インタビュー
[OGC2008#05]中学校や高校にゲーム部を作る? 電通スポーツ事業局の平方 彰氏が語るe-Sportsのあるべき姿とは
2007年11月の発表,そして続く12月に行われた設立記念イベント「e-Sports日韓戦」以後,その動向が注目された同団体だが,4Gamerでは,3月14日の講演に先駆けて,JESPAの委員長補佐である電通スポーツ事業局の平方 彰氏にインタビューを行った。電通で20年にわたって既存のスポーツ産業に携わってきたという平方氏。そんな氏の視点で捉えるe-Sportsとは? そしてスポーツコンテンツとしてのe-Sportsのあり方とは? なかなかに興味深い話が聞けた。
まず始めに,“そもそも”のお話なのですが,電通として,あるいはスポーツ事業局として,e-Sportsというものに携わることになった経緯を教えて下さい。
平方彰氏:
そうですね。まぁここは皆さんも「なんで電通が?」と気になっている部分だとは思います。事の発端からお話ししますと,やはり「アジア室内競技大会」の競技に,e-Sportsが正式種目として採用された,というのが最も大きな理由になります。これは,アジアオリンピック評議会(OCA)という団体が主催している競技大会なのですが,そのOCAの日本における唯一のエージェントが電通でして,彼らから「日本からの参加はないのか?」などというお話を頂いていたわけです。
※ちなみにアジア室内競技大会では,2007年からチェスも公式種目として採用されている
4Gamer:
なるほど。
平方彰氏:
またアジア室内競技大会に出場するには,日本オリンピック委員会(JOC)からの選手派遣が必要となるのですが,そのJOCのマーケティング全般を手伝わせて頂いているのも電通になります。そのつながりで,e-Sportsが正式種目に採用されたことに関して,JOCといろいろと連絡を取り合あっていまして,結果,JESPAのような組織が必要だろうと。
実を言うと,私どもが行動を起こすに際しては,コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の方などにお話を伺いに行ったりもしました。しかしCESAからは「一企業(タイトル)のメリットになりかねない活動はできない」というようなお返事を頂いたので,「じゃあ,やっぱりウチでやろうか」となりました。
4Gamer:
ええと,要するに電通としては,e-Sportsにビジネス的な可能性を感じて云々というところが話の発端ではない,ということなのでしょうか。
平方彰氏:
うーん。(腕組みをして)
これは非常に難しい部分なんですね。現在の日本において,e-Sportsがまだまだ魅力的なコンテンツになり得ていないのは歴然たる事実ですし,例えば,協会の設立運営うんぬんとなると,当然それなりの資金が必要になってくるのですが,協会に対するスポンサーがなかなか集まってくれないという現実もあるわけです。まぁe-Sportsは「まだ形になってないもの」なわけですから,本当にお金を投資してよいものだろうか?と企業サイドが躊躇してしまうのは,当然と言えば当然なんですけど。
4Gamer:
そうした環境の中で,e-Sportsに取り組んでいく意味/意義とは何なのでしょう?
