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入学したての学生がTGSにVRゲームを出展。バンタンゲームアカデミーに通う学生のリアルな声を聞いてきた
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印刷2019/12/13 12:00

インタビュー

入学したての学生がTGSにVRゲームを出展。バンタンゲームアカデミーに通う学生のリアルな声を聞いてきた

 東京ゲームショウ(以下,TGS)には毎年ゲームスクールコーナーが設けられており,そこでは大学や専門学校の学生たちが制作した個性的なゲームが展示されている。最近はVR機器や最新デバイスを使った,学生だからこそできる挑戦的な作品も多く見られるようになってきた。

 例年,ゲームスクールコーナーを散策して,面白い作品を探しているのだが,今年は「触感デバイス×VRホラー」を謳う,バンタンゲームアカデミー(以下,バンタン)の「いちまつののろい」という作品に出会った。ときおり話題になるものの,なかなかゲームで実用化が見られない触感デバイスをホラーゲームに利用するというのが面白い。

 「いちまつののろい」は廃校の教室を舞台に,懐中電灯を手に取り,次々に起こる怪奇現象を視覚と触覚で体感する,お化け屋敷のようなホラーゲームだ。exiii社の最新デバイス「EXOS」を利用することにより,懐中電灯を持ったり,机に触れたりすると「触っている」感覚がデバイスを通じて表現される。逆に「触られている」感覚も表現できるので,ここをホラーゲームに……というわけだ。

「いちまつののろい」ゲーム画面
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EXOSは手首に着ける触覚デバイス。手首の掌背屈(前後方向)と橈尺屈(左右方向)の二方向へ力を加えることで物に触れた感覚を表現する
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 体験後,制作した学生さんに話を聞いてみると「これ2か月ぐらいで作ったんです」とか「ディレクターは1年生です」とか,「EXOSって実はゲーム用デバイスじゃないんですよ」とか,気になる話が続々と出てくる。何よりイキイキと話す学生の熱意に魅了され,もっと詳しい話を聞いてみたくなった。

 後日取材を申し込んだところ,快く承諾していただけたので,中目黒にあるバンタンゲームアカデミー東京校にて「いちまつののろい」を作った学生チームにインタビューを行った。ゲームの専門校生に話を聞ける珍しい機会でもあるので,ゲーム開発に関する話のほかに,「どうしてこの学校に入ったの?」「親に反対されなかった?」といった,誰もが気になる突っ込んだ質問もしてみたので,最近の学生さんはどのような生活を送っているのか気になった人はぜひ読んでほしい。

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「出展前日まで開発してました」
TGSに出展する学生たちの苦労を聞いた


 今回インタビューするにあたって,最も気になっていたのが「なぜTGSという大舞台に,“入学したての学生が2か月ぐらいで作ったゲーム”を出展するのか」という部分だ。結果論ではあるが,ふつうに考えればできなくて当たり前そうだが。これはバンタン側が決めることらしいので,スタッフから説明してもらった。

 入学したての学生を起用するのは,そもそも学部が2年制()で,開発期間が就職活動にかぶってしまうためだという。とは言っても1年生はディレクターなど一部のメンバーのみで,3年制の学部の2年生もいる。
※ゲームプランナー専攻やサウンドクリエイター専攻など,専攻コースは2年制。ゲームプログラム総合やゲームグラフィック総合などの総合学科は3年制となっている

 そして,約2か月と言う短い開発期間は,あえてそう設定しているとのことだ。学生たちのモチベーション維持を重視し,開発が間に合わなければ,人員を追加するなどの対応を取るそうだ。

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画像集 No.015のサムネイル画像 / 入学したての学生がTGSにVRゲームを出展。バンタンゲームアカデミーに通う学生のリアルな声を聞いてきた 画像集 No.016のサムネイル画像 / 入学したての学生がTGSにVRゲームを出展。バンタンゲームアカデミーに通う学生のリアルな声を聞いてきた

 TGSへの参加は強制ではなく,プランナー専攻の学生は企画コンペで勝ち残らなければそもそも参加できない。ちなみに今年は16作品がノミネートされ,そこから2作品が選ばれた。プランナー以外の開発メンバーについては,バンタン側から能力の高さはもちろん,コミュニケーション能力や,授業の出席率などを見て選抜されている。つまり,今回インタビューを受けるのは,とりわけ優秀で真面目な学生たちということになる。

 さて,ここからが本題だ。今回インタビューさせてもらったのは「いちまつののろい」開発チームの代表者5人。開発チームは全体で11人で構成され,そのうちディレクターの岩瀬さんとサウンドクリエイターの野澤さんが1年生である。

