お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2024/12/30 11:10

レビュー

故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 2020年に登場したカートリッジ式のゲーム機,「EVERCADE」をご存じだろうか。カートリッジには,メーカーのタイトルを1本にまとめたもの,インディーゲームをセットにしたもの,アーケードや大昔のPCでしか遊べなかった貴重なタイトルなどがあり,プレイヤーのさまざまなニーズに応えている。

EVERCADE本体
画像集 No.001のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 USB接続で給電を行い,ゲームはどこでもセーブ可能。ただし,EVERCADEは日本国内で展開されていないため,メニュー画面に「日本語」の表記設定はないし,リリースされているゲームも英語版だ。カートリッジの中には日本でもリリースされているゲームを含む場合もあるが,それらも英語版を収録している。

EVERCADEのメニュー画面。スロットに挿したカートリッジの収録タイトルのアートワークが表示される
画像集 No.002のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

どこでも可能なセーブのスロットは,1タイトルにつき6つ(うち1つはクイックセーブ用)が用意されている
画像集 No.003のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 今年(2024年),発表直後から気になっていたEVERCADEを購入してみたので体験記をお送りしたい。


ほかにはないタイトルを遊べる貴重な手段


 筆者がEVERCADEを購入する決め手になったのは,「Duke Nukem Collection」の存在だった。「Duke Nukem Collection 1」「〜2」が2本同時にリリースされ,前者には「Duke Nukem: Remastered」「Duke Nukem II: Remastered」「Duke Nukem 3D: Total Meltdown」,後者には「Duke Nukem: Time to Kill」「Duke Nukem: Land of the Babes」「Duke Nukem Advance」がそれぞれ収録されている。

文庫本サイズのケースにEVERCADEのカートリッジ,紙の説明書が収まっている
画像集 No.004のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 日本でもリリースされた「Duke Nukem」シリーズは,「Duke Nukem 3D: Total Meltdown」のPS1版 / PC版 / Xbox Live Arcade版,「デューク ニューケム フォーエバー」のPS3 / Xbox 360版だけ。そのほかの作品は海外のみの展開だった。

延びに延びた開発期間は約14年という伝説を持つ「デューク ニューケム フォーエバー」。あまりにも発売されないため,タイトルの略称「DNF」にかけて「Do Not Finish」と揶揄されたことも。Xbox 360版はXboxの互換機能に対応しており,ディスク版があれば現行機でプレイ可能だ
画像集 No.005のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

オープニングの戦闘シーンはゲーム内の話だったという展開で始まる「デューク ニューケム フォーエバー」。「ゲームは面白かった?」と聞かれ,デュークが「ああ,14年もかけたんだから面白くて当然だ」とさっそくイジッていく
画像集 No.006のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 さて,「Duke Nukem Collection 1」の目玉となるのが,「Duke Nukem: Remastered」と「Duke Nukem II: Remastered」だ。シリーズの1,2作目であり,古いPC(いわゆるDOS/V機)で発売されたゲームなので,今からプレイ環境を用意するのは不可能に近い。そんなタイトルが遊べるというだけでもありがたいが,「Remastered」の名に恥じず,遊びやすく手が加えられているのも嬉しいところだ。

画像集 No.007のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.008のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記
初代「Duke Nukem」。グラフィックスに時代を感じる。初期はサイドビューのアクションゲームだった。「Remastered」ではステージクリア後にリザルト画面が表示されるようになった
画像集 No.009のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

「Duke Nukem 2」。デモ画面の映像レベルが上がり,デュークの頭身も少し上がった
画像集 No.010のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.011のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 「Duke Nukem: Time to Kill」と「Duke Nukem: Land of the Babes」はPS1用ソフト(日本未発売)だ。当時は多く見られた3Dアクションになっている。

 PS1時代はコントローラにスティックが標準装備ではなかったこともあり,視点変更の操作が定まっていない時期でもあった。やはりそのあたりの操作の煩雑さは気になるが,どこでもセーブ機能があるので,だいぶ遊びやすくなっている。

「Duke Nukem: Time to Kill」と「Duke Nukem: Land of the Babes」はゲームとしての目的が分かりにくく,操作の難しさも相まって,なかなかサクサクとは進められない
画像集 No.012のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.013のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 一方,「Duke Nukem Advance」はゲームボーイアドバンス用ソフトで,「Duke Nukem 3D」系のFPSに回帰している。携帯ゲーム機でありながら「Duke Nukem 3D」のテイストをほぼ再現しており,「ゲームボーイアドバンスで,ここまでできるのか!」と驚いてしまう。
 「Duke Nukem」はFPSにおける3D空間の「探索の楽しさ」を筆者に教えてくれた作品なので,そこを踏襲している「Duke Nukem Advance」は取っ付きやすい。