平方彰氏:
現状はこのさい置いておくとして,今後,e-Sportsというものが“スポーツコンテンツ”として大きな可能性を秘めていることは確かだろうなと考えているんですよ。それは,野球やサッカーといった既存のスポーツと比べて,e-Sportsが圧倒的に参加しやすい(ゲーム機があればどこでもできる)競技であるという一点をとっても,明らかだろうと。とくに日本は1億人からの人口があって,ゲームやコンピュータに対するリテラシーも高いわけですから,その潜在的な需要/可能性というのは確実にあると思うんですね。
そうなると,じゃあなんでこれまで日本ではそういう文化(e-Sports)が流行ってこなかったんだ?って話になると思うのですが,そこは認知度の問題であったり,ゲームに対するネガティブイメージであったりするわけで。だから,まずそこを改善していきましょうという。
4Gamer:
具体的な方策は何かあるのでしょうか。
平方彰氏:
以前の発表などでもお話しさせて頂きましたが,まずは2009年のアジア室内大会に向けての準備,ということになりますね。ただ,これはどちらかといえば,あくまでも「協会としてやらなくちゃいけないこと」であって,我々が「やりたいこと」とは少し方向性が違う,という思いもありますが(笑)。
4Gamer:
やりたいこと,ですか。
平方彰氏:
ええ,というのも,私も現状のe-Sportsの大会をいくつか見て回ったわけですけれど,例えば,現状のままの路線でe-Sportsが発展していったときに,e-Sportsというものが揺るぎない“スポーツコンテンツ”になるだろうか? と言われれば,私は間違いなく「No」だと思うんですね。
正直な話,今の流れのまま進めていっても,それなりの労力なりコストを支払って取り組んでいけば,日本なら海外で流行っている程度のレベルには,発展していくんじゃないかという気持ちはあります。先ほどもお話したように,日本にはそれだけの下地があるわけですから。ただ,じゃあそれがサッカーのように世界を巻き込んだ大きなコンテンツ,ムーブメントに発展していくのか? というと,やはり難しいだろうと。
4Gamer:
それはなぜですか?
これはスポーツ産業の観点からのお話になるのですが,一つには,e-Sportsの世界には,まだゼネラル・ルールがないという点が挙げられます。例えば,e-Sportsの種目として人気が高いと言われる「Counter-Strike」にしても,いくつかのバージョンが存在して,それだけプレイヤーが分散してしまっているわけですよね。例えば,サッカーに2005年バージョン,2008年バージョンみたいなのがあって,ルールやプレイヤーが分断されてしまっていたら,やっぱりそれは競技としては成り立たないんです。もちろん,これは極論ではありますが,競技(スポーツ)として捉えたときに,固定化されたルール(タイトル)がないというのは,大きな問題点といいますか。
4Gamer:
そのあたりは,新作をプレイヤーに売り込みたいゲームメーカー側(≒スポンサー)の思惑と,大会/プレイヤーの思惑とで行き違いが起きやすい話ですよね。
平方彰氏:
現在の流れだと,どうしてもタイトル主導というか,ゲームメーカー主導という流れを感じざるを得ませんよね。ただ,大会のスポンサーとしてゲームメーカーが入ってきてしまうと,どうしてもそのメーカーの色がついてしまう。より健全な意味での“理想のスポーツコンテンツ”を目指すのであれば,このあたりが大きな問題であるのは確かだと思いますよ。
4Gamer:
しかしそうなると,ゲームメーカーとの距離をどうするのか? あるいはJESPAのスポンサーをどこに求めるべきか? といった部分に波及していくと思うのですけど,そのあたりはどうお考えなのでしょうか。いわゆる「e-Sportsイベント」を自社タイトルの広告媒体と捉えているゲームメーカーは少なくないと思うのですが。
平方彰氏:
そうですね。まぁスポンサーに関しては,やはりゲームメーカー以外に求めるのが理想だとは考えています。やはり,ゲームメーカーさんがお金を出して……という興業のスタイルは,スポーツコンテンツとしてはちょっと考えにくい。
ただ,ゲームメーカーさんとの距離/付き合いはなかなか難しいわけですが,さっき言った「理想のスポーツコンテンツを目指す」というところでは,ゼネラル・ルール……つまりは“e-Sports専用の共通規格としてのゲームタイトル”を開発する,といった方向性で協力していくという可能性もあるかなと考えています。
4Gamer:
e-Sports専用のゲームタイトル,ですか。
平方彰氏:
そう。それも「日本発」のタイトルを作る場合,ですけどね。これは,さっき言った「やりたいこと」という話になるんですけど,本当いうと,そういう方向が「一番やりたいこと」なんですよ(苦笑)。
例えばの話なんですけど,「サッカーでは,アディダスの作ったこのボールを使わなければサッカーじゃない!」みたいな話があったとして,みんながそれで納得するか?というと,当然しないわけなんですよ。だから,ボールの重さや大きさみたいな規格(ゼネラル・ルール)は,別途International Federation(国際連盟)みたいなところが制定して,スポーツ用品のメーカーなどは,その決まりの中で商品やブランドを競争しあうわけです。
4Gamer:
ゲーム(e-Sports)にも,そういった仕組みが必要だと?