開発チーム代表者
ディレクター:岩瀬光平さん
プランナー:宮﨑 葵さん
プログラマー:鈴木俊之さん
3Dデザイナー:鷲巣 研さん
サウンドクリエーター:野澤凌介さん

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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。ディレクターの岩瀬さんはまだ1年生と聞きましたが,自分が作ったゲームをTGSに出展すると思っていましたか。

ディレクター:岩瀬光平さん
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岩瀬さん(ディレクター):
 入学して2か月ぐらいの時に,プランナー専攻のクラス向けに「EXOS」を使ったVR企画を考えるというコンペがあったんです。それに興味本位で出してみたんですが,まさか選ばれるなんて,思ってもいませんでした。

4Gamer:
 かなり短期間で開発されていますよね。授業の時間をどのくらい作業に使えるのでしょうか。

岩瀬さん:
 いいえ,授業の時間は使っていません。メンバーが集まるのも週1回で,基本的には各自で作業を進めていきました。あとは定期的にチェック会が開かれるので,その時に状況を報告してアドバイスを受けるという形です。

4Gamer:
 常にメンバーが集まって作業しているイメージでした。意外ですね。

岩瀬さん:
 週1というのは我々のチームで決めた回数であって,バンタン側は必要なら開発に時間を充てると言ってくれていました。それ以外は授業の合間とか,自宅に持ち帰っての作業が多かったです。

4Gamer:
 その話を聞いていると,一番大変なのはプログラマーだと思いますが……。

プログラマー:鈴木俊之さん
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鈴木さん(プログラマー):
 めっちゃ大変でした。バイトもあるので,基本的には深夜に自宅で作業してました。プログラマーは2人いるので,連絡を取り合い,画面共有なんかもして,1日に3,4時間を使ってプログラムを書いてましたね。

宮﨑さん(プランナー):
 大半の時間を「EXOS」のプログラミングに持っていかれていましたし,とくに開発終盤は見ていて本当にしんどそうでした。

鈴木さん:
 TGSまでの1週間は,毎日8時間とか9時間ぐらいやっていたので……。

4Gamer:
 EXOSのプログラムは独学なんですか? それとも,メーカー(exiii)さんから教えてもらえたのでしょうか?

鈴木さん:
 exiiiさんから教えてもらいながら進めました。と言っても,EXOSってそもそもゲーム用のデバイスではないので,「こう書けばこう動くよ」っていうサンプルみたいな物をもらって,そこからソースコードの解析をして,自分でゲームに落とし込んでいく,といった感じです。

4Gamer:
 それは1から勉強するのと変わらないのでは……。

鈴木さん:
 でも,サンプルをもらってますし,exiiiさんにもけっこう質問することができましたから。

宮﨑さん:
 今回exiiiさんと一番密に関わったのはプログラマーの2人ですね。

4Gamer:
 たしか会場の展示パネルにはexiiiさんからのコメントも載っていましたよね。実際にメーカーの人には遊んでもらいましたか。

プランナー:宮﨑 葵さん
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宮﨑さん:
 はい。準備期間中に遊んでもらって,「ああ,こんな使い方もできるんだ」って,けっこう驚いてもらえたと思います。今回は僕たちも良い経験をさせてもらいましたし,exiiiさんも何か新しい発見につながったなら良かったなと思います。

4Gamer:
 win-winな関係って感じなんですね。先ほどTGS直前は1日8時間くらい作業したとおっしゃっていましたが,最終的にゲームが完成したのはいつでした?


岩瀬さん:
 完成したというか,無理やり完成させたというか(苦笑)。

鈴木さん:
 本当にギリギリまで開発してました。作り終わったのは前日くらい?

宮﨑さん:
 しかも直前で仕様変更したよね(笑)。

4Gamer:
 想像はしていましたが,やっぱり大変だったんですね……。作業を進める中で意見がぶつかることもあると思いますが,例えば喧嘩のようになることはなかったですか?

岩瀬さん:
 いやいや,喧嘩とかする暇ないですよ。本当に時間がないので。

宮﨑さん:
 意見がぶつかったら,とにかくどちらか選んで進めようって感じでした。

4Gamer:
 では,その限られた時間の中で,こだわった点を教えてください。

岩瀬さん:
 こだわったポイントと言いますか,今回のコンセプトがホラー空間と触感デバイスで「恐怖が触ってくる」という表現をすることでした。ビジュアルも大事ですし,VRって360度好きなところを見られるので,音やデバイスを使ってプレイヤーの視線を誘導してあげることに力を入れました。

