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「バック・トゥ・ザ・フューチャー」40周年――東京コミコン2025でよみがえった“あのころのワクワク”。12月にIMAX&4Dリバイバル上映も決定
その作品が40周年を迎え,キャストが東京コミコン2025に集まると知ったとき,胸の奥にしまい込んでいたあのワクワクが一気に戻ってきた。こんな機会が訪れるなら,映画ファンとして見届けずにはいられない。
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キャストの熱いトークが弾けた40周年ステージ
12月12日よりIMAX🄬/4DXにて1週間限定上映も決定
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のステージは,東京コミコン2025最終日となる12月7日のセレブステージで行われた。ファンが続々と駆けつけ,さすがに会場はびっくりするほどの人で埋め尽くされていた。
メインMCを務めるLiLiCoさんがステージに登場したあと,「The Power of Love」のイントロとともに,マーティを思わせる衣装に身を包んだイベントアンバサダーの山本耕史さんが姿を見せた。
そして――そのまま歌い出した!
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思いがけないサプライズに会場がどよめき,堂々としたパフォーマンスに視線が一気に引き寄せられた。
フルコーラスを聞きたいところだったが,山本さんは歌い終えると軽く挨拶を添え,どこか照れくさそうな笑みを見せた。先ほどまでの堂々としたパフォーマンスとのギャップに,思わず微笑んでしまう。
続いて登場したのが,日本語吹き替え版でマーティを演じてきた声優の1人である三ツ矢雄二さん(三ツ矢さんの衣装もマーティ仕様だ!)。三ツ矢さんの「ママ〜!」「ドク〜!」といったマーティらしい呼びかけに応じて,ついにキャスト陣が姿を現した。
ロレイン役のリー・トンプソンさん,ビフ役のトム・ウィルソンさん,ジェニファー役のクローディア・ウェルズさん,そしてドク役のクリストファー・ロイドさんだ。
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三ツ矢さんが質問を投げ,キャストがそれに答えていく形式でトークが進んでいった。自身の言葉で英語の質問も行っており,その姿が印象的だった。
最初の質問は,ロレイン役のトンプソンさんへ。「マーティのことをどれくらい愛しているの?」という,まさにマーティらしい問いかけだった。
トンプソンさんは穏やかな笑顔で応じ,「私は,マーティのことをとっても愛しています。マーティは夢のように素晴らしい存在」と語ったうえで,「マイケル・J・フォックスさんも本当は今日ここに来たかったはず」とも口にした。その言葉には,マイケルさんへの深い敬意と温かな思いがにじんでいた。
さらに,長く作品を支えてくれる日本のファンへの感謝も丁寧に述べていた。
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続いてビフ役のウィルソンさんには,「悪役を演じるのはどんな気持ち?」という質問が投げかけられた。
ウィルソンさんは,悪役は物語の流れを揺さぶり,観客の気持ちを一瞬で変えてしまう存在だからこそ面白いのだと語る。主人公が「デロリアンに乗って未来へ戻れば大丈夫だ」と思った瞬間にビフが現れ,観客が「えっ,どうなるんだ!?」と身を乗り出す――そんな空気が切り替わる場面を演じるのが楽しいという。
さらに「もちろん映画の中だけの話で,僕は人を殴ったりはしないよ。お金をもらったら別だけどね」と冗談を交え,会場の雰囲気を和ませていた。
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ジェニファー役のウェルズさんにも,三ツ矢さん演じる“マーティ”からストレートな質問が向けられた。「僕(マーティ)のこと,愛してる?」という,どこか照れくさい問いに,ウェルズさんは優しく微笑み,「私はいつもあなたのことを愛しています。これからも愛し続けるわ。あなたは私の人生にとって本当に大事な“愛”だから」とまっすぐに答えた。
そのやり取りには,40年経った今でもあの2人の物語が続いているかのような瞬間があり,胸がじんわりと熱くなる。会場にも,ほんのりと温かい空気が広がっていった。
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そしてドク役のロイドさんには,「なんでドクって変わった人なの?」という,これもまたマーティらしい素朴な質問が投げかけられた。
ロイドさんは「いや,私は私のままでやっているだけなんだけれどね」と穏やかに切り出し,「もし自分が変わっていると言われるなら,それはクレイジーなアイデアが浮かんでくるからだと思う。いろいろ旅をして,そのなかでさまざまなアイデアが出てきて……その積み重ねが,ドクの姿になったのかもしれないね」と語った。
その飾らない説明からは,奇抜さを狙ったのではなく,ドクという人物が自然に形づくられていった過程がうかがえ,観客も静かに耳を傾けていた。
