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「サイレントヒル」シリーズの世界観をベースにした「SILENT HILL: Ascension」初回配信は明日10時から。事前デモセッションレポート
開幕を目前に控える10月30日,同作を手がけるGenvid TechnologiesのCEO,Jacob Navok氏によるデモセッションが行われた。
「SILENT HILL: Ascension」公式サイト
コミュニティの選択により,物語は変化していく
KONAMIが1999年から展開する「サイレントヒル」シリーズは,静かで精神的な恐怖が特徴の名作ホラーゲームだ。同シリーズをベースにして,Genvid Entertainmentとコナミデジタルエンタテインメントが共同開発を行うインタラクティブストリーミングシリーズ,それが「Silent Hill: Ascension」である。
世界中にいる主人公のもとにクリーチャーが忍び寄り,主人公のみならず,その家族や街全体までも恐怖に呑み込んでいく――。11月1日にサービスがスタートし,iOS / Androidの無料アプリに加え,公式サイトにアクセスすればブラウザでも物語に参加できる。
同作はゲームでも映画でもなく,主人公たちの運命に視聴者が投票形式で介入できる。いわば「インタラクティブ性を持つTVドラマ」といったところか。ライブ配信とポイント制度,ミニゲームの組み合わせにより,TVドラマの視聴者とゲームのプレイヤーをミックスしたような独特の体験を楽しめる。
ライブ配信は毎日10:00(11月6日以降は11:00)にスタートし,1回の所要時間は45分前後。視聴時には物語の要所で選択肢が表示される。
例えば,2人のキャラクターが謎めいた儀式をしていると不気味なクリーチャーが出現し,「儀式を終わらせる」「逃げる」「慈悲を乞う」といった選択肢が表示される。視聴者はここから選ぶことで,主人公がどういった行動を取るかを決めて,その後の物語が変化していくのだ。
アドベンチャーゲームや懐かしいゲームブックに近い形式だが,多人数参加コンテンツならではの仕掛けがある。
多人数の視聴者が参加しているのであれば,選択肢はどのように選ばれるのか。その答えは「ライブ配信の視聴者が任意の選択肢に投票し,最も多くポイントが集まったものが選ばれる」というものだ。
投票には視聴者が持っている「IP(インフルエンス・ポイント)」を使う。たくさんのIPを注ぎ込めば選ばれやすくなり,「集会」機能を使って,ほかの視聴者たちに投票を呼びかけることも可能だ。チャットやスタンプを使って視聴者同士のコミュニケーションも図れるので,話し合いながら選択肢を考えるようなこともあるかもしれない。
投票により選択肢が決まると,物語はこれに応じて変化する。あとから選択肢を変更したり,リセットボタンを押したりするようなことはできない。
また,ライブ配信ではキャラクターの運命を変える「アクションシーン」が展開される。視聴者はQTEを思わせるミニゲームに挑戦し,その結果によっては主人公が死亡することもあるという(もちろん,その後は登場しなくなる)。
選択肢やアクションシーンの結果によって,「贖罪」「苦悩」「破滅」のうち,どの結末に向かう
のかを示す「運命」,そして精神状態を表す「希望」といった主人公のパラメータも変化していく。中でも希望は,主人公が重要な局面を生き延びるには十分な数値が必要になるそうだ。
IPの使い道は選択肢だけではない。IPを使えば「カメオ・コンテスト」のチケットを入手できる。これは自分のアバターが物語に出演できるチャンスだ。複数のシーンに台詞がある役で登場する「出演」,台詞はあるが1シーンの登場になる「ゲスト出演」,そしてクリーチャーに殺されるだけのような台詞なしのチョイ役「エキストラ」というカテゴリが存在する。
アバターは自分でカスタマイズしたとおりの服装で出演し,オンデマンド視聴にも登場するとのこと。カメオ・コンテストに当選できれば,格別な思い出になるだろう。
IPはパズルゲームをクリアすることでも得られる。「サイレントヒル」シリーズを思わせるパズルゲームが,日替わりで複数用意されるという。
また,主人公の希望はアクションシーンに失敗すると減少するが,「マインドフルネス」というミニゲームで増やせる。主人公の心を落ち着ける行為がテーマになっており,ギター演奏のミニゲームではシリーズファンならばお馴染みの「Promise」など,30曲をプレイできるそうだ。
そのほか,ライブ配信でスタンプを貼ったり,アクションシーンに参加することでもIPを獲得できる。とくにアクションシーンでは大量のIPを稼げるらしく,選択肢やカメオ・コンテストでアクティブに参加したい人は見逃せないだろう。
ライブ配信を視聴できなくても,オンデマンド視聴であればいつでも物語を楽しめる(投票やアクションシーンには参加できない)。選択肢が登場するシーンは「モーメント」として入手でき,あとから振り返ることもできるという。
また,毎週の展開を約45分にまとめたダイジェスト映像も配信されるため,これをチェックすれば途中参加もできそうだ。パズルゲームやマインドフルネスのミニゲームもいつでもプレイでき,IPや希望が加算されるとのこと。
主人公が死んでしまった場合,新たな主人公が登場し,物語は途切れることなく続いていく。ルートの組み合わせは1000以上に及ぶという。
視聴者の選択と介入によって物語は変化していき,最終的にエンディングを迎えることになる。その後,“2周目”の物語がスタートし,前回の選択肢が選べなくなっているため,新たな展開を楽しめるそうだ。
Navok氏によると,選択肢への参加,ミニゲームのプレイ,IPや希望の獲得といったコンテンツはすべて無料で体験できるとのこと。選択肢やミニゲームでキャラクターの運命に影響を与えながら,アドベンチャーゲームとは一味味違う体験ができる「SILENT HILL: Ascension」が気になる人はぜひ参加してみよう。
「SILENT HILL: Ascension」公式サイト
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