サウンドクリエーター:野澤凌介さん
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野澤さん(サウンドクリエイター):
 岩瀬さんから論理的に説明してもらったので,狙いそのものは共有しやすかったです。ただ,最初は「現実的な音」を要求されたんですが,ホラーって全部が現実の音だけで表現できるわけじゃないんですよね。例えば,いちまつ人形が出てくる時の音とか現実ではあり得ない音ですし。サウンドでは現実的な音と,そうでない音の融合と言うか,違和感がないリアルさを追求しました。

宮﨑さん:
 TGSの会場だと周りの音が大きいので,若干聞こえにくかったのが残念でした。

4Gamer:
 ああ,そうでしたね。でも音が鳴ったら思わずビクッとして辺りを見回すことがあったので,そこは狙い通りなのかなと思いました。空間作りも重要視されているようですが,かなり古めかしい学校だったのが気になりました。たぶん,みなさんが通っていた学校よりも古いですよね。

岩瀬さん:
 そこは「ホラーと言えば」みたいな感じで,「学校の怪談」とかをイメージしました。学校は古い方がやっぱりちょっと怖いかなと。

3Dデザイナー:鷲巣 研さん
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鷲巣さん(3Dデザイナー):
 僕が背景を担当したんですが,木造の校舎を見たことがなかったんですよね……(苦笑)。

4Gamer:
 じゃあ実際に古い学校を見に行ったり?

鷲巣さん:
 さすがにそこまでする時間はありませんでした。ネットで写真を探して,あとは使ってたらすり減ったり,色が変わっていくだろうと思った部分の使用感を出すのにこだわりました。

宮﨑さん:
 TGS会場の飾りつけとかも結構こだわってて,僕もそこで初めて昔ながらの木製の椅子を見ました(笑)。

4Gamer:
 そういえば順番待ちの椅子が学校にありそうなものでしたね。あれも開発チームでこだわった点ですか。

岩瀬さん:
 さすがにブースのデザインはバンタン側です。私たちからは「舞台が学校の教室なので,それを再現したい」という要望を出しています。

宮﨑さん:
 本物の市松人形もわざわざ用意してもらいました。海外の方にかなり注目してもらえたようなので,用意して良かったなぁと思いましたね。

TGSのために用意した市松人形。会場では多くの人が写真を撮っていた
画像集 No.012のサムネイル画像 / 入学したての学生がTGSにVRゲームを出展。バンタンゲームアカデミーに通う学生のリアルな声を聞いてきた

4Gamer:
 私が体験した時も,後ろに海外メディアさんが並んでいました。その時で20分待ちぐらいでした。TGS期間中はどれぐらいの人に遊んでもらいましたか?

宮﨑さん:
 ありがたいことに,本当に多くの人に遊んでもらいました。平均的に20分待ちぐらいで,多い時は40分待ちぐらいの状態で,常にお客さんが並んでいました。

4Gamer:
 おそらく皆さんにとって,自分の作ったゲームを一般の人に遊んでもらうのは初めてですよね。どうでしたか。

岩瀬さん:
 すごく嬉しかったっていうのもあるんですが,反応が気になっちゃって心労が……。

宮﨑さん:
 僕はプログラマーの2人がうなされているところを見ながら仕様書を送ったりしていたので,制作中の方が心労がすごかったんですけど(笑)。当日遊んでもらった方がこちらの予想通りのリアクションを取ってくれると嬉しかったですね。あとは,ホラーゲームに耐性ありそうなお客様とかが,最後のシーンでビクッとして若干ニヤけながら帰っていく時とか,やったぞ! って思いました。

ゲーム専門校に入るため,親や先生の反対を押し切った


4Gamer:
 ありがとうございます。ここからは少し,皆さん自身のお話を聞かせてください。まず,ゲームの専門校に入学された理由から。今って専門校に入らなくても,ネットで知識を得られるし,ゲームエンジンも無料のものがあって,実際にはほぼ1人でゲーム開発をしている人もいます。専門学校だけでなく,選択肢はいくつもあったと思いますが。

岩瀬さん:
 私はここに入る前,公務員としてしばらく働いていました。ただずーっと仕事に縛られていて,このまま働き続けても面白くなくて。

4Gamer:
 公務員とゲームクリエイターってある意味,対極の職業かもしれませんよね。

岩瀬さん:
 そうですね。ただ,ゲーム業界って転職で入るのは厳しいと聞いていたので,だったら専門学校に入って,そこからゲーム業界を目指そうと考えました。

野澤さん:
 僕も田舎の専門学校を出て,その後1回就職しています。ただ,自分のキャリアを1度調整したいなと思ってこの専門校に入りました。講師の方がプロなので,音楽理論とかでも,教科書に載っているような事じゃなくて,生の情報に色々と触れられるのが良いなと思ったんです。

