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[闘会議2018]日本eスポーツ連合の会長と副会長が,団体設立とプロライセンス制度制定の趣旨を改めて説明したトークイベントをレポート
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印刷2018/02/10 20:39

イベント

[闘会議2018]日本eスポーツ連合の会長と副会長が,団体設立とプロライセンス制度制定の趣旨を改めて説明したトークイベントをレポート

 日本eスポーツ連合(以下,JeSU)は2018年2月10日,千葉・幕張メッセで開催中の「闘会議2018」でトークイベントを行った。イベントには,JeSU会長の岡村秀樹氏と副会長の浜村弘一氏が登壇し,プロゲーマーのライセンス制度を制定した目的や,今後の展望などを語った。

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JeSU 会長 岡村秀樹氏
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JeSU 副会長 浜村弘一氏

「日本eスポーツ連合」公式サイト

「闘会議2018」公式サイト


 最初の話題は,「プロゲーマーのライセンス制度」について。
 浜村氏によると,JeSUが発行するプロライセンスは3種類あり,1つは15歳以上かつ義務教育課程修了者を対象とする「ジャパン・eスポーツ・プロライセンス」で,もう1つは13歳以上15歳未満を対象とする「ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス」。そして最後は,法人格を持つチームを対象とする「チームライセンス」で,文字どおりチームで腕を競うタイトル向けのものとなる。浜村氏はジュニアライセンスについて,10代前半の反射神経や直感力に期待している述べた。

 次の話題は,「JeSUのプロライセンスを取得した選手が,プロライセンス認定大会以外の大会には出場できなくなるのか」,あるいは「これまでコミュニティが主催していた大会に,何らかの制約が課されるのではないか」というもの。
 浜村氏は「そうしたことはあり得ない」と否定し,「ライセンス制度を作ったのは,ゲームプレイヤーの活躍の場所を作るため。そして,その環境を整備するためであり,これまでのコミュニティを制限することはない。それらとは別の大会の場を作ることが,我々の目的」と断言。
 岡村会長も「IPホルダーから許諾を受けている従来のコミュニティをリスペクトし,コミュニケーションを大事にしていきたい。精神的なものも含めて,e-Sports全体をサポートしていきたい」と話した。

 続いては,「ライセンス認定タイトル」について。
 現在JeSUでは6タイトルのプロライセンスを発行しているが,浜村氏によると今後続々と増えていくという。JeSUが行った説明会には,海外の企業を含め30〜40社から問い合わせがあったそうだ。
 さらに岡村氏は,タイミング的に認定大会である闘会議2018に間に合わなかったIPホルダーがあることを指摘。それを受けて浜村氏は,「その中には,なんでこのタイトルがないんだろう? と皆さんがおそらく思っているであろうタイトルも含まれている」「プロライセンスの認知度が上がれば,e-Sportsに取り組みたいというIPホルダーは増えてくるはず」だと話した。

 ちなみに,タイトルの認定基準は「競技性が成立するゲーム」だが,必ずしも対戦である必要はなく,例えばタイムアタックで腕を競うものなども当てはまるという。岡村氏は「プロライセンス制度により土壌が整うと,e-Sportsに取り組んでみようかと,新たなタイトルを企画開発する企業が増える。今回の取り組みは,ゲーム業界全体の起爆剤になり得る」と期待を述べた。
 また浜村氏は,あるIPホルダーに,かつて人気のあった対戦ゲームをリメイクするつもりはないかと打診しているそうだ。

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 話題は,オリンピックに移った。e-Sportsは2022年に中国で開催されるアジア競技大会でメダル競技として採用されているが,オリンピックにもe-Sportsを,という気運が高まっているという。

 岡村氏は「オリンピックに正式種目として採用されるスポーツには,歴史の積み重ねがある。e-Sportsも,アジア競技大会などで採用されるなど競技実績が整うことで,国際オリンピック委員会(IOC)がチョイスする可能性が増える」「世界各国のe-Sports団体が,すでにIOCに働きかけている」とし,JeSUもe-Sportsがオリンピックの正式種目に採用されるよう,他国と連携していくと意気込みを見せた。
 当面の目標は,2018年にインドで開催されるアジア競技大会への日本代表選手派遣とのこと。

 とはいえ,そうした国際大会で採用されるタイトルが,日本のゲームであるとは限らない。岡村氏は「海外タイトルの選手育成も大事だが,国際大会に採用されるような日本のタイトルを作ることが重要」とし,e-Sportsでは,選手ばかりでなくIPホルダーも競い合わなければならないと指摘した。そして,「国際大会で選ばれて初めて,日本は“ゲーム大国”であるといえるのではないか」という見解を示した。
 また浜村氏も,「これからe-Sportsの取り組む企業やIPホルダーが増えていくのであれば,5年後10年後に日本のタイトルが席巻する時代が来てもおかしくない」と語った。

 今後のJeSUは,日本におけるe-Sports振興に向かって,先行する諸外国のキャッチアップを目指すという。具体的には,日本オリンピック委員会(JOC)への加盟を1つのステップとし,国際大会への日本代表選手派遣およびサポート,公式認定大会の定期開催,そして積極的な情報発信を行っていく予定だ。

 浜村氏は,「どんなにたくさんゲームが出ても,将棋界における藤井聡太さんのようなスター選手が出てこないと,世間の注目は集まらない」とし,改めて選手をサポートすることの重要性を説いた。
 さらに「ひょっとしたら,現役で活躍しているプロゲーマーの皆さんは,すでに海外で賞金を得たり,スポンサードされたりしており,JeSUのライセンスは不要かもしれない。しかし,その下の若い世代は,プロライセンス制度によって活躍の場が広がり,自分を輝かせる道を見つられけるかもしれない。そのためにも,JeSUのライセンスを利用してもらいたい」「JeSUが何をすればいいのか,何を望んでいるのか,もっと選手やコミュニティの皆さんと話し合いたい。もっと皆さんにとっての利用価値を高めたい」と述べた。

 続く話題は,「JeSUとして,e-Sportsのどんな新しい扉をこじ開けたいか?」というもの。
 岡村氏は「これまで申し上げたこと1つ1つが新しい扉」とし,「選手の皆さんをはじめ,いろんな人とコミュニケーションを取り,e-Sportsを世間に認知されるジャンルとして確立させること」「選手を育成すると同時に,大会を興行として成立させる環境を作っていくこと」を挙げた。
 浜村氏は,「これまでメディアとしてゲームのクリエイターに取材してきたが,選手やプレイヤーを取材対象とする時代がこれから来る。その扉を開けられたら,すごく嬉しい」と語った。

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 最後に岡村氏が「e-Sportsの確立には,皆さんの支援と理解が必須。選手育成などの趣旨をぜひ理解していただきたい」とコメントし,浜村氏は「選手の皆さんやIPホルダーと一緒に,団体を大きくしていきたい」と述べて,トークイベントを締めくくった。

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