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[SPIEL\'18]アナログゲーム見本市「SPIEL\'18」は,過去最大規模でドイツ・エッセンにて開催
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印刷2018/10/25 15:25

イベント

[SPIEL'18]アナログゲーム見本市「SPIEL'18」は,過去最大規模でドイツ・エッセンにて開催

 現地時間の2018年10月25日から28日までの4日間,ドイツ・エッセンにて,世界最大規模のボードゲーム見本市「Internationale Spieltage SPIEL'18」(以下,SPIEL'18)が開催される。

会場となるエッセン・メッセ
画像集 No.001のサムネイル画像 / [SPIEL'18]アナログゲーム見本市「SPIEL'18」は,過去最大規模でドイツ・エッセンにて開催

 ボードゲームやカードゲームといったいわゆるアナログゲームはいまや世界的な盛り上がりを見せているだけでなく,デジタル・アナログの垣根も越えた人気を博しつつある。
 例えばアナログゲームを楽しむ様子が有名な実況者によってストリーム放送されることも珍しくないし,最近人気のバーチャルユーチューバーも「人狼」のようなアナログゲームに興じるようなシーンはしばしば見られる。
 もはやアナログゲームは「アナログゲームが全世界的に流行っている」という範囲を越えて,「エンターテイメントコンテンツとして広く認識されている」と言うべきだろう。

会場は目下絶賛設営中
画像集 No.002のサムネイル画像 / [SPIEL'18]アナログゲーム見本市「SPIEL'18」は,過去最大規模でドイツ・エッセンにて開催 画像集 No.003のサムネイル画像 / [SPIEL'18]アナログゲーム見本市「SPIEL'18」は,過去最大規模でドイツ・エッセンにて開催

 世界最大規模のボードゲーム見本市であるSPIELにおいても,この盛り上がりははっきりと現れている。
 SPIEL'18の出展者数は50か国から1150ブース(昨年は1100ブース)となり,これに伴い会場となるエッセンメッセの8万平方メートルがSPIEL'18で利用される形になっている(昨年は7万2000平方メートル)。そろそろ歩いて回るだけでも疲れ果てる広さだ。
 昨年はのべ18万人以上がSPIEL’17を訪れたが,今年はさらなる増加が見込まれている。それを迎える側も1400の新作を用意しており,まさに「アナログゲームのお祭り」と呼ぶに相応しい巨大イベントといえる。


過去の試みの成功と,新しい挑戦


 毎年のようにとてもユニークなゲームが発表されているSPIELだが,開幕日の前日(10月24日)に行われたプレスカンファレンスによると,年ごとの大きな流れというものもあるようだ。以下,簡単にまとめてみよう。

・協力型ゲームの発展
 「パンデミック」からこのかた,プレイヤー全員で協力して目的を達するという「協力型(Co-op型)」のゲームは安定して増えている。だが協力型ゲームにはデザイン上のさまざまな問題があり,より根底的な疑問として「それってPCのオンラインゲームとして遊べたほうが良くない? むしろ便利じゃない?」といった論点もあり得る。
 一方,協力型ゲームの可能性を探る試みは続いており,SPIEL'18でも新しい挑戦が多数行われているようだ。

・「LEGACY」スタイルの定着
 従来,アナログゲームは「同じゲームをずっと遊び続けられる」のが大きな特徴となってきた。しかしながら,プレイを通じてカードを破ったり,ボードにシールを張ったりするなどして,ゲームのコンポーネントに不可逆的な改変を加えつつ,複数の「シナリオ」を遊んでいくスタイルのゲーム(俗に「LEGACY」スタイルと呼ばれる)も増えている。
 かつては物珍しさで注目を集めたスタイルだが,現在ではもう「そういうスタイルのゲーム」として定着しようとしているのだ。ちなみに,毎年開催されているゲーム開発者会議「GDC」でのボードゲーム講演では,LEGACY系のゲームデザインに関する講演が多い。

・プレイ層の拡大
 PCゲームがカジュアルプレイヤーをどんどん取り込んでいったように,アナログゲームもまたさまざまな年齢・ライフスタイル・プレイスタイルのプレイヤーを獲得していっている。このため,より幅広いプレイヤー(あるいはプレイされる状況)が想定されたゲームが着実に増えている。

前日に開催されるプレス向け内覧会も大盛況
画像集 No.006のサムネイル画像 / [SPIEL'18]アナログゲーム見本市「SPIEL'18」は,過去最大規模でドイツ・エッセンにて開催