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その後,話題は“「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がなぜ世界中で40年も愛され続けているのか”へと移った。
トンプソンさんは,「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が世界中で愛される理由として,「普通の少年が思いがけない状況に放り込まれ,勇気を出して自分や家族の未来を変えていく」という物語の普遍性を挙げた。
さらに,作品そのものが楽しくてカラフルで,何度見てもワクワクする魅力にあふれていることにも触れ,「日本の皆さんはとてもセンスが良いわ。作品を愛してくれて本当にありがとう。私たちにとって大きな意味があります」と,日本のファンへの感謝も温かく語った。
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ウィルソンさんは,日本を訪れるたびに温かく迎えてくれるファンへの感謝をまず述べ,「日本の皆さんには物語を楽しむ感性にどこか共通点を感じる」と語った。
日本の観客はマンガやアニメ,さまざまな映画を通じて,アクションやSF,ユニークな仕掛けなど“物語を前へ進めるワクワク”を楽しむ文化がある。しかしその一方で,家族や友情といったテーマを何より大切にしている点が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と強く響き合っているのではないかと続けた。
さらに作品の魅力として,ドクとマーティの友情,ジョージとロレインの家族の絆,そして「もし若いころの両親に会ったら,自分は彼らと友達になれるだろうか?」という独自の問いが大きな特徴だと説明し,「こうしたテーマを愛してくれる日本の皆さんに,心から感謝します」と締めくくった。
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ウェルズさんは,トンプソンさんとウィルソンさんの答えが「本当に素晴らしかった」と前置きしつつ,自分は少し違う視点から話したいと切り出した。
日本を訪れて感じたのは,人々が何事も秩序立てて丁寧に行い,細部にまで心を配る姿勢だという。朝食に並んだフルーツの美しさや,ショーの進行の整然さに触れ,「すべてが卓越したレベルで完成されている」と驚きを語った。
そして,その“細部へのこだわり”こそ,日本のファンが「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を深く愛してくれている理由のひとつではないかと述べる。「あの映画は完璧なの。小さなカットにまで意味があって,何度見ても新しい発見がある。間違いがない映画なのよ」と作品の完成度に触れ,その感性を理解してくれる日本の観客への敬意を伝えた。
最後にウェルズさんは,日本のファンへの尊敬と感謝をあらためて言葉にし,その思いを静かに会場へと届けた。
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ロイドさんは,「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が国際的な成功を収めた理由について,「人は誰でも,未来に行きたいのか,過去に戻りたいのか……自分が“どこへ行きたいか”を想像するものなんです」と語り始めた。
稲妻が光り,自分の決めた時間へと飛んでいける──そんなタイムトラベルの仕組みが,観客の想像力を強く刺激すると指摘する。
映画を観れば,「じゃあ次の世紀に行ってみようか」「あのころに戻ったら何をしよう」と自然に思いをめぐらせるようになる。そうした“もしも”を自由に描けることこそが,この作品の大きな魅力であり,タイムトラベル映画ならではの喜びだと語った。
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ステージの締めくくりには,40周年を記念した IMAX&4Dでのリバイバル上映が発表され,12月12日より1週間限定で上映されることも明らかになった。
客席からは大きな拍手が上がり,あのワクワクがまた大きなスクリーンでよみがえる──そんな期待が一気に高まった。映画館で観たことのない筆者にとっても,これはぜひ体験したいと思わせてくれる知らせだった。
40周年の節目に行われたこのステージは,キャストとファンが作品を通じて再びつながり,あのころ抱いた気持ちを思い出させるものになった。
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40周年記念ブースも登場。
貴重なプロップ展示にファン感激
会場内には40周年を記念した「バック・トゥ・ザ・フューチャー」特別ブースも登場。当時の撮影で実際に使われた衣装やホバーボードが並び,そこに立つだけで映画の世界へタイムトラベルしたような感覚になる。さらに漫画家・クリエイターとのコラボ展示など,シリーズの魅力を世代を超えて楽しめる企画が充実していた。
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展示を巡りながら,作品が積み重ねてきた40年の歩みと,今も変わらず愛され続ける理由をあらためて感じられた。
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