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[GDC 2024]Web3で日本のゲームを海外に。懐かしの2D格闘ゲームライクなビジュアルが目を引くNFTゲーム「TAT Rumble」
アメリカ・サンフランシスコのモスコーニ・コンベンションセンターにて2024年3月18日から22日まで(日本時間3月19日〜23日)開催されたGDC 2024でも,同会場のほか周囲のホテルやイベントスペースなどでプレゼンやミーティングが行われていた。
「TAT Rumble」は,日本のクラシックな格闘ゲームのようなグラフィックスとアニメーションを特徴とした“コレクティブル・アートゲーム”だ。ディレクターを「ドラゴンボール ドッカンバトル」制作メンバーのKARIN氏が,キャラクターデザインを逆転裁判シリーズで知られるアーティストの岩元辰郎氏がそれぞれ担当している。
本作でプレイヤーが挑むことになるのが,ルール無用の世界的な格闘技大会「Twelve Anonymous Tournament」。世界中のファイターたちが力と富,名声を競い合うその場所で,これまでのファイターたちの戦闘技術を収集しカスタマイズした自分だけのキャラクターを作成して挑み,トーナメントの頂上を目指す。
ゲームシステムは,日本のスマホゲームおなじみのデッキ構築をベースとし,スロットを回して絵柄を合わせることで技やコンボが発動する。画面上に表示された“1990年代の格ゲーライク”な2Dピクセルアートのキャラクターたちが,当時のようなアニメーションで技を繰り出し,迫力あるバトルシーンを演出する。
作品には「Web3の技術を使い,日本のコンテンツを海外に発信する」という大きなビジョンがあり,クラシックな格闘ゲームのアートスタイルやデッキ構築のゲームシステムの採用はそのコンセプトがあってのものでもある。
元より小川氏はDeNAやアカツキなどのゲームメーカーで主にコーポレート業務に携わってきた“ゲーム畑”の人。同じく本作にはゲーム開発に従事してきたメンバーがいるため,ゲームの設計や運営はもちろん,NFTゲームの課題であるゲーム性についてもしっかりと考えられているとのこと。ブロックチェーン要素の詳細は明かされていないが,スマホゲームがガチャを引かせるのではなく,ガチャを引きたいと思う仕組みが大事なように,まずゲームとしての遊びがあってのブロックチェーンという考えで設計されているそうだ。
サービスはiOSとAndroid向けに海外先行で行われ,本稿が掲載されるタイミングで2024年6月のリリースに向けた事前登録が始まる予定だ。
日本での展開について聞いてみると,「もちろん日本は,受け入れていただけるであろうゲームファンが多く,また市場としても重要な場所だと思っています。ただ本作は『日本のコンテンツを海外に』というチャレンジがまずありますから,これをある程度やり遂げてからですね。(同時展開だと)日本に甘えてしまうかもしれませんから(笑)」とのこと。
親しみあるビジュアルやゲームシステムで,日本のゲームファンも興味がわくであろう「TAT Rumble」。海外での成功を収め,“凱旋”という形で日本にやってくるか。まだ動き出したばかりのプロジェクトだが,今後の展開が気になるところだ。
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