「Duke Nukem Advance」
画像集 No.014のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.015のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 「Duke Nukem Collection」の登場により,「Duke Nukem」シリーズの全作品を遊べるようになったわけではないが,初期の作品をひととおり収録しているのは大きい。
 もちろん「Duke Nukem」シリーズはマニアックな存在であり,あらゆるゲーマーにおすすめするものではないが,興味のある人には有意義な選択肢が出現したことは重要だと思う。

 さて,EVERCADEを購入した理由は「Duke Nukem」だけではない。ほかにもなかなか遊べないタイトルがいくつかあり,それらも筆者の背中を押した。
 まずは「Team 17 COLLECTION」。これにはAmiga向けにリリースされたタイトルが収録されており,「Alien Breed」シリーズ3作品を含む。

「Team 17 COLLECTION」
画像集 No.016のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 「Alien Breed」は現在,あまり見られなくなったトップダウンシューターの名作だ。Steamでリメイク版が配信されている。

 オリジナル版はGOG.comでも配信されているが,筆者の環境では動作がどうにも怪しい。ゲームを中断するときに画面が暗転したままデスクトップに戻れず,仕方なくPCを再起動するハメになったことも……。EVERCADEであればコントローラで遊べるうえ,説明書もあるので最低限の操作が分かるといったメリットがある。

真上からの視点で,異形のエイリアンを撃ちまくる。とてもシンプルなゲームだが,シンプルゆえの楽しさがある
画像集 No.017のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

紙の説明書により,基本的な操作方法が分かるのも助かる
画像集 No.018のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

「Kingpin」というボウリングのゲームも収録されている。かなり昔のゲームなのでスペックの制限も多かったはずだが,ボウリング場の環境音を再現するサウンドが素晴らしい。カーブもちゃんとかけられる
画像集 No.019のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

「Full Contact」は「イー・アル・カンフー」風の空手ゲーム。半裸の壮年男性同士が戦うというストイックすぎる絵面に加え,敵がクッソ強い。下段攻撃の連打でハメる以外の攻略法が見当たらない
画像集 No.020のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.021のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 次は「Intellivision Collection 2」。Intellivisionはファミコン以前の家庭用ゲーム機だ。日本でも販売されたらしいが,当時の筆者はまだ赤ん坊だったので,さすがに知らないし,現物を見たこともない。そんなハードのゲームを12タイトル収録している。

「Intellivision Collection 2」
画像集 No.022のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 そんな時代の産物なので,さすがにグラフィックスは超ウルトラクラシック。「昔のゲームが好き」という人の中でも,さらに人を選ぶだろう。

 筆者が購入した理由は,「TOWER OF DOOM」というゲームが気になったから。どうやらローグ系の雰囲気があり,実際にやってみないとよく分からないので買ってみた。

「TOWER OF DOOM」。踏破した箇所だけが表示され,敵のシンボルと接触すると戦闘シーンに移行する。後退すれば逃げられる
画像集 No.023のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.024のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

フロア内のどこかに階段があり,次のフロアへ進める。階段に一歩ずつ足跡が残る演出も
画像集 No.025のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.026のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 幸い,EVERCADE公式サイトにも少し解説があり,それによると中級レベル以降のダンジョンにはランダム要素が入ってくるようだ。

 Intellivisionのコントローラは変わった形をしていることもあり,最初は意味が分からない点も多かった。当然,ネットで攻略情報を探すのも難しいし,当時はどんな感じでプレイしていたのかを想像しながら遊んでみたが,いまだに全容はよく分かっていない。

「Intellivision Collection 2」にはカード状の簡易説明書(?)も同梱されている。これらのアイコンが何を意味するかは分かるが,実際に使ったらどうなるのかは自ら体験してみるしかない
画像集 No.027のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.028のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

画像集 No.029のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.030のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記
「MOTOCROSS」はタテとヨコのほかにナナメのドット絵も用意されているレースゲーム。ジャンプ台もあり,ハードスペックを考えると,かなりがんばっている印象を受ける。モトクロスというより,チャリに見えなくもない……
画像集 No.031のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 また,EVERCADEには本体の2つのスロットに特定のカートリッジを挿したり,本体のメニュー画面からシークレットコードを入力したりと,特定の条件でアンロックできるゲームもある。

 その中で気になっていたのが「Rogue 64」だ。Commodore 64向けに移植されたバージョンで,これが遊べる環境はなかなか用意できないだろう。

「Rogue 64」
画像集 No.032のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.033のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 2024年は早々に「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」が登場したが,7月には「Epyx Rogue」(Nintendo Switch)が配信され,ローグ系大好きっ子のあいだで話題となった。