平方彰氏:
ええ。以前にInternational E-sports Festivalというイベントに参加させてもらったことがあって,そのときにe-Sportsの関係者ともいろいろと意見交換をさせてもらったんですが,彼らが口を揃えて言うのが,「e-Sportsにおける国際連盟の必要性」なんですよね。みんな「絶対必要だよね」と言うわけです。
4Gamer:
現状,e-Sportsの国際連盟を作ろう!という動きはあるんですか?
平方彰氏:
いや,実はそれがなかなか難しい。みんな「必要だ」とは思っているんですけど,彼らは彼らでいろいろなしがらみがあって,e-Sports先進国と言われる国の人達こそ,逆に動きづらいという雰囲気さえ感じるといいますか。
4Gamer:
それはなぜなんでしょうか?
平方彰氏:
例えば韓国であれば,すでにStarCraftのプロリーグがあって,またその放映権ビジネスがすでに確立されていて……みたいな「しがらみ」があるわけです。そんな状況の中で,ゼネラル・ルール(タイトル)として,これからはこっちのタイトルです! みたいな話になってしまうと,既得権益じゃないけど,すでにビジネスをしている人達にとっては不都合になるんですよね。
4Gamer:
要するに,韓国的にはStarCraftでも,ほかの国は違うものをゼネラル・ルール(タイトル)としたい,みたいな話ですか。
平方彰氏:
まぁStarCraftに話は限りませんが,そういうことです。
日本がe-Sports後進国であるとか,e-Sportsの人気がまだ全然ないというのは事実なんですけれど,今後,e-Sportsのゼネラル・ルールを作っていく/作っていかなければならないという観点からすれば,これは逆にメリットでもあるかな? という気持ちがあるんですね。だって,そういう「しがらみ」なんてなんにもありませんから(笑)。自由に理想論を追い求めることだって可能なんです。
実のところ,いわゆる世界的な人気を誇るスポーツの中で,国際連盟が「日本からスタートした」ものって,まだ一つもないという事実があるんですよ(※注)。なので,JESPAの委員長である西村さん(衆議院議員 西村康稔氏)ともよくお話するのは,「できれば,日本発の国際連盟化を目指したいよね!」みたいなことだったりするわけで。
※あとで調べてみて分かったのだが,国際柔道連盟さえ欧州柔道連盟が前身のようだ
4Gamer:
なるほど。正直な話,個人的には「なんでここで衆議院議員の人が出てくるのだろう?」と発表会のときに違和感を感じてしまった記憶があるんですけれど,そういう方向性だったんですね。
平方彰氏:
ええ。
ただ,先ほどもお話ししましたけど,これはあくまで「理想論」であって,協会として当座やっていかなければならない活動(2009年のアジア室内への選手派遣など)とは,分けて考えなければならないとは思います。でも「やりたい」ことは,あくまでこういう方面なんです。
日本は,世界屈指のゲーム大国ですから,そういうことができる土壌は十分にあると考えていますし,逆にゼネラル・ルールとなり得るほどのゲームの開発などに関しては,日本じゃないとできないことだろうとも思います。まぁ,どこ/誰がそのゲームを作るのか? その開発費はどうするのか? など,解決しなければいけない課題も山積みなんですけどね。
4Gamer:
確かに。でも理想論でいえば,まったくお話のとおりだと思います。
ただ現在のJESPAって,具体的に人員がアサインされたりだとか,組織としての形は出来てきているのでしょうか?
