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HP,VR対応ディスプレイを発表。回り込んで立体物を見ることが可能に
これは,立体視表示の液晶ディスプレイと,専用メガネなどを組み合わせて,メガネ着用者の見る位置に応じた立体映像を再生するデバイスだ。基幹技術としては,zSpaceが開発した「zSpace Technology」が使われているという。
ヘッドトラッキング機能と連動することで,頭の位置を動かして立体物を回り込んで見ることができるため(もちろん,アプリ側の対応は必須),通常の立体視ディスプレイよりも能動的なVR体験ができる。また,空間に浮かぶ3D映像にアクセスするための,ペン状のデバイスも用意されている。
ディスプレイ部分を見ると,液晶パネルは23.6インチワイドでTN方式,解像度1920×1080ドットで,垂直リフレッシュレートは最大60Hz。ビデオ入力インタフェースとしては,DisplayPortとDVI-Dが用意され,それとは別に,USBポートも3つ配備されている。
本体の上側には特殊な形状をした4つの突起が見えるが,これら突起には,計4基の赤外線カメラが搭載されているとのこと。ちなみに,基本形状はzSpaceから発表されている製品と同じなのだが,インタフェースには違いがある。それ以外の細かなスペックが同じかどうかは明らかになっていない。
一般に,偏光方式で実装した場合の解像度は,パネル解像度比で半分となるのだが,zSpaceのWebサイトでは「full resolution」と謳われており,実際のところはよく分からない。液晶パネル2枚を重ねた偏光方式ならフル解像度も実現できなくはないのだが,iZ3D以外でそのようなディスプレイは見たことがないので,このあたりは実機で確認する必要がありそうだ。
技術的にはゲームにも応用可能だろうが,3Dグラフィックスやエンジニアリングなどのツールで使用すると効果を発揮しそうなディスプレイとなっている。もちろん,VR用デバイスにはVR対応ヘッドマウントディスプレイもあるのだが,手元が見えないVR対応ヘッドマウントディスプレイではデザイン作業は難しいのだ。そういった分野で一定のニーズはありそうだ。
今回発表されたのは23.6インチの製品一つだが,まだ価格や発売時期などは発表されていない。zSpaceの公式サイトではSDKの配布なども行われているので,今後の展開に注目したい製品だ。
zSpace公式サイト
製品情報ページ(英語)
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