インタビュー
[TGS 2013]PlayStation 4がインディーズタイトルを積極的に扱う理由とは? SCEのキーパーソンに,その真意と今後の展望などを聞いてみた
今回,4Gamerでは,こうしたPS4のインディーズタイトルの取り組みについて,SCEJA 戦略企画部 ジャパンビジネス企画課 兼 パブリッシャーリレーション部 ディベロッパー課 課長 多田浩二氏に話を聞いてみた。
またPS4でこうした取り組みを実現できるようになった理由の一つには,個人やチーム単位でネット配信を行えるようになったことも挙げられると,多田氏は続ける。現在はPS3やPS Vitaでも,ゲームをプレイするにあたってパッケージを購入するだけでなく,ネットを介してダウンロードするという手法も日常的になりつつあるが,そうなると独立系デベロッパは自社にマーケティングチームなど販売系の担当部署を持たずとも,PS Storeを使ったセルフパブリッシングでゲームを販売することが可能となるわけである。
多田氏は,現在のゲーム市場について,莫大な予算を投じたAAAタイトルやシリーズものなどのビッグネームと,作り手の個性が感じられるような小規模タイトルとの二極化が進んでいると表現。そこでPS4では,そうした小規模タイトルを市場に広めるべく,とくに海外のインディーズタイトルの配信に力を入れていくことにしたという。
また現在,インディーズタイトルはとくに欧米で盛り上がっているが,SCEJAでは日本国内の独立系デベロッパともコミュニケーションを図っており,国内インディーズシーンの活性化をサポートしていくとのことである。
さらに海外タイトルにおいては,ローカライズやレーティングなど日本で流通するうえでハードルになるような部分へも,順次対応していく。SCEJAでは,文化的に何かしら問題がありそうなものを除き,海外で配信されるPS4向けインディーズタイトルのほとんどを,日本でも配信していく予定だ。
さて今回,SCEJAブースにて試遊できるインディーズタイトルは3タイトルだ。以下にそれぞれを紹介していこう。
「Octodad」
プレイヤーがタコのOctdadを操作し,いかに人間らしく振舞うかを楽しむゲーム。主人公のOctdadはタコではあるが,周囲のNPCからは人間と見なされている。ゲームでは,NPCからさまざまなお題を出され,Octdadはそれをクリアしながらゲームを進めていくのだが,何せ軟体動物のタコなのでグニャグニャと予想だにしない動きとなってしまう。
結果,周囲にある椅子やテーブルなどを倒したり破壊したりすることになるのだが,あまり度が過ぎるとNPCから「コイツ,人間じゃないのでは?」と疑いの目を向けられて,ゲージが変動していく。疑いが最高潮に達するとゲームオーバーだが,見事お題をクリアすれば疑いも軽減される。プレイしている人だけでなく,見ている人もOctdadの意外な動きに思わず笑ってしまうというゲームである。
「Contrast」
プレイヤーが,心に闇を抱えた少女が作り上げた架空の女性に扮し,ストーリーを追っていくアクションアドベンチャー。舞台となる街のデザインは,1920年代のアメリカや,フィルム・ノワールの影響を受けたものになっており,退廃的な雰囲気が漂っている。
プレイヤーの操作する女性は,マップに設置されたライトを使ってさまざまなオブジェクトの“影”を動かし,特殊能力でその“影”に入り込むことで,仕掛けられたさまざまなギミックを解除し,ゲームを進行していく。E3 2013のプレイレポートでも取り上げているので,興味のある人はそちらもご一読を。
「Blacklight: Retribution」
Free to Playの対戦特化型FPS。ストーリーのあるキャンペーンモードは一切なく,シングルプレイモードでは,AIで動く敵と対戦することとなる。面白いのは壁の向こうにいる相手をも検出する索敵機能である。一般的なFPSであれば,敵に見つからないよう隠れて移動するところだが,このタイトルではむしろ敵のいるところを探し出し,積極的に交戦できるように仕向けているというわけだ。そういう意味でも対戦に特化した1本と言えそうである。
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