Nintendo Switch版「Epyx Rogue」
画像集 No.034のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.035のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 「Epyx Rogue」はAmiga向けに移植されたバージョンで,Steamで配信されている「Rogue」とはまた一味違う。コントローラ操作に対応するため,画面にバーチャルパッドを表示し,スティックを倒した方向で文字入力に対応させるなど,なかなかの力技を行使したアレンジも見どころだ。

 少々脱線したが「ローグと名の付くものは片っ端からやりたいぜ」という人は,EVERCADEの「Rogue 64」も気になることだろう。

スティックを押し込むとバーチャルパッドが表示され,倒した方向に対応する行動ができる。昔のPCゲームはキーボード操作だったため,キーボードがないとプレイしにくい,もしくはプレイできないゲームも多いが,力ずくで解決している
画像集 No.036のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 本体を購入してからまだ日が浅いため,筆者が所有しているカートリッジは「Duke Nukem Collection」の2本,「Team 17 COLLECTION」「Intellivision Collection 2」。そして,本体に付属していた「TECHNOS ARCADE 1」「DATA EAST ARCADE 1」を加えた計6本となる。
 2025年以降はSNK作品のリリースも決定しており,ソフトラインナップは今後も楽しみだ。

関連記事

レトロゲームカートリッジ「EVERCADE」のBlaze Entertainment,SNKとパートナーシップを発表。NEOGEOライセンス製品を2025年に発売

レトロゲームカートリッジ「EVERCADE」のBlaze Entertainment,SNKとパートナーシップを発表。NEOGEOライセンス製品を2025年に発売

 レトロゲームやインディーゲームをカートリッジ化する「EVERCADE」を展開しているBlaze Entertainmentは,SNKとのパートナーシップを締結したと発表した。これにより,「NEOGEO」の歴史から公式ライセンスを受けたさまざまな製品を,2025年〜2026年にかけてリリースするとしている。

[2024/12/10 11:51]

「TECHNOS ARCADE 1」には「DOUBLE DRAGON II」など,テクノス製アーケードタイトルを8本収録。その中でも「Battle Lane Vol. 5」は初めて存在を知ったが,「バイクに乗った主人公が銃を撃ちながら,同じくバイクや車に乗った敵を倒していく」という内容がうまくシューティングゲームに落とし込まれている。「戦場の狼」風ではあるが,自機が「走行中のバイク」なのでスクロールの速度に説得力がある
画像集 No.037のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.038のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

「DATA EAST ARCADE 1」はデータイーストのアーケードタイトルが10本収録されている。同社の代表作「BURGER TIME」をはじめ,ゲームボーイ版がレアソフトとして有名な「TUMBLE POP」,ファンタジーRPGの世界でクォータービューのアクションが楽しめる「GATE OF DOOM」(邦題は「ダークシール」),2021年にアーケードアーカイブスで配信されるまではかなりレアタイトルだった「DARWIN 4078」など充実の内容
画像集 No.039のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.040のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記
画像集 No.041のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.042のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

「DATA EAST ARCADE 1」の収録タイトル「SLY SPY」(邦題は「シークレットエージェント」)。豊富なスパイアクションが楽しめる
画像集 No.043のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.044のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記
画像集 No.045のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.046のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記


クラシックなタイトルの復活は,

懐古ではなく歴史の伝承だ


 クラシックなタイトルと言えば,今年10月に「Killing Time: Resurrected」がリリースされた。原作の3DO用ソフト「Killing Time」(邦題は「閉ざされた館」)は,戦闘手段として「撃つ」ことはできるが,「探索」と「謎解き」が主体の一風変わったFPSだ。

「Killing Time: Resurrected」。国内ではXbox Series X|S / Xbox One版,Steam版が購入可能
画像集 No.047のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 筆者は3DOに思い入れがあるわけではないので,完全に新規タイトルとして楽しんでいる。どうにもマニアックなタイトルらしく,ネットの攻略情報は乏しい。海外のサイトを漁っては翻訳しながら進めているのだが,この過程がEVERCADEのゲームを遊ぶときに似て,「よく分からんゲームを積極的に遊ぼうとする楽しさ」がある。

ところどころに残留思念のようなものがあり,実写取り込みのイベントシーンがある。3DO版は日本語吹き替えだったが,「Killing Time: Resurrected」では英語音声/英語字幕のみ
画像集 No.048のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 同時期には「PO'ed: Definitive Edition」がセール対象になっていた。「そういや,PS1でやったな〜」と懐かしくなり,こちらも購入。当時,大人気だったわけでもないタイトルなのに「よく復刻させたなあ」と思っていたら,「Killing Time: Resurrected」と同じパブリッシャ(Nightdive Studios)と知り,筆者と波長が合うというかなんというか……苦笑いしてしまった。