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鈴木さん:
 私も普通の大学を出た後にここに入学しました。ゲーム作りは大学に通っている時から独学でやっていたんですが,やっぱり講師の方に実際に聞いたり,一緒にゲームを作ってくれる仲間に会えたのが大きい。自分のモチベーションアップにもつながりますし,仲間同士で支え合うことって大事だと思います。

4Gamer:
 やっぱり1人でやるより良いものですか。

鈴木さん:
 そうですね。ただ,ちょっと仲良くなりすぎた気もしますけど(笑)。持っている知識を共有して,切磋琢磨していく感じが,やっていてすごい楽しいです。

4Gamer:
 「ゲームの専門学校」というと人によって印象はさまざまだと思いますが,入学する時に親から反対されたりはしませんでしたか。

岩瀬さん:
 私は自分で働いて貯めたお金で入学したので,親からは何も言われませんでしたが,あまり良い顔はされなかったです。ただ,TGSに出展したり,賞を取ったりすることができたので,ちょっとは受け入れてもらえたかなと思います。

野澤さん:
 うちの両親はゲーム好きなので,理解はあったんですが,それでも仕事を辞めて専門学校に入るとなるとやっぱり反対されましたね。

鈴木さん:
 うちの両親も良い顔はしなかったですね。ただ,私も自分のお金で通うことにしていましたし,プログラマーってゲーム以外の道もあるからって親を説得しました。セカンドプランの説明がけっこう効果的だったみたいで,それなら良いと言ってくれました。

4Gamer:
 説得に時間はかかりませんでしたか。

鈴木さん:
 大学に通っている時から「卒業後は専門学校に行きたい」って話をしていたので,実質2年ぐらいですね。

鷲巣さん:
 僕の場合,一番反対されたのは学校の先生です。

4Gamer:
 高校の担任の先生ですか。

鷲巣さん:
 そうです。高校の成績はそんなに悪くなかったので,良い大学に行けるとずっと言われていて,専門学校に行きたい理由を説明しても少しも聞いてもらえなかったんです。志望理由を書いた書類を提出するときに,もうこの先生に出す意味はないと思って,校長先生に直接持っていったぐらいですから。

4Gamer:
 それはすごい(笑)

鷲巣さん:
 それで校長先生が担任の先生に話をしてくれたらしく,学校からAO入試を受ける許可をもらえました。

宮﨑さん:
 僕は勝手にAO入試を受けて,先生に受かりましたって事後報告しましたね(笑)。僕も高校の先生にすごく反対されたというか,ゲームの専門学校に行きたいと言ったら笑われたんです。それが頭に来たので,勝手にAO入試を受けて,合格したからこの学校行きますって後から伝えました。

4Gamer:
 みんな尖っているというか,向こう見ずというか……。それでは最後になりますが,卒業後どういうクリエイターになりたいか教えてください。

岩瀬さん:
 私は企画と世界観設定,シナリオの3つに興味があるので,それが出来るようなメーカーに就職できればと考えてます。

鈴木さん:
 私は目標の1つがTGSに出ることだったんですが,それがもう出来てしまったのでなんだか燃え尽きた感がありますね(笑)。これから先は,どこの会社に行っても人が求める人材になれるよう,自分を磨きたいと思っています。

鷲巣さん:
 僕は仮想現実,VR,ARとかが好きで,卒業した後何年かかってもいいので,自分が生きている間にそういったゲームの開発に携われたら良いなと思っています。

野澤さん:
 音楽って本当に学ぶことが膨大なので,在学中に全てを学べるとは思ってません。なのでこの先も勉強を続けながら,サウンドディレクターを目指したいです。コミュニケーション能力にも自信があるので,みんなをまとめるような立場の仕事に就ければとも思っています。

4Gamer:
 皆さんの今後の活躍に期待しています。本日はありがとうございました。

 今回TGSに出展したことで,ディレクターの岩瀬さんは「考えを人に伝える難しさ,そしてそれを他のメンバーに創ってもらう事の尊さを学びました」と話してくれた。プランナーの宮崎さんも「部署間でのコミュニケーションの取り方を学びました。自分のイメージを複数人に伝える際,相違が無いように話すことが非常に重要だった」と話しており,実践的かつ,これほど短期間でのカリキュラムだからこその学びを得たそうだ。

 インタビューをする前から「2か月で作っているのだから,さぞ大変だろう」と思っていたが,学生たちの努力は予想をはるかに超えるものだった。しかし,話を聞いてみるとそれを可能にするモチベーションの高さにも納得できた。仕事を辞めたり,周りの反対を押し切ってまでこの学校に入った面々だから成し得たことだと思う。今回のTGS出展という経験は,ここから先に向かった時にきっと大きな武器になるだろう。

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バンタンゲームアカデミー TGS特設サイト

バンタンゲームアカデミー 公式サイト

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