのシンボルマーク形状になっている。またアナログスティックには,指滑りが起きにくい表面処理が施されていた。
ソニーらしいこだわりが見られるのはハンドル部分だ。表面処理はマット調なのだが,撮影しながら触っているときは,「定番の梨地処理だけど,なんか持ち心地がいいなぁ」と感じた程度だった。ところが,撮影データを現地で確認したところ,この梨地が○△□×の模様になっていた。デザイン的な処理と実用性のバランスの結果なのだろうが,グリップ感の良さは高く評価したい。
ライトバーはタッチパッドの左右に,またLEDライトは下側に4基確認できた。ライトバーは青,緑,赤,紫の4色に光る。これはPS5に複数のコントローラを接続したときの識別用で,下側のLEDライトは1基点灯ならば1Pといった意味になるとのこと。それほど高輝度ではないため,プレイ中に視界に入り込んで気が散る……といったことも起きないだろう。
そしてDualSenseといえば,ハプティックフィードバックとアダプティブトリガーの合わせ技が,新しい特徴となっている。PS5にプリインストールされている「Astro's Playroom」で実際の効果を確認してみたところ,両機能を組み合わせて同時に使うことで,触感と重さを表現していた。
アダプティブトリガーは,トリガーを押したときの重さを変更できる。これは磁性流体を応用したものと思われ,4GamerではCEATECなどにおいての実例を紹介している(関連記事)ほか,バンダイナムコエンターテインメントのVRエンターテインメント施設「VR ZONE SHINJUKU」にあるVRコンテンツ「釣りVR GIJIESTA」にも採用された事例がある。感触が似ていた点と,応答性の速さからすると,栗本鐵工所の磁気粘性流体「SoftMRF」を使っているのかなと思ったり。
最近のゲーム環境を意識した部分はボタンだ。DUALSHOCK 4に比べて,ボタン押下時に音がしにくくなっている。ボタン裏に厚めのゴム板があるような感触だ。これは,実況やボイスチャットをしながらプレイすることに配慮したものと思われる。ちなみに,前掲の写真でも触れたが,底面にはノイズキャンセリング用のサブマイクらしきものが配置されていた。
今回紹介したのは開発機であるが,実際に見たPS5をまとめると,スペックと見た目と価格のバランスがおかしい,安すぎるだろうと言いたくなるほどの仕上がりだった。PS5本体は,ほぼ眺めるくらいしかできなかったのだが,排熱と騒音は気になるほどではなさそうで安心している。どちらかといえば,DualSenseの仕上がりが良いことには驚かされた。
ゲーマー目線で見ると,近年流行りの底面ボタンがないことには,意見が分かれるかもしれない。そこはオプションパーツによる追加に期待したい。だが,それを含めてもとても次世代らしいハードに触れられたので満足している。筆者にとってPS5の問題は,予約販売の抽選に外れ続けていることくらいだろうか。
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