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東京レトロゲームショウ2015:第13回「ブランディッシュ」で,地下からの脱出を目指してみる
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印刷2015/08/06 12:00

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東京レトロゲームショウ2015:第13回「ブランディッシュ」で,地下からの脱出を目指してみる

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今週のテーマ:ダンジョンではドジっ娘属性も命がけ

 そもそも“レトロゲーム”ってどのへんの時代まで? と聞かれても,うーん,あのへんかなあ,などと,やってるほうもイメージが固まりきっていないレトロゲームを紹介する人気連載「東京レトロゲームショウ2015」。今回は,当時のゲーマーに多大な影響を与えた「ブランディッシュ」を取り上げたい。

「プロジェクトEGG」で発売されているのは,1995年に発売された「ブランディッシュ リニューアル」。オート移動機能や超高速移動モードなどを搭載し,さらにHDDへのインストールや音源ボードPC-9801-86への対応も行われている
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ProjectEGG「ブランディッシュ リニューアル」紹介ページ



 「ブランディッシュ」は,1991年に日本ファルコムよりリリースされたPC-9801向けのアクションRPGだ。プレイヤーは,洞窟に落ちてしまった主人公アレス・トラーノスを操作し,地上へ脱出することが目的となる。洞窟とはいっても,塔っぽい場所とか,なんだか生きてるような要塞があったりとか,かなり複雑で,地上への旅路は長い。

 筆者は当時のPC雑誌の新作ニュースで本作のリリースを知ったのだが,画面写真を見た瞬間に「綺麗すぎる! ウソでしょ!」と驚いた記憶がある。にわかには信じられなかったものの,実際に遊んだらホントに雑誌に載っていままのゲーム画面で,さらにはオープニングでアニメーションまでしてしまうという,こちらの想像を上回るクオリティを見せつけられて驚愕したのだ。オープニングを見た回数は,多分「イースII」の次に多い。

オープニング画面より。たしかこのあたりの画像が雑誌で紹介されていた記憶があるが,とても16色で描かれたとは思えない
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このでかい影絵がモリモリ動き,当時は大変なショックを受けた
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 さてこのブランディッシュの何が面白いのかといえば,まず探索とマッピングが超楽しい。当時としては珍しいオートマッピングシステムが採用されており,さらに自分でマップを編集することも可能だ。RPGでダンジョンのすべてを探索し尽くしたいという欲望は,ゲーマーなら逃れられないはずだが,それを視覚的に表現してくれるので,探索のモチベーションが大いに上がるのだ。

 ただし,すべてを探索してマップの完成率を100%にするのは,相当難しい。行けないところがあったり,キーボードの「B」キーを押しながら特定の落とし穴に落ちると行ける隠しゾーンが存在したり(しかもノーヒント)など,常人にはかなり厳しい難度。筆者は達成どころか,そもそも90%ぐらいで諦めてしまった記憶がある。

ゲーム画面は見下ろし型。移動した部分が自動でマッピングされ,画面左下に表示されていくが,自分で描き込むことも可能だ
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とあるエリアで「B」キーを押しながら落とし穴に落ちると,隠しマップにたどり着ける。自力で発見できた人って,いるのだろうか?
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 また,高いアクション性も素晴らしい。PC-9801シリーズはスプライト機能がないため,キャラクターの動きはカクカクとしたものだったが,そんなことは気にもならない,十二分にアクションを楽しめる作り込みだったのだ。
 敵の攻撃をちょっと横に移動してかわしつつ,相手のほうを向いて攻撃し,すぐに逃げる……なんて戦法もごく普通に楽しめた。それぞれのボスも個性的で,大量に現れるザコ敵をジャンプでかわしつつ,ボスの正面からうまく斬りつけるというダイナミックな戦いも堪能できる。

 もちろん,謎解きも見逃せない。「サンゴの部屋」や「動くな!」など,考えればギリギリ分かりそうな絶妙な難度のヒント。そこから正しい行動を見つけ出せたときの嬉しさと達成感は,本作の大きな魅力だ。
 さらには,転がってくる大玉を回避する,タイミングよくジャンプする,といったアクションが要求される謎解きもあり,ちょっとしたインディ・ジョーンズ気分が味わえる。

分身するジジイ的な中ボス「ディンク」。雨のように飛んでくる魔法をかわしつつ攻撃するのだが,そのときのBGMがやたらカッチョイイ
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「近づいたら転がってきます」といわんばかりの大玉。「ブランディッシュ」の影の主役ともいえる存在だろう
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 このように,「ブランディッシュ」の冒険は終始ワクワクしっぱなしなのだが,一人旅で,割と孤独なアレスの冒険に一輪の花を添えるのが,ライバルにしてヒロインであるドーラ・ドロンだ。
 金髪でビキニアーマー着用の魔法使いという,属性てんこ盛りのキャラクターデザインだが,一番の魅力は「ドジっ娘」ということだろう。
 不幸なことに,本作の舞台はトラップ満載のダンジョンであり,落とし穴に落ちたり,大玉に追いかけられたりと,彼女はギャグ担当キャラでもあったのだ。そんなドーラの(自業自得な)薄幸ぶりが楽しめるのも,「ブランディッシュ」の大きな魅力だと思う。

アレスを師匠のカタキだと思い込んでつけ回す,ドーラ・ドロン。彼女との縁は,本作だけでなく「ブランディッシュ3 スピリット・オブ・バルカン」まで続くことになる
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 そんな「ブランディッシュ」だが,面白すぎたのでシリーズ化され,都合4作もリリースされた。そのうち,アレスの活躍を描いた「ブランディッシュ」「ブランディッシュ2 ザ・プラネット・バスター」「ブランディッシュ3 スピリット・オブ・バルカン」の3作品は,D4エンタープライズが運営中の「プロジェクトEGG」で入手可能だ。

そして落とし穴に落ちていくドーラ。「ブランディッシュ」では,割とよくある光景
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 また,主人公やゲームシステムを一新した「ブランディッシュVT」のPC移植版である「ブランデイッシュ4 眠れる神の塔」は現在,多数のサイトでダウンロード販売中なので,日本ファルコムの公式サイトをチェックするといいだろう。

 ちなみに,初代「ブランディッシュ」は2009年に「ブランディッシュ 〜ダークレヴナント〜」としてPSP向けにリメイクされているため,PSPをお持ちであるなら,こちらのほうが遊びやすいかもしれない。筆者はこのリメイクに歓喜し,当然“2”や“3”のリメイクも待ち望んでいたのだが,気がついたら音沙汰がないまま6年ぐらい経ってしまった。
 この記事を読んだ100万人(推定)の4Gamer読者が全員「よっしゃ,面白そうだから買うぜ!」という流れになれば,きっとそれらもリメイクされると思うので,なんかそんな未来を希望してまーす。

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