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[CES 2015]新世代ディスプレイ同期技術の標準争いは「FreeSync」に軍配が上がるか? SamsungとBenQ,LGが対応製品を出展
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印刷2015/01/09 11:49

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[CES 2015]新世代ディスプレイ同期技術の標準争いは「FreeSync」に軍配が上がるか? SamsungとBenQ,LGが対応製品を出展

画像集 No.008のサムネイル画像 / [CES 2015]新世代ディスプレイ同期技術の標準争いは「FreeSync」に軍配が上がるか? SamsungとBenQ,LGが対応製品を出展
 NVIDIAが独自に開発した「G-SYNC」と,AMDが開発して,標準化団体であるVESAに採用された「FreeSync」。目的は同じ「カク付きもテアリング(tearing)もないディスプレイ表示の実現」であるにも関わらず,互換性のない2つの技術が並び立ったことは,ゲーマー向け液晶ディスプレイを買いたいユーザーにとって,非常に悩ましい状況をもたらしつつあった。

 だが両者による規格争いは,意外に早く決着が付くかもしれない。2014年11月に液晶ディスプレイの大手であるSamsung Electronics(以下,Samsung)が,2015年に発売されるすべての同社製4K(3840×2160ドット)液晶ディスプレイと,一部のフルHD(1920×1080ドット)液晶ディスプレイでFreeSyncに対応すると表明したのに続き,2015 International CES(以下,CES 2015)に合わせて,ゲーマー向けディスプレイ市場の大手であるBenQや,LG Electronics(以下,LG),Viewsonicといったディスプレイメーカーも,FreeSyncに対応する製品を2015年中に発売すると発表したからだ(関連記事)。
 今回は,CES 2015の会場に出展されていたFreeSync対応ディスプレイを,写真メインでレポートしたい。

CES 2015のAMDブースには,左からBenQ,Samsung,LGのFreeSync対応液晶ディスプレイが並んでいた。それぞれ,採用する液晶パネルの方式や解像度が異なっており,多彩な対応製品が登場することを表現している
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AHVAとTN,IPSの各駆動方式を採用した

FreeSync対応ディスプレイがずらりと並ぶ


 いち早くFreeSync対応を宣言したSamsungは,「UE590」と「UE890」の2製品を披露している。どちらもサイズは28インチで,解像度も同じ4K解像度の液晶ディスプレイだが,UE890のほうがビデオ入力インタフェースが多かったり,スタンドに高さ調整機能が用意されていたりと,上位モデル的な存在となっている。
 液晶パネルの基本スペックは両製品共通となっており,駆動方式はAHVA,輝度は370cd/m2,コントラスト比は1000:1,中間調応答速度(GtG)1msで,視野角は左右170度,上下160度といった感じだ。垂直リフレッシュレートは最大75Hz対応

28インチサイズでAHVA方式の液晶パネルを採用する4K液晶ディスプレイである,UE590(左)とUE890(右)。どちらもFreeSyncにもちろん対応。ゲーム向けの画調モードも備える
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BenQ初のFreeSync対応ディスプレイは,27インチサイズで解像度2560×1440ドットのXL2730Zとなる
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 XLシリーズとRLシリーズのゲーマー向けディスプレイが好調なBenQは,CES 2015には直接出展していないため,AMDブースでFreeSync対応ディスプレイ「XL2730Z」を披露していた。画面サイズは27インチで,解像度は2560×1440ドット,液晶パネルはTN方式となる。
 XLシリーズということで,垂直リフレッシュレートは144Hzに対応。XLシリーズの新モデルは,高解像度化とFreeSync対応を同時に果たしたことになるわけで,これは要注目の製品となりそうだ。

 続いて,SamsungのライバルであるLGだが,同社は得意のアスペクト比21:9に対応した液晶ディスプレイをFreeSyncに対応させている。展示されたのは,29インチサイズの「29UM67」と34インチサイズの「34UM67」で,解像度はいずれも2560×1080ドット,採用する液晶パネルはIPS方式。垂直リフレッシュレートは最大75Hzとなる。

アスペクト比21:9,解像度2560×1080ドットで29インチサイズの29UM67(左)と,同じアスペクト&解像度比で34インチサイズの34UM67(右)
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 なお,AMDが日本時間の1月6日に発表したプレスリリースでは,ほかにもViewsonicとNixeusが対応製品を発売する予定とされていたが,少なくともAMDブースでは見つけられなかったので,この点はお断りしておきたい。


2015年中には20以上のディスプレイが

FreeSync対応として登場予定


 FreeSyncと対応製品についてAMDブースで説明してくれた同社のRobert Hallock氏によれば,これら5社が発表した7製品を含めて,2015年中に20製品以上のFreeSync対応ディスプレイが登場する見込みであるとのこと。対応製品の広がりには,かなりの自信があるようだった。

 そんなHallock氏に,1つ,気になっていたことを聞いてみることにした。それは,AMDが名付けたFreeSyncという名称と,VESAの規格として命名された「Adaptive-Sync」の位置づけだ,同じ技術に対して2つの名称があるのは,いたずらに混乱を招くだけではないだろうか?
 Hallock氏は答えていわく,「FreeSync対応と名乗り,ロゴマークが付いた製品は,AMDが検証を行って動作を確認したものです。一方,Adaptive-Sync対応を名乗るだけなら,VESAの規格どおりに製品を作ればいいので,AMDによる検証は必要ありません」とのこと。この点は,FreeSyncとAdaptive-Syncを区別するための情報として,押さえておきたいところだ。

 一方のG-SYNCでも,対応ディスプレイはすでに何製品も発売されているが,その仕様上,G-SYNCを実現するためのモジュールをディスプレイ側に搭載する必要があるため,販売価格はどうしても高くなってしまう。そのため……かどうか,G-SYNC対応ディスプレイが一気に市場シェアを獲得する流れは,まだ生まれていない印象だ。
 それどころか,BenQやViewsonicはCES 2014でG-SYNC対応製品を発表していたにも関わらず,今年はFreeSync対応製品を発表しており,今後はFreeSyncへ乗り換えていくかのような動きさえ見せている。

 SamsungやLG,そしてBenQという大手メーカーを引き込んだことで,FreeSyncはG-SYNCに追いつき,さらに追い越していくのではないか。そんな勢いを感じる,今回のCES 2015だった。

AMD公式Webサイト

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    FreeSync

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