「PO'ed: Definitive Edition」。こちらも国内ではXbox Series X|S / Xbox One版,Steam版を購入できる
画像集 No.049のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 各ステージをクリアするには,さまざまなギミックを解く必要があり,その解法はノーヒント。「Killing Time: Resurrected」と同様,探索と謎解きが主体だ。特定の壁の前でボタンを押すと隠し扉が開くなど,何も知らない状態だと根気を要する。こちらもマニアックなタイトルなので,手探り感がたまらない。

 ちなみに「PO'ed」は,宇宙船に侵入してきたエイリアンを退治するべく,宇宙船のコックがフライパンや包丁で戦うという設定のFPSだ。リアルな「ケツだけ星人」みたいな敵が強烈に記憶に残っていたが,微妙に解像度が高くなって元気に登場してくれたので安心した。

序盤から登場する超個性的な敵。ガス状のものを吹き出して攻撃するので,マジでケツなんだと思う
画像集 No.050のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.051のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 2024年もリマスター作品やリメイク作品が多数リリースされた。
 大規模なリメイクプロジェクトの第2弾「FINAL FANTASY VII REBIRTH」。見事に復活を遂げた「ロリポップチェーンソー RePOP」。現代の映像で美しく,恐ろしく蘇った「サイレントヒル2」。変えるべきところは変え,それでいて“らしさ”はまったく失われていない「ロマンシングサガ2 リベンジオブザセブン」。29年ぶり,初の復刻となる「クロックタワー・リワインド」。そして,直撃世代が待ちに待った「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(HD-2D版)」。筆者が今年購入したものだけでも,こんなにある。

今年もいろいろなリマスター作品,リメイク作品がありました……
画像集 No.052のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.053のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記
画像集 No.054のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.055のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記
画像集 No.056のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.057のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 近年,リマスター作品やリメイク作品が増えてきているが,「リマスター/リメイク商法」などと言われていた数年前とは状況が変わっていると感じる。一時代を築いたハードが次々と寿命を迎えつつあり,リマスターやリメイクが行われなければ,遊ぶ手段がどんどん消えてきているからだ。
 ROMカートリッジ機は比較的,経年劣化に強いものの,CD/DVD機はディスクを読み取れなくことが多い。筆者が所有するPS1,PS2,初代Xbox,ゲームキューブは寿命を迎えてしまった。

 先に挙げたものでは,「ロリポップチェーンソー」はPS3とXbox 360でしか遊べないタイトルだった。PS3とXbox 360なんて大昔というほどではないが,それぞれ発売から18年と19年が経過している。立派なクラシックハードだ。

画像集 No.058のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記 画像集 No.059のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記
「ロリポップチェーンソー RePOP」。Xbox 360版は実績コンプしたなーと懐かしみつつ,PS5版を購入。年末年始にプレイするつもりだ
画像集 No.060のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 筆者はリマスター/リメイクを「どんどんやってほしい派」だ。無数のゲームが発売される中,「当時は遊ばなかったタイトル」は誰しも多くあると思うが,後年になってプレイしようにも,その手段がなくなりつつある。
 多くの「もし出会えていれば,好きになったかもしれないゲーム」が存在したのに,気づかないうちに通り過ぎてしまったことだろう。リマスター作品やリメイク作品,そして復刻タイトルはそうしたゲームと出会えるセカンドチャンスでもある。筆者が子供のときに「Duke Nukem」と出会っても,興味を持たなかったと思う。年齢を重ねると好みは変わるものだ。

 こういう話をすると,昔のゲームにしか興味を持たない懐古主義者だと思われることもある。それは大きな間違いだ。昔のゲームが好きな人は,その大半が現代のゲームもプレイしている。しているからこそ,昔のゲームをプレイして比較してみたり,それによって「やっぱ,現代のゲームって進化してるんだな……」と再認識したりする。
 今年は「ELDEN RING」のDLCに悶絶しながらラスボスに心をブチ折られたり,「ステラーブレイド」のフォトモードに夢中になったりしていた。振り返ってみると,古いタイトルも新しいタイトルもまんべんなく楽しめた1年だったと感じる。

「ステラーブレイド」のフォトモードは可能性に満ちあふれすぎている。まだまだ遊び込まねば……
画像集 No.062のサムネイル画像 / 故きを温ねて新しきを知る――。クラシックな作品を愛するオトナのためのカートリッジ式ゲーム機「EVERCADE」体験記

 クラシックタイトルは,未プレイの人にとっては新作と同じだ。故きを温ねて新しきを知る。EVERCADEは,ゲーマーの温故知新の旅の一助となるだろう。

「EVERCADE」公式サイト

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:01月01日〜01月02日