平方彰氏:
いえ,まだ全然。本当にこれからですね。だから,現段階であまり大上段にぶち上げちゃうのも良くないとは思うんですが……(苦笑)
現時点で決まっているのは,JESPAの委員長として西村康稔さん,委員長補佐を私とエンターブレインの浜村弘一さんが担当するというほか,顧問を(元総理大臣の)森 喜郎さんにやって頂くというあたりが決定しています。あとは,「スポーツ議員連盟」の一員である衆議院議員の馳浩さんに理事をやって頂くことも決まっていますね。
4Gamer:
森元総理が顧問ですか。
平方彰氏:
ええ。それと実務を取り扱うという意味では,ソニーミュージックコミュニケーションズ,エンターブレイン,そしてこれまでe-Sportsの発展に力を尽くしてきたGoodPlayer.jpの方々,事務局としてはそういったパートナーさんと協力してやっていくような体制を考えています。
4Gamer:
なるほど。
しかし,そういう政治家の方々が名乗りを挙げてくるからには,教育機関であるとか,いわゆる公共サービスへの働きかけなどという可能性もあるのでしょうか?
平方彰氏:
うーん……可能性の一つとして言わせてもらうなら,例えば「中学校や高校にe-Sports部を作る」みたいな取り組みも,今後はあり得るのではないかと考えています。
4Gamer:
確かに将来,コンピュータを使った競技が一定数普及していった場合,将棋部はOKで,e-Sports部はなんでOKじゃないのか? みたいな話は出てきても不思議ではないですね。
平方彰氏:
ゲーム/e-Sportsを社会的に認知させていくという意味では,非常に有効な方法ではありますよね。
実を言うと,少し前にとあるTV局からも取材を受けたんですけど,そのときに引き合いとして「ロボット甲子園」の話をさせて頂いたんです。ちょっと毛並みが違うものかもしれませんけれど,個人的には,ああいった方向性もアリなのかと思ったりもしているんですよね。
4Gamer:
なるほど,ロボット甲子園ですか。確かにそれだとちょっと“健全なイメージ”が湧きますね(笑)
平方彰氏:
そうでしょう?(笑)
あれも小さなところからスタートして,今の規模や認知度があるわけですから,ゲームを使った競技という意味では,それこそいろんな形/可能性が考えられると思います。まぁ,我々がe-Sports……要するに“スポーツ”という言葉を使っている手前,e-Sports部が文化系なのかどうかみたいな議論はあるんですけど。
4Gamer:
なるほど。
これまでゲームというと,ただ「娯楽」のためだけの存在としてしか認知されていなかったわけですが,私達は,そこに遊びだけじゃない「競技」としての価値を付加していきたいと考えています。例えば,サッカーにアマチュアサークルやフットサルで遊んだりといったレクリエーションの側面があると同時に,技を競い合う競技としての側面があるように,ゲームにも,遊びの側面のほかに,その一つ上の「競技」としての側面があってよいのではないか,と。
まだまだこれからというところが多いJESPAではありますが,協力してくださるパートナーさん達と共に,一歩一歩前進していければと思います。
4Gamer:
本日はありがとうございました。今後の活動に期待しております。
さて,今回のインタビューで筆者が強く感じたのは,平方氏が,想像以上に広い視野でe-Sportsというものを捉えていた点だ。e-Sportsというと,悪い言い方をすれば「海外で流行ってます。だから日本でも」というような議論に終始しがちなテーマでもあったわけだが,平方氏が言うように,「日本では,まだまだ魅力的なコンテンツになり得ていない」という厳しい現実があるのも確かである。ただそれを踏まえたうえで,平方氏が「やりたいこと」と「やらなければいけないこと」を分けて語っていたのが,筆者としては非常に印象的であった。
昨今,「シリアスゲーム」に関する論考や東京大学の馬場章教授の“オンラインゲームの教育への応用”といった事例にも見られるとおり,ゲームを単なる“娯楽”と見るのではなく,さまざまな可能性を持つ“メディア”として捉えよう,という機運が高まっているわけだが,この観点でe-Sportsというものを見つめてみると,実はこれも,そういった活動の一環と捉えられる。
現在の段階で,学校にゲーム部を! というと,多くの人は「普通の娯楽ゲーム」を連想しながら,「ええっー?」と思うかもしれない。しかし,いわゆる「コンピュータ処理を使った競技」という意味でならば,それは将来的には十分「あり得る」話であり,スタートレックに出てくる未来っぽいスポーツよろしく,今後何かしら「そういうもの」が出てくる可能性は高いといってもよい。まぁ問題は,それが5年後なのか50年後なのか,というところなのだが。
いずれにせよ,今回の平方氏の話は,海外では大きなe-Sports大会が開かれていて云々みたいな話とは,ちょっと分けて考えたほうがよいだろう。引き合いに出したシリアスゲームのように,ゲームの,メディアとしての可能性の一つに,e-Sportsという形もある,という話なのだから。
