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アクションRPG「デウスエクス」のプレゼンテーションレポートと開発スタッフインタビューを掲載。4つのアプローチを自由に組み合わせて目標達成だ!
「デウスエクス」(PlayStation 3/Xbox 360)は,スクウェア・エニックスが,北米で2011年に発売を予定しているRPGだ(※日本での発売日は未発表)。本作は,2000年に発売された第1作「Deus Ex」,2003年の「Deus Ex: Invisible War」に続くシリーズ第3弾にあたるが,物語やシステムなどを一新した完全新規IPとして制作が進められており,開発はスクウェア・エニックスのグループ会社であるEidosのモントリオールスタジオが行っている。
今回4Gamerでは,モントリオールスタジオから来日した開発スタッフ3名によるプレゼンテーションを受ける機会を得たので,その内容をさっそく紹介しよう。
・チーフプロデューサー David Anfossi氏
・ゲームディレクター Jean-Francois Dugas氏
・アートディレクター Jonathan Jacques-Belletete氏
デモは主人公のアダム・ジェンセンが,彼が警備を担当するバイオ企業「サリフ・インダストリー」に対して行われた襲撃を,未然に防止した直後からスタートする。同社は人体拡張技術「オーグメンテーション」で業績を伸ばしており,オーグメンテーション反対派からさまざまな攻撃を受けているのだ。
今回の襲撃事件では,驚いたことに反対派グループのメンバーの身体にオーグメンテーションが施されていることが明らかになった。メンバーの遺体は現在,市警察の安置所に収容されている。アダムの目的は,警察署に潜入して襲撃犯の遺体を調査することだ。
デウスエクスでは「コンバット」「ステルス」「ソーシャル」,そして「ハッキング」という4つのアプローチを組み合わせてゲームを進めていくことになるが,今回のデモプレイでは,警察署に潜入し安置所に至るまでの過程を,それぞれのアプローチをフィーチャーした3つの異なるパターンで攻略する様子を見せてもらった。
「デウスエクス」公式サイト
■ひたすら銃撃戦「コンバット」
まず,コンバットで攻略するパターンは,警察署内にいる警官を片っ端から撃ちまくり,ロックを破壊して強行突破していくというもの。
このデモプレイでは,どこに警官がいるかを透視できるオーグメンテーションや,リボルバーの弾丸を爆発させ,大きなダメージを与えるオーグメンテーションなども紹介された。また,とある銃器を入手すれば,敵を気絶させることが可能になり,誰も殺すことなくゲームを進行できるという。
■口八丁でなんとかする「ソーシャル」
ソーシャルの攻略パターンは,警察署内のNPCと会話して,情報を入手したり,説得/懐柔をしたりしながらゲームを進行するというものだ。
ただしこのパターンは,ケースに応じて使えるときと,そうでないときがある。今回は使用しなかったが,ソーシャルに関するオーグメンテーションも用意されており,それを使って説得を有利に進めることもできるとのこと。説得に失敗した場合もゲームオーバーになることはなく,別の攻略パターンやアプローチを模索することになる。
まずアダムは警察署の玄関先にいる警官から,かつての知り合いが署内で働いているという情報を入手する。さらに,署内でその知り合いに会い,過去の出来事を持ち出して説得して署内を自由に探索する権利を得る。とはいえ,コンピュータのハッキングなど怪しい行動をとっているところを見つかった場合には,大変な事態に発展するかもしれないとのこと。
また,NPC同士の会話にゲーム内のヒントが隠されている場合もある。ここでは,上記の,相手を殺傷せずに気絶させられる銃が警察署内のどこかに置いてあるという会話が聞こえてきた。
■光学迷彩を使う「ステルス」と,ミニゲームによる「ハッキング」
ステルスおよびハッキングを駆使するパターンでは,光学迷彩を駆使し,物陰に身を隠したり,通風口や天井裏,下水道などを進んだりしながら目的達成を目指す。さらに,オーグメンテーションを使って筋肉を増強し,重い土台を動かしたり,ジャンプ力を高めてフェンスを乗り越えたりする様子も紹介された。
なお,場合によっては,裏口などが用意されており,わざわざオーグメンテーションを使わなくとも進行できることもある。
ドアなどのロックは,ハッキングによって解除していく。具体的にはハッキング専用のミニゲームをクリアすることになるのだが,ハッキングのオーグメンテーションを強化して成功率を高めることも可能だ。注意しなければならないのは,このミニゲームをプレイしている最中であってもゲーム内の時間は進んでいるという点。したがってモタモタしていると,ハッキングしているところを誰かに見つかってしまう恐れがある。
さらにゲームを進めると,あらかじめ特定のウイルス入りプログラムなどを入手していないとハッキングできない複雑なロックも登場するという。
今回のプレゼンでは,デウスエクスの自由度の高さを分かりやすく紹介するために,3つのパターンを明確に分けたデモプレイが披露されたが,実際にはそれぞれを混在させたゲーム進行になると予想される。
すなわち,まずステルスで警察署内に侵入し,ある程度進行したところで何かをやらかした結果,警官に発見され,強行突破せざるを得なくなるといった感じだ。なおステルス中などに発見された場合であっても,オーグメンテーションやゲーム内のギミックを駆使してうまく逃げおおせることができれば,引き続きステルスでゲームを進行することも不可能ではない。
目的達成のためのルートは,ほとんどの場合で複数用意されているので,状況の許す限り,広く探索を進めておいたほうがゲームの奥深さを堪能できそうだ。
またプレゼン終了後,Eidos モントリオールスタジオから来た3名の開発者に,10分程度ではあるが話を聞くことができた。その模様をお伝えしておこう。
モントリオールスタジオの開発者にミニインタビュー
4Gamer:
デウスエクスは,シリーズ第1作の特徴を非常によく再現していると感じました。今回,あらためてデウスエクスを企画/開発するに至った経緯を教えてください。
私達は,2007年にEidosのモントリオールスタジオを設立しました。モントリオールには,非常に多くの競合スタジオが存在していますので,優れた人材を獲得するためには,大きなプロジェクトが必要です。優れたフランチャイズ,優れたIPの存在ですね。それがDeus Exシリーズだったわけです。
4Gamer:
なるほど。それではデウスエクスが,オリジナルの第1作と異なっている点はどこでしょう?