「AZUL」強し! ドイツゲーム大賞と年間ゲーム大賞をダブル受賞


 最後に,SPIELといえば“ゲーマーが選ぶアナログゲーム賞”である「ドイツゲーム大賞」の発表も重要なイベントだ。
 今年のラインナップは以下のようになっている。

順位 タイトル デザイナー メーカー
大賞 AZUL(邦題:アズール) Michael Kiesling Next Move / Vertrieb Pegasus Spiele
2 GAIA PROJECT(邦題:テラミスティカ:ガイアプロジェクト) Helge Ostertag, Jens Drögemüller Feuerland Spiele)
3 RAJAS OF THE GANGES(邦題:ガンジスの藩王) Inka, Markus Brand HUCH!
4 CLANS OF CALEDONIA(邦題:クランズ・オブ・カレドニア) Juma Al-JouJou Karma Games
5 HEAVEN & ALE(邦題:ヘヴン&エール) Michael Kiesling, Andreas Schmidt eggertspiele + Pegasus Spiele
6 PANDEMIC LEGACY SEASON 2(邦題:パンデミック:レガシー シーズン2) Matt Leacock, Rob Daviau Z-Man Games / Vertrieb Asmodée
7 KLONG! Paul Dennen Schwerkraft-Verlag
8 DIE QUACKSALBER VON QUEDLINBURG(邦題:クアックザルバー) Wolfgang Warsch Schmidt Spiele
9 THE MIND(邦題:ザ・マインド) Wolfgang Warsch Nürnberger-Spielkarten-Verlag
10 ALTIPLANO(邦題:アルティプラーノ ) Reiner Stockhausen dlp games

○子供向け部門受賞作品
MEMOARRR!(邦題:メモアァール!)
デザイナー:Carlo Bortolini
メーカー:Edition Spielwiese + Pegasus Spiele

 大賞をとった「AZUL」は,評論家によって選ばれるドイツ年間ゲーム大賞にも選ばれており,ダブル受賞となる圧倒的な強さを見せた。実際,このダブル受賞に異議を唱えるゲーマーは少ないのではないだろうか。

プレス向け内覧会でも「AZUL」は大きなブースを作っていた
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 また,ドイツゲーム大賞にノミネートされた10作品のうち,実に9作品が公式に日本語化されていることにも注目したい。優れたゲームを,そのゲームが出版されてからそう待たずに日本語で楽しめる環境が作られているということは,ゲーマーにとってとてもありがたい限りである。
 そんなわけで,今年も4GamerではSPIELの模様を現地からお伝えしていく。参加者全員が思わず沈思黙考にふけってしまう大作から,家族や友達と一緒にワイワイ遊べる作品まで,なるべく幅広く紹介していく予定なので,注目してほしい。


プレス向け展示より


 プレスカンファレンス終了後には,プレス向けの展示会も行われた。ここからは,展示作品の中でもとくに異彩を放っていたり,興味深かったりした作品をいくつかピックアップしていこう。
 なお話を聞いたインストラクターが必ずしもルールに精通しているとは限らないという,おおらかな内覧会なため,キャプションと実際のゲーム内容が食い違う可能性があることはご了承頂きたい。

HABAの新作は,どうもエレメカっぽい雰囲気
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見るからに分かりやすく,面白そうなゲーム
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天秤系のゲームはこれまでもあったが,これはちょっとルールが違いそう
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パラシュート降下中に編隊を組むゲーム
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「マジックメイズ」の子供向けバージョン
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タブレット端末を併用するゲームはあちこちで見られた
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「軍記物」。これに限らず日本がテーマとなるゲームも多い。筆者が見た範囲では「四国」と「北海道」があった。「九州」が待たれる
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花火が嫌いな人はおらず,猫が嫌いな人もいない。猫の花火師が嫌いな人も当然いないだろう
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ゴルフコースをデザインし,複数人でプレイできるゲーム。自分でレベルデザインできるゲームも毎年散見される
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ポーランドとドイツの間で起きた歴史的な事件を学べるシリアスゲーム「TEXTURA」
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「This War of MIne」ボードゲームの拡張セットが発表されている
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「Europa Unversalis」のボードゲーム。もともとボードゲームだが,それとは異なる作品。ベースはEU4とのこと。一見シンプルにまとまっているが,プレイ時間の欄に「90分以上」と堂々と書いてあるのが印象的
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これに限らず「脱出」もまた安定感のあるテーマとなってきた
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ダンジョンのフロアプランを作成できるアプリ。類似アプリは多いが,多くて困ることもないだろう
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「いかにもボードゲーム」といった風情のコンポーネント
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プレスカンファレンスでもバカウケだったトイレ系ゲーム。人類普遍のテーマですから当然ですね
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救急救命がテーマの作品。見るからに面白そう
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「TUKUYUMI」は無事リリースされ,あちこちで展示されていた
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そこはかとなく絶望感が漂う,ローマ時代を舞台にした「パンデミック」
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コンポーネントが楽しいというのは大事なこと
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Blue Orangeの新作のひとつは,クニーツィアがデザイン
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もうひとつのBlue Orangeの新作,PLANET。12面体にマグネットで地形を貼り付けていく模様。楽しいに決まってるでしょこんなの
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非常に凝ったブース
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脱出ボードゲーム「EXIT」にも子供向け版が
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インスタグラムの使用が前提になったボードゲーム。ゲーマー以外を狙いましたと言わんばかりのデザイン
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こちらもクニーツィアがデザイン。紫禁城がテーマだが,そこはかとなくカルカソンヌな匂いがする
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とにかく「巨大」のひとこと。日本の住環境にはフィットしないが,とはいえ「メガ・シビライゼーション」のような例もあるので油断は禁物
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UBOATを扱った協力型ゲーム。昨年も出展されていたが,これが完成版とのこと。ミニチュアの精度がすごい
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「ソヴィエトの不味い飯を作ろう」ゲーム。こちらもタブレットを併用する
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「オーク・リンピック」。ゲームとしてはドラフト系のカードゲームだが,名前で勝利していると思う
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カードスタンドの使い方が秀逸なゲーム。確かに孔雀っぽい
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