氏の言う「理想論」がいつ形になるのかはまだ分からない。ただ柔道やテニスといった既存のスポーツでさえ,国際連盟の組織化から国際的な競技へと発展していくのに,数十年という歳月を必要としていたわけで,議論を急ぐべきものではないのかもしれない。
- 関連タイトル:
ハーフライフ:カウンターストライク正式ライセンス版
- 関連タイトル:
カウンターストライク:ソース
- 関連タイトル:
カウンターストライクオンライン
- 関連タイトル:
ウォークラフト III 日本語版
- 関連タイトル:
ウォークラフトIII:フローズン・スローン
- 関連タイトル:
StarCraft II: Wings of Liberty
- 関連タイトル:
StarCraft II: Wings of Liberty
- この記事のURL:
キーワード
- PC:ハーフライフ:カウンターストライク正式ライセンス版
- FPS
- PC
- サイバーフロント
- 北米
- PC:カウンターストライク:ソース
- PC:カウンターストライクオンライン
- PC:ウォークラフト III 日本語版
- PC:ウォークラフトIII:フローズン・スローン
- PC:StarCraft II: Wings of Liberty
- Valve
- インタビュー
- イベント
- 業界動向
- RTS
- Online Game & Community Service conference 2008(OGC 2008)
- カメラマン:kiki
- 編集部:TAITAI
- MAC
- MAC:StarCraft II: Wings of Liberty
(c) 2004 Valve Corporation. All rights reserved. Counter-Strike, the Counter-Strike logo, Valve, the Valve logo, Steam, the Steam logo, and Half-Life are trademarks or registered trademarks of Valve Corporation.
(C)2005 Valve Corporation. All rights reserved. Valve, the Valve logo, Half-Life, the Half-Life logo, the Lambda logo, Steam, the Steam logo, Team Fortress, the Team Fortress logo, Opposing Force, Day of Defeat, the Day of Defeat logo, Counter-Strike, the Counter-Strike logo, Source, the Source logo, Valve Source and Counter-Strike: Condition Zero are trademarks and/or registered trademarks of Valve Corporation.
Copyright (c) 2008 NEXON Korea & Valve Corporation, All Rights Reserved.
Valve, Counter-Strike and Counter-Strike Online are trademarks, registered trademarks, or applied trademarks of Valve Corporation.
(C) 2002 Blizzard Entertainment. All rights reserved.
(C)2002-2004 Blizzard Entertainment. All rights reserved. Blizzard is a trademark, and Battle.net, Blizzard Entertainment, The Frozen Throne and WarCraft are trademarks or registered trademarks of Blizzard Entertainment in the U.S. and/or other countries. Windows is a trademark or registered trademark of Microsoft Corporation in the U.S. and/or other counties. All other trademarks referenced herein are the trademarks of their respective owners.
(C)2007 Blizzard Entertainment. All rights reserved.
(C)2007 Blizzard Entertainment. All rights reserved.