第1作のDeus Exは,リリースされてから10年が経ちます。カルト的な人気を持った作品とは呼べますが,一般的であるとは言い切れないと思います。今回,10年前のDeus Exを知らないプレイヤーに向けて「新たなIP」という位置付けで制作しています。オリジナルの持つ面白さをキープしつつ,現代的なアレンジを加えるという方向性ですね。
新たな面としては,オーグメンテーションを大きくフィーチャーしたことが挙げられます。また,オリジナルと同様,プレイはほぼ一人称視点で進みますが,ここに三人称視点のシネマチックな演出も導入しました。従来作のプレイヤーも,これまでとは違った新しいゲーム体験が得られるのではないでしょうか。
4Gamer:
Gamescom2010で,その三人称視点の演出を見せてもらったのですが(関連記事),すごく格好よくてビックリしました。
Jean-Francois Dugas氏:
シリーズとして基本路線は変わっていないのですが,より臨場感のある,華麗なゲームに仕上げようとしています。
私達は以前のIP(デウスエクス)が“再生された”“再び生まれた”という捉え方をしているんです。一部を除いてキャラクターもストーリーも新しくなっていますから,これまでのシリーズ作品を知らなくとも問題はありません。とはいえ,従来作ともほんの少しリンクしていますので,それに気がついてニヤリとするプレイヤーもいるかもしれませんね。
ゲーム業界では,この10年の間にビジュアル面で大きな変革がありました。それを踏まえて,デウスエクスでは自分達ならではのビジュアルに挑戦しています。シリーズ従来作との共通面は多いですが,その中に私達の解釈を含めています。
4Gamer:
近未来の都市のビジュアルが,非常に美しいですね。
Jonathan Jacques-Belletete氏:
ありがとうございます。そういった,いわゆるサイバーパンク的な表現はうまくできたんじゃないかと自負しています。
4Gamer:
少し細かいことを聞きますが,オーグメンテーションは何種類くらいあるんですか?
Jean-Francois Dugas氏:
まだ詳細はお伝えできませんが,かなりの数を予定しています。ミッションなどをクリアすることで新しいオーグメンテーションを入手したり,あるいは既存のものを強化したりしていきます。
4Gamer:
それでは最後に,デウスエクスに期待している日本のゲームプレイヤーにメッセージをお願いします。
David Anfossi氏:
デウスエクスは,4年もの時間をかけて,開発してきたタイトルです。我々にとっては丹精を込めて育てた子どものような存在ですから,皆さんにプレイしていただける日を楽しみにしています。新しい体験ができることを保証しますので,ぜひプレイしてみてください。
Jean-Francois Dugas氏:
力強いキャラクターとストーリー,そして引き込まれるような世界観を求める人であれば,きっとデウスエクスを素晴らしいゲームだと評価してくださると思います。北米の人間としては,日本の皆さんがこのゲームをどう受け止めてくださるか不安な部分もあるのですが,ぜひ期待してください。
Jonathan Jacques-Belletete氏:
現在,北米ではフォトリアルなビジュアルを志向するゲームが非常に多くなっています。その中で私達は,独自のビジュアルを模索してきました。私自身,日本のマンガやアニメのファンで,それらに非常に大きな影響を受けています。デウスエクスでは,北米と日本のそれぞれの特徴をミックスしたビジュアルを見ていただけると思います。
4Gamer:
本日は,ありがとうございました。
- 関連タイトル:
デウスエクス 日本語版
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デウスエクス
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デウスエクス
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